谷崎潤一郎 痴人の愛 32

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投稿者投稿者神楽@社長推しいいね0お気に入り登録
プレイ回数444難易度(5.0) 6613打 長文
谷崎潤一郎の中編小説です
私のお気に入りです
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 なおきち 6432 S 6.5 97.8% 1006.9 6623 146 100 2024/05/05
2 りっつ 5217 B+ 5.3 97.8% 1224.8 6533 142 100 2024/04/21
3 やまちやまちゃん 4605 C++ 4.7 97.5% 1385.7 6547 165 100 2024/05/03
4 yosi 3147 E++ 3.3 94.6% 1981.0 6608 373 100 2024/03/26

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問題文

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(あ、げいしゃがかさをさしてとおる、わかいむすめがふらんねるをきてとおる、でんしゃがはしる、)

あ、芸者が傘をさして通る、若い娘がフランネルを着て通る、電車が走る、

(じどうしゃがかける、・・・・・・・・・)

自動車が駆ける、・・・・・・・・・

(・・・・・・・・・なおみがひじょうなはつめいかだ。がくせいたちをあらしまわる?)

・・・・・・・・・ナオミが非常な発明家だ。学生たちを荒らし廻る?

(・・・・・・・・・そんなことがありえるだろうか?ありえる、たしかに)

・・・・・・・・・そんな事が有り得るだろうか?有り得る、たしかに

(ありえる、ちかごろのなおみのようすをみれば、そうおもわないのがふしぎなくらいだ。)

有り得る、近頃のナオミの様子を見れば、そう思わないのが不思議なくらいだ。

(じつはおれだってうちうちきにしてはいたけれど、かのじょをとりまくおとこのともだちがあまり)

実は己だって内々気にしてはいたけれど、彼女を取り巻く男の友達が余り

(おおいので、かえってあんしんしていたのだ。なおみはこどもだ、そしてかっぱつだ。)

多いので、却って安心していたのだ。ナオミは子供だ、そして活発だ。

(「あたしおとこよ」とかのじょじしんがいっているとおりだ。だからおとこをおおぜいあつめて、)

「あたし男よ」と彼女自身が云っている通りだ。だから男を大勢集めて、

(むじゃきに、にぎやかに、ばかっさわぎをするのがすきなだけなんだ。かりにかのじょに)

無邪気に、賑やかに、馬鹿ッ騒ぎをするのが好きなだけなんだ。仮に彼女に

(したこころがあったとしたって、これだけおおくのひとめがあれば、それをしのべるものでは)

下心があったとしたって、これだけ多くの人目があれば、それを忍べるものでは

(なし、まさかかのじょが、・・・・・・・・・と、そうかんがえたこの「まさか」が)

なし、まさか彼女が、・・・・・・・・・と、そう考えたこの「まさか」が

(わるかったんだ。)

悪かったんだ。

(けれどもまさか、・・・・・・・・・まさかじじつじゃないのじゃなかろうか?)

けれどもまさか、・・・・・・・・・まさか事実じゃないのじゃなかろうか?

(なおみはなまいきにはなったが、でもひんせいはけだかいおんなだ。おれはそのことを)

ナオミは生意気にはなったが、でも品性は気高い女だ。己はその事を

(よくしっている。うわべはおれをけいべつしたりするけれども、じゅうごのとしから)

よく知っている。うわべは己を軽蔑したりするけれども、十五の歳から

(やしなってやったおれのおんぎにはかんしゃしている。けっしてそれをうらぎるようなことは)

養ってやった己の恩義には感謝している。決してそれを裏切るようなことは

(しないと、ねものがたりにかのじょがしばしばなみだをもっていうことばを、おれはうたがうことはできない。)

しないと、寝物語に彼女が屡々涙を以て云う言葉を、己は疑うことは出来ない。

(あのkのはなしことによったら、あれはかいしゃのひとのわるいやつらが、おれを)

あのKの話事に依ったら、あれは会社の人の悪い奴等が、己を

(からかうのじゃなかろうか?ほんとうに、そうであってくれればいいが。)

からかうのじゃなかろうか?ほんとうに、そうであってくれればいいが。

(・・・・・・・・・あの、kのしんせきのがくせいというのはだれだろうか?そのがくせいの)

・・・・・・・・・あの、Kの親戚の学生と云うのは誰だろうか?その学生の

など

(しっているのでもにさんにんはかんけいがある?にさんにん?・・・・・・・・・はまだ?)

知っているのでも二三人は関係がある?二三人?・・・・・・・・・浜田?

(くまがい?・・・・・・・・・あやしいとすればこのふたりがいちばんあやしい、が、それなら)

熊谷?・・・・・・・・・怪しいとすればこの二人が一番怪しい、が、それなら

(どうしてふたりはけんかしないのだろう。べつべつにこないで、いっしょにやってきて、)

どうして二人は喧嘩しないのだろう。別々に来ないで、一緒にやって来て、

(なかよくなおみとあそんでいるのはどういうきだろう?おれのめをくらます)

仲よくナオミと遊んでいるのはどう云う気だろう?己の眼を晦ます

(しゅだんだろうか?なおみがうまくあやつっているので、ふたりはたがいにしらないのだろうか?)

手段だろうか?ナオミが巧く操っているので、二人は互に知らないのだろうか?

(いや、それよりもなによりも、なおみがそんなについらくしてしまっただろうか?)

いや、それよりも何よりも、ナオミがそんなに墜落してしまっただろうか?

(ふたりにかんけいがあったとしたら、このあいだのばんのざこねのような、あんなむちな、)

二人に関係があったとしたら、この間の晩の雑魚寝のような、あんな無耻な、

(しゃあしゃあとしたまねができるだろうか?もしそうだったらかのじょのしぐさは)

しゃあしゃあとした真似が出来るだろうか?若しそうだったら彼女のしぐさは

(ばいしょうふいじょうじゃないか。・・・・・・・・・)

売笑婦以上じゃないか。・・・・・・・・・

(わたしはいつのまにかしんばしをわたり、しばくちのとおりをまっすぐにぴちゃぴちゃどろを)

私はいつの間にか新橋を渡り、芝口の通りを真っ直ぐにぴちゃぴちゃ泥を

(はねあげながらかなすぎはしのほうまであるいてしまいました。あめはすんぶんのすきまもなく)

撥ね上げながら金杉橋の方まで歩いてしまいました。雨は寸分の隙間もなく

(てんちをとじこめ、わたしのからだをぜんごさゆうからほういして、かさからおちるあまだれが)

天地を閉じ込め、私の体を前後左右から包囲して、傘から落ちる雨だれが

(れいんこーとのかたをぬらします。ああ、あのざこねをしたばんもこんなあめだった。)

レインコートの肩を濡らします。ああ、あの雑魚寝をした晩もこんな雨だった。

(あのだいやもんど・かふええのてーぶるでなおみにはじめてじぶんのこころをうちあけた)

あのダイヤモンド・カフエエのテーブルでナオミに始めて自分の心を打ち明けた

(ばんも、はるではあったがやぱりこんなあめだった。と、わたしはそんなことを)

晩も、春ではあったがやぱりこんな雨だった。と、私はそんなことを

(おもいました。するとこんやも、じぶんがこうしてびしょぬれになってここを)

思いました。すると今夜も、自分がこうしてびしょ濡れになって此処を

(あるいてるさいちゅう、おおもりのいえにはだれかがきてやしないだろうか?またざこねじゃ)

歩いてる最中、大森の家には誰かが来てやしないだろうか?又雑魚寝じゃ

(ないだろうか?と、そういうぎぐがとつぜんうかんでくるのでした。)

ないだろうか?と、そう云う疑惧が突然浮かんで来るのでした。

(なおみをまんなかに、はまだやくまがいがぎょうぎのわるいいずまいで、ぺちゃくちゃじょうだんを)

ナオミをまん中に、浜田や熊谷が行儀の悪い居ずまいで、ぺちゃくちゃ冗談を

(いいあっているみだらなあとりえのこうけいが、まざまざとみえてくるのでした。)

云い合っている淫らなアトリエの光景が、まざまざと見えて来るのでした。

(「そうだ。おれはぐずぐずしているばあいじゃないんだ」)

「そうだ。己はぐずぐずしている場合じゃないんだ」

(そうおもうとわたしは、いそいでたまちのていしゃじょうへかけつけました。いっぷん、にふん、さんぷん)

そう思うと私は、急いで田町の停車場へ駆けつけました。一分、二分、三分

(・・・・・・・・・と、やっとさんぷんめにでんしゃがこましたが、わたしはかつてこんなに)

・・・・・・・・・と、やっと三分目に電車が来ましたが、私は嘗てこんなに

(ながいさんぷんかんをけいけんしたことがありませんでした。)

長い三分間を経験したことがありませんでした。

(なおみ、なおみ!おれはどうしてこんやかのじょをおきざりにしてきたのだろう。)

ナオミ、ナオミ!己はどうして今夜彼女を置き去りにして来たのだろう。

(なおみがそばにいないからいけないんだ、それがいちばんわるいことなんだ。わたしは)

ナオミが傍に居ないからいけないんだ、それが一番悪い事なんだ。私は

(なおみのかおさえみれば、このいらいらしたこころもちがいくらかすくわれるきがしました。)

ナオミの顔さえ見れば、このイライラした心持が幾らか救われる気がしました。

(かのじょのかったつなはなしごえをきき、つみのなさそうなひとみをみればぎねんがはれるで)

彼女の闊達な話声を聞き、罪のなさそうな瞳を見れば疑念が晴れるで

(あろうことをいのりました。)

あろうことを祈りました。

(が、それにしても、もしもかのじょがふたたびざこねをしようなどといいだしたら、)

が、それにしても、若しも彼女が再び雑魚寝をしようなどと云い出したら、

(じぶんはなんというべきだろうか?このあとじぶんは、かのじょにたいし、かのじょによりつく)

自分は何と云うべきだろうか?この後自分は、彼女に対し、彼女に寄りつく

(はまだやくまがやや、そのほかのうぞうむぞうにたいし、どんなたいどをとるべきだろうか?)

浜田や熊谷や、その他の有象無象に対し、どんな態度を執るべきだろうか?

(じぶんはかのじょのいかりをおかしても、かんぜんとしてかんとくをげんにすべきであろうか?それで)

自分は彼女の怒りを犯しても、敢然として監督を厳にすべきであろうか?それで

(かのじょがおとなしくじぶんにしょうふくすればいいが、はんこうしたらどうなるだろう?いや、)

彼女が大人しく自分に承服すればいいが、反抗したらどうなるだろう?いや、

(そんなことはない。「じぶんはこんやがいしゃのやつらにはなはだしいぶじょくをうけた。だから)

そんなことはない。「自分は今夜会社の奴等に甚だしい侮辱を受けた。だから

(おまえもせけんからごかいされないように、すこしこうどうをつつしんでおくれ」といえば、)

お前も世間から誤解されないように、少し行動を慎しんでおくれ」と云えば、

(ほかのばあいとはちがうから、かのじょじしんのめいよのためにも、おそらくいうことを)

外の場合とは違うから、彼女自身の名誉のためにも、恐らく云うことを

(きくであろう。もしそのめいよもごかいもかえりみないようなら、ただしくかのじょは)

聴くであろう。若しその名誉も誤解も顧みないようなら、正しく彼女は

(あやしいのだ。kのはなしはじじつなのだ。もし、・・・・・・・・・ああ、そんなことが)

怪しいのだ。Kの話は事実なのだ。若し、・・・・・・・・・ああ、そんな事が

(あったら・・・・・・・・・)

あったら・・・・・・・・・

(わたしはつとめてれいせいに、できるだけこころをおちつけて、このさいごのばあいを)

私は努めて冷静に、出来るだけ心を落ち着けて、この最後の場合を

(そうぞうしました。かのじょがわたしをあざむいていたことがあきらかになったとしたら、わたしは)

想像しました。彼女が私を欺いていたことが明かになったとしたら、私は

(かのじょをゆるせるだろうか?しょうじきのところ、すでにわたしはかのじょなしにはいちにちも)

彼女を許せるだろうか?正直のところ、既に私は彼女なしには一日も

(いきていかれません。かのじょがついらくしたつみのいっぱんはもちろんわたしにもあるのですから、)

生きて行かれません。彼女が墜落した罪の一半は勿論私にもあるのですから、

(なおみがすなおにぜんぴをくいてあやまってさえくれるなら、わたしはそれいじょうかのじょを)

ナオミが素直に前非を悔いて詫まってさえくれるなら、私はそれ以上彼女を

(せめたくはありませんし、せめるしかくもないのです。けれどもわたしのしんぱいなのは、)

責めたくはありませんし、責める資格もないのです。けれども私の心配なのは、

(あのごうじょうな、ことにわたしにたいしてはひとしおきょうこうになりたがるかのじょが、かりにしょうこを)

あの強情な、殊に私に対しては一と入強硬になりたがる彼女が、仮に証拠を

(つきつけたとしても、そうやすやすとわたしにあたまをさげるだろうかということでした。)

突きつけたとしても、そう易々と私に頭を下げるだろうかと云うことでした。

(たといいったんはさげたとしても、じつはすこしもかいしんしないで、こっちをあまく)

たとい一旦は下げたとしても、実は少しも改心しないで、此方を甘く

(みくびって、にどもさんどもおなじあやまちをくりかえすようになりはしないか?そして)

見くびって、二度も三度も同じ過を繰り返すようになりはしないか?そして

(けっきょく、おたがいのいじっばりからわかれるようになってしまったら?それが)

結局、お互の意地ッ張りから別れるようになってしまったら?それが

(わたしにはなによりおそろしいことでした。ろこつにいえばかのじょのていそうそのものよりも、)

私には何より恐ろしいことでした。露骨に云えば彼女の貞操その物よりも、

(ずっとこのほうがずつうのたねでした。かのじょをきゅうめいし、あるいはかんとくするにしても、)

ずっとこの方が頭痛の種でした。彼女を糺明し、或は監督するにしても、

(そのさいにしょするじぶんのはらをあらかじめきめておかなけりゃならない。「そんならあたし)

その際に処する自分の腹を予め決めて置かなけりゃならない。「そんならあたし

(でていくわよ」といわれたとき、「かってにでていけ」といえるだけの、かくごが)

出て行くわよ」と云われたとき、「勝手に出て行け」と云えるだけの、覚悟が

(できているならいいが。・・・・・・・・・)

出来ているならいいが。・・・・・・・・・

(しかしわたしは、このてんになるとなおみのほうにもおなじじゃくてんがあることを)

しかし私は、この点になるとナオミの方にも同じ弱点があることを

(しっていました。なぜならかのじょは、わたしといっしょにくらしてこそおもうぞんぶんのぜいたくが)

知っていました。なぜなら彼女は、私と一緒に暮らしてこそ思う存分の贅沢が

(できますけれども、ひとたびここをおいだされたら、あのむさくろしいせんぞくちょうの)

出来ますけれども、一と度此処を追い出されたら、あのむさくろしい千足町の

(いえよりほか、どこにみをおくばしょがあるでしょう。もうそうなれば、それこそ)

家より外、何処に身を置く場所があるでしょう。もうそうなれば、それこそ

(ほんとにばいしょうふにでもならないいじょう、だれもかのじょにちやほやいうものは)

ほんとに売笑婦にでもならない以上、誰も彼女にチヤホヤ云う者は

(なくなるでしょう。むかしはとにかく、わがままいっぱいにそだってしまったいまのかのじょの)

なくなるでしょう。昔はとにかく、我が儘一杯に育ってしまった今の彼女の

(きょえいしんでは、それはとうていしのびえないにきまっています。あるいははまだやくまがいなどが)

虚栄心では、それは到底忍び得ないに極まっています。或は浜田や熊谷などが

(ひきとるというかもしれませんが、がくせいのみで、わたしがさせておいたような)

引き取ると云うかも知れませんが、学生の身で、私がさせて置いたような

(えいようえいががさせられないのは、かのじょにもわかっているはずです。そうかんがえると、)

栄耀栄華がさせられないのは、彼女にも分っている筈です。そう考えると、

(わたしがかのじょにぜいたくのあじをおぼえさせたのはいいことでした。)

私が彼女に贅沢の味を覚えさせたのはいい事でした。

(そうだ、そういえばいつかえいごのじかんになおみがのーとをひきさいたとき、おれが)

そうだ、そう云えばいつか英語の時間にナオミがノートを引き裂いた時、己が

(いかって「でていけ」といったら、かのじょはこうさんしたじゃないか。あのときかのじょに)

怒って「出て行け」と云ったら、彼女は降参したじゃないか。あの時彼女に

(でていかれたらどんなにこまったかしれないのだが、おれがこまるよりかのじょのほうが)

出て行かれたらどんなに困ったか知れないのだが、己が困るより彼女の方が

(もっとこまるのだ。おれがあってのかのじょであって、おれのそばをはなれたがさいご、ふたたび)

もっと困るのだ。己があっての彼女であって、己の傍を離れたが最後、再び

(しゃかいのどんぞこへおちてこのよのしたづみになってしまう。それがかのじょにはよほど)

社会のどん底へ落ちてこの世の下積になってしまう。それが彼女には余程

(おそろしいにちがいないのだ。そのおそろしさはいまもあのときとかわりはあるまい。もはや)

恐ろしいに違いないのだ。その恐ろしさは今もあの時と変りはあるまい。もはや

(かのじょもこんさいはじゅうきゅうだ。としをとって、たしょうでもふんべつがついてきただけ、いっそうかのじょは)

彼女も今歳は十九だ。歳を取って、多少でも分別がついて来ただけ、一層彼女は

(それをはっきりとかんじるはずだ。そうだとすればまんいちおどかしに「でていく」と)

それをハッキリと感じる筈だ。そうだとすれば万一おどかしに「出て行く」と

(いうことはあっても、よもやほんきでじっこうすることはできなかろう。そんな)

云うことはあっても、よもや本気で実行することは出来なかろう。そんな

(みえすいたいかくでもって、おれがおどろくかおどろかないか、そのくらいなことは)

見え透いた威嚇で以て、己が驚くか驚かないか、そのくらいなことは

(わかっているだろう。・・・・・・・・・)

分っているだろう。・・・・・・・・・

(わたしはおおもりのえきへつくまでに、いくらかゆうきをとりかえしました。どんなことが)

私は大森の駅へ着くまでに、いくらか勇気を取り返しました。どんな事が

(あってもなおみとわたしとはわかれるようなうんめいにはならない、もうそれだけは)

あってもナオミと私とは別れるような運命にはならない、もうそれだけは

(きっとたしかだとおもえました。)

きっと確かだと思えました。

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