ぜんぶあんたのせい

(みじかいあいだでしたけどみなさんほんとうにおつかれさまでした)

短い間でしたけど みなさん本当にお疲れ様でした

(まだみれんもたくさんあるでしょうけれどきょうでぜんいんそつぎょうです)

まだ未練も沢山あるでしょうけれど 今日で全員卒業です

(きれいなひともそうじゃないひとらもここからさきはびょうどうです)

キレイな人もそうじゃない人等もここから先は平等です

(それじゃみなさんほんとおまちかね)

それじゃ皆さんホント御待ち兼ね

(さあせいせきひょうをおかえししましょう)

さあ 成績表をお返ししましょう

(はいじゃあさいしょあおやまさん)

はい じゃあ最初 青山さん

(あなたみちばたにごみすてたでしょ)

あなた道端にゴミ捨てたでしょ

(それはだれがひろうかしってるの)

それは誰が拾うか知ってるの？

(ああひどいことするねふごうかくです)

ああ ひどいことするね 不合格です

(はいつぎきみだねあさのさん)

はい 次 君だね 浅野さん

(きみずっとあのこいじめてたでしょ)

君ずっとあの子いじめてたでしょ

(あのこはもうとびおりちゃったよ)

あの子はもう飛び降りちゃったよ

(きみのせいだねきっともうふごうかくだ)

君の所為だねきっと もう不合格だ

(うまれたしゅんかんからげんざいまでつづくてすと)

生まれた瞬間から現在まで続くテスト

(きづけばはいごにそびえるきょだいなすこあぼーど)

気付けば背後にそびえる 巨大なスコアボード

(かみさまおれはかのうなかぎりぜんにんでいました)

神様 俺は可能な限り善人でいました

(なあこれくらいみのがせよ)

なあ これくらい見逃せよ

(しょうがいをとしたげんせいなしんさ)

生涯を賭した 厳正な審査

(おれだけはだいじょうぶとこんきょなくしんじ)

俺だけは大丈夫と根拠無く信じ

(あたまかかえてこうしんせよまえへ)

頭抱えて 行進せよ前へ

(１２３４あたまのなかこえがするんだ)

１２３４ 頭の中 声がするんだ

(ぜんぶあんたのせい)

全部あんたの所為

(まきでいきますねどんどん)

巻きでいきますね どんどん

(きみらほんとうにかずがおおすぎます)

君ら本当に数が多過ぎます

(えっとここからここそれからこっち)

えっと ここからここ それからこっち

(ここまでがぜんぶふごうかく)

ここまでが全部不合格

(おやつぎはだれかなこれは)

おや 次は誰かなこれは？

(みあたりませんけどどこに)

見当たりませんけど何処に？？

(そんざいかんがなさすぎます)

存在感が無さ過ぎます

(いるかわからないのでよしふごうかくで)

居るかわからないので よし不合格で

(つみあげるのにただいなどりょくにんたいをようし)

積み上げるのに多大な努力忍耐を要し

(しかしどうにもくずれさるのはいっしゅんのようで)

しかしどうにも崩れ去るのは一瞬のようで

(まるでじごくのせめくのようだしんらいってやつは)

まるで地獄の責め苦のようだ 信頼ってやつは

(ああもういちどさいしょからださあ)

ああ もう一度最初からだ さあ

(せんせいもうつかれました)

先生もう疲れました

(だってきみらほんとうにうたがわず)

だって君ら本当に疑わず

(ただきのうもおとといもそのまたまえもおなじことしてきたんだ)

ただ昨日も一昨日もそのまた前も同じ事してきたんだ

(たとえわたしがなにくちばしろうがきみらそのまましんじるんでしょ)

例え私が何口走ろうが 君らそのまま信じるんでしょ

(ならばもうなんのいみもない)

ならばもう何の意味もない

(だからもうおわりどっちでもいけよほら)

だからもう終わり どっちでも行けよほら

(しょうがいをとしてくるいそうなしんさ)

生涯を賭して 狂いそうな審査

(おれだけはだいじょうぶとおもったらおわりさ)

俺だけは大丈夫と思ったら終わりさ

(わめきちらしてこうしんせよまえへ)

喚き散らして 行進せよ前へ

(１２３４あたまのなかこえがきえない)

１２３４ 頭の中 声が消えない

(ぜんぶあんたのせい)

全部あんたの生