白面の兵士 7
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問題文
(もちろんどくしゃはわとそんのきじで、わたしがじっさいにじけんをけんとうしているあいだは、)
もちろん読者はワトソンの記事で、私が実際に事件を検討している間は、
(それについてむだばなしをしたりなにをかんがえているかこうひょうしないということは、)
それについて無駄話をしたり何を考えているか公表しないという事は、
(よくごぞんじだろう。どっどはおどろいたようだったが、それいじょうはなにもいわず、)
よくご存知だろう。ドッドは驚いたようだったが、それ以上は何も言わず、
(われわれさんにんはいっしょにたびをつづけた。れっしゃのなかでわたしはどっどにもうひとつ)
我々三人は一緒に旅を続けた。列車の中で私はドッドにもう一つ
(しつもんをしたが、それはどうこうしゃにきかせたいしつもんだった。「あなたは)
質問をしたが、それは同行者に聞かせたい質問だった。「あなたは
(ゆうじんのかおをまどのところでひじょうにはっきりみたとおっしゃいましたね。)
友人の顔を窓のところで非常にはっきり見たとおっしゃいましたね。
(かれのかおにまちがいないといえるほどはっきりとみたのですね?」)
彼の顔に間違いないと言えるほどはっきりと見たのですね?」
(「どんなことがあってもそれはまちがいありません。はなががらすに)
「どんなことがあってもそれは間違いありません。鼻がガラスに
(つくくらい、かおをまどにちかづけていました。らんぷのあかりが)
付くくらい、顔を窓に近づけていました。ランプの明かりが
(かおぜんたいをてらしだしていました」)
顔全体を照らしだしていました」
(「だれかかれににたじんぶつというかのうせいはないですか?」)
「誰か彼に似た人物という可能性はないですか?」
(「いいえ、あれはかれでした」)
「いいえ、あれは彼でした」
(「しかしあなたはかれがかわっていたといいましたね?」)
「しかしあなたは彼が変わっていたと言いましたね?」
(「かおいろだけです。かれのかおは、・・・・どうせつめいすればいいでしょうかね?)
「顔色だけです。彼の顔は、・・・・どう説明すればいいでしょうかね?
(・・・・さかなのはらのようなしろさでした。ひょうはくしたようないろでした」)
・・・・魚の腹のような白さでした。漂白したような色でした」
(「かおぜんたいがきんとうにあおじろかったのですか?」)
「顔全体が均等に青白かったのですか?」
(「ちがうとおもいます。わたしがはっきりとみたのはかれのひたいです。)
「違うと思います。私がはっきりと見たのは彼の額です。
(そこがまどにおしつけられていました」「かれにこえをかけたのですか?」)
そこが窓に押し付けられていました」「彼に声をかけたのですか?」
(「そのしゅんかんはあまりにもおどろいてきょうふをかんじたのでこえがでませんでした。)
「その瞬間はあまりにも驚いて恐怖を感じたので声がでませんでした。
(そのごわたしは、あなたにおはなししたように、かれをおいかけましたが)
その後私は、あなたにお話したように、彼を追いかけましたが
(けっきょくおいつけませんでした」このじけんはじっしつてきにはおわっていた。しめくくる)
結局追いつけませんでした」この事件は実質的には終わっていた。締めくくる
(ためにただひとつのちいさなできごとがひつようなだけだった。ばしゃにながいあいだ)
ためにただ一つの小さな出来事が必要なだけだった。馬車に長い間
(ゆられたあと、いらいにんがせつめいしていたきみょうなふるいとりとめのないいえにとうちゃくすると)
揺られた後、依頼人が説明していた奇妙な古いとりとめのない家に到着すると
(ろうしつじのらるふがとびらをあけた。わたしはばしゃをいちにちじゅうかりきっていて、)
老執事のラルフが扉を開けた。私は馬車を一日中借り切っていて、
(ねんぱいのゆうじんにわれわれがよびにくるまでなかにのこるようにたのんだ。)
年配の友人に我々が呼びに来るまで中に残るように頼んだ。
(らるふは、せのひくいしわだらけのろうじんだったが、くろのうわぎにしもふりの)
ラルフは、背の低いしわだらけの老人だったが、黒の上着に霜降りの
(ずぼんというでんとうてきないでたちをしていた。ただひとつだけきみょうなれいがいがあった。)
ズボンという伝統的ないでたちをしていた。唯一つだけ奇妙な例外があった。
(かれはちゃいろのかわてぶくろをしていた。かれはわれわれをみてすぐにそれをぬぎ、)
彼は茶色の皮手袋をしていた。彼は我々を見てすぐにそれを脱ぎ、
(われわれをむかえいれるあいだほーるのてーぶるのうえにおいていた。わたしは、)
我々を迎え入れる間ホールのテーブルの上に置いていた。私は、
(ゆうじんのわとそんがいっていたかもしれないが、ごかんがいじょうなまでにするどいので、)
友人のワトソンが言っていたかもしれないが、五感が異常なまでに鋭いので、
(かすかなしげきしゅうをはっきりとかんじた。そのにおいはほーるのてーぶるの)
かすかな刺激臭をはっきりと感じた。その臭いはホールのテーブルの
(まんなかからくるようだった。わたしはふりかえってぼうしをそのてーぶるに)
真ん中から来るようだった。私は振り返って帽子をそのテーブルに
(おこうとして、おとし、ひろおうとかがみこんで、うまくわたしのはなを)
置こうとして、落とし、拾おうとかがみこんで、うまく私の鼻を
(そのてぶくろからいちふぃーととはなれていないところにもっていった。)
その手袋から一フィートと離れていないところに持っていった。
(そうだ。まちがいなくてぶくろからきみょうなたーるしゅうがただよっていた。)
そうだ。間違いなく手袋から奇妙なタール臭が漂っていた。
(わたしはじけんをかんぜんにかいけつしてしょさいへとはいった。)
私は事件を完全に解決して書斎へと入った。
(ああ、じぶんがたりをすればてのうちをさらけださねばならない!)
ああ、自分語りをすれば手の内をさらけ出さねばならない!
(わとそんは、つながったくさりのなかからいくつかのわをかくしておくことによって、)
ワトソンは、つながった鎖の中からいくつかの環を隠しておくことによって、
(ものがたりのさいごにとってつけたけつまつをもってくることができたのか。)
物語の最後にとってつけた結末を持って来ることができたのか。
(えむすわーすたいさはしょさいにはいなかったが、らるふのでんごんをうけとると)
エムスワース大佐は書斎にはいなかったが、ラルフの伝言を受け取ると
(ただちにやってきた。かれがいそぎあしでくるおもいあしおとがろうかからきこえた。)
直ちにやってきた。彼が急ぎ足で来る重い足音が廊下から聞こえた。
(とびらがさっとひらき、ぼさぼさのあごひげをはやしてかおをゆがめたおとこが)
扉がさっと開き、ぼさぼさの顎鬚を生やして顔をゆがめた男が
(かけこんできた。わたしがこれまでみたなかでもっともおそろしいろうじんだった。)
駆け込んできた。私がこれまで見た中で最も恐ろしい老人だった。
(かれはわたしたちのめいしをてにもっていたが、それをやぶりすてるとあしでふみつけた。)
彼は私たちの名刺を手に持っていたが、それを破り捨てると足で踏みつけた。
(「このいまいましいおせっかいやろう、このやしきにはちかづくなといっただろう。)
「この忌々しいお節介野郎、この屋敷には近づくなと言っただろう。
(にどとここにかおをだすな。もしおまえがわたしのきょかなしにここにはいったら、)
二度とここに顔を出すな。もしお前が私の許可なしにここに入ったら、
(らんぼうしてもほうてきにもんだいないのだぞ。けんじゅうをぶっぱなすぞ!ぜったいにうつぞ!)
乱暴しても法的に問題ないのだぞ。拳銃をぶっぱなすぞ!絶対に撃つぞ!
(あんたもだ」かれはわたしのほうをふりかえった。「おなじようにけいこくしておくぞ。)
あんたもだ」彼は私の方を振り返った。「同じように警告しておくぞ。
(あんたのいやしいしごとはよくしっている。しかしあんたはひょうばんのさいのうを)
あんたの卑しい仕事はよく知っている。しかしあんたは評判の才能を
(べつのばしょにむけるべきだな。ここはまにあってるんでな」)
別の場所に向けるべきだな。ここは間に合ってるんでな」
(「ここをたちさるわけにはいきません」いらいにんはきっぱりといった。)
「ここを立ち去るわけにはいきません」依頼人はきっぱりと言った。
(「ごどふりーじしんのくちからかれがかんきんされていないときくまでは」)
「ゴドフリー自身の口から彼が監禁されていないと聞くまでは」
(たいさはべるをならした。「らるふ」かれはいった。「ちほうけいさつにでんわして、)
大佐はベルを鳴らした。「ラルフ」彼は言った。「地方警察に電話して、
(じゅんさをふたりまわすようにしょちょうにいえ。やしきにどろぼうがいると」)
巡査を二人回すように署長に言え。屋敷に泥棒がいると」
(「ちょっとまってください」わたしはいった。「どっどさん、)
「ちょっと待ってください」私は言った。「ドッドさん、
(あなたはしっておかねばなりません。えむすわーすたいさのいうのは)
あなたは知っておかねばなりません。エムスワース大佐の言うのは
(そのとおりで、かれのいえのなかではわれわれになにをするけんりもありません。いっぽう、)
その通りで、彼の家の中では我々に何をする権利もありません。一方、
(たいさはどっどさんのこうどうはかんぜんにたいさのしそくをきづかえばこそだということを、)
大佐はドッドさんの行動は完全に大佐の子息を気遣えばこそだということを、
(きちんとひょうかすべきです。えむすわーすたいさ、ごふんかんおはなしするじかんを)
きちんと評価すべきです。エムスワース大佐、五分間お話しする時間を
(いただければ、きっとこのけんにたいするみかたがかわるとおもいます」)
いただければ、きっとこの件に対する見方が変わると思います」
(「わしはそうかんたんにたいどをかえんぞ」ろうせんしはいった。「らるふ、)
「わしはそう簡単に態度を変えんぞ」老戦士は言った。「ラルフ、
(さっきいったとおりにしろ。なにをもたもたしているんだ?けいさつをよびだせ!」)
さっき言ったとおりにしろ。何をもたもたしているんだ?警察を呼び出せ!」
(「そういうことはやめてください」わたしはとびらにせをあてていった。)
「そういうことはやめてください」私は扉に背を当てて言った。
(「けいさつがかいにゅうすれば、あなたがおそれているはめつがもたらされるでしょう」)
「警察が介入すれば、あなたが恐れている破滅がもたらされるでしょう」
(わたしはのーとをとりだしてやぶったぺーじにひとつのたんごをはしりがきした。)
私はノートを取り出して破ったページに一つの単語を走り書きした。
(「これが」わたしはそれをえむすわーすたいさにてわたしていった。)
「これが」私はそれをエムスワース大佐に手渡して言った。
(「われわれがここにきたようけんです」かれはそのかみをにらみつけた。)
「我々がここに来た用件です」彼はその紙を睨みつけた。
(かおからおどろきいがいのひょうじょうがすべてきえうせた。)
顔から驚き以外の表情が全て消え失せた。