Q これが幽霊にみえますか -7-
関連タイピング
-
プレイ回数4241413打
-
プレイ回数3481318打
-
プレイ回数1.4万短文6打
-
プレイ回数5206短文12打
-
プレイ回数528120秒
-
プレイ回数1581262打
-
プレイ回数6154665打
-
プレイ回数2257長文3315打
問題文
(きもだめしをていあんしそのひのうんてんやくとなったaと、そのかのじょのb。)
肝試しを提案しその日の運転役となったAと、その彼女のB。
(せんぱいのつてをかりてさーくるのじょうほうなどをあつめていたけっか、)
先輩の伝手を借りてサークルの情報などを集めていた結果、
(はなしのながれでさんかをきめたc。)
話の流れで参加を決めたC。
(ここではべんぎじょう、きもだめしのていあんしゃであるaさんをしゅじくとして)
ここでは便宜上、肝試しの提案者であるAさんを主軸として
(はなしをすすめていくことにします。)
話を進めていくことにします。
(とうじつにaさんがくるまをうんてんすることになったはいいものの、)
当日にAさんが車を運転することになったはいいものの、
(ただでさえがくせいがいからはなれたちいきのやまあいにあるたてものへいくのはこんなんです。)
ただでさえ学生街から離れた地域の山あいにある建物へ行くのは困難です。
(bさんはくるまのうんてんができずつきそいとしてのさんかといういみあいが)
Bさんは車の運転が出来ず付き添いとしての参加という意味合いが
(つよかったため、とうじつはこんかいのはなしやたてもののじょうほうをあつめていたcさんに)
強かったため、当日は今回の話や建物の情報を集めていたCさんに
(あんないをおねがいすることになっていました。)
案内をお願いすることになっていました。
(かれはこんかいのきもだめしにかぎらずふだんから、だいがくやがくがいのいんかれさーくるにおける)
彼は今回の肝試しに限らず普段から、大学や学外のインカレサークルにおける
(obogとのつながりをひょうぼうする「じょうほうつう」としてのやくわりをになっていたため、)
OB・OGとの繋がりを標榜する「情報通」としての役割を担っていたため、
(こんかいもたてもののこうほをみつけるさぎょうやろっじへのみちじゅんをふくめた)
今回も建物の候補を見つける作業やロッジへの道順を含めた
(したみなどをじぜんにまかされていたのでした。)
下見などを事前に任されていたのでした。
(たとえばせんじゅつのろっじがほうちどうぜんのあつかいになったことにかんするじょうほうなどは、)
例えば先述のロッジが放置同然の扱いになったことに関する情報などは、
(かれいわくふるかぶのいべんとさーくるのつてでしいれてきたものだったそうです。)
彼曰く古株のイベントサークルの伝手で仕入れてきたものだったそうです。
(くるまのかせっとでっきにもちよったてーぷをいれておんがくをかけ、)
車のカセットデッキに持ち寄ったテープを入れて音楽をかけ、
(ぬのせいのほれいばっぐにかんちゅーはいをいれ、まさになつのきゃんぷやかいすいよくへの)
布製の保冷バッグに缶チューハイを入れ、まさに夏のキャンプや海水浴への
(みちすがらといったふんいきでくるまはすすんでいきました。)
道すがらといった雰囲気で車は進んでいきました。
(しょうじきなところ、くるまのとらぶるやまんいちのじたいをかんがみて、そこにとうちゃくするのは)
正直なところ、車のトラブルや万一の事態を鑑みて、そこに到着するのは
(まだあかるいじかんたいをえらんだそうで、それもあってなつのこうがいやさんちゅうをはしるおうろは)
まだ明るい時間帯を選んだそうで、それもあって夏の郊外や山中を走る往路は
(ひがえりりょこうきぶんでおおいにもりあがったようでした。)
日帰り旅行気分で大いに盛り上がったようでした。
(じっさい、あかるいじかんたいにあるていどおさけもはいったじょうたいで、)
実際、明るい時間帯に或る程度お酒も入った状態で、
(あとちとはいえろっじがあったばしょにいくのですから、)
跡地とはいえロッジがあった場所に行くのですから、
(ほぼひがえりのきゃんぷとかわらなかったでしょう。)
ほぼ日帰りのキャンプと変わらなかったでしょう。
(かりにいったさきでもっとふんいきをあじわいたいとなったならふきんでひがおちるのを)
仮に行った先でもっと雰囲気を味わいたいとなったなら付近で陽が落ちるのを
(すこしまてばよく、なにかそこにあるいわくにきいんするきひかんをおぼえたならば)
少し待てば良く、何かそこにある曰くに起因する忌避感を覚えたならば
(すぐにかえればよいだけなので、そのせんたくはほんらいならば)
すぐに帰れば良いだけなので、その選択は本来ならば
(まちがっていなかったとおもいます。)
間違っていなかったと思います。
(ひとどおりのすくないまちなかをすすみ、ぐねぐねとしたやまみちをげんそくぎみにぬけて、)
人通りの少ない街中を進み、ぐねぐねとした山道を減速気味に抜けて、
(かれらはようやくそのばしょにたどりつきました。)
彼らは漸くその場所に辿り着きました。
(くさがぼうぼうにはえてはいるもののくるまがはいることのできるみちはあるていど)
草がぼうぼうに生えてはいるものの車が入ることのできる道は或る程度
(のこっており、しゅうへんももとがかんそなひろばだったことはわかるくらいのきぼで)
残っており、周辺も元が簡素な広場だったことは分かるくらいの規模で
(そうげんがひろがっています。)
草原が広がっています。
(「へえー、ほんとにくさっぱらってかんじだな」)
「へえー、ほんとに草っぱらって感じだな」
(「ぼーるあそびくらいならいまでもできたかもね」)
「ボール遊びくらいなら今でも出来たかもね」
(「もってくればよかったかもなー、なんかそういうやつ」)
「持ってくれば良かったかもなー、なんかそういうやつ」
(「さすがにこのばでさんにんぼーるあそびはきついだろ、はは」)
「流石にこの場で三人ボール遊びはきついだろ、はは」
(さんにんはくるまからおり、しめったざっそうをかきわけてろっじへむかいます。)
三人は車から降り、湿った雑草をかき分けてロッジへ向かいます。
(たしょうほうちされたことによるよごれはめだつものの、)
多少放置されたことによる汚れは目立つものの、
(ぼろぼろのはいきょとよぶほどではない、そんなたてものでした。)
ぼろぼろの廃墟と呼ぶほどではない、そんな建物でした。
(ちかくのまどからはかいぎしつらしきばしょがみえるのですが、そのまどのむこうの)
近くの窓からは会議室らしき場所が見えるのですが、その窓の向こうの
(ないそうをふくめたがいかんからして、こうはいしたふんいきはあまりなかったようです。)
内装を含めた外観からして、荒廃した雰囲気はあまり無かったようです。
(たとえばけいねんれっかによってがらすがわれているとか、きをつけなければ)
例えば経年劣化によってガラスが割れているとか、気を付けなければ
(ゆかをふみぬいてしまうきけんせいがあるとか、そういうねんきのはいった)
床を踏み抜いてしまう危険性があるとか、そういう年季の入った
(いわくつきのみんかなどとはちがう、つまりはこぎれいなふんいきがありました。)
曰く付きの民家などとは違う、つまりは小綺麗な雰囲気がありました。
(もちろん、そこにきただんかいではまだあかるかったというよういんもあるでしょうが。)
勿論、そこに来た段階ではまだ明るかったという要因もあるでしょうが。
(「どうやってはいろう、げんかんはさすがにかぎしまってるだろうし」)
「どうやって入ろう、玄関は流石に鍵閉まってるだろうし」
(「うらぐちのまどが、なんかかぎしまってんだけどばかになってて。)
「裏口の窓が、なんか鍵閉まってんだけど馬鹿になってて。
(こう、がんばってがたがたしてればひらくかんじらしいんだよな。)
こう、頑張ってがたがたしてれば開く感じらしいんだよな。
(いちかいだしたかさもそんなないっぽいからいけるとおもう」)
一階だし高さもそんな無いっぽいから行けると思う」
(そしてたてもののうらてをまわり、かれらはかんいてきなきっちんかきゅうとうしつのようなばしょに)
そして建物の裏手を回り、彼らは簡易的なキッチンか給湯室のような場所に
(つながるややおおきめのまどからいえのなかにはいりました。)
繋がるやや大きめの窓から家の中に入りました。
(まどをゆりうごかしているときにきづいたそうなのですが、)
窓を揺り動かしているときに気付いたそうなのですが、
(まどのむこうからみえるへややろうかはぞんがいにせいとんされていました。)
窓の向こうから見える部屋や廊下は存外に整頓されていました。
(もちろん、わたぼこりやかびなどながねんほうちしたいえとくゆうのよごれはあるのですが、)
勿論、綿埃や黴など長年放置した家特有の汚れはあるのですが、
(びひんやかぐなどはそれなりにかたづいているいんしょうだったそうです。)
備品や家具などはそれなりに片付いている印象だったそうです。
(cさんいわく「とつぜんにろっじをかししぶるようになり、やがてほうちされた」)
Cさん曰く「突然にロッジを貸し渋るようになり、やがて放置された」
(とのことだったので、てっきりなかはなんらかのりゆうであらされたり、)
とのことだったので、てっきり中は何らかの理由で荒らされたり、
(ふしぜんなよごれがそうじもされずてんざいしていたりするものかとおもっていたのですが、)
不自然な汚れが掃除もされず点在していたりするものかと思っていたのですが、
(そんなことはなくそれこそかしすぺーすとしていつでもつかえるじょうたい、)
そんなことは無くそれこそ貸しスペースとしていつでも使える状態、
(そのままでほこりをかぶっているようすだったのです。)
そのままで埃を被っている様子だったのです。
(さんめいはなかにはいり、ながしだいやしょっきだながあるそのへやをみまわします。)
三名は中に入り、流し台や食器棚があるその部屋を見回します。
(「きれいだないがいと」)
「綺麗だな意外と」
(「ほんと、ただほっておいてるみたいなかんじ。)
「ほんと、ただ放っておいてるみたいな感じ。
(もうちょっとしんれいっぽいかんじかとおもってたけど」)
もうちょっと心霊っぽい感じかと思ってたけど」
(「しんれいっぽいってなにだよとりあえず、ろうかからいろいろまわってみる?)
「心霊っぽいって何だよ取り敢えず、廊下から色々回ってみる?
(いちかいだてだからまあ、そんなじかんかかんないとおもうけど。)
一階建てだからまあ、そんな時間かかんないと思うけど。
(それとももうちょいくらくなるまでまつか」)
それとももうちょい暗くなるまで待つか」
(「いや、いいんじゃないの?)
「いや、いいんじゃないの?
(といれとか、もっとこわくなれそうなとこがあるだろたぶん」)
トイレとか、もっと怖くなれそうなとこがあるだろ多分」
(「どうする、そこにしたいとかさ、ばーんってあったりしてさあ」)
「どうする、そこに死体とかさ、ばーんってあったりしてさあ」
(「はいはい」)
「はいはい」
(ひとまずかれらはきっちんからろうかにでて、ろっじのたんさくをはじめました。)
ひとまず彼らはキッチンから廊下に出て、ロッジの探索を始めました。
(ひとざとはなれたばしょにほうちされたたてもののなかはいうまでもなくしずかです。)
人里離れた場所に放置された建物の中は言うまでもなく静かです。
(まどからひのひかりがさしこむからっぽのいえは、とうしょよそうしていた)
窓から陽の光が射し込む空っぽの家は、当初予想していた
(おどろおどろしいきもだめしのいめーじとはちがうにせよ、)
おどろおどろしい肝試しのイメージとは違うにせよ、
(それなりにふんいきがあるものだったかもしれません。)
それなりに雰囲気があるものだったかもしれません。
(ひにやけてへんしょくしたといれっとぺーぱーがふたつみっつつまれたといれや、)
日に焼けて変色したトイレットペーパーが二つ三つ積まれたトイレや、
(おくにあるぶらいんどがおれたじょうたいであがりもさがりもしなくなっているきょうようの)
奥にあるブラインドが折れた状態で上りも下がりもしなくなっている共用の
(しんしつをみては、へえ、ふうん、とかれらはいきをもらしました。)
寝室を見ては、へえ、ふうん、と彼らは息を漏らしました。
(かれらがそのたぐいのはいきょをみにきたのであれば、そこにひろがるないそうは)
彼らがその類の廃墟を見に来たのであれば、そこに広がる内装は
(なっとくのいくものだったかのうせいもありますが、かれらのもくてきはきもだめしです。)
納得の行くものだった可能性もありますが、彼らの目的は肝試しです。