赤いカブトムシ1/江戸川乱歩

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プレイ回数1002難易度(4.3) 3521打 長文 長文モードのみ
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出典:「たのしい三年生」講談社 1958(昭和33)年4月〜1959(昭和34)年3月

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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ヤス 7090 7.4 95.4% 472.2 3515 167 71 2024/11/02
2 デコポン 6511 S+ 6.7 96.8% 516.2 3474 113 71 2024/10/29
3 Ri 6268 S 6.4 97.1% 542.9 3505 102 71 2024/10/30
4 にょん 6050 A++ 6.2 97.1% 559.3 3487 103 71 2024/12/01
5 kei 4721 C++ 5.0 94.3% 698.3 3506 209 71 2024/12/02

関連タイピング

問題文

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(あるにちようびのごご、たんげさとこちゃんと、きむらみどりちゃんと、)

あるにちよう日のごご、丹下サト子ちゃんと、木村ミドリちゃんと、

(のざきさゆりちゃんのさんにんが、ともだちのところへあそびにいったかえりに、)

野崎サユリちゃんの三人が、友だちのところへあそびに行ったかえりに、

(せたがやくのさびしいまちを、てをつないであるいていました。)

世田谷区のさびしい町を、手をつないで歩いていました。

(さんにんとも、しょうがっこうさんねんせいのなかよしです。)

三人とも、小学校三年生のなかよしです。

(「あらっ。」)

「あらっ。」

(さとこちゃんが、なにをみたのか、ぎょっとしたようにたちどまりました。)

サト子ちゃんが、なにを見たのか、ぎょっとしたようにたちどまりました。

(みどりちゃんもさゆりちゃんもびっくりして、)

ミドリちゃんもサユリちゃんもびっくりして、

(さとこちゃんのみつめているほうをながめました。)

サト子ちゃんの見つめている方をながめました。

(すると、みちのまんなかに、みょうなことがおこっていたのです。)

すると、道のまん中に、みょうなことがおこっていたのです。

(むこうのまんほーるのてつのふたが、)

むこうのマンホールのてつのふたが、

(じりり、じりりと、もちあがっているのです。)

じりり、じりりと、もち上がっているのです。

(だれか、まんほーるのなかにいるのでしょうか。)

だれか、マンホールの中にいるのでしょうか。

(まんほーるのふたは、すっかりひらいていました。)

マンホールのふたは、すっかりひらいていました。

(そして、そのしたから、くろいまんとをきたおとこのひとが、ぬぅっとあらわれたのです。)

そして、その下から、黒いマントをきた男の人が、ぬぅっとあらわれたのです。

(そのひとは、つばのひろい、まっくろなぼうしをかぶり、おおきなめがねをかけ、)

その人は、つばのひろい、まっ黒なぼうしをかぶり、大きなめがねをかけ、

(くちひげがぴんと、りょうほうにはねあがっていて、)

口ひげがぴんと、両方にはね上がっていて、

(くろいさんかくのあごひげをはやしていました。)

黒い三かくのあごひげをはやしていました。

(せいようあくまみたいな、きみのわるいひとです。)

せいようあくまみたいな、きみのわるい人です。

(そのひとは、まんほーるからはいだして、じめんにすっくとたちあがると、)

その人は、マンホールからはい出して、じめんにすっくとたち上がると、

(さんにんのほうをみて、にやりとわらいました。そして、くろいまんとを、)

三人の方を見て、にやりとわらいました。そして、黒いマントを、

など

(こうもりのようにひらひらさせながら、むこうのほうへあるいていくのです。)

こうもりのようにひらひらさせながら、むこうの方へ歩いていくのです。

(「あやしいひとだわ。ねえ、みんなで、あのひとのあとをつけてみましょうよ。」)

「あやしい人だわ。ねえ、みんなで、あの人のあとをつけてみましょうよ。」

(みどりちゃんが、ちいさいこえでいいました。)

ミドリちゃんが、小さい声でいいました。

(みどりちゃんのにいさんのとしおくんは、しょうねんたんていだんいんなので、)

ミドリちゃんのにいさんの敏夫くんは、しょうねんたんていだんいんなので、

(みどりちゃんもそういうたんていみたいなことがすきなのです。)

ミドリちゃんもそういうたんていみたいなことがすきなのです。

(さとこちゃんもさゆりちゃんも、みどりちゃんのいうことは、)

サト子ちゃんもサユリちゃんも、ミドリちゃんのいうことは、

(なんでもきくくせなので、そのままさんにんで、)

なんでもきくくせなので、そのまま三人で、

(くろまんとのおとこのあとをつけていきました。)

黒マントの男のあとをつけていきました。

(くろまんとは、ひろいはらっぱをとおって、むこうのもりのなかへはいっていきます。)

黒マントは、ひろいはらっぱをとおって、むこうの森の中へはいっていきます。

(せたがやくのはずれには、はたけもあれば、もりもあるのです。)

世田谷区のはずれには、はたけもあれば、森もあるのです。

(ひるまですから、もりへはいるのも、おそろしくはありません。)

ひるまですから、もりへはいるのも、おそろしくはありません。

(さんにんは、こわいものみたさで、どこまでもあとをつけました。)

三人は、こわいもの見たさで、どこまでもあとをつけました。

(もりのなかに、いっけんのふるいせいようかんがたっていました。)

森の中に、一けんのふるいせいようかんがたっていました。

(「あらっ、あれはおばけやしきよ。」 「まあ、こわい。どうしましょう。」)

「あらっ、あれはおばけやしきよ。」 「まあ、こわい。どうしましょう。」

(そのせいようかんは、むかし、せいようじんがすんでいたのですが、)

そのせいようかんは、むかし、せいよう人がすんでいたのですが、

(いまはあきやになっていて、そのへんではおばけやしきとよばれています。)

いまはあきやになっていて、そのへんではおばけやしきとよばれています。

(さんにんは、ちかくにすんでいるので、それをよくしっていました。)

三人は、近くにすんでいるので、それをよく知っていました。

(よる、せいようかんのにかいのまどから、あかいひとだまが、)

夜、せいようかんの二かいのまどから、赤い人だまが、

(すぅっとでていったのをみたひとがあるということでした。)

すぅっと出ていったのを見た人があるということでした。

(また、だれもいないせいようかんのなかから、)

また、だれもいないせいようかんの中から、

(きみのわるいおんなのなきごえがきこえてくるといううわさもありました。)

きみのわるい女のなき声がきこえてくるといううわさもありました。

(さんにんのしょうじょがにげだそうとしていますと、)

三人のしょうじょがにげ出そうとしていますと、

(あっとおどろくようなことがおこりました。)

あっとおどろくようなことがおこりました。

(くろまんとのおとこが、せいようかんのそとがわを、)

黒マントの男が、せいようかんの外がわを、

(するするとのぼっていくではありませんか。はしごもないのに、)

するするとのぼっていくではありませんか。はしごもないのに、

(まるでへびのようにのぼっていくと、にかいのまどのなかに)

まるでへびのようにのぼっていくと、二かいのまどの中に

(すがたをけしてしまいました。)

すがたをけしてしまいました。

(さんにんはぞっとして、いきなりかけだそうとしましたが、そのとき、)

三人はぞっとして、いきなりかけ出そうとしましたが、そのとき、

(せいようかんのほうから、けたたましいさけびごえがきこえてきました。)

せいようかんの方から、けたたましいさけび声がきこえてきました。

(それをきくと、さんにんとも、おもわず、うしろをふりむきました。)

それをきくと、三人とも、思わず、うしろをふりむきました。

(にかいのまどから、しろいかおがのぞいていました。)

二かいのまどから、白いかおがのぞいていました。

(そのかおが、きゃあっとさけんでいるのです。とおいので、はっきり、)

そのかおが、きゃあっとさけんでいるのです。とおいので、はっきり、

(わかりませんが、さんにんとおなじくらいのとしごろの、おかっぱのおんなのこです。)

わかりませんが、三人とおなじくらいの年ごろの、おかっぱの女の子です。

(そのこが、いまにもころされそうにさけんでいるのです。)

その子が、いまにもころされそうにさけんでいるのです。

(「きっと、あのくろまんとのおとこがいじめているんだわ。」)

「きっと、あの黒マントの男がいじめているんだわ。」

(さんにんとも、おなじことをかんがえました。)

三人とも、おなじことを考えました。

(まどのおんなのこは、なにものかのてからのがれようとして、もがいていましたが、)

まどの女の子は、なにものかの手から逃れようとして、もがいていましたが、

(とうとう、ずるずるとうしろへひっぱられて、まどからきえてしまいました。)

とうとう、ずるずるとうしろへひっぱられて、まどからきえてしまいました。

(そのとき、なきごえがぱったりとまったのは、)

そのとき、なき声がぱったりとまったのは、

(おとこにくちをおさえられたからかもしれません。)

男に口をおさえられたからかもしれません。

(さんにんは、むがむちゅうでかけだしました。)

三人は、むがむちゅうでかけ出しました。

(そして、ちかくのめいめいのうちへかえったのですが、みどりちゃんは、)

そして、近くのめいめいのうちへかえったのですが、ミドリちゃんは、

(すぐにこのことをおとうさんと、にいさんのとしおくんにしらせました。)

すぐにこのことをおとうさんと、にいさんの敏夫くんに知らせました。

(「おしいことをしたなあ。ぼくがそこにいれば、)

「おしいことをしたなあ。ぼくがそこにいれば、

(きっとてがかりをつかんだのに。」)

きっと手がかりをつかんだのに。」

(しょうねんたんていだんいんのとしおくんが、ざんねんそうにいいました。)

しょうねんたんていだんいんの敏夫くんが、ざんねんそうにいいました。

(みどりちゃんのおとうさんが、けいさつにでんわをかけたので、)

ミドリちゃんのおとうさんが、けいさつにでんわをかけたので、

(けいかんたちがもりのなかのせいようかんにかけつけて、なかをしらべましたが、)

けいかんたちが森の中のせいようかんにかけつけて、中をしらべましたが、

(まったくのあきやで、ひとのかげさえみえないのでした。)

まったくのあきやで、人のかげさえ見えないのでした。

(せいようあくまのようなくろまんとのおとこは、いったいなにものでしょうか。)

せいようあくまのような黒マントの男は、いったいなにものでしょうか。

(そして、あのかわいそうなおんなのこは、どうなったのでしょうか。)

そして、あのかわいそうな女の子は、どうなったのでしょうか。

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