三人の百姓3 秋田雨雀
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Shion | 3577 | D+ | 3.7 | 96.2% | 576.6 | 2146 | 83 | 31 | 2024/10/20 |
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問題文
(「このかねはとにかく、おいらがあずかっておくことにすべい」 といさくはさっさと)
「この金はとにかく、己らが預って置くことにすべい」 と伊作はさっさと
(じぶんのはらへまきつけようとしましたので、それをみたたすけは、たいへんにおこって、)
自分の腹へ巻きつけようとしましたので、それを見た多助は、大変に怒って、
(いさくとけんかをはじめました。そこでいさくはしかたがないので、こばんを10まいだけ)
伊作と喧嘩を初めました。そこで伊作は仕方がないので、小判を十枚だけ
(たすけにわたしました。そしてたろうえもんには5まいだけわたして、 「おまえにこどもが)
多助に渡しました。そして太郎右衛門には五枚だけ渡して、 「お前に子供が
(ないわで、このこどもをそだてたらよかべい」 といいました。)
ないわで、この子供を育てたらよかべい」 と言いました。
(たろうえもんは、そのときいさくにむかって、 「おいら、こどもがふびんだわで、)
太郎右衛門は、その時伊作に向って、 「己ら、子供が不憫だわで、
(つれていくども、かねがほしくてこどもをつれていくんでねい」)
つれて行くども、金が欲しくて子供をつれて行くんでねい」
(といってどうしてもかねをうけとりませんでした。たすけは、もしたろうえもんが)
と言ってどうしても金を受取りませんでした。多助は、もし太郎右衛門が
(うけとらなければその5まいもいさくにとられてしまうのをしっているので、)
受取らなければその五枚も伊作に取られてしまうのを知っているので、
(ぜひうけとるようにすすめたけれどもうけとりませんでした。いさくはたろうえもんが)
是非受取るようにすすめたけれども受取りませんでした。伊作は太郎右衛門が
(どうしてもうけとらないので、そのうちの2まいをたすけにくれて、あとの3まいをもとの)
どうしても受取らないので、その内の二枚を多助にくれて、後の三枚を元の
(どうまきへいれて、こしにまきつけてしまいました。たすけもあと2まいだけよけいに)
胴巻へ入れて、腰に巻きつけてしまいました。多助も後二枚だけ余計に
(もらったので、まんざらわるいきもちもしませんでした。3にんはじょうかへいくのを)
もらったので、まんざら悪い気持もしませんでした。三人は城下へ行くのを
(やめて、そのひはじぶんのむらへかえってしまいました。 たろうえもんはひろった)
やめて、その日は自分の村へ帰ってしまいました。 太郎右衛門は拾った
(あかごをどうしてそだてていこうかと、みちみちしんぱいしてかえってきましたがいえへかえって)
赤児をどうして育てて行こうかと、道々心配して帰って来ましたが家へ帰って
(おかみさんにあかごをみせると、このないおかみさんがたいへんよろこんでくれたので、)
お神さんに赤児を見せると、子のないお神さんが大変喜んでくれたので、
(ほっとあんしんしました。しかしいさくにくちどめされているので、こばんのはなしなぞは)
ほっと安心しました。しかし伊作に口止めされているので、小判の話なぞは
(ひとこともいいませんでした。「もしかねのことがはっかくすれば、3にんどうざいでろうやへ)
一言も言いませんでした。「もし金のことが発覚すれば、三人同罪で牢屋へ
(いくのだ」といさくはばかしょうじきなたろうえもんにいいふくめておいたのでした。)
行くのだ」と伊作は馬鹿正直な太郎右衛門に言い含めて置いたのでした。
(たろうえもんと、たろうえもんのおかみさんが、このあかごをみているうちに、いままで)
太郎右衛門と、太郎右衛門のお神さんが、この赤児を見ているうちに、今まで
(いちどもかんじたことのないようなうれしいきもちになってきました。おかみさんは、)
一度も感じたことのないような嬉しい気持になって来ました。お神さんは、
(たろうえもんにむかって、 「このこはおてらのこでねえかしら!」)
太郎右衛門に向って、 「この子はお寺の子でねえかしら!」
(といいました。そのわけは、あかごをつつんでいるきれはどんすというりっぱなきれで、)
と言いました。そのわけは、赤児を包んでいる布は緞子という立派な布で、
(おかみさんがじょうかのおてらで、いちどみたことがあるからということでした。)
お神さんが城下のお寺で、一度見たことがあるからということでした。
(「ばかなあまっこだな、なしておてらでこどもをすてべいな!」 とたろうえもんは)
「馬鹿な女子だな、何してお寺で子供を捨てべいな!」 と太郎右衛門は
(おかみさんをしかりつけました。 そのばん、たろうえもんふうふは、おおきなかまにゆを)
お神さんを叱りつけました。 その晩、太郎右衛門夫婦は、大きな釜に湯を
(わかして、うまやのまえであかごにゆをつかわせてやることにしました。おかみさんは、)
沸して、厩の前で赤児に湯をつかわせてやることにしました。お神さんは、
(なにげなくあかごのおびをほどいて、うまやのほうへつれていこうとすると、おおきなふりそでの)
何気なく赤児の帯をほどいて、厩の方へつれて行こうとすると、大きな振袖の
(なかからいちまいのかみきれがおちてきました。 「なんだべい!」といって、そのかみきれを)
中から一枚の紙片が落ちて来ました。 「何んだべい!」と言って、その紙片を
(ていしゅのたろうえもんにわたしました。たろうえもんはそれをひろってみると、そのかみきれに)
亭主の太郎右衛門に渡しました。太郎右衛門はそれを拾って見ると、その紙片に
(したのようなもじがひらがなでかいてありました。 )
下のような文字が平仮名で書いてありました。