死せる者達の物語

(たびびとよおまえのせにはくろきやみしがまとう)

旅人よ　お前の背には　黒き闇　死が纏う

(のこされたきせつもしらずかぜよいずこへとふくのか？)

残された　季節も知らず　風よ　何処へと吹くのか？

(うんめいよおまえのてにはしろきいとねにゆられ)

運命よ　お前の手には　白き糸　音に揺られ

(つむがれたゆえんもしらずわれはなにゆえにゆくのか)

紡がれた　所以も知らず　我は　何故に征くのか

(おおあるかでぃあはるけきおもかげ)

嗚於…　懐かしき故郷よ　遥けき面影

(あのりょうせんはいまももえている)

あの稜線は　今も燃えている

(あきがめぐればいーずまたふたりおもいだすのでしょう)

秋が廻れば　兄弟また双り　憶い出すのでしょう

(ゆうひにひそむやみがいまもあかくむねをえぐる)

夕陽に潜む闇が　今も　紅く胸を抉る

(ああそらよひとははなににしたがうべきでなにをさがすべきなのか？)

嗚呼…茜空よ　人間は何に従うべきで　何を探すべきなのか？

(せなかできいていたりすもすいまでもおぼえてるめろす)

背中で聴いていた鼓動　今でも憶えてる旋律

(よくにたほしをだいてるきみをいつもそばにかんじてる)

よく似た星を抱いてる　君を何時も傍に感じてる

(さよならいってないだろまたぼくらはであえるから)

「さよなら」言ってないだろ　また僕らは出逢えるから

(どこかでほしをみてるきみをいまもそばにかんじてる)

何処かで双星を見てる　君を現在も傍に感じてる

(なきむしだったあぜるふぉす)

泣き虫だった兄

(おてんばだったあぜるふぃー)

お転婆だった妹

(てをのばしつかんだはずのほうせきはてのひらからこぼれおちるものばかり)

手を伸ばし掴んだはずの宝石は　掌から零れ落ちるものばかり

(うばいあいにくみあいちをながしつづけるのかいくさにあけくれるせかいよ)

奪い合い　憎み合い　血を流し続けるのか　戦に明け暮れる世界よ

(われらはいまなにとたたかうべきでなにをまもるべきか)

我等は今　何と戦うべきで　何を守るべきか

(ああそらよひとはなにをおそれるべきでなにをあいすべきなのか？)

嗚呼…星空よ　人間は何を畏れるべきで　何を愛すべきなのか？

(ほろびへむかうひかりよすべてのしすべきものたちよ)

滅びへ向かう光よ　全ての死すべき者達よ

(おおともよひとはなにをはぐくむべきでなにをのこすべきなのか？)

嗚於…同胞よ　人間は何を育むべきで　何を遺すべきなのか？

(いずれれきしはかたるだろうしせるものたちのものがたりを)

いずれ歴史は語るだろう【死せる者達の物語】を…