家なき子 12

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数11難易度(4.5) 4165打 長文
作者 エクトール・マロ

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問題文

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(ぼくはまた、びたりすじいさんたちとあるきつづけなくてはなりませんでした。) 僕はまた、ビタリス爺さんたちと歩き続けなくてはなりませんでした。 (あめのひも、かぜのひも。) 雨の日も、風の日も。 (にかげつのあいだ、みりがんさんやあーさーと、しあわせにくらしていたぼくに) 二か月の間、ミリガンさんやアーサーと、幸せに暮らしていた僕に (このまいにちのくらしは、ひどくつらくおもえました。) この毎日の暮らしは、ひどくつらく思えました。 (でも、びたりすじいさんが、これまでよりずっとやさしくなったので) でも、ビタリス爺さんが、これまでよりずっと優しくなったので (ぼくはほっとしました。おじいさんは、よくぼくにいいました。) 僕はほっとしました。お爺さんは、よく僕に言いました。 (「おまえは、みりがんさんがすきなんだね。あのひとはおまえにやさしかったからな」) 「お前は、ミリガンさんが好きなんだね。あの人はお前に優しかったからな」 (それから、つぶやくようにこういいました。) それから、つぶやくようにこう言いました。 (「うむ、そうすればよかった・・・」) 「うむ、そうすればよかった・・・」 (ぼくはそれをきいて、おじいさんがぼくをみりがんさんのところに) 僕はそれを聞いて、お爺さんが僕をミリガンさんのところに
(おいておいたほうがよかったとおもっていることが、はっきりとわかりました。) おいておいたほうがよかったと思っていることが、はっきりとわかりました。 (でも、おじいさんにはそれができなかったのです。) でも、お爺さんにはそれができなかったのです。 (りよんのまちで、なんしゅうかんかすごしました。) リヨンの町で、何週間か過ごしました。 (ひまをみつけると、ぼくはろーぬがわやそーぬがわのきしにいってはくちょうごうをさがしました。) 暇を見つけると、僕はローヌ川やソーヌ川の岸に行って白鳥号を探しました。 (でも、いくらさがしてもはくちょうごうはみつかりませんでした。) でも、いくら探しても白鳥号は見つかりませんでした。 (それから、ぼくたちはでぃじょんというまちにむかってあるきだしました。) それから、僕たちはディジョンという町にむかって歩き出しました。 (もうさむいふゆが、めのまえにちかづいていました。) もう寒い冬が、目の前に近づいていました。 (おじいさんはふゆのあいだを、ぱりですごそうとかんがえてみちをいそいでいました。) お爺さんは冬の間を、パリで過ごそうと考えて道を急いでいました。 (しゃちよんをすぎると、やまからこおるようなつめたいかぜがふいてきました。) シャチヨンを過ぎると、山から凍るような冷たい風が吹いてきました。 (やがて、そらはくろいくもでおおわれ、いまにもゆきがふりだしそうでした。) やがて、空は黒い雲で覆われ、今にも雪が降り出しそうでした。
など
(そのばん、ぼくたちはむらのちいさなやどやにとまりました。) その晩、僕たちは村の小さな宿屋に泊まりました。 (「すぐにねなさい。あしたは、あさはやくでかけるから」と、おじいさんはいいました。) 「すぐに寝なさい。明日は、朝早く出かけるから」と、お爺さんは言いました。 (つぎのひ、ぼくたちがまだくらいうちにしゅっぱつしようとすると、やどやのしゅじんがいいました) 次の日、僕たちがまだ暗いうちに出発しようとすると、宿屋の主人が言いました (「このてんきじゃ、でかけないほうがいいね。ゆきになるよ」) 「この天気じゃ、出かけない方がいいね。雪になるよ」 (「いや、とろわのまちまでいそぐもんですから」) 「いや、トロワの町まで急ぐもんですから」 (おじいさんはそういって、かぜのふくなかをあるきだしました。) お爺さんはそう言って、風の吹く中を歩きだしました。 (しばらくすると、ちょうのはねのようなゆきがひらひらとおちてきました。) しばらくすると、蝶の羽のような雪がひらひらと落ちてきました。 (ゆきがふりだしたから、かぜはやむだろうとおもっていると) 雪が降り出したから、風はやむだろうと思っていると (かぜはますますはげしくふき、ゆきもますますふりだして、ひどいふぶきになりました。) 風は増々激しく吹き、雪も増々降り出して、ひどい吹雪になりました。 (「これでは、とてもとろわまではいけない。どこかのいえにとめてもらおう」) 「これでは、とてもトロワまでは行けない。どこかの家に泊めてもらおう」 (おじいさんとぼくは、からだをゆきでまっしろにしてあるきました。) お爺さんと僕は、体を雪で真っ白にして歩きました。 (いぬたちは、すこしでもゆきをよけようとして、ぼくたちのうしろからついてきます。) 犬たちは、少しでも雪をよけようとして、僕たちの後ろからついてきます。 (でも、いくらさがしてもいえはみえませんでした。) でも、いくら探しても家は見えませんでした。 (そのうち、かぜはやみましたがゆきはますますひどくふりだしました。) そのうち、風はやみましたが雪は増々ひどく降り出しました。 (「あっ、あそこにこやが・・・」おじいさんがひだりのほうをさしていいました。) 「あっ、あそこに小屋が・・・」お爺さんが左の方をさして言いました。 (ぼくたちは、むちゅうでそのこやにむかってはしりました。) 僕たちは、夢中でその小屋に向かって走りました。 (こやは、きこりがしごとにつかうこやで、いしのいすとちいさなだんろと) 小屋は、木こりが仕事に使う小屋で、石の椅子と小さな暖炉と (まきのたばがおいてありました。) 薪の束が置いてありました。 (「これはありがたい。これなら、いくらゆきがふろうがもうだいじょうぶだ」) 「これはありがたい。これなら、いくら雪が降ろうがもう大丈夫だ」 (おじいさんは、そういってだんろにひをつけました。) お爺さんは、そう言って暖炉に火をつけました。 (いぬたちはおおよろこびでぬれたからだをかわかし、じょりくーるは、おじいさんのふところから) 犬たちは大喜びで濡れた体を乾かし、ジョリ・クールは、お爺さんの懐から (とびだして、だんろのいちばんまえにいきました。) 飛び出して、暖炉の一番前に行きました。 (すると、おじいさんはふくろのなかからおおきなぱんとちーずのかたまりをとりだしていいました) すると、お爺さんは袋の中から大きなパンとチーズの塊を取り出して言いました (「おなかがすいたろう、さああさめしだ」) 「お腹がすいたろう、さあ朝飯だ」 (でも、ぱんもちーずもはんぶんをむっつにわけたので、ぼくたちのおなかは) でも、パンもチーズも半分を六つに分けたので、僕たちのお腹は (いっぱいにはなりませんでした。) いっぱいにはなりませんでした。 (ぼくたちのものたりなさそうなかおに、おじいさんはいいました。) 僕たちの物足りなさそうな顔に、お爺さんは言いました。 (「これから、どんなことがおこるかもわからん。) 「これから、どんなことが起こるかもわからん。 (あとのはんぶんは、ようじんのためにとっておかなくては」) あとの半分は、用心のためにとっておかなくては」 (ゆきはよるになってもやみませんでした。ぼくたちは、のこりのはんぶんのぱんとちーずを) 雪は夜になってもやみませんでした。僕たちは、残りの半分のパンとチーズを (たべて、だんろのまえにかたまりました。) 食べて、暖炉の前にかたまりました。 (「おおかみがいるかもしれん。だんろのひをひとばんじゅう、たやさないように) 「おおかみがいるかもしれん。暖炉の火を一晩中、絶やさないように (しないといかん。れみ、おまえはおやすみ。わしがおこしたら、ひのばんをするのだよ) しないといかん。レミ、お前はお休み。わしが起こしたら、火の番をするのだよ (おじいさんにいわれて、ぼくはぐっすりとねむりました。) お爺さんに言われて、僕はぐっすりと眠りました。 (それから、おじいさんにおこされてひのばんをしました。) それから、お爺さんに起こされて火の番をしました。 (ところが、だんろのまえでぼくがうとうとしていると、とつぜん、いぬのほえるこえがしました) ところが、暖炉の前で僕がうとうとしていると、突然、犬の吠える声がしました (かぴがいりぐちのところで、しきりにほえているのです。) カピが入口のところで、しきりに吠えているのです。 (「どうしたんだ」おじいさんがおきてきて、ぼくにききました。) 「どうしたんだ」お爺さんが起きてきて、僕に聞きました。 (ぼくがこたえられずにいると、こやのそとでおそろしいさけびごえがきこえました。) 僕が答えられずにいると、小屋の外で恐ろしい叫び声が聞こえました。 (「おおかみだ。ぜるびのとどるすはどこにいる?」) 「おおかみだ。ゼルビノとドルスはどこにいる?」 (こやのなかをみまわしましたが、にひきのいぬはみえません。) 小屋の中を見回しましたが、二匹の犬は見えません。 (おじいさんはまきのもえさしをもって、こやのそとにでていきました。) お爺さんは薪の燃えさしを持って、小屋の外に出て行きました。 (ぼくもそのうしろからついていきました。ゆきのうえにいぬたちのあしあとがついています。) 僕もそのうしろからついて行きました。雪の上に犬たちの足跡がついています。 (それをたどっていくと、いぬたちのあばれまわったあとがありました。) それをたどっていくと、犬たちの暴れまわった跡がありました。 (ここで、おおかみたちにおそわれたのでしょう。) ここで、おおかみたちに襲われたのでしょう。 (「かぴ、さがしてこい」おじいさんがいっても、かぴはこわがってしりごみをしています) 「カピ、探してこい」お爺さんが言っても、カピは怖がって尻込みをしています (おじいさんがくちぶえをふいても、なまえをよんでも、ぜるびのとどるすは) お爺さんが口笛を吹いても、名前を呼んでも、ゼルビノとドルスは (もどってきませんでした。おまけに、じょりくーるまでがこわがって) 戻ってきませんでした。おまけに、ジョリ・クールまでが怖がって (たかいきのうえにのぼったままおりてきません。) 高い木の上に登ったまま降りてきません。 (ぼくがきにのぼってつかまえようとしても、あちこちにげまわってつかまりません。) 僕が木に登って捕まえようとしても、あちこち逃げ回って捕まりません。 (でも、そのうちにつかれたらしく、きのしたにいたびたりすじいさんのかたに) でも、そのうちに疲れたらしく、木の下にいたビタリス爺さんの肩に (ぽんととびおりてきました。) ぽんと飛び降りてきました。 (ぼくたちはだんろのまえでひえきったじょりくーるのからだをあたためてやりましたが) 僕たちは暖炉の前で冷え切ったジョリ・クールの体をあたためてやりましたが (じょりくーるは、いつまでもぶるぶるふるえていました。) ジョリ・クールは、いつまでもぶるぶる震えていました。 (「かわいそうなぜるびのとどるす・・・」おじいさんがあたまをかかえてつぶやきました) 「かわいそうなゼルビノとドルス・・・」お爺さんが頭を抱えてつぶやきました (ぼくがうっかりいねむりをしたために、こんなことになったのだとおもうと) 僕がうっかり居眠りをしたために、こんなことになったのだと思うと (どうしてよいかわかりませんでした。) どうしてよいかわかりませんでした。
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