風船美人5(完) 渡辺温
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | てんぷり | 5512 | A | 5.7 | 96.4% | 320.2 | 1832 | 67 | 26 | 2024/10/25 |
2 | もっちゃん先生 | 4760 | B | 5.0 | 94.1% | 367.8 | 1867 | 116 | 26 | 2024/10/24 |
3 | saty | 4494 | C+ | 4.7 | 94.8% | 391.4 | 1859 | 100 | 26 | 2024/10/23 |
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問題文
(6 はくらんかいのへいかいのひは、めずらしくにほんばれのおてんきであった。はれさえすれば)
6 博覧会の閉会の日は、珍しく日本晴のお天気であった。晴れさえすれば
(もうまなつのこんじょうのそらがめにしみてかがやきわたるのである。 けいききゅうもせんしゅうらくでは)
もう真夏の紺青の空が目にしみて輝き渡るのである。 軽気球も千秋楽では
(あるし、ひさしぶりで、だんだらぞめのだてなすがたをけいきよくてんへうかべた。)
あるし、久し振りで、だんだら染の伊達な姿を景気よく天へ浮かべた。
(わたしとせいようじんとはけいききゅうのうえであくしゅした。 ーーもうすっかりあきらめては)
私と西洋人とは軽気球の上で握手した。 ――もうすっかり諦めては
(いたのですが、いちばんさいごのひになって、こんなにめっぽうすばらしくはれわたったのを)
いたのですが、一番最後の日になって、こんなに滅法すばらしく晴れ渡ったのを
(みると、わたしはどうもきょうこそはひどくきせきてきなこううんにめぐまれそうなきもちを)
見ると、私はどうも今日こそはひどく奇蹟的な幸運に恵まれそうな気持を
(かんじました。」 せいようじんはさっくからそうがんきょうをとりだしながら、そうさった。)
感じました。」 西洋人はサックから双眼鏡を取り出しながら、そう去った。
(ーーもし、ほんとうにそうだったら、わたしだってどんなにかうれしいでしょう!」)
――若し、本当にそうだったら、私だってどんなにか嬉しいでしょう!」
(とわたしはこたえた。 せいようじんはへいじょうのばいもこうふんして、そうがんきょうをのぞいた。)
と私は答えた。 西洋人は平常の倍も亢奮して、双眼鏡を覗いた。
(ところが!とうとうそのきせきがはじまったのである。 ーーおお!)
ところが!到頭その奇蹟がはじまったのである。 ――おお!
(いました、いました!」とせいようじんはとつじょさけんだ。「あすこにみえる。まさしく)
いました、いました!」と西洋人は突如叫んだ。「あすこに見える。正しく
(かのじょだ!かみやきものまでなにひとつちがいはしない。こんどこそみのがすものか!」)
彼女だ! 髪や着物迄何一つ異(ちが)いはしない。今度こそ見逃すものか!」
(わたしもさすがにぎくりとした。 ーーいましたか?!ほんとうですか?)
私も遉(さすが)にギクリとした。 ――いましたか?!ほんとうですか?
(どこにいました?」 みはえるはかんどうのあまり、われをわすれてかごからなかばからだを)
何処にいました?」 ミハエルは感動のあまり、我を忘れて籠から半ば体を
(のりだした。わたしはおどろいて、それをだきとめた。 ーーおお、ちじょうのたからよ!)
乗り出した。私はおどろいて、それを抱き止めた。 ――おお、地上の宝よ!
(わたしのせいめいよ!」みはえるはさけぶのである。 ーーどれどれ!)
私の生命よ!」ミハエルは叫ぶのである。 ――どれどれ!
(どこにいるのですか?わたしにもみせてください。」とわたしはいった。 みはえるは)
何処にいるのですか?私にも見せて下さい。」と私は云った。 ミハエルは
(ようやくわたしにそうがんきょうをてわたしながらはやくちにせつめいした。 ーーすぐしたです。はくらんかいの)
漸く私に双眼鏡を手渡しながら早口に説明した。 ――すぐ下です。博覧会の
(まんなかです。おおきなあかいはたとみどりいろのてんまくとのあいだにあるぞうのかたちをしたたてもののまえです。)
真中です。大きな赤い旗と緑色の天幕との間にある象の形をした建物の前です。
(しるしはんてんをきたおとこたちのなかにたったひとりまじっているおんながそうです。)
印袢天を着た男達の中にたった一人まじっている女がそうです。
(・・・・・・わかりましたか?」 わたしはかれのいうがままにしょうてんをさだめた。するとはたして)
……わかりましたか?」 私は彼の云うが儘に焦点を定めた。すると果して
(ひとりのうつくしいおんなのかおをはっけんすることができた。だが、よくよくみるならば、)
一人の美しい女の顔を発見することが出来た。だが、よくよく見るならば、
(ああ!わたしはそこであぶなくそうがんきょうをとりおとすところであった。 なぜといってー)
ああ!私はそこで危く双眼鏡を取り落とすところであった。 何故と云って―
(ーーわたしのみだしたところのそのうつくしいみはえるのこいびとたるや、なんといましも)
――私の見出したところのその美しいミハエルの恋人たるや、何と今しも
(しるしはんてんをきたかいじょうせいりのにんそくどもによってかつぎだされた、どこかごふくやでも)
印袢天を着た会場整理の人足共に依って擔ぎ出された、何処か呉服屋でも
(しゅっぴんしたらしいかざりつけにんぎょうであったではないか!)
出品したらしい飾り付け人形であったではないか!