『死神の名づけ親』別verグリム1

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プレイ回数513難易度(4.5) 2625打 長文
『死神の名づけ親』の逆バージョンで、未完の話
※分かりやすくする為、表記等を一部改変しております

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問題文

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(あるおんなのひとが、つぎのようなはなしをしてきました。)

ある女の人が、次のような話をしてきました。

(あるまずしいおとこにむすこがうまれましたが、なにしろひどいびんぼうなので、)

ある貧しい男に息子が生まれましたが、なにしろひどい貧乏なので、

(なづけおやになってやろうというひとが、だれひとりみつかりません。)

名づけ親になってやろうという人が、誰一人見つかりません。

(いっけんいっけんあるいてみましたけれど、むだぼねおりでした。)

一軒一軒歩いてみましたけれど、無駄骨折りでした。

(だれかとおりがかりのひとがきのどくにおもって、しょうちしてくれるかもしれないと、)

だれか通りがかりの人が気の毒に思って、承知してくれるかもしれないと、

(そんなことをあてにして、おおどおりへこしをおろしました。)

そんなことを当てにして、大通りへ腰をおろしました。

(まもなくやってきたのは、けだかいふくそうをしたうつくしいおんなです。)

まもなくやって来たのは、けだかい服装をした美しい女です。

(びんぼうにんがようじをたのんでみると、そういうごようならやってあげましょうと、)

貧乏人が用事を頼んでみると、そういうご用ならやってあげましょうと、

(はっきりうけあってくれました。)

はっきりうけあってくれました。

(「おなまえをおっしゃっていただきたいのですが」と、おとこがいいました。)

「お名前をおっしゃっていただきたいのですが」と、男が言いました。

(「あたくしは、みじめなくらしをしておりますが、)

「あたくしは、みじめな暮らしをしておりますが、

(あなたがどなたか、うかがわないうちは、)

あなたがどなたか、うかがわないうちは、

(なづけおやになっていただくわけにいかないので」)

名づけ親になっていただくわけにいかないので」

(おんなは、きんしでほしがいくつもぬいとりしてあるべーるを、ぱっとはらいのけて、)

女は、金糸で星がいくつもぬいとりしてあるベールを、パッとはらいのけて、

(「わたしはせいぼまりあです」といいました。)

「私は聖母マリアです」と言いました。

(「それでは、あなたにようはない」と、おとこはこたえました。)

「それでは、あなたに用はない」と、男は答えました。

(「あなたのむすこさんは、ただしいことをしない。)

「あなたの息子さんは、正しいことをしない。

(それにくわえ、みんなをえこひいきなく、いちようにあつかうことをしない。)

それに加え、みんなをえこひいきなく、一様に扱うことをしない。

(ちがうとおっしゃるなら、なぜわたしはこんなにびんぼうで、ふしあわせなのでしょうか」)

違うとおっしゃるなら、なぜ私はこんなに貧乏で、不幸せなのでしょうか」

(せいぼはとおりすぎました。)

聖母は通り過ぎました。

など

(それからまもなくきたのは、またおんなで、)

それからまもなく来たのは、また女で、

(せがたかく、おそろしいくらいやせており、くろいべーるにつつまれていました。)

背が高く、おそろしいくらいやせており、黒いベールに包まれていました。

(びんぼうにんがれいのようじをたのむと、おんなはなづけおやになるとやくそくしました。)

貧乏人が例の用事を頼むと、女は名づけ親になると約束しました。

(「だが、あなたはどなたですか」と、おとこがいいました。)

「だが、あなたはどなたですか」と、男が言いました。

(「あたくしはたにんからさげすまれ、なさけないくらしをしておりますが、)

「あたくしは他人からさげすまれ、情けない暮らしをしておりますが、

(だからといって、あなたがただしいことをなさるおかたでなければ、)

だからといって、あなたが正しいことをなさるお方でなければ、

(なづけおやには、なっていただくわけにはいきませんので」)

名づけ親には、なっていただくわけにはいきませんので」

(「あたしは、しにがみだよ」)

「あたしは、死神だよ」

(へんなかたちをしたものは、こうへんじをするなり、)

変な形をした者は、こう返事をするなり、

(くろいべーるをぱっとうしろへはねて、かさかさにひからびたがいこつをみせました。)

黒いベールをパッとうしろへはねて、カサカサにひからびた骸骨を見せました。

(「あなたなら、だいかんげいですよ」と、びんぼうにんがいいました。)

「あなたなら、大歓迎ですよ」と、貧乏人が言いました。

(「あなたは、だれにむかってもただしいかたで、)

「あなたは、誰に向かっても正しいかたで、

(だれかれのさべつなく、おんなじにあつかいなさるからね。)

だれかれの差別なく、おんなじに扱いなさるからね。

(ぜひいらして、むすこのせんれいをやっていただきます」)

ぜひいらして、息子の洗礼をやっていただきます」

(しにがみはたのまれたないようをしょうだくし、それからおとこにいいました。)

死神は頼まれた内容を承諾し、それから男に言いました。

(「おまえのむすこがおおきくなったら、あたしがいしゃにしてやる。)

「おまえの息子が大きくなったら、あたしが医者にしてやる。

(むすこがびょうにんのところへよばれるたんびに、あたしもでかけていく。)

息子が病人の所へ呼ばれるたんびに、あたしも出かけていく。

(あたしがびょうにんのあたまのそばにたっていたら、びょうにんはしぬし、)

あたしが病人の頭のそばに立っていたら、病人は死ぬし、

(あたしがしんだいのあしのほうにたっていたら、びょうにんはまだしなないから、)

あたしが寝台の足のほうに立っていたら、病人はまだ死なないから、

(むすこはそのつもりで、でたらめなてあてをすればいい」)

息子はそのつもりで、でたらめな手当てをすればいい」

(やがて、しにがみがいったとおり、せいねんはおいしゃさまになりました。)

やがて、死神が言った通り、青年はお医者さまになりました。

(そして、なづけおやがまくらもとにたっているのがみえると、)

そして、名づけ親が枕元に立っているのが見えると、

(「もうておくれです。ごびょうにんはもうたすかりません」といって、たちさります。)

「もう手遅れです。ご病人はもう助かりません」と言って、立ち去ります。

(なづけおやがあしのほうにたっていると、おもいつきのいいかげんなしょほうをして、)

名づけ親が足のほうに立っていると、思いつきのいいかげんな処方をして、

(それでびょうにんは、けろけろとなおるのでした。)

それで病人は、けろけろと治るのでした。

(おいしゃさんは、そこいらじゅうのひょうばんになって、)

お医者さんは、そこいらじゅうの評判になって、

(「めいい」と、もてはやされ、おかねもおもうぞんぶんもらいました。)

「名医」と、もてはやされ、お金も思う存分もらいました。

(あるひのこと、おいしゃさんは、おかねをいしころのように)

ある日のこと、お医者さんは、お金を石ころのように

(ざくざくもっているひとのところへよばれました。)

ザクザク持っている人の所へ呼ばれました。

(いってみると、しにがみがまくらもとにたっていたので、)

行ってみると、死神が枕元に立っていたので、

(「あなたはたすからない」と、あからさまにびょうにんにしらせました。)

「あなたは助からない」と、あからさまに病人に知らせました。

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