『オオカミと七ひきの子ヤギ』グリム2【完】
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問題文
(おおかみはたべたいだけたべてしまうと、おもてへとびだしました。)
オオカミは食べたいだけ食べてしまうと、表へ跳び出しました。
(そして、とあるきのしたの、あおあおとしたそうげんにねころがると、)
そして、とある木の下の、青々とした草原に寝転がると、
(そのまま、ぐうぐうねこんでしまいました。)
そのまま、グウグウ寝込んでしまいました。
(それからまもなくして、おかあさんやぎがもりからかえってきました。)
それからまもなくして、お母さんヤギが森から帰ってきました。
(ところが、うちについたとき、おかあさんやぎはいったいなにをみたでしょうか。)
ところが、うちについたとき、お母さんヤギは一体なにを見たでしょうか。
(いりぐちのとは、あけっぱなしになっているではありませんか。)
入り口の戸は、あけっぱなしになっているではありませんか。
(なかへはいってみれば、つくえもいすもこしかけも、ひっくりかえっています。)
中へ入ってみれば、机もイスも腰かけも、ひっくりかえっています。
(せんたくだらいは、めちゃめちゃにこわれていますし、)
洗濯だらいは、めちゃめちゃに壊れていますし、
(かけぶとんもまくらも、しんだいからずりおちています。)
掛け布団も枕も、寝台からずり落ちています。
(おかあさんやぎは、こどもたちをさがしてみましたが、)
お母さんヤギは、子どもたちを探してみましたが、
(どこにもすがたがみえません。ひとりひとりのなまえを、)
どこにも姿が見えません。ひとりひとりの名前を、
(つぎつぎによんでみましたが、それでもへんじをするものがおりません。)
次々に呼んでみましたが、それでも返事をする者がおりません。
(おしまいに、いちばんしたのこのなまえをよんだとき、かすかなこえがしました。)
おしまいに、一番下の子の名前を呼んだとき、かすかな声がしました。
(「かあちゃん、ぼく、とけいのはこのなかにかくれているよ」)
「母ちゃん、ぼく、時計の箱の中に隠れているよ」
(おかあさんやぎはいそいで、このこをだしてやりました。)
お母さんヤギは急いで、この子を出してやりました。
(そして、このこからおおかみがやってきて、ほかのこどもたちを)
そして、この子からオオカミがやって来て、ほかの子どもたちを
(みんなたべてしまったはなしをききました。このとき、おかあさんやぎは)
みんな食べてしまった話を聞きました。このとき、お母さんヤギは
(かわいそうなこやぎたちのことをおもって、なきかなしんだようすは、)
可哀想な子ヤギたちのことを思って、泣き悲しんだ様子は、
(みなさんにもおもいうかべることができましょう。)
みなさんにも思い浮かべることができましょう。
(とうとう、おかあさんやぎは、いちばんしたのこやぎをつれて、)
とうとう、お母さんヤギは、一番下の子ヤギを連れて、
(なくなく、そとへでていきました。そうげんまできますと、あのおおかみが)
泣く泣く、外へ出ていきました。草原まで来ますと、あのオオカミが
(きのそばにねころんで、それこそきのえだもふるわすくらいの)
木のそばに寝転んで、それこそ木の枝も震わすくらいの
(おおきいいびきをかいて、ねていました。)
大きいイビキをかいて、寝ていました。
(おかあさんやぎが、おおかみのようすをしほうはっぽうからながめてみますと、)
お母さんヤギが、オオカミの様子を四方八方からながめてみますと、
(ふくれあがったおなかのなかで、なにかがぴくぴくうごいています。)
膨れ上がったお腹の中で、なにかがピクピク動いています。
(「おやまあ。あいつは、うちのかわいそうなこどもたちを、)
「おやまあ。あいつは、うちの可哀想な子どもたちを、
(ばんごはんにのみこんだけど、あのこたちは、まだおなかのなかで)
晩ごはんに飲みこんだけど、あの子たちは、まだお腹の中で
(いきているのかしら」と、おかあさんやぎはかんがえました。)
生きているのかしら」と、お母さんヤギは考えました。
(こやぎは、おかあさんにいいつかって、うちへかけていき、)
子ヤギは、お母さんに言いつかって、うちへ駆けて行き、
(はさみとはりといとをもってきました。)
ハサミと針と糸を持って来ました。
(そこで、おかあさんやぎは、このばけもののいやしくふくれたはらを)
そこで、お母さんヤギは、このバケモノの卑しく膨れた腹を
(きりはじめました。ところが、おかあさんが、ひとはさみきったかとおもうと、)
切り始めました。ところが、お母さんが、ひとはさみ切ったかと思うと、
(もうそこには、こやぎがいっぴきあたまをつきだしました。)
もうそこには、子ヤギが一匹頭を突き出しました。
(それから、おかあさんがずんずんきっていきますと、こやぎたちが、)
それから、お母さんがズンズン切っていきますと、子ヤギたちが、
(あとからあとからとびだして、ろくひきとものこらずでてきました。)
あとからあとから跳びだして、六匹とも残らず出てきました。
(まだ、みんないきていたのです。しかも、けがひとつしていませんでした。)
まだ、みんな生きていたのです。しかも、ケガひとつしていませんでした。
(なぜって、このばけものときたら、がつがつしていたものですから、)
なぜって、このバケモノときたら、ガツガツしていたものですから、
(こやぎたちをまるのみしていたのです。)
子ヤギたちを丸飲みしていたのです。
(みんなは、どんなによろこんだでしょう。)
みんなは、どんなに喜んだでしょう。
(こやぎたちは、おかあさんのむねにだきついて、)
子ヤギたちは、お母さんの胸に抱きついて、
(まるで、およめさんをもらったときのしたてやさんみたいにうれしがって、)
まるで、お嫁さんをもらったときの仕立屋さんみたいに嬉しがって、
(ぴょんぴょんはねまわりました。)
ピョンピョン跳ね回りました。
(でも、おかあさんは、「さあ、さあ、みんなでいしっころをさがしておいで。)
でも、お母さんは、「さあ、さあ、みんなで石っころを探しておいで。
(このばちあたりのけだものがねているあいだに、)
このばち当たりのケダモノが寝ているあいだに、
(こいつのおなかのなかへつめてやるんだから」と、いいました。)
こいつのお腹の中へ詰めてやるんだから」と、言いました。
(こういわれて、ななひきのこやぎたちはおおいそぎで、)
こう言われて、七匹の子ヤギたちは大急ぎで、
(いしっころをたくさんひきずってきました。そして、みんなでそれを)
石っころをたくさん引きずってきました。そして、みんなでそれを
(おおかみのおなかのなかへ、つめられるだけつめこみました。)
オオカミのお腹の中へ、詰められるだけ詰め込みました。
(それがすむとこんどは、そのおなかを、おかあさんやぎがすばやく)
それがすむと今度は、そのお腹を、お母さんヤギが素早く
(もとのようにぬいあわせました。それがあまりにもはやかったものですから、)
もとのように縫い合わせました。それがあまりにも速かったものですから、
(おおかみはまったくきがつかず、みうごきひとつしませんでした。)
オオカミは全く気がつかず、身動きひとつしませんでした。
(おおかみは、ねたいだけねてしまってから、やっとたちあがりました。)
オオカミは、寝たいだけ寝てしまってから、やっと立ち上がりました。
(けれども、いぶくろのなかにはいしがいっぱいつまっていますので、)
けれども、胃袋の中には石がいっぱい詰まっていますので、
(のどがかわいてたまりません。それでいずみへいって、みずをのもうとしました。)
のどが渇いてたまりません。それで泉へ行って、水を飲もうとしました。
(ところが、あるきだしてからだをうごかしてみますと、おなかのなかで)
ところが、歩きだして体を動かしてみますと、お腹の中で
(いしっころがぶつかりあって、ごろごろとおとをたてました。)
石っころがぶつかりあって、ゴロゴロと音をたてました。
(で、おおかみは、どなりました。)
で、オオカミは、どなりました。
(「ごろごろ、がらがら、なにがなる。おれのはらのなかで、なにがなる。)
「ゴロゴロ、ガラガラ、なにがなる。おれの腹の中で、なにがなる。
(こやぎどもかとおもったが、こんなぐあいだといしっころだ」)
子ヤギどもかと思ったが、こんな具合だと石っころだ」
(それから、おおかみはいずみのところまできました。)
それから、オオカミは泉の所まで来ました。
(そして、みずのうえにからだをかがめて、みずをのもうとしましたが、)
そして、水の上に体をかがめて、水を飲もうとしましたが、
(そのとたんに、おなかのなかのいしのおもみでみずのなかへ、のめりこんでしまいました。)
その途端に、お腹の中の石の重みで水の中へ、のめりこんでしまいました。
(こうしておおかみは、あわれにもおぼれてしんでしまったのです。)
こうしてオオカミは、あわれにも溺れて死んでしまったのです。
(ななひきのこやぎたちは、これをみて、そこへかけてきました。)
七匹の子ヤギたちは、これを見て、そこへ駆けて来ました。
(そして、「おおかみがしんだ。おおかみがしんだ」と、おおごえでさけびながら、)
そして、「オオカミが死んだ。オオカミが死んだ」と、大声で叫びながら、
(おかあさんやぎといっしょに、おおよろこびでいずみのまわりをおどりまわりました。)
お母さんヤギと一緒に、大喜びで泉の周りを踊り回りました。