俺とお前とあなたと私6

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(おれとわたしのばあい4)

俺と私の場合4

(こどもたちにてをひかれしせつのかだんのわきできいたはなしにおどろいていた)

子供達に手を引かれ施設の花壇の脇で聞いた話に驚いていた

(たしかにこえがきこえた、わたしのなかのわたしのこえとほかのだれかのこえがきこえた。)

確かに声が聞こえた、私の中の私の声と他の誰かの声が聞こえた。

(だれのこえ?)

誰の声?

(こどもたちがじぶんはじぶんとはなしができるんだといってくれたことにはんのうしていた。)

子供達が自分は自分と話が出来るんだと言ってくれたことに反応していた。

(「ちょっとまっててくれるかな。」)

「ちょっと待っててくれるかな。」

(そういうとたけうちせんせいはすこしはなれたばしょへいどうした。)

そう言うと竹内先生は少し離れた場所へ移動した。

(わたしもたしかめようとそのばからすこしはなれたばしょへいどうした。)

私も確かめようとその場から少し離れた場所へ移動した。

(「さっきあなたこえだしたわよね。」)

「さっきあなた声だしたわよね。」

(「おどろいたわよ、あのこたちもあなたとおなじなのね。」)

「驚いたわよ、あの子たちもあなたと同じなのね。」

(「そのことじゃなくてもうひとりのこえよ。」)

「その事じゃなくてもう一人の声よ。」

(「あーあなたといっしょにいたかれのこえよね。」)

「あーあなたと一緒にいた彼の声よね。」

(「あなたわかってたの?」)

「あなたわかってたの?」

(「はじめはわからなかったけど、ちかくにいるじかんがながいとわかるみたい。」)

「はじめはわからなかったけど、近くに居る時間が長いとわかるみたい。」

(「ってことはたけうちせんせいもはなせるってことなの?」)

「ってことは竹内先生も話せるって事なの?」

(「そうかもね。」)

「そうかもね。」

(そのときふくのすそをつかまれた。)

その時服の裾を掴まれた。

(「ねえ、だれとはなしてるの?もしかしたらぼくたちとおなじなの?」)

「ねえ、誰と話してるの?もしかしたら僕たちと同じなの?」

(そういわれてわたしはあわててしまった。)

そう言われて私は慌ててしまった。

(「おまえきがついてたのか?」)

「お前気がついてたのか?」

など

(「となりのかのじょもおまえとおなじだぜ。」)

「隣の彼女もお前と同じだぜ。」

(「おなじって・・はなせるってことなのか?」)

「同じって・・話せるって事なのか?」

(「そういうことだな。」)

「そういう事だな。」

(「せんせいなにしてるの?せんせいもはなせるの?」)

「先生何してるの?先生も話せるの?」

(とつぜんこえをかけられて、おれはおどろいた。)

突然声をかけられて、俺は驚いた。

(かだんへもどったわたしたちはすこしのあいだ、だまったままたっていた。)

花壇へ戻った私たちは少しの間、黙ったまま立っていた。

(「ねえ、せんせいたちもはなせるんでしょ?」)

「ねえ、先生達も話せるんでしょ?」

(「そうだよ、ぼくきいたよさっき、おまえとおなじだなって。」)

「そうだよ、僕聞いたよさっき、お前と同じだなって。」

(「ぼくもきいたよ、あなたとおなじねって。」)

「僕も聞いたよ、あなたと同じねって。」

(きこえていたんだ、もうごまかせないっておもった。)

聞こえていたんだ、もうごまかせないって思った。

(「きみたちとおなじなんだ。」)

「君たちと同じなんだ。」

(そうくちをあいたのはたけうちせんせい。)

そう口を開いたのは竹内先生。

(「こどものころからはなしていた。」)

「子供の頃から話していた。」

(「みんなしんじてくれた?」)

「みんな信じてくれた?」

(「いや、きもちわるがられたよ。」)

「いや、気持ち悪がられたよ。」

(「そうだよね。あそんでくれなくなるんだ。」)

「そうだよね。遊んでくれなくなるんだ。」

(「だけどさ、かずまがここにきてからはかわった。」)

「だけどさ、一馬がここに来てからは変わった。」

(「うん、ぼくもはなせるからせいひとのきもちわかるから、いつもいっしょにいるんだ。」)

「うん、僕も話せるから正人の気持ちわかるから、いつも一緒にいるんだ。」

(「そうなのか、きみたちはひとりじゃないんだね。あんしんしたわ。」)

「そうなのか、君たちは一人じゃないんだね。安心したわ。」

(「きはらせんせいもひとりだった?」)

「木原先生も一人だった?」

(「えー、でもきがついたのはちゅうがくせいのころだから。」)

「えー、でも気がついたのは中学生の頃だから。」

(そういってはっとした。)

そう言ってはっとした。

(なにすなおにはなしちゃってるんだろうわたし。)

何素直に話しちゃってるんだろう私。

(たけうちせんせいうれしそうなかおしてるし、こどもたちとはなしはずんでるし。)

竹内先生嬉しそうな顔してるし、子供達と話はずんでるし。

(「ねえねえ、せんせいはどんなことはなすの?」)

「ねえねえ、先生はどんなこと話すの?」

(「えっ?」)

「えっ?」

(「かれしほしいとかいったりする?」)

「彼氏欲しいとか言ったりする?」

(こどもなのになんてするどい。)

子供なのになんて鋭い。

(「そうだよ、おしえてよせんせい~。」)

「そうだよ、教えてよ先生~。」

(「たけうちせんせい、あなたまでなんですか?」)

「竹内先生、あなたまで何ですか?」

(でもないしんなんだかあんしんした。)

でも内心なんだか安心した。

(こんなちかくにじぶんとおなじひとたちがいるなんて。)

こんな近くに自分と同じ人たちがいるなんて。

(「なんだかうれしいな~、こんなちかくにじぶんとおなじなやみをもってたひとが)

「なんだか嬉しいな~、こんな近くに自分と同じ悩みを持ってた人が

(いたなんて。しかもおとなだけじゃない、このこたちもそれをうけいれてる。」)

いたなんて。しかも大人だけじゃない、この子達もそれを受け入れてる。」

(「そうですね。じぶんはおかしいんじゃないかってずっとおもってたことが)

「そうですね。自分はおかしいんじゃないかってずっと思ってたことが

(なんだか、ばかばかしくかんじてきます。」)

なんだか、バカバカしく感じてきます。」

(「このさきなにかあったらそうだんしてくださいね。」)

「この先何かあったら相談してくださいね。」

(「えっ?あ、はい。よろしくおねがいします。」)

「えっ?あ、はい。よろしくお願いします。」

(「さあーそろそろもどろうか。」)

「さあそろそろ戻ろうか。」

(わたしたちははしってみんなのところへもどった。)

私たちは走ってみんなのところへ戻った。

(「きはらせんせい。あっちでなにしてたの?」)

「木原先生。あっちで何してたの?」

(なかのせんせいにきかれて、こまってしまった。)

中野先生に聞かれて、困ってしまった。

(「ないしょのはなしだよね。ぼくたち4にんだけのひみつだよ。」)

「内緒の話だよね。僕たち4人だけの秘密だよ。」

(「あら、もうそんなになかよくなったの?」)

「あら、もうそんなに仲良くなったの?」

(「そうさ、ぼくたちはうんめいきょうどうたいなんだ。」)

「そうさ、僕たちは運命共同体なんだ。」

(「うんめいきょうどうたい?」)

「運命共同体?」

(「4ねんにしてはむずかしいことばしってるんだな。」)

「4年にしては難しい言葉知ってるんだな。」

(「こどもあつかいしないでほしいよ。なっ!」)

「子供扱いしないで欲しいよ。なっ!」

(「そうだよ、4ねんせいっていったら10さいだよ。はんぶんおとなさ!」)

「そうだよ、4年生っていったら10歳だよ。半分大人さ!」

(わたしたちはそのことばになんだかわらってしまった。)

私たちはその言葉になんだか笑ってしまった。

(しせつにくらすこどもたちだって、こんなこどもらしいこどももいる。)

施設に暮らす子供達だって、こんな子供らしい子供もいる。

(どんなおやだってこのこたちにはかけがえのないおやなのだ。)

どんな親だってこの子達にはかけがえのない親なのだ。

(このこたちのえがおをみたときなんだかこのしせつにきてよかったとかんじた。)

この子たちの笑顔を見た時なんだかこの施設に来て良かったと感じた。

(ぴんぽんぱんぽーん)

ピンポンパンポーン

(「しょくじのじかんです。しょくどうへしゅうごうしてください。」)

「食事の時間です。食堂へ集合してください。」

(こどもたちははしってしせつのなかへはいっていった。)

子供達は走って施設の中へ入って行った。

(わたしたちもあとについてなかへはいっていった。)

私たちも後について中へ入って行った。

(しょくどうではみんなならんでしょくじをとれーにはこんでいく。)

食堂ではみんな並んで食事をトレーに運んでいく。

(おおきなこどもたちはおのさなこたちのしょくじをはこんでじぶんのとなりにすわり)

大きな子供達は小さな子たちの食事を運んで自分の隣に座り

(せわをやいている。)

世話を焼いている。

(しっかりかぞくになっているんだなとかんしんした)

しっかり家族になっているんだなと感心した

(わたしたちはとれーをもってどこにすわろうかまよていると)

私たちはトレーを持ってどこに座ろうか迷ていると

(「せんせいこっちこっち!」)

「先生こっちこっち!」

(かずまくんとまさとくんがよんでくれた。)

一馬君と正人君が呼んでくれた。

(「せんせい、ほんとうにきょうよかった、ふたりだけかとおもっていたからさ。」)

「先生、本当に今日良かった、二人だけかと思っていたからさ。」

(「うん、ここにいるあいだはよいけど、ここをでたらいっしょにいられないだろ?)

「うん、ここにいる間は良いけど、ここを出たら一緒にいられないだろ?

(ひとりでだいじょうぶかしんぱいだったんだ。」)

一人で大丈夫か心配だったんだ。」

(「だけどさ、せんせいたちはこうやっておとなになってるんだ、)

「だけどさ、先生たちはこうやって大人になってるんだ、

(だからぼくらだってだいひとになれるんだってr。」)

だから僕らだって大人になれるんだって。」

(「だいじょうぶだ、これからさきなにかあっても、いつでもそうだんにのるから。」)

「大丈夫だ、これから先何かあっても、いつでも相談に乗るから。」

(「ほんと!やった!よかったなかずま。」)

「ほんと!やった!良かったな一馬。」

(「うん。」)

「うん。」

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