第50回ビジネス文書実務検定試験

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問題文

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(いまのにほんは、いくつかのおおきなもんだいをかかえている。)

今の日本は、いくつかの大きな問題を抱えている。

(そのなかには、65さいいじょうのじんこうがふえつづけているとともに、)

その中には、65歳以上の人口が増え続けていると共に、

(うまれてくるこどものかずがすくないことがある。)

生まれてくる子供の数が少ないことがある。

(このことは、しょうしこうれいかとよばれており、にほんのしょうらいを)

このことは、少子高齢化と呼ばれており、日本の将来を

(ふあんにさせるよういんのひとつだ。)

不安にさせる要因の一つだ。

(また、へいせい25ねんにじっししたこくせいちょうさによると、)

また、平成25年に実施した国勢調査によると、

(4ねんれんぞくでじんこうがげんしょうしている。)

4年連続で人口が減少している。

(15さいから64さいのせいさんねんれいじんこうについては、)

15歳から64歳の生産年齢人口については、

(ついに8せんまんにんをわりこんでしまった。)

ついに8千万人を割り込んでしまった。

(このじょうきょうのままでは、ろうどうしゃのかずがふそくするというしんこくなでーたもある。)

この状況のままでは、労働者の数が不足するという深刻なデータもある。

(さらに、10ねんごには、こくみんのほぼ3わりが)

さらに、10年後には、国民のほぼ3割が

(65さいいじょうになるというでーたがある。)

65歳以上になるというデータがある。

(このじょうきょうでは、わかいせだいのしゃかいほしょうへの)

この状況では、若い世代の社会保障への

(ふたんがふえてしまうとけねんされている。)

負担が増えてしまうと懸念されている。

(このたいさくとして、こそだてしえんやほごさーびすのきょうかなどをじっししてきたが、)

この対策として、子育て支援や保護サービスの強化などを実施してきたが、

(しゅっせいりつのじょうしょうにはむすびついていない。)

出生率の上昇には結びついていない。

(このままでは、こくないそうせいさん(gdp)がのびないとしんぱいするこえもある。)

このままでは、国内総生産(GDP)が伸びないと心配する声もある。

(にほんがじっししたたいさくがしんとうしないよういんには、)

日本が実施した対策が浸透しない要因には、

(しゅっさんやいくじとしごとのりょうりつがたいへんこんなんであることがあげられる。)

出産や育児と仕事の両立が大変困難であることが挙げられる。

(くにがおこなったあるちょうさによると、しゅっさんまえのゆうしょくじょせいはやく7わりであった。)

国が行ったある調査によると、出産前の有職女性は約7割であった。

など

(そのなかでしゅっさんごもしゅうぎょうしているわりあいはやく3わりだった。)

その中で出産後も就業している割合は約3割だった。

(また、たいしょくしたりゆうについては、かじやいくじにせんねんするためにという)

また、退職した理由については、家事や育児に専念するためにという

(こたえが、やく4わりでいちばんおおいけっかとなった。)

答えが、約4割で一番多い結果となった。

(はたらくいしはあるのにはたらけないじじょうや、)

働く意志はあるのに働けない事情や、

(げんざいのせいかつれべるをいじするためには、にんしんやしゅっさんを)

現在の生活レベルを維持するためには、妊娠や出産を

(あきらめなければならないじょうきょうがすうちにあらわれている。)

諦めなければならない状況が数値に表れている。

(しかし、しゃかいじんとしてはたらいたたいけんやしゅっさん、いくじをけいけんしたじょせいには、)

しかし、社会人として働いた体験や出産、育児を経験した女性には、

(ゆうのうなひともおおくそんざいする。)

有能な人も多く存在する。

(これまでのけいけんをとおして、にんげんかんけいをりょうこうにきずくちからや、)

これまでの経験を通して、人間関係を良好に築く力や、

(ふくすうのしごとをどうじにてぎわよくしょりするのうりょくを、みにつけているからだ。)

複数の仕事を同時に手際よく処理する能力を、身につけているからだ。

(はたらくことへのいよくやさまざまなのうりょくについては、しにあせだいもおなじである。)

働くことへの意欲やさまざまな能力については、シニア世代も同じである。

(60さいいじょうのだんじょをたいしょうにくにがおこなったちょうさによると、)

60歳以上の男女を対象に国が行った調査によると、

(やく4わりものひとがはたらけるうちははたらきつづけたいとこたえている。)

約4割もの人が働けるうちは働き続けたいと答えている。

(このすうちから、しにあせだいのろうどういよくのたかさがわかる。)

この数値から、シニア世代の労働意欲の高さがわかる。

(さらに、このせだいは、しゃかいでのながいけいけんからちくせきされた、)

さらに、この世代は、社会での長い経験から蓄積された、

(もんだいかいけつのうりょくやしょくぎょうにかんするのうりょくをみにつけていることがおおい。)

問題解決能力や職業に関する能力を身につけていることが多い。

(ところが、しゅっさんごのじょせいやしにあせだいのとって、)

ところが、出産後の女性やシニア世代のとって、

(いままでのしゅうぎょうのけいけんやのうりょくがかつようされるきかいはたいへんすくない。)

今までの就業の経験や能力が活用される機会は大変少ない。

(しゅっさんまえやていねんまえとはちがい、しゅうぎょうするさいに)

出産前や定年前とは違い、就業する際に

(さまざまなせいやくがそんざいするからだ。)

さまざまな制約が存在するからだ。

(たとえば、しゅっさんごのじょせいはかじやいくじとしごとをりょうりつするために、)

例えば、出産後の女性は家事や育児と仕事を両立するために、

(じかんてきなせいやくがある。)

時間的な制約がある。

(また、こどものびょうきやがっこうぎょうじできゅうかをととくするばあいなど、)

また、子供の病気や学校行事で休暇を取得する場合など、

(きんむさきにこころよくきょかがもらえるかふあんにかんじている。)

勤務先に快く許可がもらえるか不安に感じている。

(しにあせだいもたいりょくてきなめんでちょうじかんろうどうがむずかしく、ろうどうじかんにせいやくがある。)

シニア世代も体力的な面で長時間労働が難しく、労働時間に制約がある。

(さらに、ていねんごのじぶんでも、わかいひとのなかで)

さらに、定年後の自分でも、若い人の中で

(じゅうぶんにせんりょくとしてはたらけるのか、めんたるなめんでのふあんもある。)

十分に戦力として働けるのか、メンタルな面での不安もある。

(せいさんねんれいじんこうがへりつづけているもんだいのだかいさくとして、)

生産年齢人口が減り続けている問題の打開策として、

(さまざまなせいやくやふあんをかかえてしゅうぎょうにふみきれないひとが、)

さまざまな制約や不安を抱えて就業に踏み切れない人が、

(なにもしんぱいしないでしゅうぎょうできるかんきょうをつくることがひつようである。)

何も心配しないで就業できる環境を作ることが必要である。

(いまできるさいぜんのさくは、のうりょくのたかい)

今できる最善の策は、能力の高い

(しゅっさんごのじょせいやしにあせだいのひとをしゅうぎょうへみちびくことだ。)

出産後の女性やシニア世代の人を就業へ導くことだ。

(そこでにほんでも、わーくしぇありんぐとよばれる)

そこで日本でも、ワークシェアリングと呼ばれる

(しゅうぎょうけいたいのどうにゅうがはじまった。)

就業形態の導入が始まった。

(このしゅうぎょうけいたいは、いままでひとりでたんとうしていたしごとを、)

この就業形態は、今まで一人で担当していた仕事を、

(ふくすうのひとでわけあうことでしゅうぎょうしゃのかずをふやすとともに、)

複数の人で分け合うことで就業者の数を増やすとともに、

(ろうどうじかんをたんしゅくすることがもくてきである。)

労働時間を短縮することが目的である。

(たんじかんでのしゅうぎょうをきぼうしているしゅっさんごのじょせいやしにあせだいにとっては、)

短時間での就業を希望している出産後の女性やシニア世代にとっては、

(はたらきやすいかんきょうだ。)

働きやすい環境だ。

(このしゅうぎょうけいたいがていちゃくすれば、こんごのろうどうしじょうも)

この就業形態が定着すれば、今後の労働市場も

(かっきづくときたいされている。)

活気づくと期待されている。

(しかし、しゅうぎょうしゃのかぞくがびょうきになるなど、もんだいがはっせいしたばあいには、)

しかし、就業者の家族が病気になるなど、問題が発生した場合には、

(こようしゃがわがさいどしごとやしゅうぎょうしゃのへんこうをおこなわなければならない。)

雇用者側が再度仕事や就業者の変更を行わなければならない。

(このふたんが、どうにゅうへのさいだいのかだいだといわれている。)

この負担が、導入への最大の課題だと言われている。

(また、しゅうぎょうしゃはこじんたんいでしごとをたんとうすることがおおく、)

また、就業者は個人単位で仕事を担当することが多く、

(してきなりゆうできゅうかをとることがひじょうにむずかしい。)

私的な理由で休暇を取ることが非常に難しい。

(このようにどうにゅうへはふくすうのしょうへきがあり、しんとうしていないのがげんじょうである。)

このように導入へは複数の障壁があり、浸透していないのが現状である。

(このようなじょうきょうのなかでちゅうもくされているのが、)

このような状況の中で注目されているのが、

(こらぼわーくというしゅうぎょうたいけいだ。)

コラボワークという就業体系だ。

(わーくしぇありんぐとおおきくちがうてんは、こじんではなくふくすうのひとでちーむを)

ワークシェアリングと大きく違う点は、個人ではなく複数の人でチームを

(へんせいし、1つのしごとをたんとうすることである。)

編成し、1つの仕事を担当することである。

(さらに、しゅうぎょうしゃがきゅうなきゅうかをととくしても、)

さらに、就業者が急な休暇を取得しても、

(こようしゃがわはしごとやたんとうしゃのちょうせいはおこなわない。)

雇用者側は仕事や担当者の調整は行わない。

(ちーむないでたすけあうことで、ちょうせいしてかいけつする。)

チーム内で助け合うことで、調整して解決する。

(このそうごふじょのかんけいは、さまざまなせいやくをかかえる)

この相互扶助の関係は、様々な制約を抱える

(しゅっさんごのじょせいやしにあせだいにとって、ひじょうにはたらきやすいかんきょうだ。)

出産後の女性やシニア世代にとって、非常に働きやすい環境だ。

(もちろん、こようしゃがわにもみりょくてきなめりっとがある。)

もちろん、雇用者側にも魅力的なメリットがある。

(しゅうぎょうしゃがしごとりょうとないようをせんたくするので、)

就業者が仕事量と内容を選択するので、

(しごとをわりふるひつようがなくなる。)

仕事を割り振る必要がなくなる。

(あるひえいりがたかぶしきがいしゃは、こらぼわーくをとりいれている。)

ある非営利型株式会社は、コラボワークを取り入れている。

(このかいしゃのおもなぎょうむは、でーたにゅうりょくなどだ。)

この会社の主な業務は、データ入力などだ。

(まず、ぎょうむをじゅちゅうしたら、ねっとじょうでしゅうぎょうきぼうしゃをつのる。)

まず、業務を受注したら、ネット上で就業希望者を募る。

(それをみたきぼうしゃは、じぶんでたんとうできるはんいの)

それを見た希望者は、自分で担当できる範囲の

(しごとりょうとないようをとうろくする。)

仕事量と内容を登録する。

(とうろくしゃがぼしゅうしたていいんにたっすると、ちーむがかんせいとなる。)

登録者が募集した定員に達すると、チームが完成となる。

(このちーむぜんいんでせきにんをもって、さいごまでしごとをたんとうする。)

このチーム全員で責任を持って、最後まで仕事を担当する。

(きゅうなしゅうぎょうしゃのしじょうきゅうかには、ちーむないでしごとのわりふりなどのみなおしをおこない、)

急な就業者の市場休暇には、チーム内で仕事の割り振りなどの見直しを行い、

(しゅうぎょうしゃどうしでたすけあってちょうせいをしている。)

就業者同士で助け合って調整をしている。

(みやぎけんのあるのうかでも、このしゅうぎょうたいけいをとりいれている。)

宮城県のある農家でも、この就業体系を取り入れている。

(のうかでは、きくのはなのさいばいからはなたばづくりまでのしゅうぎょうきぼうしゃをつのり、)

農家では、菊の花の栽培から花束作りまでの就業希望者を募り、

(ちーむをへんせいする。)

チームを編成する。

(きんりんのひとがしゅうぎょうしゃにおおいこともあり、)

近隣の人が就業者に多いこともあり、

(ちょうないになかまがふえるなどのたのしみもある。)

町内に仲間が増えるなどの楽しみもある。

(このきんりんのひとがたすけあうそうごふじょのしくみは、)

この近隣の人が助け合う相互扶助の仕組みは、

(むかしながらのにほんでみられるきょうぎょうのはってんがただ。)

昔ながらの日本で見られる協業の発展型だ。

(にほんではしゅうぎょうたいけいをみなおしながら、じんざいかつようについてかんがえなおすじきにきている。)

日本では就業体系を見直しながら、人材活用について考え直す時期に来ている。

(さいきんではこらぼわーくのように、さまざまなせいやくをかかえるひとでも)

最近ではコラボワークのように、様々な制約を抱える人でも

(はたらきやすいしゅうぎょうたいけいがためされている。)

働きやすい就業体系が試されている。

(さらに、こようしゃがわでは、せいさんねんれいじんこうがへりつづけるじょうきょうのなかで、)

さらに、雇用者側では、生産年齢人口が減り続ける状況の中で、

(いよおくものうりょくもかねそなえたじんざいをいかにかくほするかがかだいだ。)

いよおくも能力も兼ね備えた人材をいかに確保するかが課題だ。

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