ドッペルゲンガー
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問題文
(こうえんであそんでいるとき、ふしぎなおんなのこをみかけた。)
公園で遊んでいるとき、不思議な女の子をみかけた。
(ふくそうが、うえもしたもわたしとおなじなのだ。)
服装が、上も下も私と同じなのだ。
(そのうえ、かみがたまでいっしょだ。)
そのうえ、髪型まで一緒だ。
(せをむけたそのこがきになり、ちかづこうとすると、)
背を向けたその子が気になり、近づこうとすると、
(たたたっとはしっていなくなってしまった。)
タタタッと走っていなくなってしまった。
(いえにかえると、そのことをままにはなした。)
家に帰ると、そのことをママに話した。
(「それは、どっぺるげんがーかもね」)
「それは、ドッペルゲンガーかもね」
(「なあに、それ」)
「なあに、それ」
(「よのなかにはね、じぶんとおなじみためのひとがいるっていわれているの。)
「世の中にはね、自分と同じ見た目の人がいるって言われているの。
(それがどっぺるげんがーよ。)
それがドッペルゲンガーよ。
(でもきをつけなさい、みか。)
でも気をつけなさい、ミカ。
(そのすがたをみてしまうと、あのよにつれていかれる、)
その姿を見てしまうと、あの世に連れていかれる、
(なんてうわさもあるからね。)
なんて噂もあるからね。
(きょうはうしろすがたしかみてないから、ぶじだったのかも。)
今日は後ろ姿しか見てないから、無事だったのかも。
(またみかけても、こんどは おいかけないことね」)
また見かけても、今度は 追いかけないことね」
(ままにちゅういされたけど、つぎのひもわたしは、みかけてしまった。)
ママに注意されたけど、次の日も私は、見かけてしまった。
(がっこうのかえりみち、せをむけたあのこが、まえにいた。)
学校の帰り道、背を向けたあの子が、前にいた。
(わたしのふくそうはきのうとはちがう、しろいわんぴーす。)
私の服装は昨日とは違う、白いワンピース。
(そのこもおんなじ、しろいわんぴーす。)
その子もおんなじ、白いワンピース。
(あのよにつれていかれる、、、。)
あの世に連れていかれる、、、。
(わたしは、しんじていなかった。)
私は、信じていなかった。
(そんなわけない。)
そんなわけない。
(そのこがきになって、おいかけた。)
その子が気になって、追いかけた。
(するとそのこも、にげだした。)
するとその子も、逃げ出した。
(「ねえ、まってよ」)
「ねえ、待ってよ」
(じゅうたくがいをかけまわり、こうえんもおおどおりもぬけて、)
住宅街をかけまわり、公園も大通りも抜けて、
(きづけば、みなれないばしょだ。)
気づけば、見慣れない場所だ。
(わたしはつかれきって、たちつくした。)
私は疲れきって、立ち尽くした。
(はあはあといきをはきながらかおをあげると、)
はあはあと息を吐きながら顔を上げると、
(かーぶみらーがめにとまった。)
カーブミラーが目に留まった。
(あのこが、こちらをみつめていた。)
あの子が、こちらを見つめていた。
(すこしかげになっていてみえづらいけど、)
少し陰になっていて見えづらいけど、
(まえからみたかおのつくりも、わたしににている。)
前から見た顔のつくりも、私に似ている。
(そのこはにやり、とわらうとまたはしりだした。)
その子はニヤリ、と笑うとまた走り出した。
(「ちょっとまってってば」)
「ちょっと待ってってば」
(こえをあげた、そのすぐあとだった。)
声をあげた、そのすぐあとだった。
(どんっ!)
ドンっ!
(なにかがはげしく、ぶつかるおとがきこえた。)
何かが激しく、ぶつかる音が聞こえた。
(いそいでおとのしたほうにむかうと、)
急いで音のした方に向かうと、
(そこには、ちのいろにぬれたとらっくがとまっていた。)
そこには、血の色にぬれたトラックが止まっていた。
(そのまえには、たおれたこどものすがた。)
その前には、倒れた子どもの姿。
(しろいわんぴーすが、あかくそまっている。)
白いワンピースが、赤く染まっている。
(ちかくのおとなたちがそのこをきにかけたり、)
近くの大人たちがその子を気に掛けたり、
(けいさつかびょういんにだろう、でんわしたりしている。)
警察か病院にだろう、電話したりしている。
(わたしはこわくなって、あわてていえにむかった。)
私は怖くなって、慌てて家に向かった。
(まよいながらも、どうにかもどることができた。)
迷いながらも、どうにか戻ることができた。
(「まま、まま」)
「ママ、ママ」
(「どうしたの、みか」)
「どうしたの、ミカ」
(しんぱいそうにして、ままはふるえるわたしのかおをのぞきこんだ。)
心配そうにして、ママは震える私の顔を覗き込んだ。
(すると、ままのかおいろがかわった。)
すると、ママの顔色が変わった。
(ふしぎそうにこちらをみつめる。)
不思議そうにこちらを見つめる。
(「あなた、ほんとうにみか?」)
「あなた、本当にミカ?」