死を呼ぶ鳴き声
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ままま | 3045 | E++ | 3.3 | 91.4% | 708.0 | 2377 | 221 | 69 | 2025/02/21 |
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問題文
(じてんしゃをゆっくりこぎながら、ぼくはいえにむかっていた。)
自転車をゆっくり漕ぎながら、僕は家に向かっていた。
(じこくはよるだ。)
時刻は夜だ。
(ひとどおりのすくないみちであった。)
人通りの少ない道であった。
(くらやみに、ひかる2つのめがあらわれた。)
暗闇に、光る2つの目が現れた。
(めをこらしてみてみれば、くろねこだ。)
目をこらして見てみれば、黒猫だ。
(ごみおきばのそばにたたずんでいた。)
ゴミ置き場のそばに佇んでいた。
(ねこはぼくのほうをみながら、ないた。)
猫は僕の方を見ながら、鳴いた。
(まるで、なにかつたえようとするかのように。)
まるで、なにか伝えようとするかのように。
(にゃあ、にゃあ、にゃあ、にゃあ。)
にゃあ、にゃあ、にゃあ、にゃあ。
(そのねこをとおりすぎたところに、ぶきみなものをみかけた。)
その猫を通り過ぎたところに、不気味なものを見かけた。
(がいとうのしたに、こぶしだいほどのかえるが4ひきもいたのだ。)
街灯の下に、こぶし大ほどの蛙が4匹もいたのだ。
(そのうえ、かえるらはすべて、つぶれていた。)
その上、蛙らはすべて、潰れていた。
(しがいとかしていたのだ。)
死骸と化していたのだ。
(しばらくいくと、ふたたびくろねこがあらわれた。)
しばらく行くと、再び黒猫が現れた。
(かべのうえから、こちらをみている。)
壁の上から、こちらを見ている。
(さっきのねこにうりふたつであった。ちがつながっているのだろうか。)
さっきの猫に瓜二つであった。血が繋がっているのだろうか。
(にゃあ、にゃあ、にゃあ。)
にゃあ、にゃあ、にゃあ。
(また、ないていた。)
また、鳴いていた。
(とおりすぎたところに、またしがいがよこたわっていた。)
通り過ぎたところに、また死骸が横たわっていた。
(こんどは、はとである。さんびきのはとだ。)
今度は、鳩である。三匹の鳩だ。
(どれも、はらからないぞうがはみでていた。)
どれも、腹から内臓がはみ出ていた。
(またしても、くろねこだ。)
またしても、黒猫だ。
(じはんきのよこから、ぼくにむかってなきごえをあげる。)
自販機の横から、僕に向かって鳴き声をあげる。
(にゃあ、にゃあ。)
にゃあ、にゃあ。
(まさか、とおもいながらじてんしゃをこぎすすめていると、)
まさか、と思いながら自転車をこぎ進めていると、
(やはり、しがいがめにうつった。)
やはり、死骸が目に写った。
(がしなのだろうか。)
餓死なのだろうか。
(よりそうようにして、いぬ2ひきがひからびていた。)
寄り添うようにして、犬2匹が干からびていた。
(4なき、3なき、2なき、ときていた。)
4鳴き、3鳴き、2鳴き、ときていた。
(しがいのかずも4、3、2・・・・・・。)
死骸の数も4、3、2……。
(くろねこだ。)
黒猫だ。
(ぼくのすすむさきのまんまえで、ふりかえりながらないた。)
僕の進む先の真ん前で、振り返りながら鳴いた。
(えすこーとでもしているかのように。)
エスコートでもしているかのように。
(にゃあ。)
にゃあ。
(ねこはさっていった。)
猫は去っていった。
(いやなよかんがする。)
嫌な予感がする。
(しつつも、いえにかえるためにはすすまねばならない。)
しつつも、家に帰るためには進まねばならない。
(と、ぺだるをこいでいた。)
と、ペダルをこいでいた。
(よこから、かすかなひかりがぼくのからだをてらした。)
横から、微かな光が僕の体を照らした。
(わかれみちのみぎから、くるまがきていた。)
分かれ道の右から、車が来ていた。
(らいとがこわれかけているのかひかりがよわく、きがつくのにおくれてしまった。)
ライトが壊れかけているのか光が弱く、気がつくのに遅れてしまった。
(あわててぺだるをおしこんだ。)
慌ててペダルを押し込んだ。
(くるまはさけた。)
車は避けた。
(どうにか、じぶんのいのちは、たすかった。)
どうにか、自分の命は、助かった。
(しかしあわてていたぼくは、ぜんぽうふちゅういだった。)
しかし慌てていた僕は、前方不注意だった。
(なにかにぶつかったいきおいで、じてんしゃからころがりおちてしまった。)
何かにぶつかった勢いで、自転車から転がり落ちてしまった。
(ころがったじてんしゃのちかくには、くろねこがたおれていた。)
転がった自転車の近くには、黒猫が倒れていた。
(ひいてしまったのだ。)
轢いてしまったのだ。
(ねこのくびは、あらぬほうこうにまがっていた。)
猫の首は、あらぬ方向に曲がっていた。
(くちからちをながしながら、いききれぎれのぎょうそうはにくしみにゆがんでいた。)
口から血を流しながら、息きれぎれの形相は憎しみに歪んでいた。
(ぼくにたいするにくしみだ。)
僕に対する憎しみだ。
(どうしてこっちがしななければならないの、とうったえるように、)
どうしてこっちが死ななければならないの、と訴えるように、
(ぼくをじっとみつめていた。)
僕をじっとみつめていた。
(そして、こえをはっした。)
そして、声を発した。
(まだおわってないぞ、とでもいいたげに。)
まだ終わってないぞ、とでも言いたげに。
(にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ)
にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ
(にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ)
にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ
(にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ)
にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ
(にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあーーーーー。)
にゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあにゃあ。
(こわくなって、ぼくはすぐさまじてんしゃをおきあがらせた。)
怖くなって、僕はすぐさま自転車を起き上がらせた。
(いえへのみちすじもむしして、いっしんふらんにはしりだす。)
家への道筋も無視して、一心不乱に走り出す。
(とにかく、このくらがりのみちからぬけだしたかった。)
とにかく、この暗がりの道から抜け出したかった。
(かどをまがり、まがり、あかるいところへでた。)
角を曲がり、曲がり、明るいところへ出た。
(めのまえにひろがるこうけいに、おもわずきゅうぶれーきをかけた。)
目の前に広がる光景に、思わず急ブレーキをかけた。
(しまった。)
しまった。
(これはまずい、とかんじた。)
これはまずい、と感じた。
(つれたってあるくかいしゃいんらや、おおごえではしゃぎあっているがくせいら。)
連れたって歩く会社員らや、大声ではしゃぎあっている学生ら。
(いちゃつくかっぷるに、よいにあしもとのふらつくさらりーまん。)
いちゃつくカップルに、酔いに足元のふらつくサラリーマン。
(よるのまちは、おおくのひとでにぎわっていた。)
夜の街は、多くの人で賑わっていた。