意味が分かると怖い話 幸せの丸い貝
意味が分かると怖い話シリーズ第一弾です。
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問題文
(とあるだいがくでにほんのみずしょうばいについてけんきゅうしているわたしは)
とある大学で日本の水商売について研究している私は、
(やすみをりようしてとうほくのうみぞいのどうろをあるいていた)
休みを利用して東北の海沿いの道路を歩いていた。
(どうろからかいだんがのびていてしたにはいわばがある)
道路から階段が伸びていて、下には岩場がある。
(ふとおりてみたそこにはひとりのしょうじょがいた)
ふと下りてみると、そこには、1人の少女がいた。
(しょうじょはいわばをなにかをさがすようにあるいていた)
少女は岩場を、何かを探すように歩いていた。
(なにかさがしているのですか)
「何か探しているのですか」
(わたしはこえをかけた)
私は声を掛けた。
(かいを)
「貝を」
(しょうじょはいった)
少女は言った。
(しあわせのまるいかいをさがしています)
「幸せの丸い貝を探しています」
(かいとはまたきみょうだ)
貝とはまた奇妙だ。
(それはきしょうでこうきゅうなかいなのかととえばちがうという)
それは希少で高級な貝なのかと問えば違うという。
(しょくようかととえば、たべるひともいるがという)
食用かと問えば、食べる人もいるが、と言う。
(となるとおそらくかいがらがひつようなのだろう)
となると、恐らく貝殻が必要なのだろう。
(まつりでひつようなのですとしょうじょはいう)
「祭で必要なのです」と少女は言う。
(つづけてしょうじょはいう)
続けて少女は言う。
(しあわせのまるいかいがないとまつりがだいなしになってしまうんです)
「幸せの丸い貝が無いと、祭が台無しになってしまうんです。」
(そのはなしにきょうみをもったわたしは)
その話に興味を持った私は
(まつりのことをしょうじょにきいてみたが)
祭のことを少女に聞いてみたが、
(しょうじょはよくわからないという)
少女はよくわからないという。
(しんぞくがくわしいというのでたのみこんでいえまであんないしてもらった)
親族が詳しいというので、頼み込んで家まで案内してもらった。
(しょうじょのいえはまさにまつりのぜんじつといったようすで)
少女の家はまさに祭りの前日といった様子で、
(つくなりたくさんのごちそうでかんげいされた)
着くなりたくさんのご馳走で歓迎された 。
(さけがはいっていたからだろう)
酒が入っていたからだろう。
(ろくにしつもんもせぬうちにわたしはねむってしまった)
ろくに質問もせぬうちに私は眠ってしまった。
(めをさますともうまつりははじまっていた)
目を覚ますと、もう祭りは始まっていた。
(しょうじょはいない)
少女はいない。
(わたしはいちばんちかくにいたひとにはなしかける)
私は一番近くにいた人に話し掛ける。
(しあわせのまるいかいはみつかったのですか)
「幸せの丸い貝は見つかったのですか」
(そのひとはこたえた)
その人は答えた。
(ああ、もうここにあるよ)
「ああ、もうここにあるよ」
(やがてまつりはかきょうにはいりわたしはしあわせのまるいかいがどんなものなのかりかいした)
やがて祭りは佳境に入り、私は幸せの丸い貝がどんなものなのか理解した。
(ああそれにしてもきみょうなふうしゅうじゃないか)
ああ、それにしても奇妙な風習じゃないか。