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師匠シリーズ
マイタイピングに師匠シリーズが沢山あったと思ったのですが、なくなってまっていたので、作成しました。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 tetsumi 5338 B++ 5.5 96.9% 967.1 5330 167 99 2024/10/24

関連タイピング

問題文

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(だいがくさんかいせいのころ、おれはだめがくせいかいどうをひたすらつきすすんでいた。)

大学3回生のころ、俺はダメ学生街道をひたすら突き進んでいた。

(にかいせいからすでにだいがくのこうぎにでなくなりつつあったのだが、)

2回生からすでに大学の講義に出なくなりつつあったのだが、

(さんねんめにはいり、まったくだいがくにあしをふみいれなくなった。)

3年目に入り、まったく大学に足を踏み入れなくなった。

(なにせそのはる、おなじばいとをしていたすなみさんというどうきゅうせいに)

なにせその春、同じバイトをしていた角南さんという同級生に

(ばいとさきにて「りしゅうとどけのしめきりきのうまでだけど、だした?」と)

バイト先にて「履修届けの締め切り昨日までだけど、出した?」と

(おそるおそるきかれて、そのとしのりゅうねんをはやくもしったというのだから、)

恐る恐る聞かれて、その年の留年を早くも知ったというのだから、

(おやふこうにもほどがあるというものだ。)

親不孝にも程があるというものだ。

(ではだいがくにいかずになにをしていたかというと、)

では大学に行かずになにをしていたかというと、

(ぱちんこ、まーじゃん、けいばといったぎゃんぶるにあけくれては)

パチンコ、麻雀、競馬といったギャンブルに明け暮れては

(せいかつひにこんきゅうし、たべるためにへいじつきゅうじつとわずばいとをするという、)

生活費に困窮し、食べるために平日休日問わずバイトをするという、

(なさけないせいかつをおくっていたのだった。だいがくのさーくるにはかおをだしていたが、)

情けない生活を送っていたのだった。大学のサークルには顔を出していたが、

(いちばんなかのよかったせんぱいがそつぎょうしてしまい、しぜんにあしがとおのいていった。)

一番仲の良かった先輩が卒業してしまい、自然に足が遠のいていった。

(そのせんぱいはだいがくいんをそつぎょうして、だいがくとしょかんのししょにおさまっていた。)

その先輩は大学院を卒業して、大学図書館の司書におさまっていた。

(このひとがおれにみちをふみはずさせたちょうほんにんといってもかごんないのだが、)

この人が俺に道を踏み外させた張本人と言っても過言ないのだが、

(まさかこんなにまともにしゅうしょくしてしまうとはおもわなかった。)

まさかこんなにまともに就職してしまうとは思わなかった。

(おれがだいがくにはいってからのにねんかん、あれだけいっしょにあそびまわっていたのに、)

俺が大学に入ってからの2年間、あれだけ一緒に遊び回っていたのに、

(かたほうががくせいでなくなってしまうときゅうにかべができたようにかんじられて、)

片方が学生でなくなってしまうと急に壁が出来たように感じられて、

(しぜんときょりをおくようになった。)

自然と距離を置くようになった。

(しょくばのなかまや、ぎゃんぶるなかまばいとなかまという、)

職場の仲間や、ギャンブル仲間・バイト仲間という、

(それぞれのあたらしいせかいをきずいていくなかで、おかるとずきという)

それぞれの新しい世界を築いていく中で、オカルト好きという

など

(こどもじみたきょうつうこうでかろうじてつながっているようなかんけいだ。)

子供じみた共通項でかろうじてつながっているような関係だ。

(おもいかえすとそのころのかれは、つきあっていたかのじょもがくぶをそつぎょうし)

思い返すとそのころの彼は、つきあっていた彼女も学部を卒業し

(けんがいにしゅうしょくしてしまっていたせいか、みょうにさびしげにみえたものだった。)

県外に就職してしまっていたせいか、妙に寂しげに見えたものだった。

(つゆがあけたころだっただろうか。)

梅雨が明けたころだっただろうか。

(いぜんよくかおをだしていたねっとじょうのおかるとふぉーらむのなかまから)

以前よく顔を出していたネット上のオカルトフォーラムの仲間から

(おふかいのおさそいがあった。)

オフ会のお誘いがあった。

(ここもちゅうしんめんばーがふたりぬけてからはまるでだいがわりしたように)

ここも中心メンバーが二人抜けてからはまるで代替わりしたように

(あたらしいひとばかりになりすこしいづらさをかんじて、あまりかかわらなくなっていた。)

新しい人ばかりになり少し居辛さを感じて、あまり関わらなくなっていた。

(ごごはちじすぎ。しゅうごうばしょはしないのふぁみれすだったが、)

午後8時過ぎ。集合場所は市内のファミレスだったが、

(おれはみょうにきんちょうしててんないにはいっていった。)

俺は妙に緊張して店内に入っていった。

(「やぁ」というこえがしたほうに、むかしからのかおなじみのみかっちさんという)

「やぁ」という声がした方に、昔からの顔なじみのみかっちさんという

(じょせいをみつけ、すこしほっとする。)

女性を見つけ、少しほっとする。

(おなじかおぶれでなんどもかさねたおふかいのようなけだるいふんいきはなく、)

同じ顔ぶれで何度も重ねたオフ会のような気だるい雰囲気はなく、

(あたらしいひとのおおい、なんというかぎらぎらしたくうかんがあった。)

新しい人の多い、なんというかギラギラした空間があった。

(おかるとけいのおふかいなんだから、おかるとのはなしをしないといけない、)

オカルト系のオフ会なんだから、オカルトの話をしないといけない、

(というきょうはくかんねんめいたくうきに、うわすべりするようなとーくがからんで、)

という強迫観念めいた空気に、上滑りするようなトークが絡んで、

(おれにはひどくつかれるばしょになってしまっていた。)

俺には酷く疲れる場所になってしまっていた。

(そのかいわのなかで、ひときわめだっているじょせいがいた。)

その会話の中で、一際目立っている女性がいた。

(せっきょくてきにはなしにくわわっているわけではなかったが、)

積極的に話に加わっているわけではなかったが、

(しゅういのだんせいじんがやたらとはなしかけている。)

周囲の男性陣がやたらと話しかけている。

(そのげんいんはあきらかで、かのじょがごしっくふうのくろいふくをきこなしたびしょうじょと)

その原因は明らかで、彼女がゴシック風の黒い服を着こなした美少女と

(いっていいようしをしていたからにほかならない。)

言っていい容姿をしていたからに他ならない。

(おれにしてもこいびとがいなかったむかしは、なにかおこらないかという、)

俺にしても恋人がいなかった昔は、なにか起こらないかという、

(そういうしたごころをもっておふかいにさんかしたこともある。)

そういう下心を持ってオフ会に参加したこともある。

(しかしいま、はしかられいせいにそういうこうけいをめにしていると、)

しかしいま、端から冷静にそういう光景を目にしていると、

(ひどくまがぬけてみえる。)

ひどく間が抜けて見える。

(そのしょうじょはそういうてあいになれているのか、たんたんとあしらっていた。)

その少女はそういう手合いに慣れているのか、淡々とあしらっていた。

(しかし、かくいうおれもそのようしにべつのいみできがひかれるものがあった。)

しかし、かくいう俺もその容姿に別の意味で気が惹かれるものがあった。

(どうもみおぼえがあるきがするのである。)

どうも見覚えがある気がするのである。

(すでにのみほしたこーらのこっぷをむいしきにくちにはこびながら)

すでに飲みほしたコーラのコップを無意識に口に運びながら

(ちらちらとしょうじょのほうをみていたのだが、いっしゅんしせんがあってしまい、)

チラチラと少女の方を見ていたのだが、一瞬視線が合ってしまい、

(すぐにそらしはしたもののきまずさに「といれ、といれ」とわれながら)

すぐに逸らしはしたものの気まずさに「トイレ、トイレ」と我ながら

(なさけないひとりごとをいいながらせきをたった。)

情けない独り言をいいながら席を立った。

(とりあえずだんしといれでようをたしてでてくると、おどろいたことに)

とりあえず男子トイレで用をたして出てくると、驚いたことに

(さっきのしょうじょがしょうめんでまっていた。)

さっきの少女が正面で待っていた。

(「ちょっといい?」ということばにとまどいながらも)

「ちょっといい?」という言葉に戸惑いながらも

(「え?なにが」とかえしたが、そのききおぼえのあるこえに)

「え? なにが」と返したが、その聞き覚えのある声に

(ようやくきおくがよびさまされた。「おんきょうとかいったっけ」)

ようやく記憶が呼び覚まされた。「音響とかいったっけ」

(にねんくらいまえに、わかいこばかりがあつまったおかるとふぉーらむのおふかいで)

2年くらい前に、若い子ばかりが集まったオカルトフォーラムのオフ会で

(おれに「くろいて」というおそろしいものをおしつけてきたしょうじょだ。)

俺に「黒い手」という恐ろしいものを押し付けてきた少女だ。

(「いまのはんどるはきょーこ」)

「今のハンドルはキョーコ」

(ひとさしゆびをくうちゅうでおどらせながらそういう。きょうこ。)

人差し指を空中で躍らせながらそう言う。響子。

(たしかにすれっどにさんかしていたとおぼしきれんちゅうから、)

確かにスレッドに参加していたと思しき連中から、

(さっきそうよばれていたきがする。)

さっきそう呼ばれていた気がする。

(しかしおれにとってそのひびきは、なんだかふきつなよかんのするおとだった。)

しかし俺にとってその響きは、なんだか不吉な予感のする音だった。

(「てことはほんみょうがおとなんとかきょうこなわけか。おとだとかおとなしとか」)

「てことは本名が音ナントカ響子なわけか。音田とか音無とか」

(よけいなせんさくだったらしい。)

余計な詮索だったらしい。

(ふきげんそうなまゆのかたちに、おれはおもわずくちをとざした。)

不機嫌そうな眉の形に、俺は思わず口を閉ざした。

(「ちょっとこまったことがあって・・・・・・たすけてほしいんだけど」)

「ちょっと困ったことがあって……助けて欲しいんだけど」

(「は?おれが?」)

「は? 俺が?」

(おんきょう(たとえあたまのなかでもきょーこというたんごをだしたくないきぶんだった)は、)

音響(たとえ頭の中でもキョーコという単語を出したくない気分だった)は、

(おふかいのしゅうだんのいるせきのほうへかおをむけながらばかにしたようなくちょうでいった。)

オフ会の集団のいる席の方へ顔を向けながらバカにしたような口調で言った。

(「あんなれんちゅう、てんでれべるがひくくて」それはまあ、そうだろうけれど。)

「あんな連中、てんでレベルが低くて」それはまあ、そうだろうけれど。

(どういしつつも、ではなぜおれに?というぎもんがわいた。)

同意しつつも、ではなぜ俺に? という疑問がわいた。

(するとかのじょは「くろいてはほんものだった」といった。)

すると彼女は「黒い手はホンモノだった」と言った。

(そして、「あれからにげきったらしいときいて、)

そして、「アレから逃げ切ったらしいと聞いて、

(ずっときになっていた」というのだ。)

ずっと気になっていた」と言うのだ。

(おれはおもわず「いやあれはおれのししょうにたすけてもらっただけ」と)

俺は思わず「いやあれは俺の師匠に助けてもらっただけ」と

(ばらしそうになったが、はずべきことにじっさいにくちにだしたのは)

バラしそうになったが、恥ずべきことに実際に口に出したのは

(「まあ、あれくらい」ということばだった。)

「まあ、あれくらい」という言葉だった。

(そのきょせいは、かのじょがやはりかわらしいようしをしていたことに)

その虚勢は、彼女がやはりかわらしい容姿をしていたことに

(きいんしていることはまちがいがないところだ。)

起因していることは間違いが無いところだ。

(「でてはなさない?」というので、うなずく。)

「出て話さない?」と言うので、頷く。

(さっきから、おふかいのれんちゅうのしせんをはだにざらざらかんじはじめていたのだ。)

さっきから、オフ会の連中の視線を肌にザラザラ感じ始めていたのだ。

(といれまえではなしこんでいるつーしょっとを)

トイレ前で話し込んでいるツーショットを

(これいじょうさらしておくきにはなれない。)

これ以上さらしておく気にはなれない。

(おとこどものてきいにみちたしせんをかいくぐって、れじでせいさんをする。)

男どもの敵意に満ちた視線をかい潜って、レジで清算をする。

(おんきょうをちらりとみると、おれにはらわせるきまんまんのようだったが、)

音響をちらりと見ると、俺に払わせる気満々のようだったが、

(むししてじぶんのぶんだけはらった。)

無視して自分の分だけ払った。

(みかっちさんのいみのわからないさむあっぷにみおくられてみせをでると、)

みかっちさんの意味のわからないサムアップに見送られて店を出ると、

(いきなりいきさきにこまった。ちかくにこうえんがあるが、なんだかいやらしいかんじだ。)

いきなり行き先に困った。近くに公園があるが、なんだかいやらしい感じだ。

(「いざかやとかでもいいか」ときくと、おんきょうはくびをよこにふり、)

「居酒屋とかでもいいか」と聞くと、音響は首をヨコに振り、

(「みせいねん」といった。18、19はせいじんぎせいだとむせきにんなことを)

「未成年」と言った。18、19は成人擬制だと無責任なことを

(おれがくちにすると、おどろいたことにかのじょはじぶんをゆびさして、)

俺が口にすると、驚いたことに彼女は自分を指差して、

(「16」というのである。)

「16」と言うのである。

(おれはおもわずぎゃくさんする。「あのときはちゅうさん、いまはこうに」とさきまわりしてこたえてくれた。)

俺は思わず逆算する。「あの時は中3、今は高2」と先回りして答えてくれた。

(くろいてはがっこうのせんぱいにもらったといってなかったっけ、)

黒い手は学校の先輩にもらったと言ってなかったっけ、

(とおもうやいなや、またさきまわりされた。「ちゅうこういっかん」)

と思うやいなや、また先回りされた。「中高一貫」

(ずいぶんかんのいいやつだとおもいながら、ちかくのこーひーしょっぷにはいった。)

ずいぶんカンのいいやつだと思いながら、近くのコーヒーショップに入った。

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