小説長文10! 最終話

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投稿者投稿者白鮮まり @まりとっつぉ🎐 🩵❄️🪽✨  いいね0  お気に入り登録
プレイ回数1  難易度(4.5) 3808打 長文
サバイバル小説系です!「NØWHERE」最終話
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!
画像協力者:AI(光の演出、衣装)

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問題文

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(もにたーにうつしだされたじんぶつをみて、おれたちはことばをうしなった。) モニターに映し出された人物を見て、俺たちは言葉を失った。 (はくいをきたじょせいが、しずかなけんきゅうしつでこちらをみつめている。) 白衣を着た女性が、静かな研究室でこちらを見つめている。 (「これをみているよにんへ。ようやく、ここまでたどりついたのですね。」) 「これを見ている四人へ。ようやく、ここまでたどり着いたのですね。」 (そのこえをきいたしゅんかん、あおいのひょうじょうがかわった。) その声を聞いた瞬間、葵の表情が変わった。 (「......おかあさん?」) 「......お母さん?」 (じょせいはあおいのははおやだった。) 女性は葵の母親だった。 (えいぞうはつづく。) 映像は続く。 (「わたしは、このとしのかいはつせきにんしゃです。) 「私は、この都市の開発責任者です。 (あなたたちがいるばしょは、げんじつのまちではありません。」) あなたたちがいる場所は、現実の街ではありません。」 (「げんじつじゃない......?」) 「現実じゃない......?」
(おれはがめんをみつめた。) 俺は画面を見つめた。 (「ここは、さいがいじのにんげんのこうどうや、) 「ここは、災害時の人間の行動や、 (きょうりょくかんけいをけんきゅうするためにつくられた、かそうとしです。」) 協力関係を研究するために作られた、仮想都市です。」 (まちぜんたいが、ひとつのきょだいなじっけんくうかんだった。) 街全体が、一つの巨大な実験空間だった。 (「あなたたちは、じっけんにさんかしたよんめいのひけんしゃです。) 「あなたたちは、実験に参加した四名の被験者です。 (じぜんにあつめたきおくやせいかつでーたをりようし、) 事前に集めた記憶や生活データを利用し、 (それぞれにあわせたかんきょうをこうちくしました。」) それぞれに合わせた環境を構築しました。」 (おれはしょくりょうにじぶんのなまえがかかれていたりゆうをりかいした。) 俺は食料に自分の名前が書かれていた理由を理解した。 (まちがおれたちのこのみをしっていたのも、) 街が俺たちの好みを知っていたのも、 (かんしかめらがこうどうをきろくしていたのも、そのためだった。) 監視カメラが行動を記録していたのも、そのためだった。
など
(ごぜんじゅうじじゅうはっぷんは、このとしのさいしょのきどうじこくです。) 午前十時十八分は、この都市の最初の起動時刻です。 (すべてのとけいがとまっていたのは、) すべての時計が止まっていたのは、 (じっけんかいしじこくをきじゅんとしてまちがかんりされていたためです。」) 実験開始時刻を基準として街が管理されていたためです。」 (ようやく、あのすうじのいみがわかった。) ようやく、あの数字の意味が分かった。 (「やかんにあらわれるかげのないそんざいは、まちをかんしするためのかんりぷろぐらむです。) 「夜間に現れる影のない存在は、街を監視するための管理プログラムです。 (また、きそくにしたがってもらうため、たてもののそとからきこえるこえには、) また、規則に従ってもらうため、建物の外から聞こえる声には、 (あなたたちのきおくにあるじんぶつのこえをしようしています。」) あなたたちの記憶にある人物の声を使用しています。」 (あおいはがめんをみつめたまま、ちいさくつぶやいた。) 葵は画面を見つめたまま、小さく呟いた。 (「だから、おかあさんのこえがきこえたんだ......。」) 「だから、お母さんの声が聞こえたんだ......。」 (えいぞうのじょせいはすこしひょうじょうをやわらげた。) 映像の女性は少し表情を和らげた。 (「そして、もうひとつ。あなたたちがここにあつめられたりゆうは、) 「そして、もう一つ。あなたたちがここに集められた理由は、 (たんじゅんなせいぞんのうりょくをしらべるためではありません。」) 単純な生存能力を調べるためではありません。」 (がめんがきりかわる。) 画面が切り替わる。 (「かぎられたじょうほうとふたしかなじょうきょうのなかで、にんげんがだれをしんじ、) 「限られた情報と不確かな状況の中で、人間が誰を信じ、 (どのようなせんたくをするのか。それをきろくするためです。」) どのような選択をするのか。それを記録するためです。」 (おれはだい5わのできごとをおもいだした。) 俺は第5話の出来事を思い出した。 (ゆうまをうたがったこと。) 悠真を疑ったこと。 (あおいといけんがくいちがったこと。) 葵と意見が食い違ったこと。 (たがいをしんじられなくなりかけたこと。) 互いを信じられなくなりかけたこと。 (それらも、すべてかんさつされていた。) それらも、すべて観察されていた。 (えいぞうのさいごに、じょせいがゆっくりとあたまをさげた。) 映像の最後に、女性がゆっくりと頭を下げた。 (「あいざわれんさんには、じぜんしけんのきろくとかんりけんげんがひきつがれています。) 「相沢蓮さんには、事前試験の記録と管理権限が引き継がれています。 (さいしゅうにんしょうをおねがいしたのも、そのためです。」) 最終認証をお願いしたのも、そのためです。」 (れんはしずかにがめんをみつめていた。) 蓮は静かに画面を見つめていた。 (そして、じょせいはさいごのことばをくちにした。) そして、女性は最後の言葉を口にした。 (「このとしは、あなたたちをとじこめるためにつくられたものではありません。) 「この都市は、あなたたちを閉じ込めるために作られたものではありません。 (ここでのけいけんをおえ、じぶんたちのいしでそとへすすむためのばしょです。」) ここでの経験を終え、自分たちの意思で外へ進むための場所です。」 (えいぞうがしゅうりょうした。) 映像が終了した。 (しばらく、だれもはなさなかった。) しばらく、誰も話さなかった。 (「......ぜんぶ、じっけんだったのか。」) 「......全部、実験だったのか。」 (ゆうまがつぶやく。) 悠真が呟く。 (「そうみたいだな。」) 「そうみたいだな。」 (れんはかんりそうちにてをかざした。) 蓮は管理装置に手をかざした。 (すると、めのまえのかべにしろいひかりがひろがり、おおきなとびらがあらわれた。) すると、目の前の壁に白い光が広がり、大きな扉が現れた。 (「さいしゅうにんしょうをかくにん。ぜんかんさつたいしょうのたいしゅつをきょかします。」) 「最終認証を確認。全観察対象の退出を許可します。」 (とびらがゆっくりとひらいていく。) 扉がゆっくりと開いていく。 (そのむこうには、みたことのないけしきがひろがっていた。) その向こうには、見たことのない景色が広がっていた。 (まどからさしこむたいようのひかり。) 窓から差し込む太陽の光。 (いそがしそうにあるくけんきゅういんたち。) 忙しそうに歩く研究員たち。 (そして、こちらをみつめるなんにんものにんげん。) そして、こちらを見つめる何人もの人間。 (そこは、げんじつのけんきゅうしせつだった。) そこは、現実の研究施設だった。 (「......ほんとうに、おわったんだな。」) 「......本当に、終わったんだな。」 (おれたちはいっぽずつ、とびらのむこうへすすんだ。) 俺たちは一歩ずつ、扉の向こうへ進んだ。 (あおいのははおやが、むすめのまえまであるいてくる。) 葵の母親が、娘の前まで歩いてくる。 (「おかえり、あおい。」) 「おかえり、葵。」 (あおいはすこしだけめをうるませ、ははおやのむねにとびこんだ。) 葵は少しだけ目を潤ませ、母親の胸に飛び込んだ。 (ゆうまはおおきくいきをはき、れんはしずかにしゅういをみわたしている。) 悠真は大きく息を吐き、蓮は静かに周囲を見渡している。 (おれもまどのそとをみた。) 俺も窓の外を見た。 (そこには、みなれたあおぞらがひろがっていた。) そこには、見慣れた青空が広がっていた。 (もう、がいとうのしたにかげのないひとかげはいない。) もう、街灯の下に影のない人影はいない。 (とけいも、ただしいじかんをきざんでいる。) 時計も、正しい時間を刻んでいる。 (ごぜんじゅうじじゅうきゅうふん。) 午前十時十九分。 (あのひから、いっぷんだけじかんがすすんでいた。) あの日から、一分だけ時間が進んでいた。 (すうじつご、おれたちはそれぞれのにちじょうへもどった。) 数日後、俺たちはそれぞれの日常へ戻った。 (あのまちですごしたじかんが、すべてかそうくうかんだったとしても、) あの街で過ごした時間が、すべて仮想空間だったとしても、 (そこでかんじたきょうふやふあん、) そこで感じた恐怖や不安、 (なかまをしんじようとしたきもちまでにせものだったとはおもわない。) 仲間を信じようとした気持ちまで偽物だったとは思わない。 (あるひ、おれはひさしぶりにちずあぷりをひらいた。) ある日、俺は久しぶりに地図アプリを開いた。 (そこには、いつもどおりのまちがひょうじされている。) そこには、いつも通りの街が表示されている。 (もう、はくしのばしょはなかった。) もう、白紙の場所はなかった。 (おれはがめんをとじ、そらをみあげた。) 俺は画面を閉じ、空を見上げた。 (ちずにのっていないまち。) 地図に載っていない街。 (でぐちのわからないどうろ。) 出口の分からない道路。 (ごぜんじゅうじじゅうはっぷんでとまったとけい。) 午前十時十八分で止まった時計。 (あのきみょうなせかいは、たしかにそんざいしていた。) あの奇妙な世界は、確かに存在していた。 (そして、おれたちはそこでひとつのこたえをみつけた。) そして、俺たちはそこで一つの答えを見つけた。 (どんなにさきがみえなくても、だれかといっしょならすすんでいける。) どんなに先が見えなくても、誰かと一緒なら進んでいける。 (ちずにないばしょでも、じぶんたちでみちをつくることはできる。) 地図にない場所でも、自分たちで道を作ることはできる。 (あのまちには、さいしょからきめられたちずなんてなかった。) あの街には、最初から決められた地図なんてなかった。 (だからこそ、おれたちはじぶんたちのあしであるくことができたのだ。) だからこそ、俺たちは自分たちの足で歩くことができたのだ。
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