追跡-3-
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | tetsumi | 5264 | B++ | 5.4 | 96.4% | 796.7 | 4353 | 159 | 80 | 2024/11/01 |
2 | daifuku | 3854 | D++ | 4.0 | 95.4% | 1057.1 | 4279 | 204 | 80 | 2024/11/12 |
3 | daifuku | 3715 | D+ | 3.9 | 94.2% | 1081.5 | 4277 | 259 | 80 | 2024/10/06 |
4 | FOX0801 | 3293 | D | 3.5 | 94.1% | 1192.8 | 4191 | 262 | 80 | 2024/11/21 |
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問題文
(きいたことはあったが、くるのははじめてだった。)
聞いたことはあったが、来るのは初めてだった。
(ふぁっしょんにはうといのでいまひとつよくわからないが、)
ファッションには疎いので今ひとつよくわからないが、
(とにかくはやっているざっかやらしい。)
とにかく流行っている雑貨屋らしい。
(わよういりまじったいろとりどりのあいてむをめのはしにいれながらも、)
和洋入り混じった色とりどりのアイテムを目の端に入れながらも、
(ししょうのすがたをさがす。しかしそのかげはなかった。)
師匠の姿を探す。しかしその影はなかった。
(いちおうてんいんにそれとなくきいてはみたが、くびをふるだけだった。)
一応店員にそれとなく聞いてはみたが、首を振るだけだった。
(ざっかやでもやはりてがかりはなかった。ためいきをついて「ついせき」をとじる。)
雑貨屋でもやはり手掛かりはなかった。溜息をついて『追跡』を閉じる。
(つれがみえなくなったのでさがしていると、かつらのこーなーにいた。)
連れが見えなくなったので探していると、カツラのコーナーにいた。
(「うぃっぐ」だとていせいされたが、ちがいはわからなかった。)
「ウィッグ」だと訂正されたが、違いはわからなかった。
(かのじょはそのあと、ちのりのついたようなでざいんのぴこぴこはんまーが)
彼女はその後、血糊のついたようなデザインのピコピコハンマーが
(きになったようすで、さんざんおれをまたせたあげくけっきょくべつのものをかったようだった。)
気になった様子で、散々俺を待たせたあげく結局別のものを買ったようだった。
(みせをでるとき、げーむせんたーのときにもかんじたひっかかりが)
店を出るとき、ゲームセンターのときにも感じた引っ掛かりが
(もういちどのうりをすぎる。「つぎは・・・・・・きっさてんです」またじてんしゃにのっていどうする。)
もう一度脳裏を過ぎる。「次は……喫茶店です」また自転車に乗って移動する。
(ちきゅうぼうえいぐんというあやしげなてんめいがでてくるが、)
地球防衛軍という怪しげな店名が出てくるが、
(おれもかのじょもしらなかったので、「ついせき」のびょうしゃをたよりに)
俺も彼女も知らなかったので、『追跡』の描写を頼りに
(それらしきとおりをうろうろしたけっか、)
それらしき通りをウロウロした結果、
(ようやくびるのまどにそのなまえをみつけだした。)
ようやくビルの窓にその名前を見つけ出した。
(ふるそうなびるの、しらないみせにはいるときは、かいがうえなほどどきどきする。)
古そうなビルの、知らない店に入るときは、階が上なほどドキドキする。
(いりぐちのどあをあけると、やはりというかあそびごころのおおいないそうが)
入り口のドアを開けると、やはりというか遊び心の多い内装が
(めにとびこんできた。ふぃぎゅあやみにかー、いんべーだーげーむ、)
目に飛び込んで来た。フィギュアやミニカー、インベーダーゲーム、
(そしてまんががてんないせましとならんでいる。)
そして漫画が店内狭しとならんでいる。
(ともあれてんないをみまわしたが、じょうれんらしきすうにんのきゃくのなかにはししょうはいなかった。)
ともあれ店内を見回したが、常連らしき数人の客の中には師匠はいなかった。
(がっかりはしない。ここではわずかなてがかりをえられるはずだから。)
がっかりはしない。ここではわずかな手掛かりを得られるはずだから。
(はらがへっていたので、らーめんをちゅうもんする。)
腹が減っていたので、ラーメンを注文する。
(「ついせき」でしゅじんこうがたのむのをよんでいたので、)
『追跡』で主人公が頼むのを読んでいたので、
(めにゅーもみずにいったのだがほんとうにあったらしい。)
メニューも見ずに言ったのだが本当にあったらしい。
(めのまえでふくろいりのそくせきめんをますたーがあけはじめたときは、)
目の前で袋入りの即席めんをマスターが開けはじめたときは、
(すこしおどろきはしたが。まっているあいだ、どこからかかのじょがみつけてきた)
少し驚きはしたが。待っている間、どこからか彼女が見つけてきた
(くろひげききいっぱつであそびながら、くろひげがとびでたらかちなのか)
黒ひげ危機一髪で遊びながら、黒ひげが飛び出たら勝ちなのか
(まけなのかいけんのくいちがいでもめていると、「でたらかち」といいながら)
負けなのか意見の食い違いで揉めていると、「出たら勝ち」と言いながら
(ますたーがらーめんをてーぶるにおいていった。)
マスターがラーメンをテーブルに置いていった。
(たべはじめると、あしもとにねこがすりよってきた。どんなみせなんだ。たべおわって、)
食べはじめると、足元に猫が擦り寄ってきた。どんな店なんだ。食べ終わって、
(どんぶりがどうみてもすりばちだったことにはつっこまずに)
ドンブリがどう見てもすり鉢だったことには突っ込まずに
(ますたーをこえをかける。「ああ、そういえばさん,よっかまえにきてた」)
マスターを声をかける。「ああ、そういえば3,4日前に来てた」
(やはりししょうはじょうれんだったらしい。いいしゅみをしている。)
やはり師匠は常連だったらしい。いい趣味をしている。
(「つれがいたようなきがする」ぽろりともらしたひとことにくいつく。)
「連れがいたような気がする」ポロリと漏らした一言に食いつく。
(「いや、でもよくおぼえてない」わずかなひんとをえた。)
「いや、でもよく覚えてない」わずかなヒントを得た。
(「ついせき」をかくにんするが、どうやらここではこれまでのようだ。)
『追跡』を確認するが、どうやらここではこれまでのようだ。
(あきらめてみせをでる。)
諦めて店を出る。
(どあをしめるときに、みせのおくからびりやーどのたまがはじけるおとがきこえた。)
ドアを閉めるときに、店の奥からビリヤードの玉が弾ける音が聞こえた。
(「つぎは」といいながらかいだんをおりるあしがとまる。)
「次は」と言いながら階段を降りる足が止まる。
(こころのじゅんびができるまでつぎのぺーじにはいかないほうがよい。)
心の準備が出来るまで次のページには行かないほうが良い。
(なんどめかのこのぶんしょうをめくると、つぎのぺーじには)
何度目かのこの文章をめくると、次のページには
(かなりかくしんにちかづくてんかいがあった。「つぎは、ぼーりんぐじょうです」)
かなり核心に近づく展開があった。「次は、ボーリング場です」
(またじてんしゃにまたがる。このじてんでかのじょにおれのすいそくをつげるかまよったが、)
また自転車にまたがる。この時点で彼女に俺の推測を告げるか迷ったが、
(ひょうじょうをかえずにじてんしゃをこぐすがたをふりかえって、おもいとどまる。)
表情を変えずに自転車をこぐ姿を振り返って、思いとどまる。
(やはりかのじょはにがてだ。なにをかんがえているかわからない。)
やはり彼女は苦手だ。何を考えているかわからない。
(じてんしゃからふり、なんどかきたことのあるぼーりんぐじょうにはいる。)
自転車から降り、何度か来たことのあるボーリング場に入る。
(「ぷれいは?」「ここではてんいんにはなしをきくだけのようです」)
「プレイは?」「ここでは店員に話を聞くだけのようです」
(すこし、やりたそうだった。それをしりめにかうんたーにむかう。)
少し、やりたそうだった。それを尻目にカウンターに向かう。
(「ああ、たぶんわかりますよ」)
「ああ、多分わかりますよ」
(ししょうのなまえをつげると、あっさりとしらべてくれた。ちゃぱつのわかいてんいんだった。)
師匠の名前を告げると、あっさりと調べてくれた。茶髪の若い店員だった。
(きゃくのぷらいばしーなどどうでもいいていどのきょういくしかうけていないのだろう。)
客のプライバシーなどどうでもいい程度の教育しか受けていないのだろう。
(もっともいまはそれがありがたかった。)
もっとも今はそれが有難かった。
(しばらくすると、ししょうのなまえがぷりんとされたすこあがでてきた。)
しばらくすると、師匠の名前がプリントされたスコアが出てきた。
(ひづけはみっかまえで、ごごにじ。やはり。いぜんいっしょにぼーりんぐをやったとき、)
日付は3日前で、午後2時。やはり。以前一緒にボーリングをやったとき、
(ほんみょうでえんとりーしていたのをおぼえていたのだ。)
本名でエントリーしていたのを覚えていたのだ。
(ししょうのgのおおいすこあなどどうでもいい。)
師匠のGの多いスコアなどどうでもいい。
(おれとかのじょのしせんは、もうひとりのなまえにしゅうちゅうしていた。)
俺と彼女の視線は、もう一人の名前に集中していた。
(それはどうぶつのなまえだった。)
それはどうぶつの名前だった。
(そのとおり、「うさぎ」というなまえがししょうのよこにならんでいた。)
その通り、「ウサギ」という名前が師匠の横に並んでいた。
(げーむせんたーからかんじていたひっかかりがほどけていく。)
ゲームセンターから感じていた引っ掛かりがほどけていく。
(ぷりくら、りゅうこうのざっかや、ねたけいのきっさてん。)
プリクラ、流行の雑貨屋、ネタ系の喫茶店。
(まるきりでーとこーすじゃないか。)
まるきりデートコースじゃないか。
(そしてどうぶつのなまえでえんとりーするなんて、わかいじょせいとそうばがきまっている。)
そして動物の名前でエントリーするなんて、若い女性と相場が決まっている。
(おれはおそるおそるかのじょのかおをぬすみみたが、そのひょうじょうからはしんじゅうを)
俺は恐る恐る彼女の顔を盗み見たが、その表情からは心中を
(おしはかることはできなかった。)
推し量ることは出来なかった。
(ししょうよりもgのおおい「うさぎ」のすこあから、)
師匠よりもGの多い「ウサギ」のスコアから、
(いやらしさのようなものをかんじて、おもわずめをそらした。)
いやらしさのようなものを感じて、思わず目を逸らした。
(なんとなくふたりともむごんでげーむせんたーをあとにする。)
なんとなく二人とも無言でゲームセンターを後にする。
(こころのじゅんびができるまでつぎのぺーじにはいかないほうがよい。)
心の準備が出来るまで次のページには行かないほうが良い。
(ほんとうにこころのじゅんびがいった。そしておれは、てんをあおいだ。いけと?)
本当に心の準備が要った。そして俺は、天を仰いだ。行けと?
(らぶほてるへ?かのじょをつれて?まよいというより、はらだたしさだった。)
ラブホテルへ?彼女をつれて?迷いというより、腹立たしさだった。
(そんなおれのこんらんをしってかしらずか、かのじょは)
そんな俺の混乱を知ってか知らずか、彼女は
(「つぎはどこ?いきましょう」というのだ。)
「次はどこ? 行きましょう」と言うのだ。
(いきさきをつげないまま、あんたんたるおもいでじてんしゃをこぐ。)
行き先を告げないまま、暗澹たる思いで自転車をこぐ。
(ほてるがいへふみいれたじてんで、かのじょもなにがおこっているかわかっただろう。)
ホテル街へ踏み入れた時点で、彼女もなにが起こっているかわかっただろう。
(ちかくのちゅうりんじょうにじてんしゃをとめてあるく。かのじょはだまってついてくる。)
近くの駐輪場に自転車をとめて歩く。彼女は黙ってついてくる。
(そのなまえが、あまりげひんではなかったことなんて、なんのなぐさめにもならない。)
その名前が、あまり下品ではなかったことなんて、なんの慰めにもならない。
(あっさりとみつけたかんばんのまえでたちどまっておれはまよこにゆびをのばした。)
あっさりと見つけた看板の前で立ち止まって俺は真横に指を伸ばした。