海野十三 蠅男⑭

投稿者nyokesi プレイ回数261
難易度(4.5) 4973打 長文 長文モード可 タグ長文 小説 文豪



※➀に同じくです。


順位名前スコア称号打鍵/秒正誤率時間(秒)打鍵数ミス問題日付
1 Yuu 7646 8.0 95.2% 609.0 4903 246 87 2020/05/13
2 HAKU 6992 S++ 7.1 97.2% 690.2 4968 142 87 2020/04/10
3 subaru 6824 S++ 7.1 95.0% 684.6 4928 256 87 2020/04/08
4 おっ 6602 S+ 6.9 95.8% 714.3 4931 215 87 2020/04/13
5 berry 6405 S 6.8 94.1% 716.1 4892 305 87 2020/05/09

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問題文

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(あいがめてんぷくじけん)

◇藍甕(あいがめ)転覆事件◇

(ほむらはそれをきくとおもはゆげににっとわらい、)

帆村はそれを聞くと面映ゆげにニッと笑い、

(あああれですか。あれはとうしじゅつでもなんでもないのですよ。きくだけ、)

「ああ あれですか。あれは透視術でもなんでもないのですよ。聞くだけ、

(あなたがはらをたてるようなものだけれどーー)

あなたが腹を立てるようなものだけれどーー」

(なにほむらそうろくのとうしじゅつ?とはやみみのけんじはそのことばをききとがめて、)

「ナニ帆村荘六の透視術?」と早耳の検事はその言葉を聞き咎めて、

(ーーおいきみ、ぜんりょうなけいかんをわるくしちゃこまるよ)

「ーーおい君、善良な警官を悪くしちゃ困るよ」

(いやはなしをきいておくだけなら、わるかなりませんよとほむらはべんかいして、)

「いや話を聞いておくだけなら、悪かなりませんよ」と帆村は弁解して、

(ーーもちろんたねがあるんです。これはゆうめいなしゃーろっく・ほーむずたんていが)

「ーーもちろん種があるんです。これは有名なシャーロック・ホームズ探偵が

(ときにもちいたとおなじようなてなんです。ーーさっきせいねんうえはらくんに)

ときに用いたと同じような手なんです。ーーさっき青年上原君に

(まっちをかりたでしょう。あのまっちは、つばめごうのしょくどうでだしている)

燐寸(マッチ)を借りたでしょう。あの燐寸は、燕号の食堂で出している

(まっちです。まだいっぱいじくぎがつまっていました。よるにはおおさかちゃくですから、)

燐寸です。まだ一ぱい軸木がつまっていました。夜には大阪着ですから、

(ここへふたりがあらわれたじかんがじゅうじごろで、つばめごうできたことはみなぴったり)

ここへ二人が現われた時間が十時頃で、燕号で来たことは皆ピッタリ

(ふごうします。なんでもないことですよ)

符合します。なんでもないことですよ」

(ははあまっちとてつどうじかんひょうのじょうしきとがたねだったかとけいかんはおおまじめに)

「ははア燐寸と鉄道時間表の常識とが種だったか」と警官は大真面目に

(かんしんして、するととうきょうがあたたかいとか、あめがふっていたというのはーー)

感心して、「すると東京が暖かいとか、雨が降っていたというのはーー」

(あれは、うえはらくんなんかのくつをみたんです。かなりにどろにまみれていました。)

「あれは、上原君なんかの靴を見たんです。かなりに泥にまみれていました。

(ごしょうちのように、わがおおさかはじょうてんきです。しからば、あのくつのどろはとうきょうで)

ご承知のように、わが大阪は上天気です。しからば、あの靴の泥は東京で

(ふちゃくしたのにちがいないでしょう。それもあめです。もしゆきだったら、)

附着したのに違いないでしょう。それも雨です。もし雪だったら、

(ああはねんいりにふちゃくしませんよ。ことしはじゅういちがつからずっとさむい。)

ああは念入りに附着しませんよ。今年は十一月からずっと寒い。

(とうきょうはなんどもゆきがふった。それだのにきのうはあめがふったというのですから、)

東京は何度も雪が降った。それだのに昨日は雨が降ったというのですから、

など

(これはあたたかかったにちがいないでしょう)

これは暖かかったに違いないでしょう」

(はあ、そういうところからわかりよったんやな、なるほどたねはたねやが、)

「はあ、そういうところから分りよったんやな、なるほど種は種やが、

(するどいかんさつだすな。それはそれでええとして、せいねんのほうがれいじょうを)

鋭い観察だすな。それはそれでええとして、青年の方が令嬢を

(あさはやくむかえにいったいうんは?)

朝早く迎えに行ったいうんは?」

(それは、うえはらくんのくつだけではなく、かおるさんのくつにもどうとうていどの)

「それは、上原君の靴だけではなく、カオルさんの靴にも同等程度の

(どろがついていたからです。つまりふたりはおなじていどのぬかるみを)

泥がついていたからです。つまり二人は同じ程度の泥濘(ぬかるみ)を

(あるいたことになります。それからつばめごうは、とうきょうえきをごぜんくじに)

歩いたことになります。それから燕号は、東京駅を午前九時に

(はっしゃするのですから、あさはやくむかえにいったんでしょう)

発車するのですから、朝早く迎えに行ったんでしょう」

(そうなりまっか。ちょっとふにおちまへんな。もしふたりがえきで)

「そうなりまっか。ちょっと腑に落ちまへんな。もし二人が駅で

(まちあわしたんやってもよろしいやないか。そして、れいじょうもうえはらも)

待ち合わしたんやってもよろしいやないか。そして、令嬢も上原も

(こうがいにすんでおったら、くつのどろも、おなじようにふちゃくしよりますがな)

郊外に住んで居ったら、靴の泥も、同じように附着しよりますがな」

(ほむらは、ここだというふうにおおきくうなずき、)

帆村は、ここだという風に大きく肯き、

(ところがですね、もっとだいじなかんさつがあるのです。)

「ところがですネ、もっと大事な観察があるのです。

(ふたりのくつについているどろが、どっちもどうしつなんです)

二人の靴についている泥が、どっちも同質なんです」

(どうしつのどろというとーーあんたさんは、ちしつにもあかるいのやな)

「同質の泥というとーーあんたさんは、地質にも明るいのやな」

(なにそれほどでもないが、ふたりのくつのどろをあとでよくみてごらんなさい、)

「ナニそれほどでもないが、二人の靴の泥を後でよく見てごらんなさい、

(そめたようにまっさおです。だから、どっちもどうしつのつちです。)

染めたように真青です。だから、どっちも同質の土です。

(ふたりはおなじばしょをあるいたとかんがえていいでしょう)

二人は同じ場所を歩いたと考えていいでしょう」

(へえーっ、さよか。そんなにあおいどろがついとりましたか、)

「へえーッ、さよか。そんなに青い泥がついとりましたか、

(きがつきまへなんだ。それはええとして、さいごに、いえがいたばしくの)

気がつきまへなんだ。それはええとして、最後に、家が板橋区の

(どこやらとずばりというてだしたのは、これはまたどういうわけだんね。)

どこやらとズバリと云うてだしたのは、これはまたどういう訳だんネ。

(れいじょうをまえからしっとってだすのか)

令嬢を前から知っとってだすのか」

(いえ、さっきこのいえではじめてあったばかりです。だがちゃんと)

「いえ、さっきこの家で始めて会ったばかりです。だがチャンと

(わかるのです。あのようなあおいいんきでそめたようなどろは、いたばしくの)

分るのです。あのような青いインキで染めたような泥は、板橋区の

(ながさきちょうのほかにないんです。もっとおどろかすつもりなら、とおったとおりの)

長崎町の外にないんです。もっと愕かすつもりなら、通った通りの

(ちょうめまでいいあてられるんですよ)

丁目まで云いあてられるんですよ」

(へえ、おどろきましたな。しかしまた、あんなあおいどろが)

「へえ、愕きましたな。しかしまた、あんな青い泥が

(そのながさきちょうだけにあって、ほかのとちにはないというのは、)

その長崎町だけにあって、外の土地には無いというのは、

(ちととくしゅすぎますな。ながさきちょうにあったら、そのとなりまちにもありまっしゃろ。)

ちと特殊すぎますな。長崎町にあったら、その隣り町にもありまっしゃろ。

(そもそもちしつちゅうもんはーー)

そもそも地質ちゅうもんはーー」

(ああ、あなたのちしつのぞうけいのふかいのにはけいいをひょうしますがーー)

「ああ、あなたの地質の造詣の深いのには敬意を表しますがーー」

(あれ、まだちしつがくについてなんもしゃべっていまへんがな)

「あれ、まだ地質学について何も喋っていまへんがナ」

(いやしゃべらんでもぼくにはよくわかっています。それにこのもんだいは)

「いや喋らんでも僕にはよく分っています。それにこの問題は

(ちしつがくのちからをかりんでもいいのです。つまりちょっとまってください、)

地質学の力を借りんでもいいのです。つまりちょっと待って下さい、

(あれはちしつじょう、あんなにあおいのではないのですからね)

あれは地質上、あんなに青いのではないのですからネ」

(ほほん、ちしつであおいのかとおもいましたのに、)

「ほほン、地質で青いのかと思いましたのに、

(ちしついがいのせいしつであおいちゅうのはしんじられまへんな)

地質以外の性質で青いちゅうのは信じられまへんな」

(いやしんじられますよ。あなたはきょうとうきょうからきた)

「いや信じられますよ。あなたはきょう東京から来た

(とうきょうたいむすのちょうかんをおよみになりましたか。よまない、そうでしょう。)

東京タイムスの朝刊をお読みになりましたか。読まない、そうでしょう。

(しんぶんをみるとあのながさきちょうにちょうめしちばんちさきにいまほりかえしていて)

新聞を見るとあの長崎町二丁目七番地先に今掘りかえしていて

(たいへんみちわるのところがあります。そのちさきでさくや、きょくとうせんりょうがいしゃの)

たいへん道悪のところがあります。その地先で昨夜、極東染料会社の

(いてんでもって、あにりんせんりょうのまっさおなえきがいっぱいおおだるにはいっているのを)

移転でもって、アニリン染料の真青な液が一ぱい大樽に入っているのを

(つんだとらっくがはんどるをみちわるにとられ、あっというまにふといでんちゅうに)

積んだトラックがハンドルを道悪に取られ、あっという間に太い電柱に

(ぶつかってでんちゅうはおれ、とらっくはてんぷくし、ふきんはたちまちていでんの)

ぶつかって電柱は折れ、トラックは転覆し、附近はたちまち停電の

(まっくらやみになった。そしてあたりいっぱいに、そのせんりょうがながれだして、)

真暗やみになった。そしてあたり一ぱいに、その染料が流れ出して、

(ぬかるみがまっさおになったとでています。なにもしらないで、げんばへとびだした)

泥濘が真青になったと出ています。何も知らないで、現場へ飛び出した

(やじうまたちが、ごこくじたくへひきとってみると、だれのからだもしたはんぶんがまっさおに)

野次馬たちが、後刻自宅へ引取ってみると、誰の身体も下半分が真青に

(そまっていて、あらってもあらってもとれないというので、かいしゃにむけちんな)

染まっていて、洗っても洗っても取れないというので、会社に向け珍な

(そんがいばいしょうをせいきゅうしようというにじゅうのさわぎになったとか、おもしろおかしく)

損害賠償を請求しようという二重の騒ぎになったとか、面白可笑しく

(きじがでているんです。かおるじょうとうえはらくんのどろぐつのあおいいろからして、)

記事が出ているんです。カオル嬢と上原君の泥靴の青い色からして、

(ふたりがけさそこのぬかるみをあるいたにちがいないというすいりをたてたのです)

二人が今朝そこの泥濘を歩いたに違いないという推理を立てたのです」

(な、な、なるほど、なるほど、さよか。とくしゅもとくしゅ、)

「な、な、なるほど、なるほど、さよか。特殊も特殊、

(まるでかるわざのようなすいりだすな)

まるで軽業のような推理だすな」

(まったくそのとおりです。うんよく、とくしゅじじょうをうまくとらえただけのことです。)

「全くそのとおりです。運よく、特殊事情をうまく捉えただけのことです。

(しかしこれはわらいごとじゃないのです。あなたがたはかんけんというもので)

しかしこれは笑いごとじゃないのです。あなたがたは官権というもので

(そうさなさるからたいへんらくですが、われわれしりつたんていとなると、)

捜査なさるからたいへん楽ですが、われわれ私立探偵となると、

(おもてからものりこめず、ばんじちいさくなって、ひんじゃくなざいりょうにたよって)

表からも乗り込めず、万事小さくなって、貧弱な材料に頼って

(たんていをしなきゃならないつらさがあるんです。そこであなたがたよりは、)

探偵をしなきゃならない辛さがあるんです。そこであなたがたよりは、

(ちいさいこともきにしなきゃならんのです。めにつくものなら、)

小さいことも気にしなきゃならんのです。眼につくものなら、

(なんなりとのがさんというのが、しりつたんていのせいめいせんなんでしてーー)

何なりと逃さんというのが、私立探偵の生命線なんでしてーー」

(もうよせ、ほむらくん。てじなのたねあかしのあとでながながえんぜつまでされちゃ、)

「もう止せ、帆村君。手品の種明かしの後でながなが演説までされちゃ、

(せっかくほごしているたまやそういちろうしがはえおとこのえじきになってしまうよ。)

折角保護している玉屋総一郎氏が蠅男の餌食になってしまうよ。

(そうなれば、こんどは、こっちのせいめいせんのもんだいだて)

そうなれば、今度は、こっちの生命線の問題だて」

(そういってむらまつけんじは、とけいをみながら、ほむらのかたをゆびでついた。)

そういって村松検事は、時計を見ながら、帆村の肩を指で突いた。

(しかし、けいかんは、なににかんしんしたものか、いつまでも、)

しかし、警官は、何に感心したものか、いつまでも、

(なるほどなあなるほどなあとひとりごとをいいながら、)

「なるほどなアなるほどなア」と独り言をいいながら、

(ふたりのでてゆくのにもきがつかないふうだった。)

二人の出てゆくのにも気がつかない風だった。

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