KAMAKURA

(かなえたゆめはあしとがらすのきち)

叶えた夢は、葦とガラスの基地

(みたされぬほどふえるふえる)

満たされぬほど、増える！増える！

(おにさんこちらてのなるほうへ)

鬼さんこちら、手のなる方へ

(かかとならせばきえるきえる)

踵鳴らせば 消える 消える

(ふれたゆびさきももつれたすあしも)

触れた指先も もつれた素足も

(このままとけてしまわないかなあ)

このまま溶けてしまわないかなあ。

(よるがあけたよおわかれのひだよ)

夜が明けたよ お別れの日だよ

(ああまだなのに)

ああ。まだなのに

(いいねこれでさよならでも)

「いいね、これでさよならでも。」

(いいえそれではきっと)

「いいえ、それでは、きっと

(おもいだすことさえできず)

思い出すことさえできず

(なくしてしまいそう)

無くしてしまいそう。」

(このままよるとはぐれた)

このまま夜とはぐれた

(かたをだいてひびかせ)

肩を抱いて、響かせ、

(おもいをつげては)

想いを告げては

(そっとひとみをとじて)

そっと瞳を閉じて

(あしたのことなどわすれてしまう)

明日のことなど、忘れてしまう。

(それではこのままだきあえたほうが)

それではこのまま抱き合えたほうが

(あなたのためだとわらうわらう)

あなたのためだと、笑う 笑う

(それではそうすこし)

それでは。そう少し

(てをはなしてみよう)

手を離してみよう

(ぼくらのためだとおもってるんだけど)

僕らのためだとおもってるんだけど。

(みなれたけしきもみあきたあかりも)

見慣れた景色も 見飽きた灯りも

(かわらないあかしきえるきえる)

変わらない証 消える 消える

(これからはずっとそれなりのひに)

これからはずっと それなりの日に

(さあおしまいだ)

さあ、おしまいだ

(いいねそれではさよならだ)

「いいね、それではさよならだ。」

(いいえこれではきっと)

「いいえ、これでは、きっと

(なまえさえわすれてしまいそう)

名前さえ、忘れてしまいそう。

(それはかなしいことね)

それは、悲しいこと、ね。」

(それからよるにまぎれた)

それから夜にまぎれた

(かたをよせてめをふせおもいにくれては)

肩を寄せて、目をふせ、想いに暮れては

(そっとまどをあけるとき)

そっと窓を開けるとき

(きょうのひのことなどわすれている)

今日の日のことなど、忘れている！

(もうじきよるにはわかれて)

もうじき夜には別れて

(かたをよせてひびかせおもいをつげるよ)

肩を寄せて、響かせ、想いを告げるよ

(そしてひとみをとじてあしたのことなど)

そして瞳を閉じて 明日のことなど

(わすれてしまう)

忘れてしまう。