片翼の鳥

(さいごのしんぱんはくだされてゆく)

最後の審判は下されてゆく

(からだをながれるちのげんざいからは)

体を流れる血の原罪からは

(だれものがれることはできない)

誰も逃れることはできない

(うみなりのしらべにくろくもはそらへつどう)

海鳴りの調べに　黒雲（くろくも）は空へ集う

(あらしをよぶかぜはたからかに)

嵐を呼ぶ風は　高らかに

(なぞめくことのはにまじょたちはふくみわらう)

謎めく言ノ葉に　魔女達は含み笑う

(いびつなよるのうたげはくりかえす)

歪な夜の宴は　繰り返す

(このねがいはつみですか？)

この願いは罪ですか？

(ならくへとおちたきんいろのちょうは)

奈落へと堕ちた　金色の蝶は

(いくつのつみにはねをぬらしてゆくの？)

幾つの罪に　翅（はね）を濡らしてゆくの？

(なかないでとらわれたげんそうをこわし)

なかないで　囚われた幻想を壊し

(いちどきりのしゅうえんをあげよう)

一度きりの終焉をあげよう

(はたせないやくそくはむねのおくこげついて)

果たせない約束は　胸の奥　焦げ付いて

(あかくあかくはぜてくよねぇ)

赤く赤く　爆ぜてくよ　ねぇ

(あなたにつみはありませんか？)

あなたに罪はありませんか？

(わたしのつみはどれくらいですか？)

私の罪はどれ位ですか？

(こえなきこえにきづきましたか？)

声なき声に気付きましたか？

(あなたのつみにきづきましたか？)

あなたの罪に気付きましたか？

(いえないきずぐちはくれないのばらのように)

癒えない疵口（きずぐち）は　紅の薔薇のように

(にくしみやどるこころにはなひらく)

憎しみ宿る心に　花開く

(このひみつはつみですか？)

この秘密は罪ですか？

(つばさうばわれたかたはねのとりは)

翼奪われた　片羽（かたはね）の鳥は

(さいごのときにだれのなまえをよぶの？)

最期の瞬間（とき）に　誰の名前を呼ぶの？

(にげないであやまちもしんじつもうそも)

にげないで　過ちも真実も嘘も

(すべてゆるすまほうへとかえよう)

全て赦（ゆる）す　魔法へと変えよう

(おそすぎたこたえさえいとおしくてかなしくて)

遅すぎた　答えさえ愛おしくて哀しくて

(つよくつよくだきしめればほら)

強く強く　抱きしめれば　ほら

(まばゆいひかりあふれらくえんのとびらはひらかれる)

眩い光溢れ　楽園の扉は開かれる

(かたくななうんめいにきせきがふりそそぎ)

頑なな運命に　奇跡が降り注ぎ

(からみあうせかいはくずれおちてゆく)

絡み合う世界は　崩れ落ちてゆく

(いわないでえいえんのじゅばくのことばを)

いわないで　永遠の呪縛の言葉を

(きかないでほんとうのねがいを)

きかないで　本当の願いを

(なかないでとらわれたげんそうをこわし)

なかないで　囚われた幻想を壊し

(いちどきりのしゅうえんをあげよう)

一度きりの終焉をあげよう

(はたせないやくそくはむねのおくこげついて)

果たせない約束は　胸の奥　焦げ付いて

(あかくあかくはぜてくよねぇ)

赤く赤く　爆ぜてくよ　ねぇ

(すべてのあいにきづかなければ)

全ての愛に気付かなければ

(ほんとうのひみつはみえない)

本当の秘密は視（み）えない