ああ玉杯に花うけて 2

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難易度(4.4) 4450打 長文タグ小説 長文 文学
佐藤紅緑の「ああ玉杯に花うけて」です。
長文ですから注意してください。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 nao 7299 7.5 96.9% 587.6 4428 139 88 2020/11/08
2 subaru 7098 7.5 94.8% 590.8 4435 241 88 2020/10/28
3 おっ 7065 7.3 95.7% 598.1 4420 194 88 2020/10/26
4 HAKU 7044 7.2 97.0% 612.5 4448 133 88 2020/10/27
5 じゃじゃ 6486 S 6.6 97.3% 660.1 4403 121 88 2020/11/11

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問題文

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(まちにはちらちらちゅうがくせいがとうこうするすがたがみえだした、)

町にはちらちら中学生が登校する姿が見えだした、

(それはたいていきょねんまでじぶんとどうきゅうのせいとであった。)

それは大抵去年まで自分と同級の生徒であった。

(ちびこうはとりうちぼうのひさしをふかくしてとおりすぎた。)

チビ公は鳥打帽のひさしを深くして通りすぎた。

(「おはようあおきくん」とあかるいこえがきこえた。)

「おはよう青木君」と明るい声がきこえた。

(「おはよう」とちびこうはふりかえっていった、)

「お早う」とチビ公はふりかえっていった、

(こえをかけたのはむかしのがくゆうやなぎこういちというしょうねんであった、)

声をかけたのは昔の学友柳光一という少年であった、

(やなぎはくろいせいふくをきちんときてかたにくさいろのざつのうをかけ、)

柳は黒い制服をきちんと着て肩に草色の雑嚢をかけ、

(てにながくまいたがようしをもっていた。)

手に長くまいた画用紙を持っていた。

(かれはいかなるときでもちびこうにあうとこうこえをかける、)

かれはいかなるときでもチビ公にあうとこう声をかける、

(かれはしょうがっこうにあるときにはいつもちびこうとせきをあらそうていた、)

かれは小学校にあるときにはいつもチビ公と席を争うていた、

(そうほうともべんきょうかであるが、たがいにそのがくりょくをきそうていた、)

双方とも勉強家であるが、たがいにその学力をきそうていた、

(これといってしんみつにしたわけでもないが、こういちのたいどはむかしもいまも)

これといって親密にしたわけでもないが、光一の態度は昔もいまも

(かわらなかった、いっぽうがちゅうがくせいとなりいっぽうはとうふやとなっても。)

かわらなかった、一方が中学生となり一方は豆腐屋となっても。

(「ぼくはね、きみをとけいにしてるんだよ」とこういちはいった。)

「ぼくはね、きみを時計にしてるんだよ」と光一はいった。

(「きみにあったときにはひじょうにはやいし、きみにあわなかったときにはおそいんだ」)

「きみに逢った時には非常に早いし、きみにあわなかったときにはおそいんだ」

(「そうですか」 「おもたいだろうね、きみ」)

「そうですか」 「重たいだろうね、きみ」

(こういちはちびこうのにをみやっていった。)

光一はチビ公の荷を見やっていった。

(「なあになれましたから」)

「なあになれましたから」

(「そうかね」と、こういちはちびこうのかおをしみじみとみやって、)

「そうかね」と、光一はチビ公の顔をしみじみと見やって、

(「ひまがあったらあそびにきてくれたまえね、ぼくのところにはいろいろな)

「ひまがあったら遊びにきてくれたまえね、ぼくのところにはいろいろな

など

(ざっしがあるから、ぼくはきみにあげようとおもってとっておいてあるよ」)

雑誌があるから、ぼくはきみにあげようと思ってとっておいてあるよ」

(「ありがとう」 「じゃしっけい」)

「ありがとう」 「じゃ失敬」

(ちびこうはこういちにわかれた、なんとなくうれしいような)

チビ公は光一にわかれた、なんとなくうれしいような

(なつかしいようなおもいはむらむらとむねにわいた、でかれはらっぱをふいた、)

なつかしいような思いはむらむらと胸にわいた、でかれはらっぱをふいた、

(らっぱはほがらかにひびいた、といったんわかれたこういちはおおいそぎにはしりもどった。)

らっぱはほがらかにひびいた、と一旦わかれた光一は大急ぎに走りもどった。

(「このつぎのにちようにね、ぼくのたんじょうびだから、)

「このつぎの日曜にね、ぼくの誕生日だから、

(ひるからでも・・・・・・ばんからでもあそびにきてくれたまえね」)

昼からでも……晩からでも遊びにきてくれたまえね」

(「そうですか・・・・・・しかし」とちびこうはもじもじした。)

「そうですか……しかし」とチビ公はもじもじした。

(「かまわないだろ、にちようだから・・・・・・」)

「かまわないだろ、日曜だから……」

(「ああ、そうだけれども」)

「ああ、そうだけれども」

(「いいからね、えんりょせずとも、ぼくはむかしのともだちにみんなきてもらうんだ」)

「いいからね、遠慮せずとも、ぼくは昔の友達にみんなきてもらうんだ」

(「じゃゆきましょう」)

「じゃゆきましょう」

(こういちはふたたびはしってさった。)

光一はふたたび走って去った。

(ざつのうをかたてにかかえ、かたてにがようしをもちりょうひじをわきにぴったりとつけて)

雑嚢を片手にかかえ、片手に画用紙を持ち両ひじをわきにぴったりと着けて

(しせいただしてはしりゆく、それをみおくってちびこうはむかししょうがっこうじだいのことをまざまざと)

姿勢正して走りゆく、それを見送ってチビ公は昔小学校時代のことをまざまざと

(おもいだした。なんとなくこういちのぜんとにはそのなのごとく)

思いだした。なんとなく光一の前途にはその名のごとく

(ひかりがあふれてるようにみえる、)

光があふれてるように見える、

(がくもんができてたいりょくがじゅうぶんでひんこうがよくて、じんぼうがある、)

学問ができて体力が十分で品行がよくて、人望がある、

(ああいうひとはいまにりっぱながくしゃになるだろう。)

ああいう人はいまにりっぱな学者になるだろう。

(そこでかれはまたらっぱをふいた、りゅうりょうたるおとはまちなかにひびいた。)

そこでかれはまたらっぱをふいた、嚠喨たる音は町中にひびいた。

(ちびこうがうりきれるまでまちをあるいてるそのひのじゅうにじごろ、)

チビ公が売りきれるまで町を歩いてるその日の十二時ごろ、

(ちゅうがっこうのこうていでいわおはものほしそうにみんながひるめしをくっているのをながめていた)

中学校の校庭で巌はものほしそうにみんなが昼飯を食っているのをながめていた

(かれはたいていじゅうじごろにひるのべんとうをくってしまうので)

かれは大抵十時ごろに昼の弁当を食ってしまうので

(ひるになるとまたもやくうふくをかんずるのであった。)

正午になるとまたもや空腹を感ずるのであった。

(そういうときにはかならずだれかにけんかをふきかけて)

そういうときにはかならずだれかに喧嘩をふきかけて

(そのべんとうをりゃくだつするのである。)

その弁当を掠奪するのである。

(じぶんのべんとうをくうよりはりゃくだつのほうがはるかにうまい。)

自分の弁当を食うよりは掠奪のほうがはるかにうまい。

(「みんなあつまれい」とかれはどなった。)

「みんな集まれい」とかれはどなった。

(だがなんにんもあつまらなかった、いつものこととて)

だが何人も集まらなかった、いつものこととて

(せいとらはこそこそとこだちのかげにかくれた。)

生徒等はこそこそと木立ちの陰にかくれた。

(「へびのげいとうだ」とかれはいった、)

「へびの芸当だ」とかれはいった、

(そうしてぽけっとからあおだいしょうをだした。)

そうしてポケットから青大将をだした。

(「そもそもこれはかんのはいこうがかんこくかんをこゆるときに)

「そもそもこれは漢の沛公が函谷関を越ゆるときに

(ふたつにきったしろへびのしそんでござい」)

二つに斬った白蛇の子孫でござい」

(ちょうしおもしろくはやしたてたのでひとびとはすこしずつとおくからみていた。)

調子面白くはやしたてたので人々は少しずつ遠くから見ていた。

(しょうねんらはまたはじまったといわぬばかりにまゆをしかめていた。)

少年等はまた始まったといわぬばかりに眉をしかめていた。

(「おいしゃもじ!」とかれははいごをむいてめしをくってるひとりのしょうねんをよんだ、)

「おいしゃもじ!」とかれは背後を向いて飯を食ってる一人の少年をよんだ、

(しゃもじはおわりのひとくちをぐっとのみこんではしってきた、)

しゃもじはおわりの一口をぐっとのみこんで走ってきた、

(かれはやせてびんしょうそうなしょうねんだが、あたまはおうぎのようにひらいて)

かれはやせて敏捷そうな少年だが、頭は扇のように開いて

(ほおがほそいのでともだちはしゃもじというあだなをつけた。)

ほおが細いので友達はしゃもじというあだ名をつけた。

(かれはからだもきもよわいので、いつでもつよそうな)

かれは身体も気も弱いので、いつでも強そうな

(ひとのこぶんになっててさきにつかわれている。)

人の子分になって手先に使われている。

(「おいこうじょうをいえ」といわおがいった。 「なんの?」)

「おい口上をいえ」と巌がいった。 「なんの?」

(「へびにげいをさせるんだ」)

「へびに芸をさせるんだ」

(「よしきた・・・・・・そもそもこれはかんのはいこうがふたつにきったしろへびのしそんでござい」)

「よしきた……そもそもこれは漢の沛公が二つにきった白蛇の子孫でござい」

(ちょうしおもしろくはやしたてたのでひとびとはすこしずつあつまりかけた。)

調子おもしろくはやしたてたので人々は少しずつ集まりかけた。

(「さあさあ、ごろうじろ、ごろうじろ」)

「さあさあ、ごろうじろ、ごろうじろ」

(しゃもじのちょうしにのっていわおはへびをひたいにまきつけほおをはわしくびにまき、)

しゃもじの調子にのって巌はへびをひたいに巻きつけほおをはわし首に巻き、

(みぎのそでぐちからひだりのそでぐちからちゅうおうのふところから)

右のそで口から左のそで口から中央のふところから

(じゆうじざいになわのごとくあやなした。)

自由自在になわのごとくあやなした。

(「うまいぞうまいぞ」とかっさいするものがある。)

「うまいぞうまいぞ」と喝采するものがある。

(さいごにかれはへびをひとまとめにしてくちのなかへいれた。)

最後にかれはへびを一まとめにして口の中へ入れた。

(ひとびとはおどろいてさかんにかっさいした。)

人々は驚いてさかんに喝采した。

(「おいどうだ」かれはへびをくちからはきだしてからみんなにいった。)

「おいどうだ」かれはへびを口からはきだしてからみんなにいった。

(「うまいうまい」「みんなみたか」「うまいぞ」「みたものはべんとうをだせ」)

「うまいうまい」「みんな見たか」「うまいぞ」「見たものは弁当をだせ」

(ひとびとはだまってかおをみあった、そうしてこうれつのほうからそろそろとにげかけた。)

人々はだまって顔を見合った、そうして後列の方からそろそろと逃げかけた。

(「おい、こらっ」いまにぎりめしをくいながらにげようとする)

「おい、こらッ」いまにぎり飯を食いながら逃げようとする

(ひとりのしょうねんのくちもとめがけてへびをなげた。しょうねんはにぎりめしをおとした。)

一人の少年の口元めがけてへびを投げた。少年はにぎり飯を落とした。

(「つぎはだれだ」かれはきかいたいそうのたなのしたにうずくまってる)

「つぎはだれだ」かれは器械体操のたなの下にうずくまってる

(しょうねんのべんとうをのぞいた、べんとうのなかにはたまごやきとさけとあった。)

少年の弁当をのぞいた、弁当の中には玉子焼きとさけとあった。

(「うまそうだな」かれはてをのばしてそれをくった。)

「うまそうだな」かれは手を伸ばしてそれを食った。

(そしてはんぶんをしゃもじにやった。「つぎは?」)

そして半分をしゃもじにやった。「つぎは?」

(もうだれもいなかった、なげられたへびはぐんにゃりとよわっていた。)

もうだれもいなかった、投げられたへびはぐんにゃりと弱っていた。

(かれはそれをひろうとうらのはやしのほうへいそいだ。)

かれはそれを拾うと裏の林の方へ急いだ。

(そこにはおおくのせいとがむれていた、かれらのだいぶぶんは)

そこには多くの生徒が群れていた、かれらの大部分は

(すいでんにいとをたれてかえるをつっていた。)

水田に糸をたれてかえるをつっていた。

(そのほかのものはこかげこかげにこしをおろしてざっしをよんだり、しゅくだいをといたりしていた)

その他の者は木陰木陰に腰をおろして雑誌を読んだり、宿題を解いたりしていた

(いわおはずらりとかれらをみまわした、これというやつがあったらけんかをしてやろう)

巌はずらりとかれらを見まわした、これというやつがあったら喧嘩をしてやろう

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