パスト

(じんせいとかしらないとおくにおいやって)

人生とか知らない遠くに追いやって

(やりたいことだけおいてみえないように)

やりたい事だけ置いて見えないように

(にゅーすうきめはなすさんじょうしょうどうで)

ニュース憂き目話す惨状衝動で

(でんげんぼたんおしていた)

電源ボタン押していた

(ぜんぶうまくいったらぜんぶうたいおわったら)

全部上手くいったら　全部歌い終わったら

(ふとせかいがしろくからっぽになって)

ふと世界が白く空っぽになって

(つったってるぼくがいる)

突っ立ってる僕がいる

(げんしつうもないから)

幻肢痛もないから

(おわったものはしかいからいなくなって)

終わったものは視界からいなくなって

(いまじゃそんざいすらおもいでにないんだ)

今じゃ存在すら思い出にないんだ

(とっかえひっかえ)

取っ替え引っ替え

(にごったかんじょうがしずかににらんでるごぜんにじ)

濁った感情が静かに睨んでる午前二時

(いたんだしんぞうとたしかにしまってくのど)

痛んだ心臓と確かに締まってく喉

(めのまえのもじだけをよんでたい)

目の前の文字だけを読んでたい

(どこかへいったしおり)

何処かへ行った栞

(わかるはずもないみらいとか)

わかるはずもない未来とか

(いたいいたいみないでいたいけど)

痛い痛い見ないでいたけど

(きょうもいっぽうしろからずっとさいていげんどで)

今日も一歩後ろからずっと最低限度で

(こわれたはいきこうけってあるくぼくをおいこすしょくたくふうけい)

壊れた排気口蹴って歩く僕を追い越す食卓風景

(うたってあすをおおってたって)

歌って明日を蔽ってたって

(あすはけしてきえやしない)

明日は決して消えやしない

(みらいかくすためだけのうたなんて)

未来隠すためだけの歌なんて

(それまでのうただ)

それまでの歌だ

(やこうをさえぎるものはなにもないのに)

夜光を遮る物は何もないのに

(どうしてどうしてかげがにじんでいく)

どうしてどうして 影が滲んで行く

(かえしてかえしてなにもないしあわせをかえして)

返して返して「何もない幸せ」を返して

(くさったげんじつがころがっていてぼくをみる)

腐った現実が転がっていて僕を観る

(きっともうおそいのだろう)

きっともう遅いのだろう

(はってあったかみがいうには)

貼ってあった紙が言うには

(ここをまっすぐつきあたりがかぎやさんで)

ここを真っ直ぐ突き当りが鍵屋さんで

(ずっとめをそらしてずっとめをそらして)

ずっと目を逸らして ずっと目を逸らして

(みおぼえのないそらだ)

見覚えのない空だ

(ぼくはまいごになっていた)

僕は迷子になっていた

(もうじかんはないみらいなんておいていってしまえ)

もう時間はない未来なんて置いて行ってしまえ

(いまあるいているだけでじゅうぶんだったんだ)

今歩いているだけで充分だったんだ

(そうだげんそうだ)

そうだ幻想だ

(ぜんぶうまくいったらぜんぶおわってしまったら)

全部上手くいったら 全部終わってしまったら

(もうみらいはない)

もう未来はない

(さかないていどにてきとうでいいさ)

咲かない程度に適当でいいさ

(つねにたねをもっておこう)

常に種を持っておこう