坊ちゃん⑷

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プレイ回数1499難易度(4.0) 1874打 長文 かな
夏目漱石の坊ちゃん⑷です。
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1 貴乃花光司 3637 D+ 3.8 95.6% 484.9 1847 83 39 2024/03/24

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問題文

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(きよがものをくれるときにはかならずおやじもあにもいないときにかぎる。)

清が物をくれる時には必ずおやじも兄も居ない時に限る。

(おれはなにがきらいだといってひとにかくれてじぶんだけとくをするほどきらいなことはない。)

おれは何が嫌いだと云って人に隠れて自分だけ得をするほど嫌いな事はない。

(あにとはむろんなかがよくないけれども、)

兄とは無論仲がよくないけれども、

(あににかくしてきよからかしやいろえんぴつをもらいたくはない。)

兄に隠して清から菓子や色鉛筆を貰いたくはない。

(なぜ、おれひとりにくれて、にいさんにはやらないのかときよにきくことがある。)

なぜ、おれ一人にくれて、兄さんには遣らないのかと清に聞く事がある。

(するときよはすましたもので)

すると清は澄ましたもので

(おにいさまはおとうさまがかっておあげなさるからかまいませんという。)

お兄様はお父様が買ってお上げなさるから構いませんと云う。

(これはふこうへいである。)

これは不公平である。

(おやじはがんこだけれども、そんなえこひいきはせぬおとこだ。)

おやじは頑固だけれども、そんな依怙贔負はせぬ男だ。

(しかしきよのめからみるとそうみえるのだろう。)

しかし清の眼から見るとそう見えるのだろう。

(まったくあいにおぼれていたにちがいない。)

全く愛に溺れていたに違いない。

(もとはみぶんのあるものでもきょういくのないばあさんだからしかたがない。)

元は身分のあるものでも教育のない婆さんだから仕方がない。

(たんにこればかりではない。ひいきめはおそろしいものだ。)

単にこればかりではない。贔負目は恐ろしいものだ。

(きよはおれをもってしょうらいりっしんしゅっせしてりっぱなものになるとおもいこんでいた。)

清はおれをもって将来立身出世して立派なものになると思い込んでいた。

(そのくせべんきょうをするあにはいろばかりしろくって、)

その癖勉強をする兄は色ばかり白くって、

(とてもやくにはたたないとひとりできめてしまった。)

とても役には立たないと一人できめてしまった。

(こんなばあさんにあってはかなわない。)

こんな婆さんに逢っては叶わない。

(じぶんのすきなものはかならずえらいじんぶつになって、)

自分の好きなものは必ずえらい人物になって、

(きらいなひとはきっとおちぶれるものとしんじている。)

嫌いなひとはきっと落ち振れるものと信じている。

(おれはそのときからべつだんなにになるというりょうけんもなかった。)

おれはその時から別段何になると云う了見もなかった。

など

(しかしきよがなるなるというものだから、)

しかし清がなるなると云うものだから、

(やっぱりなにかになれるんだろうとおもっていた。)

やっぱり何かに成れるんだろうと思っていた。

(いまからかんがえるとばかばかしい。)

今から考えると馬鹿馬鹿しい。

(あるときなどはきよにどんなものになるだろうときいてみたことがある。)

ある時などは清にどんなものになるだろうと聞いてみた事がある。

(ところがきよにもべつだんのかんがえもなかったようだ。)

ところが清にも別段の考えもなかったようだ。

(ただてぐるまへのって、りっぱなげんかんのあるいえをこしらえるにそういないといった。)

ただ手車へ乗って、立派な玄関のある家をこしらえるに相違ないと云った。

(それからきよはおれがうちでももってどくりつしたら、いっしょになるきでいた。)

それから清はおれがうちでも持って独立したら、一所になる気でいた。

(どうかおいてくださいとなんべんもくりかえしてたのんだ。)

どうか置いて下さいと何遍も繰り返して頼んだ。

(おれもなんだかうちがもてるようなきがして、)

おれも何だかうちが持てるような気がして、

(うんおいてやるとへんじだけはしておいた。)

うん置いてやると返事だけはしておいた。

(ところがこのおんなはなかなかそうぞうのつよいおんなで、)

ところがこの女はなかなか想像の強い女で、

(あなたはどこがおすき、こうじまちですかあざぶですか、)

あなたはどこがお好き、麹町ですか麻布ですか、

(おにわへぶらんこをおこしらえあそばせ、せいようまはひとつでたくさんです)

お庭へぶらんこをおこしらえ遊ばせ、西洋間は一つでたくさんです

(などとかってなけいかくをひとりでならべていた。)

などと勝手な計画を独りで並べていた。

(そのときはいえなんかほしくもなんともなかった。)

その時は家なんか欲しくも何ともなかった。

(せいようかんもにほんだてもまったくふようであったから、)

西洋館も日本建も全く不用であったから、

(そんなものはほしくないと、いつでもきよにこたえた。)

そんなものは欲しくないと、いつでも清に答えた。

(すると、あなたはよくがすくなくって、こころがきれいだといってまたほめた。)

すると、あなたは欲がすくなくって、心が奇麗だと云ってまた賞めた。

(きよはなんといってもほめてくれる。)

清は何と云っても賞めてくれる。

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