暁闇

(ああひきかえせない)

あゝ 引き返せない

(くらきこのみちがとおくはてなくとも)

昏きこの道が遠く果てなくとも

(よあけまえゆくりなくあめだいちをうつ)

夜明け前 ゆくりなく雨 大地を打つ

(ときをはげしくたたくごとく)

時代(とき)を劇(はげ)しく叩く如く

(あらしあめあなたはうたれしまますすむ)

嵐雨 貴方は打たれしまゝ進む

(いのちのおくのそのともしびを)

命の奥の 其の燈火を

(つきぬやみにかざしながら)

尽きぬ闇に翳しながら

(ああどれほどなみだふらせたら)

あゝ どれほど泪 降らせたら

(はるかてんきゅうにひかりはのぼりますか)

遥か天穹に 旭日(ひかり)は昇りますか

(もうひきかえさない)

もう 引き返さない

(わたしもあなたをおってはしってゆく)

私も貴方を追って走ってゆく

(はなたれたやがとぶごとく)

放たれた矢が飛ぶ如く

(ひのでめざしまっすぐに)

日の出目指し真っ直ぐに

(もうとまりはしない)

もう 止まりはしない

(あなたのさがすあすにであえるまで)

貴方の捜す明日に出逢えるまで

(もしもきずつきたおれても)

もしも傷つき倒れても

(たちあがりいそぐあのあかつきへと)

起ち上がり急ぐ あの暁へと

(てぶんこにひとことちかいつづりしまう)

手文庫に ひとこと誓ひ綴り蔵う

(よわきおのれにうちかつため)

弱き己に打ち克つため

(あなたからおしえてもらいしそのことば)

貴方から 教えてもらいし其の言葉

(わたしもしかときざみこみます)

私もしかと刻みこみます

(こころざしとしるしたから)

「志」と記したから

(ああわがあこがれがたまゆらに)

あゝ 吾が憧れが たまゆらに

(きえるゆめだとてちからになれるのなら)

消える夢だとて 力になれるのなら

(もうひきかえせない)

もう 引き返せない

(わたしもかたなをさしはしってゆく)

私も刀を差し走ってゆく

(かなしみまよいたちきりて)

悲しみ迷い 断ち斬りて

(みらいみつめひたぶるに)

未来見つめひたぶるに

(そうわすれはしない)

そう忘れはしない

(かこくなさだめにもしさかれたって)

過酷な運命(さだめ)にもし裂かれたって

(ここであなたにわたされし)

此処で貴方に渡されし

(あらたなるきぼうときをこえてゆく)

新たなる希望 時を超えてゆく

(もうひきかえさない)

もう 引き返さない

(わたしもあなたをおってはしってゆく)

私も貴方を追って走ってゆく

(はなたれたやがとぶごとく)

放たれた矢が飛ぶ如く

(ひのでめざしまっすぐに)

日の出目指し真っ直ぐに

(もうとまりはしない)

もう 止まりはしない

(あなたのさがすあすにであえるまで)

貴方の探す明日に出逢えるまで

(もしもきずつきたおれても)

もしも傷つき倒れても

(たちあがりいそぐあのあかつきへと)

起ち上がり急ぐ あの暁へと