【洒落怖】虫の恨み
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問題文
(とらうまになったはなしのひとつ。)
トラウマになった話の一つ。
(いまかんがえれば)
今考えれば
(あのころからおれはなにかにとりつかれてたのではないかとおもう。)
あの頃から俺は何かに取り憑かれてたのでは無いかと思う。
(しょうがくせいのとき、)
小学生の時、
(おれはむしをつかまえることにはまっていた。)
俺は虫を捕まえる事にハマっていた。
(しかし、)
しかし、
(つかまえるだけではなく、)
捕まえるだけでは無く、
(つかまえたむしのたいはんはぎゃくさつしてた。)
捕まえた虫の大半は虐殺してた。
(とんぼのはねをりょうがわからひきちぎったり、)
トンボの羽根を両側から引きちぎったり、
(ちょうのはねをはさみできって、)
蝶の羽根をハサミで切って、
(こいしといっしょにてーぷでまいてかわにしずめたり。)
小石と一緒にテープで巻いて川に沈めたり。
(いちばんおおかったのが、)
1番多かったのが、
(ばったとうのむしを)
バッタ等の虫を
(かまきりのくちにむりやりおしつけてくいころさせること。)
カマキリの口に無理やり押し付けて食い殺させる事。
(とうじのおれにとって)
当時の俺にとって
(これはごらくのいっかんだった。)
これは娯楽の一環だった。
(そんなるひ、)
そんなある日、
(おかしなことがおこった。)
おかしな事が起こった。
(がっこうにいくしたくをしていえをでると、)
学校に行く支度をして家を出ると、
(そこにはばらばらになったむしのしがいがたいりょうにころがっていた。)
そこにはバラバラになった虫の死骸が大量に転がっていた。
(きもちわるかったからすべてひろいあげ)
気持ち悪かったから全て拾い上げ
((とうじむしのしがいをすででさわることにていこうがなかった))
(当時虫の死骸を素手で触る事に抵抗がなかった)
(かわにぜんぶすてた。)
川に全部捨てた。
(それいこうおなじことはなかったが、)
それ以降同じ事は無かったが、
(すうじつごのよるにそれはおこった。)
数日後の夜にそれは起こった。
(まよなかにふとめがさめ)
真夜中にふと目が覚め
((おやがねつくのが12じすぎだから)
(親が寝付くのが12時過ぎだから
(おそらくそれよりあと))
恐らくそれより後)
(ふとめをひらいた。)
ふと目を開いた。
(するとずじょうになにかくろいかたまりがみえた。)
すると頭上に何か黒い塊が見えた。
(くらいのでよくみえなかったが)
暗いのでよく見えなかったが
(おれはそれをみたしゅんかんやばいものだとおもった)
俺はそれを見た瞬間ヤバいものだと思った
((ほんのうでさとったんだとおもう))
(本能で悟ったんだと思う)
(となりでねてるおやをおこそうかとおもったが、)
隣で寝てる親を起こそうかと思ったが、
(こえはでないからだはうごかない。)
声は出ない体は動かない。
(いわゆるかなしばりってやつにかかっていた。)
所謂金縛りって奴にかかっていた。
(きがついたときには、)
気が付いた時には、
(それはおれのかおのめのまえまでせまって、)
それは俺の顔の目の前まで迫って、
(おれのかおをのぞきこむようなかたちになっていた。)
俺の顔を覗き込むような形になっていた。
(それはからだのないなまくびのようなひとのかおで、)
それは体の無い生首のような人の顔で、
(めやくちにはむしのしがいがぎっしりつまっていたね。)
目や口には虫の死骸がぎっしり詰まっていたね。
(それからきおくがない。)
それから記憶がない。
(きがついたらあさになっていた。)
気が付いたら朝になっていた。
(いらいむしはころしてないし、)
以来虫は殺してないし、
(とらうまになってあおむけでねることができなくなった。)
トラウマになって仰向けで寝ることができなくなった。
(ごじつだんとかはない。)
後日談とかは無い。
(あまりこわくなかったらすまそ。)
あまり怖くなかったらスマソ。
(ただおれにとってはしゃれにならないほどこわかった。)
ただ俺にとっては洒落にならないほど怖かった。