未 -2-

cicciさんのアカウント
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 7256 | 光 | 7.4 | 98.0% | 372.9 | 2762 | 56 | 58 | 2025/10/09 |
2 | りく | 6130 | A++ | 6.3 | 97.0% | 447.9 | 2832 | 86 | 58 | 2025/10/05 |
3 | Jyo | 5608 | A | 5.7 | 97.3% | 479.1 | 2762 | 75 | 58 | 2025/10/04 |
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問題文
(いや、みつめているのはぼくのてもとだ。つまりすーぱーのふくろである。)
いや、見つめているのは僕の手元だ。つまりスーパーの袋である。
(「ころっけがたいりょうにやすうりしてたので、いっしょにどうですか」)
「コロッケが大量に安売りしてたので、一緒にどうですか」
(というと、はいれとばかりにあごをかるくふる。)
と言うと、入れとばかりに顎を軽く振る。
(へやにあがらせてもらうと、こたつぶとんにひとがたのくうどうができている。)
部屋に上がらせてもらうと、炬燵布団に人型の空洞が出来ている。
(そのむかいにこしをおろしてあしをいれ、ふくろからころっけのぱっくをとりだす。)
その向かいに腰を下ろして足を入れ、袋からコロッケのパックを取り出す。
(ししょうはだいどころからこぶりのなべをもってきて、「あまざけだ」と)
師匠は台所から小ぶりの鍋を持って来て、「甘酒だ」と
(こたつのてーぶるのうえにおいた。)
炬燵のテーブルの上に置いた。
(なべのなかにはしろくてどろどろしたものがほのかにゆげをたてている。)
鍋の中には白くてどろどろしたものがほのかに湯気を立てている。
(しょうがのかおりがした。)
生姜の香りがした。
(おわんにとりわけてくれたそれを、ころっけをかじるあいまにすする。)
お椀にとりわけてくれたそれを、コロッケを齧る合間に啜る。
(ここすうじつでめっきりふゆらしくなったものだ。)
ここ数日でめっきり冬らしくなったものだ。
(あさがた、ろじょうにとまっていたくるまのふろんとがらすに)
朝方、路上に停まっていた車のフロントガラスに
(しもがおりていたことをおもいだす。)
霜が降りていたことを思い出す。
(「こっちがふつうので、こっちがかぼちゃ、こっちがくりーむころっけです」)
「こっちが普通ので、こっちがカボチャ、こっちがクリームコロッケです」
(かぼちゃころっけにてをのばすししょうをよこめに、)
カボチャコロッケに手を伸ばす師匠を横目に、
(ゆかにちらばっているざっしをてにとり、みるともなしにぱらぱらとぺーじをめくる。)
床に散らばっている雑誌を手に取り、見るともなしにパラパラとページを捲る。
(くりすます、どうするんですか?)
クリスマス、どうするんですか?
(それをなかなかくちにだせないまま、とくにかいわらしいかいわもなく)
それをなかなか口に出せないまま、特に会話らしい会話もなく
(おだやかなじかんがすぎていく。)
穏やかな時間が過ぎて行く。
(ころっけをみっつたいらげたししょうはあまざけをかたづけ、)
コロッケを三つ平らげた師匠は甘酒を片付け、
(ふんふんとはなうたをかなでながらてーぶるにむかってなにかをかきはじめた。)
ふんふんと鼻歌を奏でながらテーブルに向かって何かを書き始めた。
(きになったのでくびをのばしてのぞきこむと、ねんがじょうのようだ。)
気になったので首を伸ばして覗き込むと、年賀状のようだ。
(まんねんひつでかかれたしんねんのあいさつのよこにかわいらしいへびのえがみえた。)
万年筆で書かれた新年の挨拶の横にかわいらしいヘビの絵が見えた。
(らいねんはみどしだっただろうかといっしゅんかんがえたが、そんなはずはなかった。)
来年は巳年だっただろうかと一瞬考えたが、そんなはずはなかった。
(「そのへびはなんですか?」)
「そのヘビはなんですか?」
(「うん?このこはかなへびちゃんだ」)
「うん?この子はカナヘビちゃんだ」
(かおをあげず、ししょうはぺんをうごかしながらこたえる。)
顔を上げず、師匠はペンを動かしながら答える。
(どうやらえとをあらわすどうぶつではなく、じぶんのしょめいかわりのきゃらくたーらしい。)
どうやら干支を表す動物ではなく、自分の署名代わりのキャラクターらしい。
(かなこというなまえとかけているのか。)
加奈子という名前と掛けているのか。
(そういえばばいとさきのこうしんじょでも、かのじょがさくせいしたほうこくしょのはしに)
そういえばバイト先の興信所でも、彼女が作成した報告書の端に
(こんなへびのえをみたことがあったきがする。)
こんなヘビの絵を見たことがあった気がする。
(にっこりわらったへびが、ふたまたにわかれたしたをちろちろさせながら)
にっこり笑ったヘビが、二又に分かれた舌をチロチロさせながら
(みえにとぐろをまいているえだ。)
三重にトグロを巻いている絵だ。
(「かなへびちゃんですか」)
「カナヘビちゃんですか」
(「そう」)
「そう」
(いちまいかきおえて、ししょうはつぎのあてながきにうつる。)
一枚書き終えて、師匠は次の宛名書きに移る。
(「でもかなへびって、とかげのなかまじゃなかったですか」)
「でもカナヘビって、トカゲの仲間じゃなかったですか」
(ふとわいたぎもんをくちにすると「え?」とししょうがはじめてかおをあげた。)
ふと沸いた疑問を口にすると「え?」と師匠が初めて顔を上げた。
(「へびだろう」)
「ヘビだろう」
(「いや、へびってついてますけど、たしかとかげだったような・・・・・)
「いや、ヘビって付いてますけど、確かトカゲだったような・・・・・
(あしもあったはずですよ」)
足もあったはずですよ」
(うろおぼえだが、なんとなくじしんがあったのでいいはってみる。)
うろ覚えだが、なんとなく自信があったので言い張ってみる。
(ししょうはなっとくいかないひょうじょうでじぶんのかいたえをみつめている。)
師匠は納得いかない表情で自分の描いた絵を見つめている。
(なんだか「きくらげ」はくらげなのかかいそうなのかで)
なんだか「キクラゲ」はクラゲなのか海藻なのかで
(いいあらそいをしたことをおもいだしてしまった。)
言い争いをしたことを思い出してしまった。
(そのときはしょうしゃのいないたたかいだったが、こんどはどうだろうか。)
その時は勝者のいない戦いだったが、今度はどうだろうか。
(「かなへびがとかげぇ?」とはなでわらいながらつぶやくししょうに、)
「カナヘビがトカゲぇ?」と鼻で笑いながら呟く師匠に、
(ぼくは「たしかめてみましょうか」といってたちあがる。)
僕は「確かめてみましょうか」と言って立ち上がる。
(げんかんにむかい、くつをつっかけてそとにでると、つめたいかぜがかおにふきつけてきた。)
玄関に向かい、靴をつっかけて外に出ると、冷たい風が顔に吹きつけてきた。
(しんたいをちぢめてこばしりにあぱーとのみぎどなりのへやのまえまでいく。)
身体を縮めて小走りにアパートの右隣の部屋の前まで行く。
(どあをのっくすると、「はい」というこえとともにへやのあるじがかおをのぞかせる。)
ドアをノックすると、「はい」という声とともに部屋の主が顔を覗かせる。
(たまごのようにつるんとしたかおに、ほそいめとひくいはな、)
卵のようにつるんとした顔に、細い目と低い鼻、
(そしてうすいくちびるがのっかっている。こやまだかなかやまだかおおやまだかわすれたが、)
そして薄い唇が乗っかっている。小山だか中山だか大山だか忘れたが、
(たしかそんなかんじのなまえのひとだった。)
確かそんな感じの名前の人だった。
(「どうしました」)
「どうしました」
(「ひゃっかじてんをかしてくれませんか」)
「百科事典を貸してくれませんか」
(このししょうのあぱーとのりんじんはふだんなにをしているひとなのかさっぱり)
この師匠のアパートの隣人は普段なにをしている人なのかさっぱり
(わからないが、しばしばししょうのへやにたべものをたかりにきたりしていた。)
わからないが、しばしば師匠の部屋に食べ物をたかりに来たりしていた。