ウォッチドッグス

(ゆるされてはいけないことばがひとのつよさをあらわすようだと)

許されてはいけない言葉が ひとの強さを表すようだと

(ぼくのあすをつくるみらいだとわかりたくはないけどわかってる)

僕の明日を作る未来だと わかりたくはないけどわかってる

(みずしらずのだれかがさだめたわけもわからぬものさしだとかで)

見ず知らずの誰かが定めた 訳も分からぬ物差しだとかで

(うそでないことさえうそになるそんなじだいにぼくはぼひょうをたてている)

嘘でないことさえ嘘になる そんな時代に僕は墓標を立てている

(どうしてどうして)

どうして どうして

(くだでつながれたこのこころはいまだしんじることすらしらない)

管で繋がれたこのこころは 未だ信じることすら知らない

(にげだしたやからのそのごをしることもしりたくもないとおもっていた)

逃げ出した輩のその後を 知ることも知りたくもないと思っていた

(よめいをつげたやぶいしゃのたぐい)

余命を告げた 藪医者の類

(いしをぶつけたやじうまのむれ)

石をぶつけた 野次馬の群

(だれのすがたがだれのことばがさいてきないのちだ)

誰の姿が 誰の言葉が 最適ないのちだ

(しょうしんしょうめいさいあいをそのてであらいながして)

正真正銘 最愛をその手で洗い流して

(なんぜんなんまんあいぞうをみにまとって)

何千何万 愛憎を身に纏って

(ばんけんをになっている)

番犬を担っている

(どうしてどうして)

どうして どうして

(あとどのくらいのちをながしてあやまちとやらをぬぐえばいいの)

あとどのくらいの血を流して 過ちとやらを拭えばいいの

(あとどのくらいのひをたきつけうそもほんとうもやきはらえばいいの)

あとどのくらいの火を焚きつけ 嘘も本当も焼き払えばいいの

(だれかのこころをねぶみしてまでもだれかのいのちをえぐりとってまでも)

誰かのこころを値踏みしてまでも 誰かのいのちを抉りとってまでも

(だれかのなみだをにごらせてまでもやさしいひとしいせかいだとよぶのか)

誰かのなみだを濁らせてまでも 優しい 等しい 世界だと呼ぶのか

(それでもあすはなにもかわらない)

それでも明日は 何も変わらない

(ぼくらのあすはなにもかわらない)

僕等の明日は 何も変わらない

(いつにどこまでなにをとうのが)

いつにどこまで 何を問うのが

(さいてきないのちだ)

最適ないのちだ

(しょうしんしょうめいいっしゅんをせつなをたぐりさばいて)

正真正銘 一瞬を 刹那を手繰り裁いて

(そのてはもうなんもさわれやしない)

その手はもう何も触れやしない

(あいせやしないんだ)

愛せやしないんだ

(しょうめいせいかいもふせいかいももうなんだっていいよ)

証明　正解も不正解ももう何だっていいよ

(なんぜんなんまんそうやって)

何千何万そうやって

(あいまいなせいぎをどうして)

曖昧な正義をどうして

(あいまいなせいぎをなんかいだってかざすのか)

曖昧な正義を 何回だってかざすのか

(どうしてどうして)

どうして どうして