千年後の世界 7 海野十三
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | てんぷり | 5881 | A+ | 6.1 | 95.7% | 237.0 | 1458 | 64 | 22 | 2024/10/20 |
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問題文
(「えっ、じんぞうひふというと」 「つまりじんぞうにくとにたようなものです。)
「えっ、人造皮膚というと」 「つまり人造肉と似たようなものです。
(じんぞうなんですから、いつでもこれをばりばりとやぶって、あたらしいのと)
人造なんですから、いつでもこれをばりばりと破って、新しいのと
(はりかえられます」 「ははあ、そうでしたか」)
貼りかえられます」 「ははあ、そうでしたか」
(といったが、ふるはたはあぜんとした。さっきから、このちたきょうじゅのすはだかをみて、)
といったが、フルハタは唖然とした。さっきから、このチタ教授の素裸を見て、
(こっちがかおをあからめていたわけだが、じんぞうひふならはずかしくないのはもっともだ)
こっちが顔を赤らめていたわけだが、人造皮膚なら羞かしくないのはもっともだ
(「じゃ、しつれいながら、いまのあなたのからだというものは、むかし、ぼたいからうまれて)
「じゃ、失礼ながら、今のあなたの身体というものは、昔、母体から生れて
(おおきくなったあなたのほんとうのからだとは、だいぶぶんちがったべつものなのですね」)
大きくなったあなたの本当の身体とは、大部分違った別物なのですね」
(「まあ、そういっても、たいしたまちがいではありません」 「むかしのままの)
「まあ、そういっても、大した間違いではありません」 「昔のままの
(あなたとしてのこっているのはのうずいとこっかくとかおかたちとだけじゃないのですか」)
あなたとしてのこっているのは脳髄と骨格と顔かたちとだけじゃないのですか」
(「いや、そうではありません」 「じゃ、もっとのこっているものがありますか」)
「いや、そうではありません」 「じゃ、もっと残っているものがありますか」
(「いや、そのはんたいです。いまあなたのおっしゃったかおかたちもべつものです。)
「いや、その反対です。いまあなたのおっしゃった顔かたちも別物です。
(しょうじきなことをいうと、わたしはうまれつきあまりびじんではなかったのです。)
正直なことをいうと、わたしは生れつきあまり美人ではなかったのです。
(ひたいはとびだし、めはひっこみ、くちはおおきく、はなはまがっていました。)
額はとびだし、眼はひっこみ、口は大きく、鼻は曲がっていました。
(そこでわたしは、すっかりかおをとりかえてもらいました。かおのかたろぐをみて、)
そこでわたしは、すっかり顔をとりかえてもらいました。顔のカタログをみて、
(そのうちでいっとうすきなかおになおしてもらったのです。かおのびしゅうほど、むかしじんるいを)
そのうちで一等好きな顔に直してもらったのです。顔の美醜ほど、昔人類を
(なやましたものはありません。だがかんがえてみると、あのころのにんげんもちえのないはなし)
悩ましたものはありません。だが考えてみると、あの頃の人間も知恵のない話
(でした。かおのびしゅうとは、いわゆるかおをこうせいしているようそであるところのめやまゆや)
でした。顔の美醜とは、いわゆる顔を構成している要素であるところの眼や眉や
(はなやくちびるやはのかたちとそのはいれつじょうたいによっておこるのです。めがひっこんでいるのなら)
鼻や唇や歯の形とその配列状態によって起るのです。眼がひっこんでいるのなら
(そこににくをうえればいいのです。そんなことはたいしたしゅじゅつではありません。)
そこに肉を植えればいいのです。そんなことは大した手術ではありません。
(ことにじんぞうにくやじんぞうひふができてから、みにくいにんげんはどんどんかおをなおして、)
ことに人造肉や人造皮膚ができてから、醜い人間はどんどん顔を直して、
(びなんびじょになってしまいました。これからまちにでてみましょうか。)
美男美女になってしまいました。これから街にでてみましょうか。
(きっとあなたは、ただのひとりもしこおしこめをもはっけんできないでしょう」)
きっとあなたは、ただの一人も醜男醜女をも発見できないでしょう」