皮膚と心 太宰治(4/5)
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問題文
(そのひは、あのひともおしごとをやすんで、しんぶんのこうこくしらべて、わたしもせんに)
その日は、あの人もお仕事を休んで、新聞の広告しらべて、私もせんに
(いち、にど、なだけはきいたことのあるゆうめいなひふかせんもんのおいしゃにみてもらう)
一、二度、名だけは聞いたことのある有名な皮膚科専門のお医者に見てもらう
(ことにきめて、わたしは、よそいきのきものにきがえながら、「からだを、みんな)
ことにきめて、私は、よそ行きの着物に着換えながら、「からだを、みんな
(みせなければいけないかしら」「そうよ。」あのひとは、とてもじょうひんにほほえんで)
見せなければいけないかしら」「そうよ。」あの人は、とても上品に微笑んで
(こたえました。「おいしゃを、おとことおもっちゃいけねえ。」わたしはかおをあかくしました。)
答えました。「お医者を、男と思っちゃいけねえ。」私は顔を赤くしました。
(ほんのりとうれしくおもいました。そとへでると、ひのひかりがまぶしく、わたしはじしんを)
ほんのりとうれしく思いました。外へ出ると、陽の光がまぶしく、私は自身を
(いっぴきのみにくいけむしのようにおもいました。このびょうきのなおるまでよのなかをまっくらやみの)
一匹の醜い毛虫のように思いました。この病気のなおるまで世の中を真暗闇の
(しんやにしておきたくおもいました。「でんしゃは、いや。」わたしは、けっこんしてはじめて)
深夜にして置きたく思いました。「電車は、いや。」私は、結婚してはじめて
(そんなぜいたくなわがままいいました。もうふきでものがてのこうにまでひろがってきて)
そんな贅沢なわがまま言いました。もう吹出物が手の甲にまでひろがって来て
(いて、いつかわたしは、こんなおそろしいてをしたおんなのひとをでんしゃのなかでみたことが)
いて、いつか私は、こんな恐ろしい手をした女のひとを電車の中で見たことが
(あって、それからは、でんしゃのつりかわにつかまるのさえふけつで、うつりはせぬかと)
あって、それからは、電車の吊革につかまるのさえ不潔で、うつりはせぬかと
(きみわるくおもっていたのですが、いまはわたしが、そのいつかのおんなのひとのてとおなじ)
気味わるく思っていたのですが、いまは私が、そのいつかの女のひとの手と同じ
(ぐあいになってしまって、「みのふうん」というぞくなことばが、このときほどほねみに)
工合になってしまって、「身の不運」という俗な言葉が、このときほど骨身に
(とおるしたことはございませぬ。「わかってるさ。」あのひとは、あかるいかおをして)
徹したことはございませぬ。「わかってるさ。」あの人は、明るい顔をして
(そうこたえ、わたしを、じどうしゃにのせてくださいました。つきじから、にほんばし、たかしまやうらの)
そう答え、私を、自動車に乗せて下さいました。築地から、日本橋、高島屋裏の
(びょういんまで、ほんのちょっとでございましたが、そのあいだ、わたしはそうぎしゃにのっている)
病院まで、ほんのちょっとでございましたが、その間、私は葬儀社に乗っている
(きもちでございました。めだけが、まだいきていて、ちまたのしょかの)
気持でございました。眼だけが、まだ生きていて、巷《ちまた》の初夏の
(よそおいを、ぼんやりながめて、みちいくおんなのひと、おとこのひと、だれもわたしのように)
よそおいを、ぼんやり眺めて、路行く女のひと、男のひと、誰も私のように
(ふきでものしていないのがふしぎでなりませんでした。びょういんについて、あのひとと)
吹出物していないのが不思議でなりませんでした。病院に着いて、あの人と
(いっしょにまちあいしつへはいってみたら、ここはまたよのなかと、まるっきりちがった)
一緒に待合室へはいってみたら、ここはまた世の中と、まるっきりちがった
(ふうけいで、ずっとまえつきじのしょうげきじょうでみた「どんぞこ」というしばいのぶたいめんを、)
風景で、ずっとまえ築地の小劇場で見た「どん底」という芝居の舞台面を、
(ふいとおもいだしました。そとはしんりょくで、あんなに、まばゆいほどあかるかったのに、)
ふいと思い出しました。外は深緑で、あんなに、まばゆいほど明るかったのに、
(ここは、どうしたのか、ひのひかりがあってもうすぐらく、ひやとつめたいしっけがあって、)
ここは、どうしたのか、陽の光が在っても薄暗く、ひやと冷い湿気があって、
(すいにおいが、ぷんとはなをついて、もうじんどもが、うなだれて、うようよいる。)
酸いにおいが、ぷんと鼻をついて、盲人どもが、うなだれて、うようよいる。
(もうじんではないけれども、どこか、かたわのかんじで、ろうやろうばのおおいのには)
盲人ではないけれども、どこか、片輪の感じで、老爺老婆の多いのには
(おどろきました。わたしは、いりぐちにちかい、べんちのはしにこしをおろして、しんだように、)
驚きました。私は、入口にちかい、ベンチの端に腰をおろして、死んだように、
(うなだれ、めをつぶりました。ふと、このおおぜいのかんじゃのなかで、わたしがいちばんおもい)
うなだれ、眼をつぶりました。ふと、この大勢の患者の中で、私が一ばん重い
(ひふびょうなのかもしれない、ということにきがつき、びっくりしてめをひらき、)
皮膚病なのかも知れない、ということに気がつき、びっくりして眼をひらき、
(かおをあげて、かんじゃひとりひとりをぬすみみいたしましたが、やはり、わたしほど、)
顔をあげて、患者ひとりひとりを盗み見いたしましたが、やはり、私ほど、
(あらわにふきでものしているひとは、ひとりもございませんでした。ひふかと、)
あらわに吹出物している人は、ひとりもございませんでした。皮膚科と、
(もうひとつ、とてもへいきでいえないような、いやななまえのびょうきと、そのふたつの)
もうひとつ、とても平気で言えないような、いやな名前の病気と、そのふたつの
(せんもんいだったことを、わたしはびょういんのげんかんのかんばんで、はじめてしったのですが、)
専門医だったことを、私は病院の玄関の看板で、はじめて知ったのですが、
(それでは、あそこにこしかけているわかいきれいなえいがはいゆうみたいなおとこのひと、)
それでは、あそこに腰かけている若い綺麗な映画俳優みたいな男のひと、
(どこにもふきでものなどないようすだし、ひふかではなく、そのもうひとつのほうの)
どこにも吹出物など無い様子だし、皮膚科ではなく、そのもうひとつのほうの
(びょうきなのかもしれない、とおもえば、もうみんな、このまちあいしつに、うなだれて)
病気なのかも知れない、と思えば、もう皆、この待合室に、うなだれて
(こしかけているもうじゃたちみんな、そのほうのびょうきのようなきがしてきて、「あなた、)
腰かけている亡者たち皆、そのほうの病気のような気がして来て、「あなた、
(すこしさんぽしていらっしゃい。ここは、うっとうしい。」「まだ、なかなか)
少し散歩していらっしゃい。ここは、うっとうしい。」「まだ、なかなか
(らしいな。」あのひとは、てもちぶさたげに、わたしのそばにたちつくしていたのでした。)
らしいな。」あの人は、手持ぶさたげに、私の傍に立ちつくしていたのでした。
(「ええ。わたしのばんになるのは、おひるごろらしいわ。ここは、きたない。あなたが)
「ええ。私の番になるのは、おひるごろらしいわ。ここは、きたない。あなたが
(いらっしゃっちゃ、いけない。」じぶんでも、おや、とおもったほど、いかめしい)
いらっしゃっちゃ、いけない。」自分でも、おや、と思ったほど、いかめしい
(こえがでて、あのひとも、それをすなおにうけとってくれたようすで、ゆっくりと)
声が出て、あの人も、それを素直に受け取ってくれた様子で、ゆっくりと
(うなずき、「おめえも、いっしょにでないか?」「いいえ。あたしは、)
首肯《うなず》き、「おめえも、一緒に出ないか?」「いいえ。あたしは、
(いいの。」わたしは、ほほえんで、「あたしは、ここにいるのが、いちばんらくなの。」)
いいの。」私は、微笑んで、「あたしは、ここにいるのが、一ばん楽なの。」
(そうしてあのひとをまちあいしつからおしだして、わたしは、すこしおちつき、またべんちに)
そうしてあの人を待合室から押し出して、私は、少し落ちつき、またベンチに
(こしをおろしすっぱいようにめをつぶりました。はたからみると、わたしは、きっと)
腰をおろし酸っぱいように眼をつぶりました。はたから見ると、私は、きっと
(きざにきどって、おろかしいめいそうにふけっている)
キザに気取って、おろかしい瞑想《めいそう》にふけっている
(おばあちゃんじょしにみえるでしょうが、でも、わたし、こうしているのがいちばん、)
おばあちゃん女史に見えるでしょうが、でも、私、こうしているのが一ばん、
(らくなんですもの。しんだふり。そんなことば、おもいだして、おかしゅうござい)
らくなんですもの。死んだふり。そんな言葉、思い出して、可笑しゅうござい
(ました。けれども、だんだんわたしは、しんぱいになってまいりました。だれにも、ひみつが)
ました。けれども、だんだん私は、心配になってまいりました。誰にも、秘密が
(ある。そんな、いやなことばをみみもとにささやかれたようなきがして、わくわくして)
在る。そんな、いやな言葉を耳元に囁かれたような気がして、わくわくして
(まいりました。ひょっとしたら、このふきでものもーーとかんがえ、いっときにそうけだつ)
まいりました。ひょっとしたら、この吹出物もーーと考え、一時に総毛立つ
(おもいで、あのひとのやさしさ、じしんのなさも、そんなところからおこって)
思いで、あの人の優しさ、自信の無さも、そんなところから起って
(きているのではないかしら、まさか。わたしは、そのときはじめて、おかしなことで)
来ているのではないかしら、まさか。私は、そのときはじめて、可笑しなことで
(ございますが、そのときはじめて、あのひとにとっては、わたしがさいしょでなかったのだ)
ございますが、そのときはじめて、あの人にとっては、私が最初で無かったのだ
(ということにじっかんをもっておもいあたり、いてもたってもいられなくなりました。)
ということに実感を以て思い当り、いても立っても居られなくなりました。
(だまされた!けっこんさぎ。とうとつにそんなひどいことばもおもいだされ、あのひとを)
だまされた!結婚詐欺。唐突にそんなひどい言葉も思い出され、あの人を
(おいかけていって、ぶってやりたくおもいました。ばかですわね。はじめから、)
追いかけて行って、ぶってやりたく思いました。ばかですわね。はじめから、
(それがしょうちであのひとのところへまいりましたのに、いまきゅうに、あのひとが、)
それが承知であの人のところへまいりましたのに、いま急に、あの人が、
(さいしょでないこと、たまらぬほどにくやしく、うらめしく、とりかえしつかない)
最初でないこと、たまらぬ程にくやしく、うらめしく、とりかえしつかない
(かんじで、あのひとの、まえのおんなのひとのことも、きゅうにいろこく、むねにせまってきて、)
感じで、あの人の、まえの女のひとのことも、急に色濃く、胸にせまって来て、
(ほんとうにはじめて、わたしはそのおんなのひとをおそろしく、にくくおもい、これまでいちど)
ほんとうにはじめて、私はその女のひとを恐ろしく、憎く思い、これまで一度
(だって、そのひとのことおもってもみたことないわたしののんきさかげんが、なみだのわいて)
だって、そのひとのこと思ってもみたことない私の呑気さ加減が、涙の沸いて
(でたほどにざんねんでございました。くるしく、これが、あのしっとというものなので)
出た程に残念でございました。くるしく、これが、あの嫉妬というものなので
(しょうか。もし、そうだとしたら、しっとというものは、なんというすくいのない)
しょうか。もし、そうだとしたら、嫉妬というものは、なんという救いのない
(きょうらん、それもにくたいだけのきょうらん。いってんうつくしいところもないしゅうかいきわめたものか。)
狂乱、それも肉体だけの狂乱。一点美しいところもない醜怪きわめたものか。
(よのなかには、まだまだわたしのしらない、いやなじごくがあったのですね。わたしは、)
世の中には、まだまだ私の知らない、いやな地獄があったのですね。私は、
(いきてゆくのが、いやになりました。じぶんが、あさましく、あわててひざのうえの)
生きてゆくのが、いやになりました。自分が、あさましく、あわてて膝の上の
(ふろしきづつみをほどき、しょうせつぼんをとりだし、でたらめにぺえじをひらき、かまわず)
風呂敷包をほどき、小説本を取り出し、でたらめにペエジをひらき、かまわず
(そこからよみはじめました。ぼヴぁりいふじん。えんまのくるしいしょうがいが、いつも)
そこから読みはじめました。ボヴァリイ夫人。エンマの苦しい生涯が、いつも
(わたしをなぐさめてくださいます。えんまの、こうしておちていくみちが、わたしには)
私をなぐさめて下さいます。エンマの、こうして落ちて行く路が、私には
(いちばんおんならしくしぜんのもののようにおもわれてなりません。みずがひくきについて)
一ばん女らしく自然のもののように思われてなりません。水が低きについて
(ながれるように、からだのだるくなるようなすなおさをかんじます。おんなって、こんな)
流れるように、からだのだるくなるような素直さを感じます。女って、こんな
(ものです。いえないひみつをもっております。だって、それはおんなの「うまれつき」)
ものです。言えない秘密を持って居ります。だって、それは女の「生れつき」
(ですもの。どろぬまを、きっとひとつずつもっております。それは、はっきりいえるの)
ですもの。泥沼を、きっと一つずつ持って居ります。それは、はっきり言えるの
(です。だって、おんなには、いちにちいちにちがぜんぶですもの。おとことちがう。しごも)
です。だって、女には、一日一日が全部ですもの。男とちがう。死後も
(かんがえない。しさくも、ない。いっこくいっこくの、うつくしさのかんせいだけをねがっております。)
考えない。思索も、無い。一刻一刻の、美しさの完成だけを願って居ります。
(せいかつを、せいかつのかんしょくを、できあいいたします。おんなが、おちゃわんや、)
生活を、生活の感触を、溺愛《できあい》いたします。女が、お茶碗や、
(きれいながらのきものをあいするのは、それだけが、ほんとうのいきがいだからで)
きれいな柄の着物を愛するのは、それだけが、ほんとうの生き甲斐だからで
(ございます。こっこくのうごきが、それがそのままいきていることのもくてきなのです。)
ございます。刻々の動きが、それがそのまま生きていることの目的なのです。
(ほかに、なにがいりましょう。たかいりありずむが、おんなのこのふらちとふゆうを)
他に、何が要りましょう。高いリアリズムが、女のこの不埒《ふらち》と浮遊を
(しっかりおさえて、かしゃくなくあばいてくれたなら、わたしたちじしんも、からだが)
しっかり抑えて、かしゃくなくあばいて呉れたなら、私たち自身も、からだが
(きまって、どのくらいらくかしれないともおもわれるのですが、おんなのこのそこしれぬ)
きまって、どのくらい楽か知れないとも思われるのですが、女のこの底知れぬ
(「あくま」には、だれもさわらず、みないふりをして、それだから、いろんなひげきが)
「悪魔」には、誰も触らず、見ないふりをして、それだから、いろんな悲劇が
(おこるのです。たかい、ふかいりありずむだけが、わたしたちをほんとうにすくって)
起るのです。高い、深いリアリズムだけが、私たちをほんとうに救って
(くれるのかもしれませぬ。おんなのこころは、いつわらずにいえば、けっこんのよくじつだって、)
くれるのかも知れませぬ。女の心は、いつわらずに言えば、結婚の翌日だって、
(ほかのおとこのひとのことをへいきでかんがえることができるのでございますもの。ひとのこころは)
他の男のひとのことを平気で考えることができるのでございますもの。人の心は
(けっしてゆだんがなりませぬ。だんじょななさいにして、というふるいおしえが、とつぜんおそろしい)
決して油断がなりませぬ。男女七歳にして、という古い教えが、突然おそろしい
(げんじつかんとして、わたしのむねをついては、はっとおもいました。にほんのりんりというものは)
現実感として、私の胸をついては、はっと思いました。日本の倫理というものは
(ほとんどわんりょくてきにしゃじつなのだと、めまいのするほどおどろきました。なんでもみんな)
ほとんど腕力的に写実なのだと、目まいのするほど驚きました。なんでもみんな
(しられているのだ。むかしから、ちゃんとどろぬまが、めいかくにえぐられてあるのだと)
知られているのだ。むかしから、ちゃんと泥沼が、明確にえぐられて在るのだと
(そうおもったら、かえってこころがすこしすがすがしく、さわやかにあんしんして、こんなみにくい)
そう思ったら、かえって心が少しすがすがしく、爽やかに安心して、こんな醜い
(ふきでものだらけのからだになっても、やっぱりなにかといろけのおおいおばあちゃん、)
吹出物だらけのからだになっても、やっぱり何かと色気の多いおばあちゃん、
(とよゆうをもってじしんをびんしょうしたいきもちもおこり、ふたたびほんを)
と余裕を持って自身を憫笑《びんしょう》したい気持も起り、再び本を
(よみつつけました。いま、ろどるふが、さらにそっとえんまにみをすりよせ、)
読みつつけました。いま、ロドルフが、更にそっとエンマに身をすり寄せ、
(あまいことばをくちばやにささやいているところなのですが、わたしは、よみながら、ぜんぜんべつな)
甘い言葉を口早に囁いているところなのですが、私は、読みながら、全然別な
(きみょうなことをかんがえて、おもわずにやりとわらってしまいました。えんまが、このとき)
奇妙なことを考えて、思わずにやりと笑ってしまいました。エンマが、このとき
(ふきでものしていたら、どうだったろう、とへんなくうそうがわいてでて、いや、これは)
吹出物していたら、どうだったろう、とへんな空想が湧いて出て、いや、これは
(じゅうだいないでえだぞ、とわたしはまじめになりました。えんまは、きっとろどるふの)
重大なイデエだぞ、と私は真面目になりました。エンマは、きっとロドルフの
(ゆうわくをきょぜつしたにちがいない。そうして、えんまのしょうがいは、まるっきりちがった)
誘惑を拒絶したにちがいない。そうして、エンマの生涯は、まるっきり違った
(ものになってしまった。それにちがいない。)
ものになってしまった。それにちがいない。