有島武郎 或る女㉜

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(もうすべてはこうかいにはおそすぎた。おかのこえでいまねどこからおきあがったらしい)

もうすべては後悔にはおそすぎた。岡の声で今寝床から起き上がったらしい

(じむちょうは、あらいぼうじまのねるのつつそでいちまいをきたままで、めのはれぼったいかおを)

事務長は、荒い棒縞のネルの筒袖一枚を着たままで、目のはれぼったい顔を

(して、こやまのようなおおきなごたいをねどこにくねらして、とつぜんはいってきたようこを)

して、小山のような大きな五体を寝床にくねらして、突然はいって来た葉子を

(ぎっとみまもっていた。とうのむかしにこころのなかはみとおしきっているような、それで)

ぎっと見守っていた。とうの昔に心の中は見とおしきっているような、それで

(いてことばもろくろくかわさないほどにむとんじゃくにみえるおとこのまえに)

いて言葉もろくろくかわさないほどに無頓着(むとんじゃく)に見える男の前に

(たって、ようこはさすがにしばらくはいいいづべきことばもなかった。あせる)

立って、葉子はさすがにしばらくはいい出(い)づべき言葉もなかった。あせる

(きをおししずめおししずめ、かおいろをうごかさないだけのちんもくをもちつづけようと)

気を押し鎮め押ししずめ、顔色を動かさないだけの沈黙を持ち続けようと

(つとめたが、いままでにおぼえないわくらんのために、あたまはぐらぐらとなって、むいみだ)

つとめたが、今までに覚えない惑乱のために、頭はぐらぐらとなって、無意味だ

(とじぶんでさえおもわれるようなびしょうをもらすおろかさをどうすることもできなかった。)

と自分でさえ思われるような微笑をもらす愚かさをどうする事もできなかった。

(くらちはようこがそのあさそのへやにくるのをまえからちゃんとしりぬいてでもいたよう)

倉地は葉子がその朝その部屋に来るのを前からちゃんと知り抜いてでもいたよう

(におちつきはらって、あさのあいさつもせずに、「さ、おかけなさい。ここがらくだ」)

に落ち付き払って、朝の挨拶もせずに、「さ、おかけなさい。ここが楽だ」

(といつものとおりなすこしみおろしたしたしみのあることばをかけて、ひるまはながいす)

といつものとおりな少し見おろした親しみのある言葉をかけて、昼間は長椅子

(がわりにつかうしんだいのざをすこしゆずってまっている。ようこはてきいをふくんでさえみえる)

がわりに使う寝台の座を少し譲って待っている。葉子は敵意を含んでさえ見える

(ようすでたったまま、「なにかごようがおありになるそうでございますが・・・」)

様子で立ったまま、「何か御用がおありになるそうでございますが・・・」

(かたくなりながらいって、ああまたみえすくことをいってしまったとすぐこうかいした。)

固くなりながらいって、ああまた見えすく事をいってしまったとすぐ後悔した。

(じむちょうはようこのことばをおいかけるように、「ようはあとでいいます。まあおかけ)

事務長は葉子の言葉を追いかけるように、「用はあとでいいます。まあおかけ

(なさい」といってすましていた。そのことばをきくと、ようこはそのいいなりほうだいに)

なさい」といってすましていた。その言葉を聞くと、葉子はそのいいなり放題に

(なるよりしかたがなかった。「おまえはけっきょくここにすわるようになるんだよ」と)

なるよりしかたがなかった。「お前は結局ここにすわるようになるんだよ」と

(じむちょうはことばのうらにみらいをよちしきっているのがようこのこころをいっしゅすてばちなもの)

事務長は言葉の裏に未来を予知しきっているのが葉子の心を一種捨てばちなもの

(にした。「すわってやるものか」というしゅうかんてきなおとこにたいするはんこうしんはただわけも)

にした。「すわってやるものか」という習慣的な男に対する反抗心はただわけも

など

(なくひしがれていた。ようこはつかつかとすすみよってじむちょうとおしならんでしんだいに)

なくひしがれていた。葉子はつかつかと進みよって事務長と押し並んで寝台に

(こしかけてしまった。このひとつのきょどうがーーこのなんでもないひとつのきょどうがきゅうに)

腰かけてしまった。この一つの挙動がーーこのなんでもない一つの挙動が急に

(ようこのこころをかるくしてくれた。ようこはそのしゅんかんにおおいそぎでいままでうしないかけていた)

葉子の心を軽くしてくれた。葉子はその瞬間に大急ぎで今まで失いかけていた

(ものをじぶんのほうにたぐりもどした。そしてじむちょうをながしめにみやって、ちょっと)

ものを自分のほうにたぐり戻した。そして事務長を流し目に見やって、ちょっと

(ほほえんだそのびしょうには、さっきのびしょうのおろかしさがひそんでいないのをしんずること)

ほほえんだその微笑には、さっきの微笑の愚かしさが潜んでいないのを信ずる事

(ができた。ようこのせいかくのふかみからわきでるおそろしいしぜんさがまとまったすがたを)

ができた。葉子の性格の深みからわき出るおそろしい自然さがまとまった姿を

(あらわしはじめた。「なにごようでいらっしゃいます」そのわざとらしいつくりごえのなかに)

現わし始めた。「何御用でいらっしゃいます」そのわざとらしい造り声の中に

(かすかなしたしみをこめてみせたことばも、にくかんてきにあつみをおびた、それでいて)

かすかな親しみをこめて見せた言葉も、肉感的に厚みを帯びた、それでいて

(さかしげにしまりのいいふたつのくちびるにふさわしいものとなっていた。「きょう)

賢しげに締まりのいい二つの口びるにふさわしいものとなっていた。「きょう

(ふねがけんえきじょにつくんです、きょうのごごに。ところがけんえきいがこれなんだ」)

船が検疫所に着くんです、きょうの午後に。ところが検疫医がこれなんだ」

(じむちょうはほうばいにでもうちあけるように、おおきなしょくしをかぎがたにまげて、たぐるよう)

事務長は朋輩にでも打ち明けるように、大きな食指を鍵形にまげて、たぐるよう

(なかっこうをしてみせた。ようこがちょっとはんじかねたかおつきをしていると、「だから)

な格好をして見せた。葉子がちょっと判じかねた顔つきをしていると、「だから

(のましてやらんならんのですよ。それからぽーかーにもまけてやらんならん。)

飲ましてやらんならんのですよ。それからポーカーにも負けてやらんならん。

(びじんがいればおがましてもやらんならん」となおてまねをつづけながら、じむちょうは)

美人がいれば拝ましてもやらんならん」となお手まねを続けながら、事務長は

(まくらもとにおいてあるがんこなぱいぷをとりあげて、ゆびのさきではいをおしつけて、)

枕もとにおいてある頑固なパイプを取り上げて、指の先で灰を押しつけて、

(すいのこりのたばこにひをつけた。「ふねをさえみればそうしたわるさを)

吸い残りの煙草に火をつけた。「船をさえ見ればそうした悪戯(わるさ)を

(しおるんだから、うみぼうずをみるようなやつです。そういうとあたまのつるりとした)

しおるんだから、海坊主を見るようなやつです。そういうと頭のつるりとした

(くらげじみたにゅうどうらしいが、じっさいはげんきのいいいきなわかいいしゃでね。)

水母(くらげ)じみた入道らしいが、実際は元気のいい意気な若い医者でね。

(おもしろいやつだ。ひとつあってごらん。わたしでからがあんなところにねんじゅう)

おもしろいやつだ。一つ会ってごらん。わたしでからがあんな所に年じゅう

(おかれればああなるわさ」といって、みぎてにもったぱいぷをひざがしらにおき)

置かれればああなるわさ」といって、右手に持ったパイプを膝がしらに置き

(そえて、むきなおってまともにようこをみた。しかしそのときようこはくらちのことばには)

添えて、向き直ってまともに葉子を見た。しかしその時葉子は倉地の言葉には

(それほどちゅういをはらってはいないようすをみせていた。ちょうどようこのむこうがわに)

それほど注意を払ってはいない様子を見せていた。ちょうど葉子の向こう側に

(あるじむてーぶるのうえにかざられたなんまいかのしゃしんをものめずらしそうにながめやって、)

ある事務テーブルの上に飾られた何枚かの写真を物珍しそうにながめやって、

(みぎてのゆびさきをかるくきようにうごかしながら、たばこのけむりがむらさきいろにかおをかすめるのを)

右手の指先を軽く器用に動かしながら、煙草の煙が紫色に顔をかすめるのを

(はらっていた。じぶんをおとりにまでつかおうとするぶれいもあなたなればこそなんとも)

払っていた。自分を囮にまで使おうとする無礼もあなたなればこそなんとも

(いわずにいるのだというこころをじむちょうもさすがにすいしたらしい。しかし)

いわずにいるのだという心を事務長もさすがに推(すい)したらしい。しかし

(それにもかかわらずじむちょうはいいわけひとついわず、いっこうへいきなもので、)

それにも係わらず事務長は言いわけ一ついわず、いっこう平気なもので、

(きれいなかざりかみのついたきんぐちたばこのこばこをてをのばしてたなからとりあげながら、)

きれいな飾り紙のついた金口煙草の小箱を手を延ばして棚から取り上げながら、

(「どうですいっぽん」とようこのまえにさしだした。ようこはじぶんがたばこをのむか)

「どうです一本」と葉子の前にさし出した。葉子は自分が煙草をのむか

(のまぬかのもんだいをはじきとばすように、「あれはどなた?」としゃしんのひとつにめを)

のまぬかの問題をはじき飛ばすように、「あれはどなた?」と写真の一つに目を

(さだめた。「どれ」「あれ」ようこはそういったままでゆびさしはしない。「どれ」)

定めた。「どれ」「あれ」葉子はそういったままで指さしはしない。「どれ」

(とじむちょうはもういちどいって、ようこのおおきなめをまじまじとみいってからその)

と事務長はもう一度いって、葉子の大きな目をまじまじと見入ってからその

(しせんをたどって、しばらくしゃしんをみわけていたが、「はああれか。あれはね)

視線をたどって、しばらく写真を見分けていたが、「はああれか。あれはね

(わたしのさいしですんだ。けいさいととんじどもですよ」と)

わたしの妻子ですんだ。荊妻(けいさい)と豚児(とんじ)どもですよ」と

(いってたかだかとわらいかけたが、ふとわらいやんで、けわしいめでようこをちらっとみた。)

いって高々と笑いかけたが、ふと笑いやんで、険しい目で葉子をちらっと見た。

(「まあそう。ちゃんとおしゃしんをおかざりなすって、おやさしゅうござんすわね」)

「まあそう。ちゃんとお写真をお飾りなすって、おやさしゅうござんすわね」

(ようこはしんなりとたちあがってそのしゃしんのまえにいった。ものめずらしいものをみると)

葉子はしんなりと立ち上がってその写真の前に行った。物珍しいものを見ると

(いうようすをしてはいたけれども、こころのなかにはじぶんのてきがどんなけだもの)

いう様子をしてはいたけれども、心の中には自分の敵がどんな獣物(けだもの)

(であるかをみきわめてやるぞというはげしいてきがいしんがきゅうにもえ)

であるかを見きわめてやるぞという激しい敵愾心(てきがいしん)が急に燃え

(あがっていた。まえにはげいしゃででもあったのか、それともおっとのこころをむかえるために)

あがっていた。前には芸者ででもあったのか、それとも良人の心を迎えるために

(そうつくったのか、どこかくろうとじみたきれいなまるまげのおんながきかざって、さんにんのしょうじょを)

そう造ったのか、どこか玄人じみたきれいな丸髷の女が着飾って、三人の少女を

(ひざにだいたりそばにたたせたりしてうつっていた。ようこはそれをとりあげてあなの)

膝に抱いたりそばに立たせたりして写っていた。葉子はそれを取り上げて孔の

(あくほどじっとみやりながらてーぶるのまえにたっていた。ぎこちないちんもくが)

あくほどじっと見やりながらテーブルの前に立っていた。ぎこちない沈黙が

(しばらくそこにつづいた。「おようさん」(じむちょうははじめてようこをそのせいでよばずに)

しばらくそこに続いた。「お葉さん」(事務長は始めて葉子をその姓で呼ばずに

(こうよびかけた)とつぜんふるえをおびた、ひくい、おもいこえがやきつくようにみみちかく)

こう呼びかけた)突然震えを帯びた、低い、重い声が焼きつくように耳近く

(きこえたとおもうと、ようこはくらちのおおきなむねとふというでとでみうごきもできないように)

聞こえたと思うと、葉子は倉地の大きな胸と太い腕とで身動きもできないように

(だきすくめられていた。もとよりようこはそのあさくらちがやじゅうのような)

抱きすくめられていた。もとより葉子はその朝倉地が野獣のような

(assaultにでることをちょっかくてきにかくごして、むしろそれをきたいして、)

assaultに出る事を直覚的に覚悟して、むしろそれを期待して、

(そのassaultを、こころばかりでなく、にくたいてきなこうきしんをもってまちうけて)

そのassaultを、心ばかりでなく、肉体的な好奇心をもって待ち受けて

(いたのだったが、かくまでとつぜん、なんのまえぶれもなくおこってこようとはおもいも)

いたのだったが、かくまで突然、なんの前ぶれもなく起こって来ようとは思いも

(もうけなかったので、おんなのほんぜんのしゅうちからおこるていそうのぼうえいにかられて、ねっし)

設けなかったので、女の本然の羞恥から起こる貞操の防衛に駆られて、熱し

(きったようなひえきったようなちをいっときにたいないにかんじながら、かかえられた)

きったような冷えきったような血を一時に体内に感じながら、かかえられた

(まま、ぶべつをきわめたひょうじょうをふたつのめにあつめて、くらちのかおをななめにみかえした。)

まま、侮蔑をきわめた表情を二つの目に集めて、倉地の顔を斜めに見返した。

(そのひややかなめのひかりはかりそめのおとこのこころをたじろがすはずだった。じむちょうのかおは)

その冷やかな目の光は仮初めの男の心をたじろがすはずだった。事務長の顔は

(ふりかえったようこのかおにいきのかかるほどのちかさで、ようこをみいっていたが、)

振り返った葉子の顔に息気のかかるほどの近さで、葉子を見入っていたが、

(ようこがあたえたれいこくなひとみにはめもくれぬまでくるわしくねっしていた。(ようこの)

葉子が与えた冷酷なひとみには目もくれぬまで狂わしく熱していた。(葉子の

(かんじょうをもっともつよくあおりたてるものはねどこをはなれたあさのおとこのかおだった。いちやの)

感情を最も強くあおり立てるものは寝床を離れた朝の男の顔だった。一夜の

(きゅうそくにすべてのせいきをじゅうぶんかいふくしたけんこうなおとこのようぼうのなかには、おんなのもつすべての)

休息にすべての精気を充分回復した健康な男の容貌の中には、女の持つすべての

(ものをなげいれてもおしくないとおもうほどのちからがこもっているとようこはしじゅう)

ものを投げ入れても惜しくないと思うほどの力がこもっていると葉子は始終

(かんずるのだった)ようこはくらちにぞんぶんなけいぶのこころもちをみせつけながらも、そのかお)

感ずるのだった)葉子は倉地に存分な軽侮の心持ちを見せつけながらも、その顔

(をはなのさきにみると、だんせいというもののきょうれつなけんいんのちからをうちこまれるように)

を鼻の先に見ると、男性というものの強烈な牽引の力を打ち込まれるように

(かんぜずにはいられなかった。いきせわしくはくおとこのためいきはあられの)

感ぜずにはいられなかった。息気せわしく吐く男のため息は霰(あられ)の

(ようにようこのかおをうった。ひともえあがらんばかりにおとこのからだからは)

ように葉子の顔を打った。火と燃え上らんばかりに男のからだからは

(desireのほむらがぐんぐんようこのけつみゃくにまでひろがっていった。)

desireの焔(ほむら)がぐんぐん葉子の血脈にまで広がって行った。

(ようこはわれにもなくいじょうなこうふんにがたがたふるえはじめた。)

葉子はわれにもなく異常な興奮にがたがた震え始めた。

(ふとくらちのてがゆるんだのでようこはきっておとされたようにふらふらとよろけ)

ふと倉地の手がゆるんだので葉子は切って落とされたようにふらふらとよろけ

(ながら、あやうくふみとどまってめをひらくと、くらちがへやのとにかぎをかけようと)

ながら、危うく踏みとどまって目を開くと、倉地が部屋の戸に鍵をかけようと

(しているところだった。かぎがあわないので、「くそっ」とうしろむきになって)

しているところだった。鍵が合わないので、「糞っ」と後ろ向きになって

(つぶやくくらちのこえがさいごのせんこくのようにぜつぼうてきにひくくへやのなかにひびいた。くらち)

つぶやく倉地の声が最後の宣告のように絶望的に低く部屋の中に響いた。倉地

(からはなれたようこはさながらははからはなれたあかごのように、すべてのちからがきゅうにどこか)

から離れた葉子はさながら母から離れた赤子のように、すべての力が急にどこか

(にきえてしまうのをかんじた。あとにのこるものとてはそこのない、たよりないひあい)

に消えてしまうのを感じた。あとに残るものとては底のない、たよりない悲哀

(ばかりだった。いままであじわってきたすべてのひあいよりもさらにざんこくなひあいが、)

ばかりだった。今まで味わってきたすべての悲哀よりもさらに残酷な悲哀が、

(ようこのむねをかきむしっておそってきた。それはくらちのそこにいるのすらわすれさす)

葉子の胸をかきむしって襲って来た。それは倉地のそこにいるのすら忘れさす

(くらいだった。ようこはいきなりねどこのうえにまるまってたおれた。そしてうつぶしに)

くらいだった。葉子はいきなり寝床の上に丸まって倒れた。そしてうつぶしに

(なったままけいれんてきにはげしくなきだした。くらちがそのなきごえにちょっとためらって)

なったまま痙攣的に激しく泣き出した。倉地がその泣き声にちょっとためらって

(たったままみているあいだに、ようこはこころのなかでさけびにさけんだ。「ころすならころすが)

立ったまま見ている間に、葉子は心の中で叫びに叫んだ。「殺すなら殺すが

(いい。ころされたっていい。ころされたってにくみつづけてやるからいい。わたしは)

いい。殺されたっていい。殺されたって憎みつづけてやるからいい。わたしは

(かった。なんといってもかった。こんなにかなしいのをなぜはやくころしてはくれない)

勝った。なんといっても勝った。こんなに悲しいのをなぜ早く殺してはくれない

(のだ。このかなしみにいつまでもひたっていたい。はやくしんでしまいたい。・・・」)

のだ。この哀しみにいつまでも浸っていたい。早く死んでしまいたい。・・・」

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