私はかうして死んだ!五 1 平林初之輔
勝手に死亡届を出され、生きているのに戸籍上死んだ事になった男の話。
一から五までで一つの話しです。
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問題文
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(わたしはたまむらのかしやをちゅうしんとして、そのきんじょのたくしーやをかたっぱしからさがし)
私は玉村の貸屋を中心として、その近所のタクシー屋を片っ端から探し
(はじめた。そして、ふつかかかって27けんめのたくしーやで、やっと、もんだいのひ)
はじめた。そして、二日かかって二十七軒目のタクシー屋で、やっと、問題の日
(に、ほおからあごへかけてりっぱなひげのはえた、とらんくをひとつもったおとこを、くだんのばんち)
に、頬から頤へかけて立派な髯の生えた、トランクを一つもった男を、件の番地
(からのせていったといううんてんしゅをはっけんした。
うんてんしゅは、わたしをけいさつのものとでも)
からのせて行ったという運転手を発見した。
運転手は、私を警察の者とでも
(おもったのか、ひじょうにきょうしゅくしていった。
「なにかまちがいでもございましたか?」)
思ったのか、非常に恐縮して言った。
「何か間違いでも御座いましたか?」
(「なあに、まちがいというほどではないんだが、ちょっとゆくえをさがしてるんだから)
「なあに、間違いという程ではないんだが、ちょっと行方をさがしてるんだから
(しっているなら、すっかりはなしてもらいたい」
たくしーのうんてんしゅにとって)
知っているなら、すっかり話して貰いたい」
タクシーの運転手にとって
(なによりもおそろしいものはけいかんである。かれらはなにかじこがおこるとすぐに、かれらの)
何よりも恐ろしいものは警官である。彼らは何か事故が起こるとすぐに、彼らの
(ゆいいつのせいかつのしほんであるうんてんしゅめんじょうをとりあげるぞとおどかされる。そのうんてんしゅも)
唯一の生活の資本である運転手免状を取り上げるぞと脅かされる。その運転手も
(いちずにわたしをけいさつのけいじとかんちがいしたおかげで、おっかなびっくりで、すっかり)
一図に私を警察の刑事と勘違いしたおかげで、おっかなびっくりで、すっかり
(はなしてくれた。
それによるとたまむらは、ほんごう・・まちのりっけん・・かいほんごうしぶと)
話してくれた。
それによると玉村は、本郷××町の立憲××会本郷支部と
(いうかんばんのかかったいえのまえでくるまをおりて、たしかにそのいえのなかへはいったという)
いう看板のかかった家の前で車を下りて、たしかにその家の中へはいったという
(ことであった。
わたしは、さっそくそのうんてんしゅのじどうしゃにのってそのいえのまえまで)
ことであった。
私は、早速その運転手の自動車にのってその家の前まで
(いった。
「こちらにたまむらさんというかたはいらっしゃいましょうか?」)
行った。
「こちらに玉村さんという方はいらっしゃいましょうか?」
(とわたしはなかへはいってたずねた。
「そんなひとはこちらにはおらん」とはたちぜんご)
と私は中へはいってたずねた。
「そんな人はこちらにはおらん」と二十歳前後
(のこんかすりのきものをきたきんこつたくましいせいねんがぞんざいにこたえた。
ははあここは)
の紺絣の着物をきた筋骨たくましい青年がぞんざいに答えた。
ははあここは
(・・かいのそうしのそうくつだな。どうりで、たまむらのようぼうふうさいがそれらしいとおもったとわたしは)
××会の壮士の巣窟だな。道理で、玉村の容貌風采がそれらしいと思ったと私は
(ひとりでがてんした。
「ほおからあごへかけてりっぱなひげをはやしていらっしゃる)
ひとりで合点した。
「頬からあごへかけて立派な髯を生やしていらっしゃる
(かたなんですが・・・・・・」
「きみはだれだ。いったい、なにかようがあるのか?おおかた・・とうの)
方なんですが……」
「君は誰だ。一体、何か用があるのか? 大方××党の
(すぱいだろう。わがとうのじょうせいをさぐりにきたんだろう」
ひとりのそうしがこう)
スパイだろう。我が党の情勢をさぐりにきたんだろう」
一人の壮士がこう
など
(こたえて、すごいめつきでわたしのようすをじろりとみた。
「いいえ、じつはほんぶの)
答えて、凄い眼つきで私の様子をじろりと見た。
「いいえ、実は本部の
(やまおかせんせいからのつかいで、うちうちでこちらのごしゅじんにおめにかかるようけんができた)
山岡先生からの使いで、内々でこちらのご主人にお目にかかる用件ができた
(ものですから」
わたしが、・・かいのやまおかそうむのなまえをくちにだすと、そうしれんはきゅうに)
ものですから」
私が、××会の山岡総務の名前を口に出すと、壮士連は急に
(たいどをかえて、ちょっとにかいへあがったが、すぐおりてきてどうぞおにかいへと)
態度をかえて、ちょっと二階へ上がったが、すぐおりてきてどうぞお二階へと
(あんないした。
わたしはにかいへあがっていった。)
案内した。
私は二階へ上がって行った。
(たまむらというおとこはじむづくえにむかってなにかいそがしそうにかきものをしていたが、わたしが)
玉村という男は事務机に向かって何か忙しそうに書き物をしていたが、私が
(あがってゆくと、きゅうに、わたしのほうへむきなおって、さあどうぞとおうようにいすを)
上がってゆくと、急に、私の方へ向き直って、さあどうぞと鷹揚に椅子を
(すすめた。
「ちょっとみつだんがあるので5ふんかんばかりおひとばらいがねがいたい)
すすめた。
「ちょっと密談があるので五分間ばかりお人ばらいが願いたい
(のですが」とわたしはとりつぎのおとこにきがねするようなふうをしていった。)
のですが」と私は取り次ぎの男に気兼ねする様な風をして言った。
(「よろしい、きみ、したへおりていたまえ」
おやぶんのめいれいで、わかいそうしは)
「よろしい、君、下へおりていたまえ」
親分の命令で、若い壮士は
(とんとんしたへおりていった。
わたしはわざといっぷんかんばかりだまっていてから、)
とんとん下へおりて行った。
私はわざと一分間ばかりだまっていてから、
(とつぜん、ひじょうにはっきりとしたこえでいった。
「ぼくはふないさぶろうというものです」)
突然、非常にはっきりとした声で言った。
「僕は船井三郎という者です」