『死神の名づけ親』別verグリム2【完】

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プレイ回数304難易度(4.3) 2659打 長文
『死神の名づけ親』の逆バージョンで、未完の話
※分かりやすくする為、表記等を一部改変しております

↓のURLからの続きですので、未プレイの方はプレイしてから
こちらのタイピングをしてください
https://typing.twi1.me/game/318398

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問題文

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(おかねもちは、うめきながらねがえりをうって、)

お金持ちは、呻きながら寝返りをうって、

(「どうかたすけていただきたい」といって、おいおいなきました。)

「どうか助けていただきたい」と言って、オイオイ泣きました。

(それから、「じぶんのいのちをすくってくださるなら、)

それから、「自分の命を救ってくださるなら、

(もっているざいさんをみんなさしあげます。)

持っている財産をみんな差し上げます。

(いえもあげますし、とちもあげます」と、いってきかないので、)

家もあげますし、土地もあげます」と、言ってきかないので、

(とうとう、「では、とにかくやってみましょう」と、やくそくしてしまいました。)

とうとう、「では、とにかくやってみましょう」と、約束してしまいました。

(ちょうどめしつかいがそこいらにおおぜいいましたので、)

ちょうど召使がそこいらに多勢いましたので、

(おいしゃさんは、そのひとたちにいいつけて、)

お医者さんは、その人たちに言いつけて、

(できるだけはやくしんだいをぐるりとまわして、)

できるだけ早く寝台をグルリとまわして、

(しにがみがあしのそばにたつようなむきに、なおしました。)

死神が足のそばに立つような向きに、なおしました。

(しにがみはひとさしゆびをぐいっとあげて、おどかしたままきえてなくなりました。)

死神は人差し指をグイッとあげて、おどかしたまま消えてなくなりました。

(それから、おかねもちはおいしゃさんに、ほしいだけ、)

それから、お金持ちはお医者さんに、欲しいだけ、

(おかねやほかのざいさんをあげました。)

お金やほかの財産をあげました。

(そのごは、ながいあいだなにごともありませんでしたが、)

そのごは、長い間なにごともありませんでしたが、

(あるとき、おいしゃさんは、どこかのおじいさんのところへ、よばれました。)

ある時、お医者さんは、どこかのおじいさんの所へ、呼ばれました。

(はいるとすぐに、しにがみがびょうにんのあたますれすれのところにたっているのが)

入るとすぐに、死神が病人の頭スレスレの所に立っているのが

(めについたので、「これは、もうておくれです」と、)

目についたので、「これは、もう手遅れです」と、

(きっぱりことわって、へやからでようとしました。)

きっぱり断って、部屋から出ようとしました。

(そうすると、おじいさんのむすめがとのそとにひれふして、)

そうすると、おじいさんの娘が戸の外にひれ伏して、

(りょうてをたかくおいしゃさんのほうへさしだして、)

両手を高くお医者さんのほうへ差し出して、

など

(「いっしょうのおねがいでございます」と、たのみました。)

「一生のお願いでございます」と、頼みました。

(おいしゃさんは、むすめのうつくしいあおいめをじいっとみつめると、)

お医者さんは、娘の美しい青い目をジイッと見つめると、

(むねのなかがふるえたのですが、さすがにしにがみのかおをさいどつぶすきには、なりません。)

胸の中が震えたのですが、さすがに死神の顔を再度つぶす気には、なりません。

(けれども、うつくしいむすめのたのみは、だんだんいじらしさをまして、)

けれども、美しい娘の頼みは、段々いじらしさを増して、

(おいしゃさんのこころにしみわたり、)

お医者さんの心にしみわたり、

(ろうじんはろうじんで、「じぶんのいのちをたすけてくだされば、むすめをさしあげます」と、)

老人は老人で、「自分の命を助けてくだされば、娘を差し上げます」と、

(いってきかないので、おいしゃさんもやむをえず、)

言ってきかないので、お医者さんもやむをえず、

(もういちどおもいきって、むりなことをやりました。)

もう一度思い切って、無理なことをやりました。

(てばやく、しんだいをぐるりとまわしてもらったのです。)

手早く、寝台をグルリとまわしてもらったのです。

(しにがみは、またひとさしゆびをあげて、「さんどめはきをつけろよ」と、いいました。)

死神は、また人差し指をあげて、「三度目は気をつけろよ」と、言いました。

(おいしゃさんはうつくしいむすめをおよめにもらって、)

お医者さんは美しい娘をお嫁にもらって、

(なにふそくなくしあわせなひをおくり、)

なに不足なく幸せな日をおくり、

(もうしにがみをだしぬくことは、これっきりにしようと、かたくこころにきめました。)

もう死神をだしぬくことは、これっきりにしようと、固く心にきめました。

(ところが、おうさまからおつかいがきました。)

ところが、王さまからお使いが来ました。

(いってみると、びょうにんはむしのいきで、しにがみはあたますれすれにたっており、)

行ってみると、病人は虫の息で、死神は頭スレスレに立っており、

(まわりでは、けらいたちがこえをあげてなき、かなしんでいます。)

まわりでは、家来たちが声をあげて泣き、悲しんでいます。

(おいしゃさんが、「おうさまは、どのみち、おかくれになるのだ」と、)

お医者さんが、「王さまは、どの道、おかくれになるのだ」と、

(きっぱりいいきると、けらいたちは、)

きっぱり言いきると、家来たちは、

(「とにかくてあてをしてみてくれ」と、しきりにたのむのですが、)

「とにかく手当てをしてみてくれ」と、しきりに頼むのですが、

(こちらは、なんといわれても、ききいれません。)

こちらは、なんと言われても、聞き入れません。

(そうすると、しにかかっているおうさまが、むっくりおきあがって、)

そうすると、死にかかっている王さまが、むっくり起きあがって、

(「わしがしんだら、ときをうつさず、このおいしゃのくびをはねろ」と、)

「わしが死んだら、時をうつさず、このお医者の首をはねろ」と、

(へいにめいれいしました。けらいたちは、おいしゃさんをおさえつけました。)

兵に命令しました。 家来たちは、お医者さんを押さえつけました。

(おいしゃさんのめにうつったのは、けんをぬき、いつなんどきでも)

お医者さんの目に映ったのは、剣を抜き、いつなんどきでも

(おいしゃさんのくびをちょんぎろうとみがまえている、よろいをきたひとのすがたでした。)

お医者さんの首をちょん切ろうと身構えている、鎧を着た人の姿でした。

(おいしゃさんはきもをつぶしました。)

お医者さんは肝をつぶしました。

(そして、これではどうしてもしぬことはさけられないとしって、)

そして、これではどうしても死ぬことはさけられないと知って、

(どうせしぬときまっているなら、もういちどなづけおやをためしてみようとはらをきめ、)

どうせ死ぬと決まっているなら、もう一度名づけ親を試してみようと腹をきめ、

(しんだいをぐるりと、まわしてもらいました。)

寝台をグルリと、まわしてもらいました。

(そこで、おんなのひとのはなしは、おわりました。)

そこで、女の人の話は、終わりました。

(そのご、おうさまのいのちはすくわれたのか、)

そのご、王さまの命は救われたのか、

(おいしゃさんはいろいろずるいことをかんがえて、しにがみのてからのがれたのか、)

お医者さんは色々ずるいことを考えて、死神の手からのがれたのか、

(おいしゃさんはおうさまのあとつぎになったのか、)

お医者さんは王さまの後継ぎになったのか、

(これからさきのくわしいことは、だれもしらないのです。)

これから先のくわしいことは、誰も知らないのです。

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