ルワン/イディオットクラブ

(くもにかくまわれたたいようにだれかをかさねるそぶりをして)

雲に匿われた太陽に　誰かを重ねる素振りをして

(うろんげなめをくばりながらきみはおろかのとをひらいた)

胡乱（うろん）げな目を配りながら　君は愚かの扉（と）を開いた

(たむけられたぞうかのびんをへやのうしろへかざりなおし)

手向けられた造花の瓶を　部屋の後ろへ飾り直し

(つくえにきざまれたちょうぶんをなれたてつきでかくしている)

机に刻まれた弔文を　慣れた手つきで解して（かくして）いる

(ちっぽけでいやだ！なんでさ、なんで)

ちっぽけで嫌だ！　なんでさ、なんで

(ぼくのりょうのてじゃきみのめをふさげないの？)

僕の両の手じゃ　君の目を塞げないの？

(かみさまのばか！なんべんおがんでもあんたふざいのせかいしんだみたい)

神様の馬鹿！　何遍拝んでも　あんた不在の世界　死んだみたい

(どうしたらいいまてどくらせど)

どうしたらいい　待てど暮らせど

(くしゃくしゃになりそうなまぁせまいしかいのざんこくに)

くしゃくしゃになりそうな　まぁ狭い視界の残酷に

(くしゃくしゃなひょうじょうをさきみはかわらずふりまいて)

くしゃくしゃな表情をさ　君は変わらず振り撒いて

(いつもなんてことないへいきだよとわらった)

いつも　なんてことない　平気だよ　と笑った

(ぼくには、とんでもないへいきにしかみえないよ)

僕には、とんでもない　兵器にしか見えないよ

(かなしいくせに！なんでさ、なんで)

悲しいくせに！　なんでさ、なんで

(いたみこらえるようにはにかむのをやめないの？)

痛み堪えるように　はにかむのを止めないの？

(かみさまのばか！なんでもかんでもあんたしだいのせかいどれいみたい)

神様の馬鹿！　何でもかんでも　あんた次第の世界　奴隷みたい

(もう、いやだなぁ)

もう、嫌だなぁ

(ぼうかんしゃのつみさえもつぐなわせてくれない)

傍観者の罪さえも　償わせてくれない

(きみはどこまでもやさしくかぎりなくはくちだ)

君はどこまでも優しく　限りなく白/痴（はくち）だ

(「このひびをもうおわらせよう」きみはほほえみ、てをふった)

「この日々をもう終わらせよう」　君は微笑み、手を振った

(「えいえんへとにげだせるよ」そのては、わずかにとおかった)

「永遠へと逃げ出せるよ」　その手は、僅かに遠かった

(もうどうにかなれ！やつらもこんなせかいも)

もうどうにかなれ！　奴らもこんな世界も

(きづきやしないのだろうだからこれはぼくのばつだ)

気づきやしないのだろう　だからこれは僕の罰だ

(かみさまのばか！とうとうおわってしまった)

神様の馬鹿！とうとう　終わってしまった

(つみのいたみさえもうないあぁ、なんだ)

罪の痛みさえもうない　あぁ、なんだ

(はくちはぼくのほうだったな)

白/痴は僕の方だったな