卒業
未熟な二人を見守りながら応援する楽器店の店長修と喫茶店のマスター。
まだまだ危なっかしい二人の幼い恋愛、突然訪れる永遠の別れを乗り越える中で少女から大人の女性に代わる恵。
見守る修の心情の変化。
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問題文
(そつぎょう)
卒業①
(くもひとつないまなつのおおぞら。ここはわたしのいちばんのおきにいりのばしょ。)
雲一つ無い真夏の大空。ここは私の一番のお気に入りの場所。
(「あーきもちいい~。あのくもにのってどこまでもいけそう~。」)
「あー気持ちいい~。あの雲に乗ってどこまでもいけそう~。」
(「でたでた、めぐみのおはこ。」)
「でたでた、恵の十八番。」
(「にゅうどうぐもはすごいよね~。」)
「入道雲はすごいよね~。」
(「ほんとうにめぐみはなつがすきだね~。」)
「本当に恵は夏が好きだね~。」
(ぴーんぽーんぱーんぽーん。)
ピーンポーンパーンポーン。
(「せいとかいよりおしらせです。)
「生徒会よりお知らせです。
(せいとかいやくいんとせんもんいいんかいのかいちょうふくかいちょうはせいとかいしつにおあつまりください。」)
生徒会役員と専門委員会の会長副会長は生徒会室にお集まりください。」
(「めぐみ、わたしいかなきゃ。」)
「恵、私行かなきゃ。」
(「ぶちょうにはわたしからいっておくよ。」)
「部長には私から言っておくよ。」
(「さんきゅー。」)
「サンキュー。」
(あきはてをふりながらかいだんをおりていった。)
亜季は手を振りながら階段を下りて行った。
(わたしはおおきくせのびをしてまたそらをみていた。)
私は大きく背伸びをしてまた空を見ていた。
(「ここにいたのか。」)
「ここにいたのか。」
(「ぶちょう。」)
「部長。」
(「こんなにあついのにおまえよくおくじょうなんかにいるな。」)
「こんなに暑いのにお前よく屋上なんかにいるな。」
(「きもちいいですよ~。なつは。」)
「気持ちいいですよ~。夏は。」
(「おれはなつはきらいだ。」)
「俺は夏は嫌いだ。」
(「そうだ、あきですけどせいとかいでいきました。」)
「そうだ、亜紀ですけど生徒会で行きました。」
(「そういやさっきこうないほうそうながれてたな。)
「そういやさっき校内放送流れてたな。
(おまえせんせいからきいたが?」)
お前先生から聞いたが?」
(「なにをですか?」)
「何をですか?」
(「なつやすみのかくがっこうからあつまるがっしゅく」)
「夏休みの各学校から集まる合宿」
(「いいえ。ことしはだれがさんかですか?」)
「いいえ。今年はだれが参加ですか?」
(「まあいいか。はなしがあるとおもうから、おれとおまえがさんかする。」)
「まあいいか。話があると思うから、俺とお前が参加する。」
(「えっ?い、いまなんて?」)
「えっ?い、今何て?」
(「だからことしのがっしゅくはおれとおまえのふたりでさんかだ。」)
「だから今年の合宿は俺とお前の二人で参加だ。」
(「ちょっちょっとまってください!ぶちょうはわかります、でもなんでわたし?」)
「ちょっちょっと待ってください!部長はわかります、でも何で私?」
(「おれがせんせいにたのんだんだ。」)
「俺が先生に頼んだんだ。」
(「どうして?」)
「どうして?」
(「まいとしさんかするのは3ねんせいだ、でも3ねんはそつぎょうしちまうだろ。)
「毎年参加するのは3年生だ、でも3年は卒業しちまうだろ。
(つぎのとしはまた3ねんがさんかする。まいとしあたらしいやつがさんかしたら、)
次の年はまた3年が参加する。毎年新しい奴が参加したら、
(だれがしたのやつにしどうするんだ。)
誰が下のやつに指導するんだ。
(だからひとりは3ねん、もうひとりは2ねんからえらんだほうがいいってたのんだん)
だから一人は3年、もう一人は2年から選んだほうがいいって頼んだん
(だ。」)
だ。」
(「むりですよわたしなんて!ほかのひとにしてください。」)
「無理ですよ私なんて!他の人にして下さい。」
(「おまえもっとじぶんにじしんもてよ。たしかにおまえはにゅうぶとうじは)
「お前もっと自分に自信持てよ。確かにお前は入部当時は
(きゃっきゃしてて、れんしゅうもあまりしなくて、こいつやるきあんのか)
キャッキャしてて、練習もあまりしなくて、こいつやる気あんのか
(っておもってたんだ、でもさいきんのおまえはいいおとだしてるよ。)
って思ってたんだ、でも最近のお前はいい音出してるよ。
(だからことしはおまえをつれてくってきめてたんだ。」)
だから今年はお前を連れてくって決めてたんだ。」
(「ぶちょう・・・・。」)
「部長・・・・。」
(「おれはずっとおまえのことみてきた、にゅうぶしてからずーっとだ。」)
「俺はずっとお前の事見てきた、入部してからずーっとだ。」
(なにかおかしい。ぶちょうのかおがだんだんあかくなってきている。)
何かおかしい。部長の顔がだんだん赤くなってきている。
(たしかにあついけど・・・・。)
確かに暑いけど・・・・。
(「いいか!いちどしかいわないからよくきけよ!お、おれは)
「いいか!一度しか言わないからよく聞けよ!お、俺は
(お、おまえのこ、ことがす、すきだ。」)
お、お前のこ、事がす、好きだ。」
(えっ!!!いますきっていった?)
えっ!!!今好きって言った?
(え~!!!!!)
え~!!!!!