ツクツク法師2  夢野久作

投稿者chiroプレイ回数704
難易度(5.0) 1891打 長文 長文モード可タグ長文 小説 タイピング文庫 夢野久作
ツクツクボウシの名前の由来。集団心理は怖い。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 えむ 6810 S++ 7.3 93.2% 254.6 1869 135 29 2021/09/16
2 どい 6001 A++ 6.2 96.3% 303.1 1891 72 29 2021/09/02
3 みぽ 5277 B++ 5.5 95.1% 342.8 1907 98 29 2021/08/20
4 omamo 4098 C 4.2 96.1% 437.7 1869 75 29 2021/10/15

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問題文

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(ところがどうでしょう。 よるになると、やっぱりちゃらんちゃらんという)

ところがどうでしょう。  夜になると、やっぱりチャランチャランと言う

(おとがかぜにつれてきんじょのむらじゅうへきこえてきます。 これをきくとむらのなかでも)

音が風につれて近所の村中へきこえて来ます。  これをきくと村の中でも

(ちからのつよいいじのわるいひとたちが5、6にんよってこんなはなしをしました。)

力の強い意地のわるい人たちが五、六人寄ってこんな話をしました。

(「あのぼうずはおかねがないなんてうそばかりついている。よるになるとあんなに)

「あの坊主はお金がないなんてウソばかりついている。夜になるとあんなに

(おかねのおとがちゃらちゃらいっているのにいちもんもないはずはない。おおぜいのひとたちが)

お金の音がチャラチャラ言っているのに一文もない筈はない。大勢の人たちが

(おこめがたべられないでこまっているのにじぶんばかりおかねをためてしらんかおを)

お米がたべられないで困っているのに自分ばかりお金をためて知らん顔を

(しているなんてわるいやつだ。ひとつおまえたちといっしょにどろぼうにばけていって、)

しているなんてわるい奴だ。一つお前たちと一緒に泥棒に化けて行って、

(あのぼうずをおどかしておかねをとりあげて、みんなにわけてやろうじゃないか」)

あの坊主をおどかしてお金を取り上げて、みんなにわけてやろうじゃないか」

(「それがいい、それがいい」 というので、むらのわかいひとたち5、6にんは)

「それがいい、それがいい」  と言うので、村の若い人たち五、六人は

(くろいぬのでかおをかくしてかまやなたをもって、すぐにおてらにおしかけていきました。)

黒い布で顔をかくして鎌や鉈を持って、すぐにお寺に押しかけて行きました。

(おてらにはいったどろぼうたちはねていたぼうさんをひきずりおこして、 「さあぼうず、)

お寺に入った泥棒たちは寝ていた坊さんを引きずり起こして、 「さあ坊主、

(たったいまかんじょうしていたおかねをだせ。ださないとたたきころすぞ」 といいました。)

たった今勘定していたお金を出せ。出さないとたたき殺すぞ」 と言いました。

(「かんべんしてください。おかねはいちもんもありません」 とぼうさんはふるえながら)

「勘弁して下さい。お金は一文もありません」  と坊さんはふるえながら

(もうしました。しかしどろぼうたちはしょうちしません。 「こんちくしょう、またうそをつく。)

申しました。しかし泥棒たちは承知しません。 「こん畜生、又嘘を吐く。

(おかねがないのになんでおとがするんだ。さあだせ。はやくだせ」 といっている)

お金がないのに何で音がするんだ。さあ出せ。早く出せ」  と言っている

(うちにおにわのほうにかぜがふいて、ちゃらんちゃらんというおとがしました。)

うちにお庭の方に風が吹いて、チャランチャランと言う音がしました。

(「あっ。おかねはあそこにある」 とひとりがかしのきのほうへかけだしますと、)

「あッ。お金はあそこにある」  と一人が樫の木の方へ駈け出しますと、

(みんなあとからつづいてかけていきました。 これをみたぼうさんは)

みんなあとからつづいて駈けて行きました。  これを見た坊さんは

(きもをつぶしておもわず、 「あっ。そっちにはおかねはありません、ありません」)

肝を潰して思わず、 「アッ。そっちにはお金はありません、ありません」

(といいながらあとからかけてきました。 ひとりのわかいものはふりかえって)

と言いながらあとからかけて来ました。  一人の若い者はふり返って

など

(にらみつけました。 「それみろ。こっちになければほかのところにあるのだろう)

睨みつけました。 「ソレ見ろ。こっちになければほかのところにあるのだろう

(こんちくしょう、はやくいえ」 というなりぼうさんをおさえつけてなたを)

こんちくしょう、早く言え」  と言うなり坊さんを押えつけて鉈を

(ふりあげました。 「ぶちころせ、ぶちころせ」)

ふり上げました。 「ぶち殺せ、ぶち殺せ」

(とほかのものもかまやぼうをふりあげました。 ぼうさんはしかたなしにとうとう)

とほかのものも鎌や棒をふり上げました。  坊さんはしかたなしにとうとう

(ほんとのことをいいました。 「たすけてください、たすけてください。ほんとうのことを)

ほんとのことを言いました。 「助けて下さい、助けて下さい。本当のことを

(もうします。このかしのきのしたにうめてあるのです。うそだとおもうならほって)

申します。この樫の木の下に埋めてあるのです。ウソだと思うなら掘って

(ごらんなさい。そのかわり、どうぞはんぶんだけでかんべんしてください」 「このくそぼうず、)

御覧なさい。その代り、どうぞ半分だけで勘弁して下さい」 「この糞坊主、

(まだそんなことをいう。はんぶんもくそもあるものか。いのちだけはたすけてやるから)

まだそんなことを言う。半分もクソもあるものか。生命だけは助けてやるから

(じっとしていろ」 といいながらぼうさんをかしのねかたへしばりつけてしまいました。)

ジッとしていろ」 と言いながら坊さんを樫の根方へ縛りつけてしまいました。

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