星を見る少女 -6-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8388 8.4 98.7% 287.9 2446 31 56 2026/02/27
2 ぎんなんまる 8332 8.6 96.8% 289.1 2491 82 56 2026/02/27
3 HAKU 7398 7.7 95.8% 323.3 2501 109 56 2026/02/28
4 Jyo 6219 A++ 6.4 96.7% 381.2 2453 82 56 2026/02/26

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問題文

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(せいぜんとならんだべらんだには、いつものようにせんたくものがずらりとならんでいる。) 整然と並んだベランダには、いつものように洗濯物がずらりと並んでいる。 (よくもまあそんなにまいにちせんたくができるものだ。) よくもまあそんなに毎日洗濯ができるものだ。 (ぼくなどもうめんどくさくてめんどくさくて、) 僕などもうめんどくさくてめんどくさくて、 (いっしゅうかんはへいきでためこんでいる。) 一週間は平気で溜め込んでいる。 (じっかへもちこめるせんぱいがしんそこうらやましかった。) 実家へ持ち込める先輩が心底羨ましかった。 (それにしてもきょうはよいひざしだ。) それにしても今日は良い日差しだ。 (ここすうじつのさむさがうそのようにはるらしいあたたかさがもどってきたし、) ここ数日の寒さが嘘のように春らしい暖かさが戻ってきたし、 (ぜっこうのせんたくびよりといえるだろう。) 絶好の洗濯日和と言えるだろう。 (ごごのようこうにめをほそめながら、) 午後の陽光に目を細めながら、 (ぼくはよいきもちでまんしょんのぜんけいをながめていた。) 僕は良い気持ちでマンションの全景を眺めていた。 (かーてんがしめられているへやがぜんたいのろくぶんのご。) カーテンが閉められている部屋が全体の六分の五。 (はんぱにひらいているのがふたへや。ぜんぶひらいているのもふたへや。) 半端に開いているのが二部屋。全部開いているのも二部屋。 (どのへやのべらんだにも、) どの部屋のベランダにも、 (ふとんをたたいたりせんたくものをほしたりするようなしゅふのすがたはない。) 布団を叩いたり洗濯物を干したりするような主婦の姿はない。 (へいじつだしともばたらきがおおいのかもしれない。) 平日だし共働きが多いのかもしれない。 (しゅふのすけじゅーるはよくわからないが、せんぎょうでもせんたくものをほしたりなんかは、) 主婦のスケジュールはよくわからないが、専業でも洗濯物を干したりなんかは、 (ごぜんちゅうにするものとそうばがきまっているのかもしれない。) 午前中にするものと相場が決まっているのかも知れない。 (・・・・・) ・・・・・ (あくびがでた。) あくびがでた。 (らんかんにあごをのせる。ねむくなってきた。) 欄干に顎を乗せる。眠くなってきた。
など
(きょうはかぜがないな。) 今日は風がないな。 (だからあたたかいのかもしれない。) だから暖かいのかも知れない。 (くびをのばしてかわをみおろすと、ないだみなもがしずかにゆたっている。) 首を伸ばして川を見下ろすと、凪いだ水面が静かにゆたっている。 (きのうまでのかぜでさざなみたっているときとはまったくちがうそうぼうだ。) 昨日までの風でさざなみ立っている時とは全く違う相貌だ。 (かわもはまるでかがみのように、しゅういのけしきがせんめいにうつりこんでいる。) 川面はまるで鏡のように、周囲の景色が鮮明に映り込んでいる。 (ときがとまったように。) 時が止まったように。 (かがみのなかのまんしょんをみると、べらんだにだされたふとんのいろもみてとれる。) 鏡の中のマンションを見ると、ベランダに出された布団の色も見て取れる。 (めをこらせばえまでみえそうだ。) 目を凝らせば柄まで見えそうだ。 (せんたくもののも、かーてんも、にんげんのかおまでみえた。) 洗濯物のも、カーテンも、人間の顔まで見えた。 (みょうにかんしんしてしまった。) 妙に感心してしまった。 (いくらかぜがなくてもうみではこうはいかないだろう。) いくら風がなくても海ではこうはいかないだろう。 (みずうみのながれのゆるやかなかわで、しかもよほどじょうけんがそろわなければ、) 湖の流れの緩やかな皮で、しかもよほど条件が揃わなければ、 (これほどきれいにけしきをうつすことはないだろう。) これほど綺麗に景色を映すことはないだろう。 (じつによいものをみたようなきになりまんぞくしてしまったので、) 実に良いものを見たような気になり満足してしまったので、 (きょうはもうかえろうかとかおをあげかけた。そのときだ。) 今日はもう帰ろうかと顔を上げかけた。その時だ。 (じくり、とくびすじになにかがはうような、きもちのわるいかんかくがはしった。) じくり、と首筋に何かが這うような、気持ちの悪い感覚が走った。 (かお。) 顔。 (かおだ。) 顔だ。 (さっきたしかににんげんのかおがみえた。) さっき確かに人間の顔が見えた。 (おもわずかおをあげて、はしのむこうのまんしょんをみる。) 思わず顔を上げて、橋の向こうのマンションを見る。 (いっかい、にかい、さんかい、よんかい。どのへやもべらんだはむじんだ。) 一階、二階、三階、四階。どの部屋もベランダは無人だ。 (そしてほとんどのへやはかーてんがしまっている。) そしてほとんどの部屋はカーテンが閉まっている。 (ひとのすがたはみえない。) 人の姿は見えない。 (むねにどうきをかんじながらはしのしたにめをむけ、かがみのなかのまんしょんをみつめる。) 胸に動悸を感じながら橋の下に目を向け、鏡の中のマンションを見つめる。 (いる。) いる。 (へやのひとつ。さんかいの、みぎからさんばんめのまど。かーてんがはんぶんあいている。) 部屋の一つ。三階の、右から三番目の窓。カーテンが半分開いている。 (そのまどぎわからそとをみているかお。おんなのこだ。かみがながい。) その窓際から外を見ている顔。女の子だ。髪が長い。 (ぼくはろうばいしてめをこすった。) 僕は狼狽して目を擦った。 (かがみのようだとはいっても、しょせんはながれているみずだ。) 鏡のようだとは言っても、しょせんは流れている水だ。 (みまちがいということはあるかもしれない。) 見間違いということはあるかも知れない。 (しかしなんどめをこすっても、みなもにうつるそのへやのまどにはおんなのこのすがたがあるのだ。) しかし何度目を擦っても、水面に映るその部屋の窓には女の子の姿があるのだ。 (かおをあげてげんじつのそのへやにめをこらしても、) 顔を上げて現実のその部屋に目を凝らしても、 (かーてんははんぶんあいているが、まどのむこうにはひとかげすらみえない。) カーテンは半分開いているが、窓の向こうには人影すら見えない。 (そのままかおをさげると、きょうぞうのおんなのこはじっとそとをみつづけている。) そのまま顔を下げると、鏡像の女の子はじっと外を見続けている。 (それもきのせいか、こちらをみているようなきがする。) それも気のせいか、こちらを見ているような気がする。 (ぞくりとしてなまつばをのみこむ。) ぞくりとして生唾を飲み込む。
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