ウッドペッカーは夜泣く

(「そこのおねえさんちょっとおじかんございますか」)

「そこのお姉さんちょっとお時間ございますか」

(からすまがいのけいはくだんせいこうぜんはいせつふつつかたいどにとうへい)

鴉まがいの軽薄男性 公然　はいせつ 不束 態度 二等兵

(「こころのすきまをおうめします」)

「ココロのスキマをお埋めします」

(とかどっかできいたせりふはいたしたに)

とかどっかできいた台詞吐いた舌に

(ぎんのぴあすあすぺるがーくえるか)

銀のピアス アスペルガー 喰えるか

(ひとごみごみごみしたまちだって)

人混みゴミゴミした街だって

(おもってあるいてあるいてあるきつかれて)

思って歩いて歩いて歩き疲れて

(きづけばあたしがごみになってて)

気付けばあたしがゴミになってて

(であったせいそういんとつれそって)

出会った清掃員と連れ添って

(もらったしあわせのぶんはたらいて)

貰った幸せの分働いて

(あたしのなまえはなんだっけ)

あたしの名前はなんだっけ

(あなたはさわらうとさかわいいな)

あなたはさ 笑うとさ かわいいな

(ああもういやってほどに)

ああもう 嫌って程に

(できればさそこからさでないでね)

できればさ そこからさ 出ないでね

(あなたはさわらうとさかわいいな)

あなたはさ 笑うとさ かわいいな

(ああもういやってほどに)

ああもう 嫌って程に

(みてるだけただみてるだけ)

見てるだけ ただ見てるだけ

(きれたでんきゅうをながめて ためいきついた)

切れた電球を眺めて 溜息ついた

(あいまいなのうないめいろをいったりきたりだ)

曖昧な脳内迷路を行ったり来たりだ

(うっどぺっかーはよるなく)

ウッドペッカーは夜泣く

(あたしじゃないあたしじゃないな)

あたしじゃない あたしじゃないな

(かべのむこうからてをふった)

壁の向こうから手を振った

(つきをみているあなたに)

月を見ているあなたに

(おやすみ)

おやすみ

(きのうのあたしはだれかにとっての だいじななにかになれますか)

昨日のあたしは誰かにとっての 大事な何かになれますか

(そんなのいいからこっちむいててよ)

そんなのいいからこっち向いててよ

(はいきがすすいこんでのみこんだ)

排気ガス吸い込んで飲み込んだ

(たーる５るーと３ いいでしょどうでも)

タール5 √3 いいでしょ どうでも

(だれかほめてくれよって そりゃないよな)

誰か褒めてくれよって そりゃないよな

(「あめだまひとつぶんだけだから」)

「飴玉ひとつ分だけだから」

(ふぉーくのさきでえぐりとっていた)

フォークの先で抉り取っていた

(れいやーのすみにおいやられてもさ)

レイヤーの隅に追いやられてもさ

(あしたあったらなにをはなそうか いちどだったらゆるされるのかは)

明日会ったら何を話そうか 一度だったら許されるのかは

(あなたにこころをかえしたあとに)

あなたに心を返した後に

(ひとりさばくにとう)

一人砂漠に問う

(あなたはさわらうとさかわいいな ああもういやってほどに)

あなたはさ 笑うとさ 可愛いな ああもう嫌ってほどに

(いいかげんはらがたつくらいにさ)

いい加減 腹が立つ くらいにさ

(ふれるきょりにいないなら あたりまえになっちゃうくらいなら)

触れる距離にいないなら 当たり前になっちゃうくらいなら

(あたしくらいすあなでかくれんぼ いたしましょう)

あたし 暗い巣穴でかくれんぼ 致しましょう

(きれたくちびるできすしていえじについた)

切れた唇でキスして 家路についた

(だいじょうぶになるまでここでやすんでいきなよ)

大丈夫になるまでここで休んでいきなよ

(うそつきってことしってて)

嘘つきってこと知ってて

(きらいじゃないきらいじゃないな)

嫌いじゃない 嫌いじゃないな

(つよくふるあめがまどをたたいて みしみしとこころがきしむ)

強く降る雨が 窓をたたいて ミシミシと 心が軋む

(きれたでんきゅうをながめてためいきついた)

切れた電球を眺めて 溜息ついた

(れいせいにかんがえてみたらよくあるはなしだ)

冷静に考えてみたら よくある話だ

(うっどぺっかーはよるなく すなおじゃないすなおじゃないな)

ウッドペッカーは夜泣く 素直じゃない素直じゃないな

(かべのむこうからてをふった)

壁の向こうから手を振った

(つきをみているあなたに おやすみ)

月を見ているあなたに おやすみ