意味が分かると怖い話『強盗』

(「おい！かねをだせ」)

「おい！金を出せ」

(ぎんこうのまどぐちすわるわたしにむかい、おとこがひくいこえでそうささやく。)

銀行の窓口座る私に向かい、男が低い声でそうささやく。

(てにはけんじゅうらしきものがにぎられている。)

手には拳銃らしきものが握られている。

(しずかながら、そのおとこがかもしだすいあつかんは)

静かながら、その男が醸し出す威圧感は

(すぐにこうないちゅうにひろまった。)

すぐに行内中に広まった。

(ほかのこういんさんもりようきゃくさんも、しゅういのひとはきょうふにふるえている。)

他の行員さんも利用客さんも、周囲の人は恐怖に震えている。

(わたしもきょうふでふるえ、おとなしくしたがいおかねをさしでそうとする。)

私も恐怖で震え、おとなしく従いお金を差し出そうとする。

(そこに「やめろ！！」とこえをあげたひとがいた。)

そこに「やめろ！！」と声をあげた人がいた。

(ぜんしんくろずくめのせいねんである。かれはりようきゃくさんのなかからとびだしてきた。)

全身黒ずくめの青年である。彼は利用客さんの中からとびだしてきた。

(そのせいねんのてにもけんじゅうがにぎられている。)

その青年の手にも拳銃が握られている。

(「なんだおまえ？ていこうするのか？」)

「なんだお前？ていこうするのか？」

(「こんなことやめろ！うつぞ！」)

「こんなことやめろ！撃つぞ！」

(せいねんはごうとうにたちむかいそんなやりとりをしている。)

青年は強盗に立ち向かいそんなやり取りをしている。

(しかしごうとうはせいねんにむかってひきがねをひき、しょうねんはあっさりたおれてしまった。)

しかし強盗は青年に向かって引き金を引き、少年はあっさり倒れてしまった。

(しゅういからはひめいがあがる)

周囲からは悲鳴があがる。

(ごうとうもあわてたようすでそのままにげだしたが)

強盗も慌てた様子でそのまま逃げだしたが,

(まもなくしてけいさつかんらしきひとがなんにんかぎんこうにはいってきた)

まもなくして警察官らしき人が何人か銀行に入ってきた。

(おどろかせてすみません)

「驚かせてすみません。

(じつはこれごうとうがきたときをそうていしたぬきうちくんれんでしてね」)

実はこれ強盗が来た時を想定した抜き打ち訓練でしてね」

(そういったおとこのかおはたおれたせいねんをみてちのけをうしなっていた。)

そう言った男の顔は倒れた青年を見て血の気を失っていた。