きりぎりす 太宰治(3/4)

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きりぎりす 太宰治

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問題文

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(いまに、きっと、わるいことがおこる。あなたは、そんなぞくなこうさいなどなさって、)

いまに、きっと、悪い事が起る。あなたは、そんな俗な交際などなさって、

(それでせいこうなさるようなおかたでは、ありません。そうおもって、わたしは、ただ)

それで成功なさるようなお方では、ありません。そう思って、私は、ただ

(はらはらして、ふあんないちにちいちにちをおくっていたのでございますが、あなたは)

はらはらして、不安な一日一日を送っていたのでございますが、あなたは

(つまずかぬばかりか、つぎつぎと、いいことばかりがおこるのでした。)

躓《つまず》かぬばかりか、次々と、いい事ばかりが起るのでした。

(わたしがまちがっているのでしょうか。わたしのははも、ちょいちょいと、このいえへたずねて)

私が間違っているのでしょうか。私の母も、ちょいちょいと、この家へ訪ねて

(くるようになって、そのたびごとに、わたしのきものやらちょきんちょうやらをもってきてくださって)

来るようになって、その度毎に、私の着物やら貯金帳やらを持って来て下さって

(とてもきげんがいいのです。ちちも、かいしゃのおうせつまのえを、はじめは、いやがって)

とても機嫌がいいのです。父も、会社の応接間の画を、はじめは、いやがって

(かいしゃのものおきにしまわせていたのだそうですが、こんどは、それをいえへもってきて)

会社の物置にしまわせていたのだそうですが、こんどは、それを家へ持って来て

(がくぶちも、いいのにかえて、ちちのしょさいにかけているのだそうです。)

額縁も、いいのに変えて、父の書斎に掛けているのだそうです。

(いけぶくろのおおあねさんも、しっかりおやりなどと、おてがみをくださるようになりました。)

池袋の大姉さんも、しっかりおやり等と、お手紙を下さるようになりました。

(おきゃくさまも、ずいぶんおおくなりました。おうせつまが、おきゃくさまでいっぱいになることも)

お客様も、ずいぶん多くなりました。応接間が、お客様で一ぱいになる事も

(ありました。そんなとき、あなたのようきなわらいごえが、おだいどころまできこえてきました。)

ありました。そんな時、あなたの陽気な笑い声が、お台所まで聞えて来ました。

(あなたは、ほんとに、おしゃべりになりました。いぜんあなたは、あんなにむくちだった)

あなたは、ほんとに、お喋りになりました。以前あなたは、あんなに無口だった

(ので、わたしは、ああ、このおかたは、なにもかもわかっていながら、なんでもみんな)

ので、私は、ああ、このおかたは、何もかもわかっていながら、何でも皆

(つまらないから、こんなに、いつでもだまっていられるのだ、とばかりおもいこんで)

つまらないから、こんなに、いつでも黙って居られるのだ、とばかり思い込んで

(おりましたが、そうでもないらしいのね。あなたは、おきゃくさまのまえで、とても)

居りましたが、そうでもないらしいのね。あなたは、お客様の前で、とても

(つまらないことを、おっしゃっていられます。まえのひに、おきゃくさまからうかがった)

つまらない事を、おっしゃって居られます。前の日に、お客様から伺った

(ばかりのえのろんを、そっくりそのままごじぶんのいけんのようにしかつめらしく)

ばかりの画の論を、そっくりそのまま御自分の意見のように鹿爪らしく

(のべていたり、また、わたしがしょうせつをよんでかんじたことをあなたに、ちょっと)

述べていたり、また、私が小説を読んで感じた事をあなたに、ちょっと

(もうしあげると、あなたはそのよくじつ、すましておきゃくさまに、もおぱすさんだって、)

申し上げると、あなたはその翌日、すましてお客様に、モオパスサンだって、

など

(やはりしんこうには、おびえていたんだね、なんてわたしのぐろんをそのままおきかせして)

やはり信仰には、おびえていたんだね、なんて私の愚論をそのままお聞かせして

(いるものですから、わたしはおちゃをもっておうせつまにはいりかけて、)

いるものですから、私はお茶を持って応接間にはいりかけて、

(あまりはずかしくてたちすくんでしまうこともありました。あなたは、いぜんは、)

あまり恥ずかしくて立ちすくんでしまう事もありました。あなたは、以前は、

(なんにもしらなかったのね。ごめんなさい。わたしだって、なんにも、ものを)

なんにも知らなかったのね。ごめんなさい。私だって、なんにも、ものを

(しりませんけれども、じぶんのことばだけは、もっているつもりなのに、あなたは、)

知りませんけれども、自分の言葉だけは、持っているつもりなのに、あなたは、

(ぜんぜん、むくちか、でもないと、ひとのいったことばかりをくちまねしているだけ)

全然、無口か、でもないと、人の言った事ばかりを口真似しているだけ

(なんですもの。それなのに、あなたはふしぎにせいこうなさいました。そのとしの)

なんですもの。それなのに、あなたは不思議に成功なさいました。そのとしの

(ふたかのえは、しんぶんしゃからしょうさえもらって、そのしんぶんには、なんだかはずかしくて)

二科の画は、新聞社から賞さえもらって、その新聞には、何だか恥ずかしくて

(いえないようなさいだいきゅうのさんじがならべられておりました。ここう、せいひん、しさく、)

言えないような最大級の讃辞が並べられて居りました。孤高、清貧、思索、

(ゆうしゅう、いのり、しゃヴぁんぬ、そのほかいろいろございました。あなたは、あとで)

憂愁、祈り、シャヴァンヌ、その他いろいろございました。あなたは、あとで

(おきゃくさまとそのしんぶんのきじについておはなしなされ、わりあい、あたっていたようだね、)

お客様とその新聞の記事に就いてお話なされ、割合、当っていたようだね、

(などとへいきでおっしゃっていられましたが、まあなんということを、おっしゃるので)

等と平気でおっしゃって居られましたが、まあ何という事を、おっしゃるので

(しょう。わたしたちはせいひんではございません。ちょきんちょうを、ごらんにいれましょうか。)

しょう。私たちは清貧ではございません。貯金帳を、ごらんにいれましょうか。

(あなたは、このいえにひっこしてきてからは、まるでひとがかわったように、おかねの)

あなたは、この家に引越して来てからは、まるで人が変わったように、お金の

(ことをくちになさるようになりました。おきゃくさまにえをたのまれると、あなたは、)

事を口になさるようになりました。お客様に画をたのまれると、あなたは、

(かならずおねだんのことをわるびれもせずに、いいだします。はっきりさせておいたほうが)

必ずお値段の事を悪びれもせずに、言い出します。はっきりさせて置いたほうが

(あとでいざこざがおこらなくて、おたがいにきもちがいいからね、などと、あなたは)

後でいざこざが起らなくて、お互に気持がいいからね、などと、あなたは

(おきゃくさまにおっしゃっていられますが、わたしはそれをこみみにはさんで、やはり、)

お客様におっしゃって居られますが、私はそれを小耳にはさんで、やはり、

(いやなきがいたしました。なんでそんなに、おかねにこだわることが)

いやな気が致しました。なんでそんなに、お金にこだわることが

(あるのでしょう。いいえさえかいていれば、くらしのほうは、しぜんに、どうにか)

あるのでしょう。いい画さえ描いて居れば、暮しのほうは、自然に、どうにか

(なっていくものとわたしにはおもわれます。いいおしごとをなさって、そうして、だれにも)

なって行くものと私には思われます。いいお仕事をなさって、そうして、誰にも

(しられず、びんぼうで、つつましくくらしていくことほど、たのしいものはありません。)

知られず、貧乏で、つつましく暮して行く事ほど、楽しいものはありません。

(わたしは、おかねもなにもほしくありません。こころのなかで、とおいおおきいぷらいどをもって、)

私は、お金も何も欲しくありません。心の中で、遠い大きいプライドを持って、

(こっそりいきていたいとおもいます。あなたはわたしの、さいふのなかまで、おしらべに)

こっそり生きていたいと思います。あなたは私の、財布の中まで、おしらべに

(なるようになりました。おかねがはいると、あなたは、あなたのおおきいさいふと、)

なるようになりました。お金がはいると、あなたは、あなたの大きい財布と、

(それから、わたしのちいさいさいふとに、おかねをわけて、おいれになります。)

それから、私の小さい財布とに、お金をわけて、おいれになります。

(あなたのさいふには、おおきいおさつをごまいばかり、わたしのさいふには、)

あなたの財布には、大きいお紙幣《さつ》を五枚ばかり、私の財布には、

(おおきいおさついちまいを、よっつにたたんでおいれになります。あとのおかねは、)

大きいお紙幣一枚を、四つに畳んでお容れになります。あとのお金は、

(ゆうびんきょくとぎんこうへ、おあずけになります。わたしは、いつでも、それを、ただそばで)

郵便局と銀行へ、おあずけになります。私は、いつでも、それを、ただ傍で

(ながめています。いつかわたしが、ちょきんちょうをいれてあるしょだなのひきだしのかぎを、)

眺めています。いつか私が、貯金帳をいれてある書棚の引き出しの鍵を、

(かけるのをわすれていたら、あなたは、それをみつけて、こまるね、と、しんから)

かけるのを忘れていたら、あなたは、それを見つけて、困るね、と、しんから

(ふきげんに、わたしにおこごとをいうので、わたしは、げっそりいたしました。がろうへ、)

不機嫌に、私におこごとを言うので、私は、げっそり致しました。画廊へ、

(おかねをうけとりにおいでになれば、みっかめくらいにおかえりになりますが、)

お金を受取りにおいでになれば、三日目くらいにお帰りになりますが、

(そんなときでも、しんや、よってがらがらとげんかんのとをあけて、おはいりになるや)

そんな時でも、深夜、酔ってがらがらと玄関の戸をあけて、おはいりになるや

(いなや、おい、さんびゃくえんあましてきたぞ、しらべてみなさい、などとかなしいことを、)

否や、おい、三百円あまして来たぞ、調べて見なさい、等と悲しい事を、

(おっしゃいます。あなたのおかねですもの、いくらおつかいになったってへいきでは)

おっしゃいます。あなたのお金ですもの、いくらお使いになったって平気では

(ないでしょうか。たまにはきばらしに、うんとおかねをつかいたくなることも)

ないでしょうか。たまには気晴らしに、うんとお金を使いたくなる事も

(あるだろうとおもいます。みんなつかうと、わたしが、がっかりするとでもおもって)

あるだろうと思います。みんな使うと、私が、がっかりするとでも思って

(いられるのでしょうか。わたしだって、おかねのありがたさはぞんじていますが、でも、)

居られるのでしょうか。私だって、お金の有難さは存じていますが、でも、

(そのことばかりかんがえていきているのでは、ございません。さんびゃくえんだけのこして、)

その事ばかり考えて生きているのでは、ございません。三百円だけ残して、

(そうしてとくいがおでおかえりになるあなたのおきもちが、わたしにはさびしくてなりません。)

そうして得意顔でお帰りになるあなたのお気持が、私には淋しくてなりません。

(わたしは、ちっともおかねをほしくおもっていません。なにをかいたい、なにをたべたい、)

私は、ちっともお金を欲しく思っていません。何を買いたい、何を食べたい、

(なにをみたいともおもいません。いえのどうぐも、たいていはいぶつりようでまにあわせて)

何を観たいとも思いません。家の道具も、たいてい廃物利用で間に合わせて

(おりますし、きものだってそめなおし、ぬいなおしますからいちまいもかわずにすみます。)

居りますし、着物だって染め直し、縫い直しますから一枚も買わずにすみます。

(どうにでも、わたしは、やっていきます。てぬぐいかけひとつだって、わたしはあたらしくかうのは)

どうにでも、私は、やって行きます。手拭掛け一つだって、私は新しく買うのは

(いやです。むだなことですもの。あなたはときどき、わたしをしないへつれだして、たかい)

いやです。むだな事ですもの。あなたは時々、私を市内へ連れ出して、高い

(しなりょうりなどを、ごちそうしてくださいましたが、わたしにはちっともおいしいとは)

支那料理などを、ごちそうして下さいましたが、私にはちっともおいしいとは

(おもわれませんでした。なんだかおちつかなくて、おっかなびっくりのきもちで、)

思われませんでした。何だか落ちつかなくて、おっかなびっくりの気持で、

(ほんとうに、もったいなくて、むだなことだとおもいました。さんびゃくえんよりも、しなりょうりよりも)

本当に、勿体なくて、むだな事だと思いました。三百円よりも、支那料理よりも

(わたしには、あなたが、このいえのおにわに、へちまのたなをつくってくださったほうが、)

私には、あなたが、この家のお庭に、へちまの棚を作って下さったほうが、

(どんなにうれしいかわかりません。はちじょうまのえんがわには、あんなににしびがつよく)

どんなに嬉しいかわかりません。八畳間の縁側には、あんなに西日が強く

(あたるのですから、へちまのたなをおつくりになると、きっとぐあいがいいとおもいます。)

当るのですから、へちまの棚をお作りになると、きっと具合がいいと思います。

(あなたは、わたしがあれほどおねがいしても、うえきやをよんだらいいとか、)

あなたは、私があれほどお願いしても、植木屋を呼んだらいいとか、

(おっしゃって、ごじぶんでつくっては、くださいません。うえきやをよぶなんて、)

おっしゃって、ご自分で作っては、くださいません。植木屋を呼ぶなんて、

(そんなおかねもちのまねは、わたしは、いやです。あなたに、つくっていただきたいのに、)

そんなお金持の真似は、私は、いやです。あなたに、作っていただきたいのに、

(あなたは、よし、よし、らいねんは、などとおっしゃるばかりで、とうとうきょうまで、)

あなたは、よし、よし、来年は、等とおっしゃるばかりで、とうとう今日まで、

(つくってはくださいません。あなたは、ごじぶんのことでは、ひどく、むだづかいを)

作っては下さいません。あなたは、御自分の事では、ひどく、むだ使いを

(なさるのに、ひとのことには、いつでもしらんかおをなさっております。)

なさるのに、人の事には、いつでも知らん顔をなさって居ります。

(いつでしたかしら。おともだちのあめみやさんが、おくさんのごびょうきでこまって、ごそうだんに)

いつでしたかしら。お友達の雨宮さんが、奥さんの御病気で困って、御相談に

(いらしたどきに、あなたは、わざわざわたしをおうせつまにおよびになって、いえにいま、)

いらした時に、あなたは、わざわざ私を応接間にお呼びになって、家にいま、

(おかねがあるかい?とまじめなかおをして、おききになるので、わたしは、おかしいやら)

お金があるかい?と真面目な顔をして、お聞きになるので、私は、可笑しいやら

(ばからしいやらで、こまってしまいました。わたしがかおをあかくして、)

ばからしいやらで、困ってしまいました。私が顔を赤くして、

(もじもじしていると、かくすなよ、そこらをかきまわしたら、にじゅうえんくらいは)

もじもじしていると、隠すなよ、そこらを搔き廻したら、二十円くらいは

(でてくるだろう、とわたしに、からかうようにおっしゃるので、わたしは、びっくりして)

出て来るだろう、と私に、からかうようにおっしゃるので、私は、びっくりして

(しまいました。たったにじゅうえん。わたしは、あなたのかおをみなおしました。あなたは、)

しまいました。たった二十円。私は、あなたの顔を見直しました。あなたは、

(わたしのしせんを、かたてで、はらいのけるようにして、いいからぼくにかしておくれ、)

私の視線を、片手で、払いのけるようにして、いいから僕に貸しておくれ、

(けちけちするなよ、とおっしゃって、それからあめみやさんのほうにむかって、)

けちけちするなよ、とおっしゃって、それから雨宮さんのほうに向って、

(おたがい、こんなときには、びんぼうは、つらいね、とわらっておっしゃるのでした。)

お互、こんな時には、貧乏は、つらいね、と笑っておっしゃるのでした。

(わたしは、あきれて、なにももうしあげたくなくなりました。あなたはせいひんでもなんでも、)

私は、呆れて、何も申し上げたくなくなりました。あなたは清貧でも何でも、

(ありません。ゆうしゅうだなんて、いまの、あなたのどこに、そんなうつくしいかげが)

ありません。憂愁だなんて、いまの、あなたのどこに、そんな美しい影が

(あるのでしょう。あなたは、そのはんたいの、わがままならくてんかです。まいあさ、)

あるのでしょう。あなたは、その反対の、わがままな楽天家です。毎朝、

(せんめんじょで、おいとこそうだよ、なんておおごえでうたっていられるでは、)

洗面所で、おいとこそうだよ、なんて大声で歌って居られるでは、

(ありませんか。わたしはごきんじょにはずかしくてなりません。いのり、しゃヴぁんぬ、)

ありませんか。私は御近所に恥ずかしくてなりません。祈り、シャヴァンヌ、

(もったいないとおもいます。ここうだなんて、あなたは、おとりまきのかたの)

もったいないと思います。孤高だなんて、あなたは、お取巻きのかたの

(おついしょうのなかでだけいきているのにおきがつかれないのですか。)

お追従《ついしょう》の中でだけ生きているのにお気が附かれないのですか。

(あなたは、いえへおいでになるおきゃくさまたちにせんせいとよばれて、だれかれのえを、)

あなたは、家へおいでになるお客様たちに先生と呼ばれて、誰かれの画を、

(かたはしからやっつけて、いかにもじぶんとおなじみちをあゆむものはだれもないようなことを)

片はしからやっつけて、いかにも自分と同じ道を歩むものは誰も無いような事を

(おっしゃいますが、もしほんとうにそうおもいなら、そんなにやたらに、ひとの)

おっしゃいますが、もし本当にそうお思いなら、そんなに矢鱈に、ひとの

(わるくちをおっしゃっておきゃくさまたちのどういをえることなど、いらないとおもいます。)

悪口をおっしゃってお客様たちの同意を得る事など、要らないと思います。

(あなたは、おきゃくさまたちから、そのばかぎりのごさんせいでもえたいのです。)

あなたは、お客様たちから、その場かぎりの御賛成でも得たいのです。

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