江戸川乱歩 赤い部屋⑮
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヤス | 7055 | 王 | 7.4 | 94.9% | 201.7 | 1503 | 80 | 27 | 2024/09/24 |
2 | りく | 6124 | A++ | 6.2 | 98.1% | 244.6 | 1527 | 29 | 27 | 2024/09/04 |
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問題文
(いままでおはなししましたところでは、わたしはいつもいちどに)
今まで御話しました所では、私はいつも一度に
(ひとりのにんげんをころしているようにみえますが、)
一人の人間を殺している様に見えますが、
(そうでないばあいもたびたびあったのです。でなければ、)
そうでない場合も度々あったのです。でなければ、
(さんねんたらずのねんげつのあいだに、しかもすこしもほうりつにふれないようなほうほうで、)
三年足らずの年月の間に、しかも少しも法律にふれない様な方法で、
(きゅうじゅうきゅうにんものひとをころすことはできません。)
九十九人もの人を殺すことは出来ません。
(そのなかでももっともたにんずうをいちどにころしましたのは、そうです、)
その中でも最も多人数を一度に殺しましたのは、そうです、
(さくねんのはるのことでした。)
昨年の春のことでした。
(みなさんもとうじのしんぶんきじできっとおよみのこととおもいますが、)
皆さんも当時の新聞記事できっと御読みのことと思いますが、
(ちゅうおうせんのれっしゃがてんぷくしておおくのふしょうしゃやししゃをだしたことがありますね、)
中央線の列車が顛覆して多くの負傷者や死者を出したことがありますね、
(あれなんです。)
あれなんです。
(なにばかばかしいほどぞうさもないほうほうだったのですが、)
なに馬鹿馬鹿しい程雑作もない方法だったのですが、
(それをじっこうするとちをさがすのにはかなりてまどりました。)
それを実行する土地を探すのにはかなり手間取りました。
(たださいしょからちゅうおうせんのえんせんということだけはけんとうをつけていました。)
ただ最初から中央線の沿線ということだけは見当をつけていました。
(というのは、このせんは、わたしのけいかくにはもっともべんりな)
というのは、この線は、私の計画には最も便利な
(やまじをとおっているばかりでなく、れっしゃがてんぷくしたばあいにも、)
山路を通っているばかりでなく、列車が顛覆した場合にも、
(ちゅうおうせんにはひごろからじこがおおいのですから、ああまたかというくらいで)
中央線には日頃から事故が多いのですから、ああ又かという位で
(ほかのせんほどめだたないりえきがあったのです。)
他の線ほど目立たない利益があったのです。
(それにしても、ちゅうもんどおりのばしょをみつけるのにはなかなかほねがおれました。)
それにしても、註文通りの場所を見つけるのにはなかなか骨が折れました。
(けっきょくmえきのちかくのがけをつかうことにけっしんするまでには、)
結局M駅の近くの崖を使うことに決心するまでには、
(じゅうぶんいっしゅうかんはかかりました。mえきにはちょっとしたおんせんばがありますので、)
十分一週間はかかりました。M駅にはちょっとした温泉場がありますので、
(わたしはそこのあるやどへとまりこんで、まいにちまいにちゆにはいったりさんぽをしたり、)
私はそこのある宿へ泊り込んで、毎日毎日湯に入ったり散歩をしたり、
(いかにもながどまりのとうじきゃくらしくみせかけようとしたのです。)
いかにも長逗留(ながどまり)の湯治客らしく見せかけようとしたのです。
(そのためにまたとおかあまりむだにすごさねばなりませんでしたが、)
その為にまた十日余り無駄に過ごさねばなりませんでしたが、
(やがてもうだいじょうぶだというときをみはからって、あるひわたしは)
やがてもう大丈夫だという時を見計らって、ある日私は
(いつものようにそのへんのやまじをさんぽしました。)
いつもの様にその辺の山路を散歩しました。
(そして、やどからはんりほどのあるこだかいがけのちょうじょうへたどりつき、)
そして、宿から半里程のある小高い崖の頂上へ辿り着き、
(わたしはそこでじっとゆうやみのせまってくるのをまっていました。)
私はそこでじっと夕闇の迫って来るのを待っていました。