卒業28

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問題文
(3がつ。わたしはぶじこうこうをそつぎょうした。)
3月。私は無事高校を卒業した。
(としひこくんがそつぎょうしたらいこうなといっていた)
俊彦君が卒業したら行こうなと言っていた
(きょうとへおさむさんといっしょにいくことになっている。)
京都へ修さんと一緒に行くことになっている。
(わたしはとしひこくんのしゃしんをにもつにいれてでかけた。)
私は俊彦君の写真を荷物に入れて出かけた。
(りょかんへつくとわたしのかおをおぼえていたなかいさんが、)
旅館へ着くと私の顔を覚えていた中居さんが、
(「おこしやす、こちらへどうぞ。」)
「おこしやす、こちらへどうぞ。」
(かうんたーへあんないしてくれた。)
カウンターへ案内してくれた。
(「やましたでよやくがはいっているとおもうんですが。」)
「山下で予約が入っていると思うんですが。」
(「はい、ごよやくいただいております。」)
「はい、ご予約いただいております。」
(「あの、もう1へやよういしてもらうことはできますか?」)
「あの、もう一部屋用意してもらうことは出来ますか?」
(「かくにんしますので、おまちください。はい、ごよういできます。」)
「確認しますので、お待ちください。はい、ご用意できます。」
(「じゃ、よういしてもらえますか?」)
「じゃ、用意してもらえますか?」
(「かしこまりました。」)
「かしこまりました。」
(「わたしひとりですか?」)
「私一人ですか?」
(「いっしょのへやじゃまずいだろ?」)
「一緒の部屋じゃまずいだろ?」
(「ですね。」)
「ですね。」
(なかいさんがへやにあんないしてくれた。)
中居さんが部屋に案内してくれた。
(「おちゃいれましょうか?」)
「お茶入れましょうか?」
(「はい。すみません。」)
「はい。すみません。」
(「よやくしてくださったほうはきょうは?」)
「予約してくださった方は今日は?」
(「きてますよ。わたしはしゃしんをみせた。」)
「来てますよ。私は写真を見せた。」
(「そうそう、このほうですよね?」)
「そうそう、この方ですよね?」
(「きょねんなくなったんですびょうきで。」)
「去年亡くなったんです病気で。」
(「しつれいしました。」)
「失礼しました。」
(「おききしていいですか?どんなふうによやくしたんですかかれは。」)
「お聞きしていいですか?どんなふうに予約したんですか彼は。」
(「いちどでかけられてから、いそいでかえってこられて)
「一度出かけられてから、急いで帰ってこられて
(3ねんごのこのひよやくしたいんですができますか?って)
3年後のこの日予約したいんですができますか?って
(いきぎれらしてこられたんですよ。)
息切らしてこられたんですよ。
(いまからならじゅうぶんまにあいますよって、よやくをおうけしたんです。」)
今からなら十分間に合いますよって、予約をお受けしたんです。」
(「そうですか。」)
「そうですか。」
(「たいせつなひととふたりでとまりたいって、)
「大切な人と二人で泊まりたいって、
(まっかなかおされて、かわいらしいとおもいましたよ。」)
真っ赤な顔されて、可愛らしいと思いましたよ。」
(としひこくん・・・。はずかしかったんだろうな。)
俊彦君…。恥ずかしかったんだろうな。
(まっかなかおして・・・。そうぞうしたらえみがこぼれた。)
真っ赤な顔して・・・・。想像したら笑みがこぼれた。
(「めぐ、いいかい?」)
「メグ、いいかい?」
(「どうぞ。」)
「どうぞ。」
(「では、ごようのときはふろんとへでんわしてくださいね。」)
「では、御用の時はフロントへ電話してくださいね。」
(「ありがとうございます。」)
「ありがとうございます。」
(なかいさんはへやをでていった。)
中居さんは部屋を出て行った。
(「さんぽいかないかなっていざないにきた。」)
「散歩行かないかなって誘いに来た。」
(「いきます、いきましょう。」)
「行きます、行きましょう。」
(3がつのおわり、こよみのうえでははる。きょうとはまだはださむい。)
3月の終わり、暦の上では春。京都はまだ肌寒い。
(さがののたけばやしをみたかった。)
嵯峨野の竹林を見たかった。
(ちゅうがく3ねんのしゅうがくりょこうでたけばやしをみたとき)
中学三年の修学旅行で竹林を見た時
(きもちがおちついたことがあって、もういちどきてみたかった。)
気持ちが落ち着いたことがあって、もう一度来てみたかった。
(たけばやしのなかでこしをおろしていると、)
竹林の中で腰を下ろしていると、
(かぜでたけがゆれるたび、がさがさ、がさがさとたけばやしがなる。)
風で竹が揺れるたび、ガサガサ、ガサガサと竹林が鳴る。
(なにかはなしかけられているようなきがして、)
何か話しかけられているような気がする。、
(だまってみあげるだけで、おちつく。)
黙って見あげるだけで、落ち着く。
(「のみものかってくるからここにいて。」)
「飲み物買ってくるからここにいて。」
(「はい。」)
「はい。」
(たけばやしのなかにいくつかあるながいすにすわって、)
竹林の中にいくつかある長椅子に座って、
(めをとじてたけのねをきいていた。)
眼を閉じて竹の音を聞いていた。
(ふととなりにひとのきはいがした。)
ふと隣に人の気配がした。
(めをひらくととなりにしらないおとこのひとがすわっていた。)
眼を開くと隣に知らない男の人が座っていた。
(「きみ、かんこう?ぼくがあんないしようか?)
「君、観光?僕が案内しようか?
(じもとだからあなばとかくわしいよ。」)
地元だから穴場とか詳しいよ。」
(「あ、あの・・・。どなたですか?」)
「あ、あの・・・。どなたですか?」
(「なまえなんてどうでもいいでしょ!)
「名前なんてどうでもいいでしょ!
(さあいこうか。」)
さあ行こうか。」
(「ちょ、ちょっと。」)
「ちょ、ちょっと。」
(わたしはてをつかまれつれていかれそうになった。)
私は手を掴まれ連れて行かれそうになった。
(「なにをしている!」)
「何をしている!」
(「あんただれ?」)
「あんた誰?」
(「かのじょはぼくのつれだけど?」)
「彼女は僕の連れだけど?」
(「あんたみたいなおじさんより、おれのほうがいいよねかのじょ?」)
「あんたみたいなおじさんより、俺の方がいいよね彼女?」
(「はなしてください!!」)
「話してください!!」
(「いやがってるだろ!てをはなしてくれないか。」)
「嫌がってるだろ!手を離してくれないか。」
(おさむさんはわたしのてをつかんでいるおとこのてをふりはらった。)
修さんは私の手を掴んでいる男の手を振り払った。
(「いたって~、なにすんだよ!!」)
「痛って~、何すんだよ!!」
(おとこはおさむさんになぐりかかった。)
男は修さんに殴りかかった。
(「こら!!なにしてる!!!」)
「こら!!何してる!!!」
(ぱとろーるちゅうのおまわりさんがこえをかけるとおとこはにげていった。)
パトロール中のおまわりさんが声をかけると男は逃げて行った。
(「だいじょうぶか?」)
「大丈夫か?」
(「はい。」)
「はい。」
(うでがつよいちからでつかまれてひねったようだ。)
腕が強い力でつかまれてひねったようだ。
(「はれてるな、びょういんへいこう。」)
「腫れてるな、病院へ行こう。」
(「だいじょうぶですか?」)
「大丈夫ですか?」
(「ありがとうございます、このちかくにびょういんはありますか?」)
「ありがとうございます、この近くに病院はありますか?」
(「じじょうもうかがいたいのでごいっしょします。」)
「事情も伺いたいのでご一緒します。」
(けいさつのひとがいっしょにきてくれた。)
警察の人が一緒に来てくれた。
(あのおとこはけいさつもめをつけているこのあたりのふりょうらしい。)
あの男は警察も目をつけているこのあたりの不良らしい。
(「てくびをすこしひねっただけですんでよかったよ。」)
「手首を少しひねっただけで済んで良かったよ。」
(「すみません。」)
「すみません。」
(「めぐになにかあったら、としひこにいかられる。」)
「メグに何かあったら、俊彦に怒られる。」
(「ひがいとどけでしますか?」)
「被害届出しますか?」
(「いえ、あしたかえるのでべつにいいです。」)
「いえ、明日帰るので別にいいです。」
(「そうですか。じゃここでしつれいします)
「そうですか。じゃここで失礼します
(おきをつけて。」)
お気をつけて。」
(わたしとおさむさんはりょかんまでおくってもらった。)
私と修さんは旅館まで送ってもらった。
(「おさむさん、おねがいがあるんですけど。」)
「修さん、お願いがあるんですけど。」
(「どうした?」)
「どうした?」
(「ねむるまでいてもらっていいですか?ちょっとこわくて・・・。」)
「眠るまでいてもらっていいですか?ちょっと怖くて・・・。」
(「あんなことがあったあとだからね、いいよ。」)
「あんなことがあった後だからね、いいよ。」
(わたしはあんしんしてねむりについた。)
私は安心して眠りについた。