ボヘミアの醜聞 5

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投稿者投稿者大樹野いいね0お気に入り登録
プレイ回数3021難易度(5.0) 3806打 長文
【シャーロック・ホームズの冒険】より
長文なので、読書感覚でお楽しみください

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問題文

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(「げんじてんで1つ2つだいじなちょうさをしなければならないので、これは)

「現時点で1つ2つ大事な調査をしなければならないので、これは

(こうつごうです。へいかはもちろん、とうぶんろんどんにたいざいされるよていですね?」)

好都合です。陛下はもちろん、当分ロンドンに滞在される予定ですね?」

(「もちろんだ。ふぉん・くらむはくしゃくのなまえでらんがむほてるにとまっている」)

「もちろんだ。フォン・クラム伯爵の名前でランガムホテルに泊まっている」

(「ではしんちょくをてがみでおしらせしましょう」)

「では進捗を手紙でお知らせしましょう」

(「そうしてくれ。ずっとやきもきしているはずだ」)

「そうしてくれ。ずっとやきもきしているはずだ」

(「で、ひようにかんしては?」「すきなだけつかってよい」)

「で、費用に関しては?」「好きなだけ使ってよい」

(「ほんとうですか?」「あのしゃしんをてにいれるためなら)

「本当ですか?」「あの写真を手に入れるためなら

(ほんとうにおうこくのいっしゅうをあたえてもかまわん」「とうめんのひようは?」)

本当に王国の一州を与えても構わん」「当面の費用は?」

(おうはまんとのなかからおもいせーむかわのふくろをとりだしててーぶるにおいた。)

王はマントの中から重いセーム皮の袋を取り出してテーブルに置いた。

(「きんで300ぽんど、しへいで700ぽんどある」ぼへみあおうはいった。)

「金で300ポンド、紙幣で700ポンドある」ボヘミア王は言った。

(ほーむずはのーとにりょうしゅうしょをはしりがきし、おうにてわたした。)

ホームズはノートに領収書を走り書きし、王に手渡した。

(「ところで、そのれいじょうのじゅうしょは?」かれはきいた。)

「ところで、その令嬢の住所は?」彼は訊いた。

(「せんと・じょんず・うっど、さーぺんたいんどおりのぶらいあに・ろっじだ」)

「セント・ジョンズ・ウッド、サーペンタイン通りのブライアニ・ロッジだ」

(ほーむずはめもにとった。「もうひとつしつもんが」かれはいった。)

ホームズはメモに取った。「もう一つ質問が」彼は言った。

(「しゃしんはきゃびねさいずですか?」「そうだ」)

「写真はキャビネサイズですか?」「そうだ」

(「それでは、へいかはおひきとりください。すぐによいしらせをとどけると)

「それでは、陛下はお引取りください。すぐに良い知らせを届けると

(やくそくしましょう。わとそん、きみもかえってくれ」かれはよんりんばしゃのしゃりんのおとが)

約束しましょう。ワトソン、君も帰ってくれ」彼は四輪馬車の車輪の音が

(とおりをさっていくとき、いった。「よかったらあしたのごご3じにきてくれ。)

通りを去って行く時、言った。「よかったら明日の午後3時に来てくれ。

(きみとこのしょうじけんについてはなしたくなっているだろうから」)

君とこの小事件について話したくなっているだろうから」

(さんじちょうどにわたしはほーむずをたずねたが、かれはまだかえっていなかった。)

三時ちょうどに私はホームズを訪ねたが、彼はまだ帰っていなかった。

など

(やぬしのはなしでは、あさの8じちょっとすぎにいえをでたとのことだった。)

家主の話では、朝の8時ちょっと過ぎに家を出たとのことだった。

(しかしわたしはどんなにかれのきたくがおそくなってもまつはらづもりでだんろのわきに)

しかし私はどんなに彼の帰宅が遅くなっても待つ腹積もりで暖炉の脇に

(こしをおろした。わたしはすでにかれのちょうさにつよくきょうみをひかれていた。)

腰を降ろした。私はすでに彼の調査に強く興味を引かれていた。

(このじけんにはわたしがすでにかいた2つのはんざいにあったようなぶきみできみょうな)

この事件には私が既に書いた2つの犯罪にあったような不気味で奇妙な

(とくちょうはなかったが、それでもじけんのもつせいしつといらいにんのこうきなたちばは、)

特徴はなかったが、それでも事件の持つ性質と依頼人の高貴な立場は、

(それじたいがひじょうにこせいてきだった。じっさい、ほーむずがいまてがけているそうさの)

それ自体が非常に個性的だった。実際、ホームズが今手がけている捜査の

(せいしつがどうであろうとも、かれがじょうきょうをすばやくはあくしたのうりょくはみごとだった。)

性質がどうであろうとも、彼が状況を素早く把握した能力は見事だった。

(そしてかれのするどくきれるすいりりょくをくわしくしり、かいけつこんなんななぞをとくために)

そして彼の鋭く切れる推理力を詳しく知り、解決困難な謎を解くために

(すばやいこうみょうなしゅだんをとるのをながめるのが、わたしにとってたのしみだった。)

素早い巧妙な手段をとるのを眺めるのが、私にとって楽しみだった。

(わたしはほーむずのふへんのせいこうになれしたしんでいたので、)

私はホームズの不変の成功に慣れ親しんでいたので、

(かれがしっぱいするというかのうせいはまったくのうりをよぎらなかった。)

彼が失敗するという可能性はまったく脳裏をよぎらなかった。

(よじちかくになってどあがひらいた。かみがぼさぼさで、もみあげがながく、)

四時近くになってドアが開いた。髪がボサボサで、もみ上げが長く、

(あからがおでみすぼらしいふくをきたよいどればていがへやにはいってきた。)

赤ら顔でみすぼらしい服を着た酔いどれ馬丁が部屋に入って来た。

(ほーむずのきょういてきなへんそうじゅつにはなれていたわたしだが、それでもたしかに)

ホームズの驚異的な変装術には慣れていた私だが、それでも確かに

(それがほーむずだとかくにんするのになめるようにみなければならなかった。)

それがホームズだと確認するのに舐めるように見なければならなかった。

(かれはこくりとうなずくと、しんしつにきえた。それからごふんご、)

彼はコクリとうなずくと、寝室に消えた。それから五分後、

(もとのようについーどのすーつをきたまともなすがたであらわれた。)

元のようにツイードのスーツを着たまともな姿で現れた。

(かれはてをぽけっとにいれてだんろのまえであしをのばし、すうふんかんたからかにわらった。)

彼は手をポケットに入れて暖炉の前で足を伸ばし、数分間高らかに笑った。

(「いや、まったく!」かれはおおごえをだした、それからむせて、またわらった。)

「いや、まったく!」彼は大声を出した、それからむせて、また笑った。

(ついには、いすのせにぐったりとよりかからねばならなくなった。)

ついには、椅子の背にぐったりと寄りかからねばならなくなった。

(「どうしたんだ?」「じつにけっさくだ。ぼくがごぜんちゅうなにをして)

「どうしたんだ?」「実に傑作だ。僕が午前中何をして

(どんなけっかになったか、ぜったいにおもいつかないはずだ」)

どんな結果になったか、絶対に思いつかないはずだ」

(「おもしろそうだな。たぶん、かのじょのにちじょうせいかつをみはっていたのだろう。)

「面白そうだな。多分、彼女の日常生活を見張っていたのだろう。

(もしかすると、あいりーん・あどらーのいえじゃないのか」)

もしかすると、アイリーン・アドラーの家じゃないのか」

(「そのとおりだ。だが、けっかはかなりいがいなものだ。)

「その通りだ。だが、結果はかなり意外なものだ。

(とにかくこれからはなすよ。ぼくはけさはちじちょっとすぎに、)

とにかくこれから話すよ。僕は今朝八時ちょっと過ぎに、

(しごとにあぶれたばていにふんして、いえをでた。)

仕事にあぶれた馬丁に扮して、家を出た。

(うまのかんけいしゃにはすばらしいおもいやりとゆうあいいしきがある。)

馬の関係者には素晴らしい思いやりと友愛意識がある。

(そのいちいんとなれば、しりたいことはみなわかる。)

その一員となれば、知りたいことはみな分かる。

(ぶらいあに・ろっじはすぐにみつかった。ゆうびなこうがいじゅうたくだった。)

ブライアニ・ロッジはすぐに見つかった。優美な郊外住宅だった。

(うしろにはにわがあるが、しょうめんはみちにすぐめんしてたてられている、)

後ろには庭があるが、正面は道にすぐ面して建てられている、

(にかいだてのたてもので、げんかんにはちゃぶじょう。みぎがわにはおおきないまがあり、)

二階建ての建物で、玄関にはチャブ錠。右側には大きな居間があり、

(ちょうどはよく、ゆかにまでとどきそうなたてながのまどがあり、)

調度は良く、床にまで届きそうな縦長の窓があり、

(そのまどにはふつりあいなことに、こどもでもあけられそうなえいこくせいのまどの)

その窓には不釣り合いな事に、子供でも開けられそうな英国製の窓の

(かけがねがついていた。ろうかのまどがばしゃこやのやねからとどくということいがい、)

掛け金がついていた。廊下の窓が馬車小屋の屋根から届くということ以外、

(うしろがわにはとくにちゅうもくすべきものはなかった。ぼくはいえのまわりをあるきまわり、)

後側には特に注目すべきものはなかった。僕は家の周りを歩き回り、

(すべてのてんからしょうさいにしらべた。しかしほかにきょうみをひくてんはなかった」)

すべての点から詳細に調べた。しかし他に興味を引く点はなかった」

(「ぼくはそれからとおりをぶらぶらとあるいていって、よそうどおりにわのへいのひとつに)

「僕はそれから通りをぶらぶらと歩いていって、予想通り庭の塀の一つに

(そったつうろにきゅうしゃをみつけた。ぼくはうまをみがくのをてつだい、)

沿った通路に厩舎を見つけた。僕は馬を磨くのを手伝い、

(そのみかえりとして、2ぺんすどうかとはーふ&はーふをいっぱい、)

その見返りとして、2ペンス銅貨とハーフ&ハーフを一杯、

(やすいきざみたばこを2ふく、そして、あどらーじょうにかんしてしりたいことを)

安い刻みタバコを2服、そして、アドラー嬢に関して知りたいことを

(すべてにゅうしゅした。いうまでもないが、まったくきょうみがないきんじょの)

すべて入手した。いうまでもないが、全く興味がない近所の

(にんげんのりゃくれきをさんざんきかされるのは、さけようがなかったがね」)

人間の略歴をさんざん聞かされるのは、避けようがなかったがね」

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