卒業17

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プレイ回数173難易度(4.2) 3018打 長文
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問題文

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(ちゅうがく3ねんになると、じゅけんということばがせまってくるのがわかる、)

中学三年になると、受験という言葉が迫ってくるのがわかる、

(じゅぎょうもじゅけんありきになる。)

授業も受験ありきになる。

(じゅけんにでるひんどのたかいもんだいだとか、きょねんのもんだいにあったとか)

受験に出る頻度の高い問題だとか、去年の問題にあったとか

(せんせいはそんなことをくちにすることがおおくなる。)

先生はそんなことを口にすることが多くなる。

(しんろのめんだんもおおくなる。)

進路の面談も多くなる。

(わたしはしぼうこうがたかいので、せいせきとにらめっこのめんだんになる。)

私は志望校が高いので、成績とにらめっこの面談になる。

(ぶかつどうもぶちょうとしてみんなをまとめなければならない、)

部活動も部長としてみんなをまとめなければならない、

(しんにゅうぶいんもはいってくる。べんきょうとへいこうしてのぶかつどうはたしかにたいへんだ。)

新入部員も入ってくる。勉強と並行しての部活動は確かに大変だ。

(としひこくんはそれをやってきていたんだな、とおもいながら。)

俊彦君はそれをやってきていたんだな、と思いながら。

(がっこうのかえりしょうてんがいをあるいていると、)

学校の帰り商店街を歩いていると、

(「めぐみちゃん。」)

「恵ちゃん。」

(「あ、おさむさん」)

「あ、修さん」

(「いまがえり?」)

「今帰り?」

(「はい。」)

「はい。」

(「なにかのもうか?」)

「何か飲もうか?」

(「ありがとうございます。」)

「ありがとうございます。」

(かうべるへいった。)

“カウベル”へ行った。

(からんからん)

カランカラン

(「いらっしゃい。」)

「いらっしゃい。」

(「ますたーほっとと・・・。」)

「マスターホットと・・・。」

など

(「かふぇおれを」)

「カフェオレを」

(「りょうかい。」)

「了解。」

(「なんかつかれてない?」)

「なんか疲れてない?」

(「そうですか?」)

「そうですか?」

(「ならいいんだけどね。」)

「ならいいんだけどね。」

(「としひこくんはすごいなっておもって、)

「俊彦君はすごいなって思って、

(べんきょうしながらぶかつのみんなまとめて。」)

勉強しながら部活のみんなまとめて。」

(「としひこにはせんたくしがこうりつにいくしかなかったからな。」)

「俊彦には選択肢が公立に行くしかなかったからな。」

(「そうなんですか?」)

「そうなんですか?」

(「まえにはなしたよね?りこんしておかあさんがひとりでとしひこのこと)

「前に話したよね?離婚してお母さんが一人で俊彦の事

(そだててるって。」)

育ててるって。」

(「はい。」)

「はい。」

(「おかあさんにふたんかけないようにこうりつ1ほんってきめてたんだよね。」)

「お母さんに負担かけないように公立一本って決めてたんだよね。」

(あまいのはわたしですね。」)

甘いのは私ですね。」

(「めぐみちゃん。むりはきんもつだよ。ときにはいきぬきもひつようだよ。)

「恵ちゃん。無理は禁物だよ。時には息抜きも必要だよ。

(むりしてもなんにもみにつかない、ぎゃくこうかだ。)

無理しても何にも身につかない、逆効果だ。

(そうだ、これからじかんある?」)

そうだ、これから時間ある?」

(「だいじょうぶですけど?」)

「大丈夫ですけど?」

(「どらいぶしようか。いえにむかえにいくよ。」)

「ドライブしようか。家に迎えに行くよ。」

(「かえってしたくします。」)

「帰って支度します。」

(わたしはいそいでかえってしたくをした。)

私は急いで帰って支度をした。

(しばらくするとおさむさんがやってきて、)

しばらくすると修さんがやってきて、

(おかあさんにわたしをつれていくゆるしをもらっていた。)

お母さんに私を連れていく許しをもらっていた。

(「さあ、のって。」)

「さあ、乗って。」

(「はい。」)

「はい。」

(「どこにいきたい?」)

「どこに行きたい?」

(「うみがみたいです。」)

「海が見たいです。」

(「さむいよ?」)

「寒いよ?」

(「くるまのなかからでもいいのでみたいです。」)

「車の中からでもいいので見たいです。」

(「うみだね。」)

「海だね。」

(おさむさんはくるまをはしらせた。)

修さんは車を走らせた。

(しがいちをぬけうみぞいのみちをはしっていく。)

市街地を抜け海沿いの道を走って行く。

(わたしはそとのけしきがはしるようにながれていくのをだまってみていた。)

私は外の景色が走るように流れていくのを黙って見ていた。

(かーらじおからおんがくがながれている。)

カーラジオから音楽が流れている。

(「めぐみちゃんすきなかしゅとかいるの?」)

「恵ちゃん好きな歌手とかいるの?」

(「わたしはひできがすきです。」)

「私は秀樹が好きです。」

(「えねるぎっしゅなうたをうたうかしゅだね。」)

「エネルギッシュな歌を歌う歌手だね。」

(「でびゅーしたときからふぁんなんです。」)

「デビューした時からファンなんです。」

(しゃはうみぞいのみちでとまった。)

車は海沿いの道で止まった。

(もうすっかりくらくなったうみは、なみがしらだけがしろくみえる。)

もうすっかり暗くなった海は、波頭だけが白く見える。

(わたしはまどをひらけてうみをみつめた。)

私は窓を開けて海を見つめた。

(「うみはいいですよね、よせてはかえすなみをみていると、)

「海はいいですよね、寄せては返す波を見ていると、

(なんだかじぶんがなやんでることみんなさらってくれるみたいで)

なんだか自分が悩んでることみんなさらってくれるみたいで

(おちつくんです。」)

落ち着くんです。」

(どのくらいじかんがたっただろう。)

どのくらい時間が経っただろう。

(「おなかすかない?」)

「お腹すかない?」

(おさむさんがきいてきた。)

修さんが聞いてきた。

(「すこしすきました。」)

「少しすきました。」

(「このちかくにいいみせがあるんだ。」)

「この近くにいい店があるんだ。」

(そういうとくるまをはしらせた。)

そう言うと車を走らせた。

(しばらくはしるとちゅうしゃじょうへくるまをとめた。)

しばらく走ると駐車場へ車を止めた。

(「ついたよ。」)

「着いたよ。」

(しろいさんかくやねのよっとみたいなたてもの。)

白い三角屋根のヨットみたいな建物。

(「いらっしゃいませ。」)

「いらっしゃいませ。」

(「こんばんは、おひさしぶりです。」)

「こんばんは、お久しぶりです。」

(「いやー、なんねんぶりかな?」)

「いやー、何年ぶりかな?」

(「もう5ねんですよ。」)

「もう5年ですよ。」

(「そんなにたちますか。」)

「そんなに経ちますか。」

(うみのみえるまどぎわのせきにすわったおさむさんは、めにゅーをみながら)

海の見える窓際の席に座った修さんは、メニューを見ながら

(「なにたべようか。」)

「何食べようか。」

(わたしにめにゅーをみせてくれた。)

私にメニューを見せてくれた。

(「わたしはしーふーどぐらたんとこうちゃ。」)

「私はシーフードグラタンと紅茶。」

(「ますたー、しーふーどぐらたんと、びーふしちゅー、あとこーひーとこうちゃ」)

「マスター、シーフードグラタンと、ビーフシチュー、後コーヒーと紅茶」

(「かしこまりました。」)

「かしこまりました。」

(「このおみせ、まえにきたことあるんですか?」)

「このお店、前に来たことあるんですか?」

(「5ねんまえにね。」)

「5年前にね。」

(そういうと、おさむさんはまどのそとをとおくをみるようなめでみていた。)

そう言うと、修さんは窓の外を遠くを見るような目で見ていた。

(きかないほうがいいきがしてそれいこうはきかなかった。)

聞かないほうがいい気がしてそれ以降は聞かなかった。

(りょうりをはこんできたますたーが)

料理を運んできたマスターが

(「みなさんおげんきですか?」)

「皆さんお元気ですか?」

(「げんきだとはおもうんですけどね。」)

「元気だとは思うんですけどね。」

(「そうですか、どうぞごゆっくり。」)

「そうですか、どうぞごゆっくり。」

(「きぶんてんかんになったかな。」)

「気分転換になったかな。」

(「はい。ありがとうございます。あしたからまたがんばれそうです。」)

「はい。ありがとうございます。明日からまた頑張れそうです。」

(「ならよかった。いつでもいってくれたらきぶんてんかんに)

「なら良かった。いつでも言ってくれたら気分転換に

(つれてきてあげるよ。」)

連れてきてあげるよ。」

(「ありがとうございます。」)

「ありがとうございます。」

(わたしはほんとうにひとりじゃないんだなとかんじていた。)

私は本当に一人じゃないんだなと感じていた。

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