怪人二十面相63

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問題文

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(そのうえ、ぼくがいては、これからおもうようにしごともできないのだから、)

そのうえ、ぼくがいては、これから思うように仕事もできないのだから、

(どうにかしてぼくをいうじゃまものを、なくしようとかんがえるにちがいない。)

どうにかしてぼくをいうじゃま者を、なくしようと考えるにちがいない。

(ごらん、まどのそとを。ほら、あすこにかみしばいやがいるだろう。こんな)

ごらん、窓の外を。ホラ、あすこに紙芝居屋がいるだろう。こんな

(さびしいところで、かみしばいがにをおろしたって、しょうばいになるはずはないのに、)

さびしいところで、紙芝居が荷をおろしたって、商売になるはずはないのに、

(あいつはもうさっきから、あすこにたちどまって、このまどを、みぬような)

あいつはもうさっきから、あすこに立ちどまって、この窓を、見ぬような

(ふりをしながら、いっしょうけんめいにみているのだよ。」)

ふりをしながら、いっしょうけんめいに見ているのだよ。」

(いわれて、こばやしくんが、あけちていのもんぜんのほそいどうろをみますと、いかにも、)

いわれて、小林君が、明智邸の門前の細い道路を見ますと、いかにも、

(ひとりのかみしばいやが、うさんくさいようすでたっているのです。)

ひとりの紙芝居屋が、うさんくさいようすで立っているのです。

(「じゃ、あいつにじゅうめんそうのぶかですね。せんせいのようすをさぐりにきて)

「じゃ、あいつ二十面相の部下ですね。先生のようすをさぐりに来て

(いるんですね。」)

いるんですね。」

(「そうだよ。それごらん。べつにくろうをしてさがしまわらなくても、)

「そうだよ。それごらん。べつに苦労をしてさがしまわらなくても、

(せんぽうからちゃんとちかづいてくるだろう。あいつについていけば、しぜんと)

先方からちゃんと近づいてくるだろう。あいつについていけば、しぜんと

(にじゅうめんそうのかくれがもわかるわけじゃないか。」)

二十面相のかくれがもわかるわけじゃないか。」

(「じゃ、ぼく、すがたをかえてびこうしてみましょうか。」)

「じゃ、ぼく、姿をかえて尾行してみましょうか。」

(こばやしくんはきがはやいのです。)

小林君は気が早いのです。

(「いや、そんなことしなくてもいいんだ。ぼくにすこしかんがえがあるからね。)

「いや、そんなことしなくてもいいんだ。ぼくに少し考えがあるからね。

(あいては、なんといってもおそろしくあたまのするどいやつだから、うかつな)

相手は、なんといってもおそろしく頭のするどいやつだから、うかつな

(まねはできない。)

まねはできない。

(ところでねえ、こばやしくん、あすあたり、ぼくのしんぺんに、すこしかわったこと)

ところでねえ、小林君、あすあたり、ぼくの身辺に、少しかわったこと

(が、おこるかもしれないよ。だが、けっしておどろくんじゃないぜ。)

が、おこるかもしれないよ。だが、けっしておどろくんじゃないぜ。

など

(ぼくは、けっしてにじゅうめんそうなんかに、だしぬかれやしないからね。)

ぼくは、けっして二十面相なんかに、出しぬかれやしないからね。

(たとえぼくのみがあぶないようなことがあっても、それもひとつのさくりゃく)

たとえぼくの身があぶないようなことがあっても、それも一つの策略

(なのだから、けっしてしんぱいするんじゃないよ。いいかい。」)

なのだから、けっして心配するんじゃないよ。いいかい。」

(そんなふうに、しんみりといわれますと、こばやししょうねんは、するなと)

そんなふうに、しんみりといわれますと、小林少年は、するなと

(いわれても、しんぱいしないわけにはいきませんでした。)

いわれても、心配しないわけにはいきませんでした。

(「せんせい、なにかあぶないことでしたら、ぼくにやらせてください。せんせいに、)

「先生、何かあぶないことでしたら、ぼくにやらせてください。先生に、

(もしものことがあってはたいへんですから。」)

もしものことがあってはたいへんですから。」

(「ありがとう。」)

「ありがとう。」

(あけちたんていは、あたたかいてをしょうねんのかたにあてていうのでした。)

明智探偵は、あたたかい手を少年の肩にあてていうのでした。

(「だが、きみにはできないしごとなんだよ。まあ、ぼくをしんじていたまえ。)

「だが、きみにはできない仕事なんだよ。まあ、ぼくを信じていたまえ。

(きみもしっているだろう。ぼくがいちどだってしっぱいしたことが)

きみも知っているだろう。ぼくが一度だって失敗したことが

(あったかい・・・・・・。しんぱいするんじゃないよ。しんぱいするんじゃないよ。」)

あったかい……。心配するんじゃないよ。心配するんじゃないよ。」

(さて、そのよくじつのゆうがたのことでした。)

さて、その翌日の夕方のことでした。

(あけちたんていのもんぜん、ちょうど、きのうかみしばいがたっていたへんに、)

明智探偵の門前、ちょうど、きのう紙芝居が立っていたへんに、

(きょうはひとりのこじきがすわりこんで、ほんのときたまとおりかかるひとに、)

きょうはひとりの乞食がすわりこんで、ほんの時たま通りかかる人に、

(なにかくちのなかでもぐもぐいいながら、おじぎをしております。)

何か口の中でモグモグいいながら、おじぎをしております。

(にしめたようなきたないてぬぐいでほおかむりをして、ほうぼうに)

にしめたようなきたない手ぬぐいでほおかむりをして、ほうぼうに

(つぎのあたった、ぼろぼろにやぶれたきものをきて、いちまいのござのうえに)

つぎのあたった、ぼろぼろにやぶれた着物を着て、一枚のござの上に

(すわって、さむそうにぶるぶるみぶるいしているありさまは、いかにも)

すわって、寒そうにブルブル身ぶるいしているありさまは、いかにも

(あわれにみえます。)

あわれに見えます。

(ところが、ふしぎなことに、おうらいにひとどおりがとだえますと、このこじきの)

ところが、ふしぎなことに、往来に人通りがとだえますと、この乞食の

(ようすがいっぺんするのでした。いままでひくくたれていたくびを、むくむくと)

ようすが一変するのでした。今まで低くたれていた首を、ムクムクと

(もたげて、かおいちめんのぶしょうひげのなかから、するどいめをひからせて、)

もたげて、顔いちめんの無精ひげの中から、するどい目を光らせて、

(めのまえのあけちたんていのいえを、じろじろとながめまわすのです。)

目の前の明智探偵の家を、ジロジロとながめまわすのです。

(あけちたんていは、そのひごぜんちゅうは、どこかへでかけていましたが、さんじかん)

明智探偵は、その日午前中は、どこかへ出かけていましたが、三時間

(ほどできたくすると、おうらいからそんなこじきがみはっているのを、しってか)

ほどで帰宅すると、往来からそんな乞食が見はっているのを、知ってか

(しらずにか、おもてにめんしたにかいのしょさいで、つくえにむかって、しきりなにか)

知らずにか、表に面した二階の書斎で、机に向かって、しきり何か

(かきものをしています。)

書きものをしています。

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