ベルンカステルの詩 ほぼ全て

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ベルンカステルの詩 ほとんど全て入れました。
ベルンカステルの詩をわかる範囲ですべて入れました。
だいぶ長くなっていますが、どれもとてもいい詩です。

楽しんでくださいね!

関連タイピング

問題文

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(どうかなげかないで。せかいがあなたをゆるさなくても、わたしはあなたをゆるします。)

どうか嘆かないで。世界があなたを許さなくても、私はあなたを許します。

(どうかなげかないで。あなたがせかいをゆるさなくても、わたしはあなたをゆるします。)

どうか嘆かないで。あなたが世界を許さなくても、私はあなたを許します。

(だからおしえてください。あなたはどうしたら、わたしをゆるしてくれますか?)

だから教えてください。あなたはどうしたら、私を許してくれますか?

(なにがつみかわかりますか。ちえのみをくちにしたからではありません。)

何が罪かわかりますか。知恵の実を口にしたからではありません。

(なにがつみかわかりますか。へびのかんげんにみみをかしたからではありません。)

何が罪かわかりますか。蛇の甘言に耳を貸したからではありません。

(まだつみがわかりませんか。それこそがあなたのつみなのです。)

まだ罪がわかりませんか。それこそがあなたの罪なのです。

(きょうはちょっぴりいいことがあった。)

今日はちょっぴりいい事があった。

(げたばこのわたしのくつのなかに、がびょうがはいっていたからだ。)

下駄箱の私の靴の中に、画鋲が入っていたからだ。

(くらすには50にんもいるのに、なのにわたしをえらんでくれた。)

クラスには50人もいるのに、なのに私を選んでくれた。

(だれよりもおもってくれる、そんなだれかがいるしょうこ。)

誰よりも想ってくれる、そんな誰かがいる証拠。

(そんなささやかなうれしさを、みんなにもおしえたい。)

そんなささやかなうれしさを、みんなにも教えたい。

(だからみんなのくつにもひとつぶずつ。)

だからみんなの靴にも一粒ずつ。

(あなたのかわきをいやせない。しんじつをほっするあなたがそれをみとめないから。)

あなたの乾きを癒せない。真実を欲するあなたがそれを認めないから。

(あなたのかわきをいやせない。あなたのきたいするしんじつがそんざいしないから。)

あなたの乾きを癒せない。あなたの期待する真実が存在しないから。

(それでもあなたのかわきをいやしたい。)

それでもあなたの渇きを癒したい。

(あなたをさばくにほうりだしたのはわたしなのだから。)

あなたを砂漠に放り出したのはわたしなのだから。

(このよでもっともみつけにくいもの。さばくにおとしたはりいっぽん?)

この世でもっとも見つけ難いもの。砂漠に落とした針一本?

(このよでもっともみつけにくいもの。やみよにおとしたからすのはね?)

この世でもっとも見つけ難いもの。闇夜に落とした鴉の羽?

(このよでもっともみつけにくいのは。じぶんじしんのおもいちがい。)

この世でもっとも見つけ難いのは。自分自身の思い違い。

(たまごをじっと、あたためる。あたためるねつがあいならば、うまれるこどもはきっとしあわせ。)

タマゴをじっと、温める。温める熱が愛ならば、生まれる子供はきっと幸せ。

など

(あいがこもって、よろこびにあふれる。)

愛がこもって、喜びにあふれる。

(たまごをじっと、あたためる。あたためるねつがいかりなら、うまれるこどもはいったいなに?)

タマゴをじっと、温める。温める熱が怒りなら、生まれる子供はいったい何?

(わたしもたまごを、あたためる。あたためるねつはがすだから、なんのたまごかきょうみなし。)

私もタマゴを、温める。温める熱はガスだから、何のタマゴか興味なし。

(いのなかのかわずはしあわせでした。いどのそとになにもきょうみがなかったから。)

井の中の蛙は幸せでした。井戸の外に何も興味がなかったから。

(いのなかのかわずはしあわせでした。いどのそとでなにがあってもかんけいなかったから。)

井の中の蛙は幸せでした。井戸の外で何があっても関係なかったから。

(そしてあなたもしあわせでした。いどのそとでなにがあったかしらなかったから。)

そしてあなたも幸せでした。井戸の外で何があったか知らなかったから。

(わたしがいちばんふこうだった。このめいろにでぐちがないことをしっていたから。)

私が一番不幸だった。この迷路に出口がないことを知っていたから。

(つぎにかれがふこうだった。このめいろにでぐちがないことをしらなかったから。)

次に彼が不幸だった。この迷路に出口がないことを知らなかったから。

(そのたおおぜいはふこうではなかった。)

その他大勢は不幸ではなかった。

(じぶんたちがめいろのなかにいることすらしらなかったから。)

自分たちが迷路の中にいることすら知らなかったから。

(だれがはんにんかって?それをさがすものがたりにきまってるでしょ?)

誰が犯人かって?それを探す物語に決まってるでしょ?

(だれがはんにんかって?そもそも「なんの」はんにんかわかってる?)

誰が犯人かって?そもそも「何の」犯人かわかってる?

(だれがはんにんなの?わたしをこれからころすはんにんはだれ?!)

誰が犯人なの?私をこれから殺す犯人は誰?!

(わたしがもとめるものはなに?とおいいきょうからやってくるきしかもしれない。)

私が求めるものは何?遠い異郷からやって来る騎士かもしれない。

(わたしがもとめるものはなに?えいえんのぬまからはいだせるきしかもしれない。)

私が求めるものは何?永遠の沼から這い出せる岸かもしれない。

(わたしがもとめるものはたったひとつ。)

私が求めるものはたったひとつ。

(えるのはきしか、それともしきか。)

得るのはキシ(騎士、起死(回生))か、それともシキ(死期)か。

(さばくにびーずをおとしたとしょうじょはないた。しょうじょはひゃくねんかけてさばくをさがす。)

砂漠にビーズを落としたと少女は泣いた。少女は百年かけて砂漠を探す。

(さばくでなくうみかもしれないとしょうじょはないた。しょうじょはひゃくねんかけてかいていをさがす。)

砂漠でなく海かもしれないと少女は泣いた。少女は百年かけて海底を探す。

(うみでなくてやまかもしれないとしょうじょはないた。)

海でなくて山かもしれないと少女は泣いた。

(ほんとうにおとしたのか、うたがうのにあとなんねん?)

本当に落としたのか、疑うのにあと何年?

(いちどめなら、こんどこそはとわたしもおもう。さけられなかったさんげきに。)

一度目なら、今度こそはと私も思う。避けられなかった惨劇に。

(にどめなら、またもかとわたしはあきれる。さけられなかったさんげきに。)

二度目なら、またもかと私は呆れる。避けられなかった惨劇に。

(さんどめなら、あきれをこえてくつうとなる。ななどめをかぞえるとそろそろきげきになる。)

三度目なら、呆れを越えて苦痛となる。七度目を数えるとそろそろ喜劇になる。

(うんめいになかず、くじけることをしらない。そんなかのじょはうつくしかった。)

運命に泣かず、挫けることを知らない。そんな彼女は美しかった。

(だれにもこびず、さいごまでひとりでたたかった。そんなかのじょはけだかかった。)

誰にも媚びず、最後まで1人で戦った。そんな彼女は気高かった。

(かのじょはまぶしくて、ただただこうごうしくて。わたしには、そんなかのじょがひつようだった。)

彼女は眩しくて、ただただ神々しくて。私には、そんな彼女が必要だった。

(いどのそとのせかいがしりたくて。わたしはいどのそこからはいあがろうとしました。)

井戸の外の世界が知りたくて。私は井戸の底から這い上がろうとしました。

(いどのそとのせかいがしりたくて。)

井戸の外の世界が知りたくて。

(なんど、すべりおちてぜんしんをうちつけてもあがりつづけました。)

何度、滑り落ちて全身を打ち付けても上がり続けました。

(でもきづきました。あがればあがるほどにおちるときのたかさといたみはますのです。)

でも気付きました。上がれば上がるほどに落ちる時の高さと痛みは増すのです。

(そとのせかいへのきょうみとぜんしんのいたみがおなじくらいになったとき、)

外の世界への興味と全身の痛みが同じくらいになった時、

(わたしははじめてかえるのおうさまのことばのいみがわかりました。)

私は初めて蛙の王さまの言葉の意味がわかりました。

(どうかこのよるになにがあったかおしえてください。それはたとえるならねこをつめたはこ。)

どうかこの夜に何があったか教えてください。それは例えるなら猫を詰めた箱。

(どうかこのよるになにがあったかおしえてください。)

どうかこの夜に何があったか教えてください。

(はこのなかのねこは、せいかしかすらもわからない。)

箱の中の猫は、生か死かすらもわからない。

(どうかあのよるになにがあったかおしえてください。)

どうかあの夜に何があったか教えてください。

(はこのなかのねこは、しんでいたのです。)

箱の中の猫は、死んでいたのです。

(いどのそとにはどんなせかいが?それは、しるためにしはらうくろうにみあうもの?)

井戸の外にはどんな世界が?それは、知るために支払う苦労に見合うもの?

(いどのそとにはどんなせかいが?それは、なんどもついらくしてもためすほどにみりょくてき?)

井戸の外にはどんな世界が?それは、何度も墜落しても試すほどに魅力的?

(いどのそとにはどんなせかいが?それをしろうとどりょくして、おちるいたみをたのしもう。)

井戸の外にはどんな世界が?それを知ろうと努力して、落ちる痛みを楽しもう。

(そのすえにいたったせかいなら、そこはきっとすてきなせかい。)

その末に至った世界なら、そこはきっと素敵な世界。

(たとえそこがいどのそこであったとしても。)

例えそこが井戸の底であったとしても。

(いどのそとへでようとするけついが、あたらしいせかいへのかぎ。)

井戸の外へ出ようとする決意が、新しい世界への鍵。

(でられたってでられなくったって、きっとあたらしいせかいへいたれる・・・。)

出られたって出られなくったって、きっと新しい世界へ至れる…。

(あなたのみたいものは、なんですか?わたしがそれをみせてあげましょう。)

あなたの見たいものは、なんですか?私がそれを見せてあげましょう。

(あなたのききたいことは、なんですか?わたしがそれをおしえてあげましょう。)

あなたの聞きたいことは、なんですか?私がそれを教えてあげましょう。

(だけど、きたいはしないでください。)

だけど、期待はしないでください。

(めとみみをとじているあなたにはきっとむだなことだから。)

目と耳を閉じているあなたにはきっと無駄なことだから。

(つみをおかすことはこわくない。こわいのは、それをみとめること。)

罪を犯すことは怖くない。怖いのは、それを認めること。

(ばつをうけるのはこわくない。こわいのは、そのいたみをしること。)

罰を受けるのは怖くない。怖いのは、その痛みを知ること。

(せかいからつみとばつはなくならない。)

世界から罪と罰はなくならない。

(だって、にんげんはみらいをしることができないから。)

だって、人間は未来を知ることができないから。

(それは、くうきのようなものだとだれかがいった。)

それは、空気のようなものだと誰かが言った。

(めにもみえないし、いつもあるのがとうぜんだから。)

目にも見えないし、いつもあるのが当然だから。

(それは、みずのようなものだとだれかがいった。)

それは、水のようなものだと誰かが言った。

(あまくもからくもなくて、なんのあじもしないから。)

甘くも辛くもなくて、何の味もしないから。

(あたりまえで、あじけのないにちじょうのじかん。だからみんな、そのしあわせにきづかない。)

当たり前で、味気のない日常の時間。だからみんな、その幸せに気付かない。

(なぜふこうなのですか。じぶんのゆめがみつからないからですか?)

なぜ不幸なのですか。自分の夢が見つからないからですか?

(なぜふこうなのですか。たいせつなたからものをなくしてしまったからですか?)

なぜ不幸なのですか。大切な宝物を失くしてしまったからですか?

(なら、あなたはしあわせですか。)

なら、あなたは幸せですか。

(さがすこともなくすこともない、「なにもない」いきかたならば。)

探すことも失くすこともない、『何もない』生き方ならば。

(せいぎをくちにすれば、たにんはわらう。なんてそれはあおくさい、むりょくなことばなのだと。)

正義を口にすれば、他人は嗤う。なんてそれは青臭い、無力な言葉なのだと。

(あくをくちにすれば、たにんはののしる。なんてそれはひどうで、むじょうなことばなのだと。)

悪を口にすれば、他人は罵る。なんてそれは非道で、無情な言葉なのだと。

(なにもくちにしなければ、なにもいわれない。だからけっきょく、みんなだまっている。)

何も口にしなければ、何も言われない。だから結局、みんな黙っている。

(せいぎをくちにすれば、たにんはわらう。なんてそれはあおくさい、むりょくなことばなのだと)

正義を口にすれば、他人は嗤う。なんてそれは青臭い、無力な言葉なのだと

(あくをくちにすれば、たにんはののしる。なんてそれはひどうで、むじょうなことばなのだと。)

悪を口にすれば、他人は罵る。なんてそれは非道で、無情な言葉なのだと。

(みんな、だまっている。でもほんとうは、みんなわかっている)

みんな、黙っている。でも本当は、みんなわかっている

(だれだってしあわせになるけんりがある。むずかしいのはそのきょうじゅ。)

誰だって幸せになる権利がある。難しいのはその享受。

(だれだってしあわせになるけんりがある。むずかしいのはそのりこう。)

誰だって幸せになる権利がある。難しいのはその履行。

(わたしだってしあわせになるけんりがある。むずかしいのはそのだきょう。)

私だって幸せになる権利がある。難しいのはその妥協。

(だって、これからもっともっとしあわせになるんだもの。)

だって、これからもっともっと幸せになるんだもの。

(これくらいじゃ、だきょうなんてしないんだから。)

これくらいじゃ、妥協なんてしないんだから。

(わたしたちは、これまでのしあわせをぜんぶとりもどすよ。)

私たちは、これまでの幸せを全部取り戻すよ。

(わたしはひゃくねんぶんを。あなたはせんねんぶんを、ね。)

私は百年分を。あなたは千年分を、ね。

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