盗まれた手紙 - 1 ポオ

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原作:エドガー・アラン・ポオ 訳:佐々木直次郎
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1 Neil 6549 S+ 6.9 94.2% 361.7 2524 155 52 2024/10/07

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問題文

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(ぱりで、せんはっぴゃく--ねんのあきのあるかぜのふきすさぶばん、くらくなってまもなく、)

パリで、一八--年の秋の或る風の吹き荒ぶ晩、暗くなって間もなく、

(わたしはゆうじんcおーぎゅすとでゅぱんといっしょに、)

私は友人C・オーギュスト・デュパンと一緒に、

(ふぉーぶーるさんじぇるまんのでゅのーがいさんじゅうさんばんちよんかいにある)

フォーブールサン・ジェルマンのデュノー街三十三番地四階にある

(かれのちいさなうらむきのとしょしつ、つまりしょさいで、)

彼の小さな裏向きの図書室、つまり書斎で、

(もくそうとかいほうせきのぱいぷとのにじゅうのかいらくにふけっていた。)

黙想と海泡石のパイプとの二重の快楽に耽っていた。

(すくなくともいちじかんというものは、われわれはふかいちんもくをつづけていた。)

少なくとも一時間というものは、我々は深い沈黙を続けていた。

(そしてだれかがひょっとみたら、ふたりとも、)

そして誰かがひょっと見たら、二人とも、

(へやじゅうにもうもうとたちこめたたばこのけむりがくるくるとうずまくのに、)

部屋中に濛々と立ち込めた煙草の煙がくるくると渦巻くのに、

(すっかりこころをうばわれているようにみえたかもしれない。)

すっかり心を奪われている様に見えたかもしれない。

(しかし、わたしじしんは、そのばんのはやいころわれわれのわだいになっていた)

然し、私自身は、その晩の早い頃我々の話題になっていた

(あるだいもくのことを、こころのなかでかんがえていたのだった。)

或る題目のことを、心の中で考えていたのだった。

(というのは、あのもるぐがいのじけんと、)

というのは、あのモルグ街の事件と、

(まりーろじぇえごろしのかいじけんのことなのである。)

マリー・ロジェエ殺しの怪事件のことなのである。

(だから、へやのとびらがひらいて、)

だから、部屋の扉が開いて、

(われわれのふるなじみのぱりのけいしそうかんg--しがはいってきたとき、)

我々の古馴染のパリの警視総監G--氏が入って来たとき、

(わたしにはそれがなにかあんごうのようにおもわれたのであった。)

私にはそれが何か暗合の様に思われたのであった。

(われわれはこころからかれをかんげいした。)

我々は心から彼を歓迎した。

(このおとこにはけいべつしたいところもあるがおもしろいところもあったし、)

この男には軽蔑したい所もあるが面白い所もあったし、

(それにわれわれはここすうねんかん、かれにあわなかったからである。)

それに我々はここ数年間、彼に会わなかったからである。

(ふたりはそれまでくらいところにすわっていたので、)

二人はそれまで暗い所に坐っていたので、

など

(でゅぱんはすぐらんぷをつけようとしてたちあがったが、)

デュパンは直ぐランプを点けようとして立ち上がったが、

(gがあるひじょうにこまっているこうむについて、)

Gが或る非常に困っている公務について、

(われわれにそうだんに、というよりもわたしのとものいけんをききにきたのだというと、)

我々に相談に、というよりも私の友の意見を訊きに来たのだと言うと、

(でゅぱんはそのままふたたびこしをおろした。)

デュパンはそのまま再び腰を下ろした。

(「もしなにかよくかんがえるひつようのあることなら、)

「若し何かよく考える必要のあることなら、

(くらやみのなかでかんがえたほうがいいでしょう」)

暗闇の中で考えた方がいいでしょう」

(とかれはとうしんにひをつけるのをよして、いった。)

と彼は灯心に火を点けるのをよして、言った。

(「またきみのきみょうなかんがえですな」とそうかんがいった。)

「また君の奇妙な考えですな」と総監が言った。

(かれはじぶんのわからないことはなんでもみんな「きみょうな」というくせなので、)

彼は自分の分からないことは何でもみんな『奇妙な』という癖なので、

(まったく「きみょうなこと」だらけのまんなかにいきているのだった。)

全く『奇妙なこと』だらけの真ん中に生きているのだった。

(「いかにも、そのとおり」とでゅぱんはいって、きゃくにたばこをすすめ、)

「いかにも、その通り」とデュパンは言って、客に煙草を勧め、

(すわりごこちのよいいすをかれのほうへおしやった。)

坐り心地のよい椅子を彼の方へ押しやった。

(「ところでこんどのめんどうなことというのはなんですか?」とわたしがたずねた。)

「ところで今度の面倒なことというのは何ですか?」と私が尋ねた。

(「さつじんじけんなんぞはもうごめんこうむりたいものですな」)

「殺人事件何ぞはもう御免蒙りたいものですな」

(「いやいや、そんなものじゃないんだ。)

「いやいや、そんなものじゃないんだ。

(じつは、ことがらはいたってたんじゅんなので、)

実は、事柄は至って単純なので、

(われわれだけでじゅうぶんうまくやってゆけるとはおもうんだが、)

我々だけで十分上手くやってゆけるとは思うんだが、

(でもでゅぱんくんがきっとそのくわしいことをききたがるだろうとおもったんでね。)

でもデュパン君がきっとその詳しいことを聞きたがるだろうと思ったんでね。

(なにしろとてもきみょうなことなんだから」)

何しろとても奇妙なことなんだから」

(「たんじゅんできみょう、か」とでゅぱんがいった。)

「単純で奇妙、か」とデュパンが言った。

(「うむ、さよう。で、またどちらとも、そのとおりでもないので。)

「うむ、左様。で、またどちらとも、その通りでもないので。

(じつは、じけんはじつにたんじゅんなんだが、しかもわれわれをまったくまよわせるので、)

実は、事件は実に単純なんだが、然も我々を全く迷わせるので、

(ひどくまいっているしまつなんだ」)

酷く参っている始末なんだ」

(「じゃ、たぶん、ことがらがあまりたんじゅんなので、それがかえって、)

「じゃ、多分、事柄があまり単純なので、それが却って、

(あなたがたをとうわくさせているんだな」とともがいった。)

あなた方を当惑させているんだな」と友が言った。

(「ばかをいっちゃいかん!」と、そうかんはこころからわらいながらこたえた。)

「馬鹿を言っちゃいかん!」と、総監は心から笑いながら答えた。

(「きっと、そのなぞはちと、はっきりしすぎるかな」と、でゅぱんがいった。)

「きっと、その謎はちと、はっきりし過ぎるかな」と、デュパンが言った。

(「おやおや!そんなかんがえってあるもんかね?」)

「おやおや! そんな考えってあるもんかね?」

(「しょうしょうわかりきっていすぎるんだよ」)

「少々分かり切ってい過ぎるんだよ」

(「は、は、は!--は、は、は!--ほ、ほ、ほ!」)

「は、は、は! --は、は、は! --ほ、ほ、ほ!」

(ときゃくはたいそうおもしろがっておおわらいした。)

と客は大層面白がって大笑いした。

(「おお、でゅぱんくん、こうわらわされちゃたすからんよ!」)

「おお、デュパン君、こう笑わされちゃ助からんよ!」

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