有島武郎 或る女㊺

投稿者nyokesi プレイ回数163
難易度(4.5) 7232打 長文 長文モード可 タグ長文 小説 文豪 有島武郎
順位名前スコア称号打鍵/秒正誤率時間(秒)打鍵数ミス問題日付
1 Haku 6861 S++ 7.0 97.2% 1023.9 7231 206 99 2020/02/17
2 subaru 6849 S++ 7.1 95.4% 1001.9 7210 347 99 2020/02/17
3 おっ 6287 S 6.6 95.4% 1090.5 7200 344 99 2020/02/14
4 じゃじゃ 6269 S 6.4 96.5% 1105.0 7181 253 99 2020/03/11
5 でこ 6140 A++ 6.3 97.1% 1140.3 7217 215 99 2020/02/27

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問題文

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(「ところができていたらおなぐさみ、そうでしょう?くらちさんまあこうなの。)

「ところができていたらお慰み、そうでしょう? 倉地さんまあこうなの。

(きむらがわたしをもらいにきたときにはね。いしのようにかたくすわりこんでしまって、)

木村がわたしをもらいに来た時にはね。石のように堅くすわりこんでしまって、

(まるでいのちのとりやりでもしかねないだんぱんのしかたですのよ。そのころはははたいびょうで)

まるで命の取りやりでもしかねない談判のしかたですのよ。そのころ母は大病で

(ふせっていましたの。なんとかははにおっしゃってね、ははに。わたし、わすれちゃ)

臥せっていましたの。なんとか母におっしゃってね、母に。わたし、忘れちゃ

(ならないことばがありましたわ。ええと・・・そうそう(きむらのくちょうをじょうずに)

ならない言葉がありましたわ。ええと・・・そうそう(木村の口調を上手に

(まねながら)「わたし、もしほかのひとにこころをうごかすようなことがありましたら)

まねながら)『わたし、もしほかの人に心を動かすような事がありましたら

(かみさまのまえにざいにんです」ですって・・・そういうちょうしですもの」きむらはすこしどきを)

神様の前に罪人です』ですって・・・そういう調子ですもの」木村は少し怒気を

(ほのめかすかおつきをして、とおくからようこをみつめたままくちもきかないでいた。)

ほのめかす顔つきをして、遠くから葉子を見つめたまま口もきかないでいた。

(じむちょうはからからとわらいながら、「それじゃきむらさんいまごろはかみさまのまえに)

事務長はからからと笑いながら、「それじゃ木村さん今ごろは神様の前に

(いいくらかげんざいにんになっとるでしょう」ときむらをみかえしたので、きむらも)

いいくらかげん罪人になっとるでしょう」と木村を見返したので、木村も

(やむなくにがりきったわらいをうかべながら、「おのれをもってひとをはかるひっぽう)

やむなく苦りきった笑いを浮かべながら、「おのれをもって人を計る筆法

(ですね」とこたえはしたが、ようこのことばをひにくとかいして、ひとまえでたしなめるに)

ですね」と答えはしたが、葉子の言葉を皮肉と解して、人前でたしなめるに

(してはややかるすぎるし、じょうだんとみてわらってしまうにしてはたしかにつよすぎるので、)

してはやや軽すぎるし、冗談と見て笑ってしまうにしては確かに強すぎるので、

(きむらのかおいろはみょうにぎこちなくこだわってしまっていつまでもはれなかった。)

木村の顔色は妙にぎこちなくこだわってしまっていつまでも晴れなかった。

(ようこはくちびるだけにかるいわらいをうかべながら、たんじゅうのみなぎったようなそのかおを)

葉子は口びるだけに軽い笑いを浮かべながら、胆汁のみなぎったようなその顔を

(しためでこころよげにまじまじとながめやった。そしてにがいせいりょうざいでものんだように)

下目で快げにまじまじとながめやった。そして苦い清涼剤でも飲んだように

(むねのつかえをすかしていた。やがてじむちょうがせきをたつと、ようこは、まゆをひそめて)

胸のつかえを透かしていた。やがて事務長が席を立つと、葉子は、眉をひそめて

(こころよからぬかおをしたきむらを、しいてまたもとのようにじぶんのそばちかくすわらせた。)

快からぬ顔をした木村を、しいてまたもとのように自分のそば近くすわらせた。

(「いやなやつっちゃないの。あんなはなしでもしていないと、ほかになんにもはなしの)

「いやなやつっちゃないの。あんな話でもしていないと、ほかになんにも話の

(たねのないひとですの・・・あなたさぞごめいわくでしたろうね」といいながら、)

種のない人ですの・・・あなたさぞ御迷惑でしたろうね」といいながら、

など

(じむちょうにしたようにうわめにこびをあつめてじっときむらをみた。しかしきむらのかんじょうは)

事務長にしたように上目に媚びを集めてじっと木村を見た。しかし木村の感情は

(ひどくほつれて、よういにほどけるようすはなかった。ようこをこいにいあつしようと)

ひどくほつれて、容易に解ける様子はなかった。葉子を故意に威圧しようと

(たくらむわざとなあらたまりかたもみえた。ようこはいたずらものらしくはらのなかで)

たくらむわざとな改まりかたも見えた。葉子はいたずら者らしく腹の中で

(くすくすわらいながら、きむらのかおをこういをこめためつきでながめつづけた。きむらの)

くすくす笑いながら、木村の顔を好意をこめた目つきでながめ続けた。木村の

(こころのおくにはなにかいいだしてみたいくせに、なんとなくはらのなかがみすかされ)

心の奥には何かいい出してみたいくせに、なんとなく腹の中が見すかされ

(そうで、いいだしかねているものがあるらしかったが、とぎれがちながらはなしが)

そうで、いい出しかねている物があるらしかったが、途切れがちながら話が

(こはんときもすすんだとき、とてつもなく、「じむちょうは、なんですか、よるになってまで)

小半時も進んだ時、とてつもなく、「事務長は、なんですか、夜になってまで

(あなたのへやにはなしにくることがあるんですか」とさりげなくたずねようとする)

あなたの部屋に話しに来る事があるんですか」とさりげなく尋ねようとする

(らしかったが、そのごびはわれにもなくふるえていた。ようこはわなに)

らしかったが、その語尾はわれにもなく震えていた。葉子は陥穽(わな)に

(かかったむちなけものをあわれみわらうようなびしょうをくちびるにうかべながら、)

かかった無知な獣を憫(あわれ)み笑うような微笑を口びるに浮かべながら、

(「そんなことがされますものかこのちいさなふねのなかで。かんがえてもごらんなさいまし。)

「そんな事がされますものかこの小さな船の中で。考えてもごらんなさいまし。

(さきほどわたしがいったのは、このごろはまいばんよるになるとひまなので、あのひと)

さきほどわたしがいったのは、このごろは毎晩夜になると暇なので、あの人

(たちがしょくどうにあつまってきて、さけをのみながらおおきなこえでいろんなくだらないはなしを)

たちが食堂に集まって来て、酒を飲みながら大きな声でいろんなくだらない話を

(するんですの。それがよくここまできこえるんです。それにゆうべあのひとが)

するんですの。それがよくここまで聞こえるんです。それにゆうべあの人が

(こなかったからからかってやっただけなんですのよ。このごろはたちのわるい)

来なかったからからかってやっただけなんですのよ。このごろは質の悪い

(おんなまでがたいをくむようにしてどっさりふねにきて、それはそうぞうしいんですの。)

女までが隊を組むようにしてどっさり船に来て、それは騒々しいんですの。

(・・・ほほほほあなたのくろうしょうったらない」きむらはとりつくしまをみうしなって、)

・・・ほほほほ あなたの苦労性ったらない」木村は取りつく島を見失って、

(にのくがつげないでいた。それをようこはかわいいめをあげて、むじゃきなかおをして)

二の句がつげないでいた。それを葉子はかわいい目を上げて、無邪気な顔をして

(みやりながらわらっていた。そしてじむちょうがはいってきたときとぎらしたはなしのいとぐちを)

見やりながら笑っていた。そして事務長がはいって来た時途切らした話の糸口を

(みごとにわすれずにひろいあげて、とうきょうをたったときのもようをまたしさいにはなしつづけた。)

見事に忘れずに拾い上げて、東京を発った時の模様をまた仔細に話しつづけた。

(こうしたふうでかっとうはようこのてひとつでかってにまぎらされたりほごされたりした。)

こうしたふうで葛藤は葉子の手一つで勝手に紛らされたりほごされたりした。

(ようこはひとりのおとこをしっかりとじぶんのはじのなかにおいて、それがねこが)

葉子は一人の男をしっかりと自分の把持(はじ)の中に置いて、それが猫が

(ねずみでもなぶるように、かってになぶってたのしむのをやめることができなかった)

鼠でも弄(な)ぶるように、勝手に弄ぶって楽しむのをやめる事ができなかった

(とどうじに、ときどきはきむらのかおをひとめみたばかりで、むしずがはしるほど)

と同時に、時々は木村の顔を一目見たばかりで、虫唾が走るほど

(けんおのじょうにかりたてられて、われながらどうしていいかわからない)

厭悪(けんお)の情に駆り立てられて、われながらどうしていいかわからない

(こともあった。そんなときにはただいちずにふくつうをこうじつにして、ひとりになって、)

事もあった。そんな時にはただいちずに腹痛を口実にして、一人になって、

(はらだちまぎれにありあわせたものをとってゆかのうえにほうったりした。もうなにもかも)

腹立ち紛れにあり合わせたものを取って床の上にほうったりした。もう何もかも

(いってしまおう。もてあそぶにもたらないきむらをちかづけておくにはあたら)

いってしまおう。弄(もてあそ)ぶにも足らない木村を近づけておくには当たら

(ないことだ。なにもかもあきらかにしてきぶんだけでもさっぱりしたいとそうおもうことも)

ない事だ。何もかも明らかにして気分だけでもさっぱりしたいとそう思う事も

(あった。しかしどうじにようこはせんじゅつかのれいせいさをもって、じっさいもんだいをかんじょうにいれる)

あった。しかし同時に葉子は戦術家の冷静さをもって、実際問題を勘定に入れる

(こともわすれはしなかった。じむちょうをしっかりじぶんのてのなかににぎるまでは、そうけいに)

事も忘れはしなかった。事務長をしっかり自分の手の中に握るまでは、早計に

(きむらをにがしてはならない。「やどやきめずにわらじをぬぐ」・・・ははが)

木村を逃がしてはならない。「宿屋きめずに草鞋(わらじ)を脱ぐ」・・・母が

(こんなことをようこのちいさいときにおしえてくれたのをおもいだしたりして、ようこはひとりで)

こんな事を葉子の小さい時に教えてくれたのを思い出したりして、葉子は一人で

(にがわらいもした。そうだ、まだきむらをにがしてはならぬ。ようこはこころのなかにかき)

苦笑いもした。そうだ、まだ木村を逃がしてはならぬ。葉子は心の中に書き

(しるしてでもおくように、うわめをつかいながらこんなことをおもった。またあるときようこの)

記してでも置くように、上目を使いながらこんな事を思った。またある時葉子の

(てもとにべいこくのきってのはられたてがみがとどいたことがあった。ようこはふねへなぞあてて)

手もとに米国の切手のはられた手紙が届いた事があった。葉子は船へなぞあてて

(てがみをよこすひとはないはずだがとおもってひらいてみようとしたが、またれいの)

手紙をよこす人はないはずだがと思って開いて見ようとしたが、また例の

(いたずらなこころがうごいて、わざときむらにかいふうさせた。そのないようがどんなもので)

いたずらな心が動いて、わざと木村に開封させた。その内容がどんなもので

(あるかのそうぞうもつかないので、それをきむらによませるのは、ぶきをあいてにわたして)

あるかの想像もつかないので、それを木村に読ませるのは、武器を相手に渡して

(おいて、じぶんはすででかくとうするようなものだった。ようこはそこにきょうみをもった。)

置いて、自分は素手で格闘するようなものだった。葉子はそこに興味を持った。

(そしてどんなふいななんだいがもちあがるだろうかと、こころをときめかせながらけっかを)

そしてどんな不意な難題が持ち上がるだろうかと、心をときめかせながら結果を

(まった。そのてがみはようこにかんたんなあいさつをのこしたままじょうりくしたおかからきたもの)

待った。その手紙は葉子に簡単な挨拶を残したまま上陸した岡から来たもの

(だった。いかにもひとがらにふにあいなへたなじたいで、ようこがひょっとするとじょうりくを)

だった。いかにも人柄に不似合いな下手な字体で、葉子がひょっとすると上陸を

(みあわせてそのままかえるということをきいたが、もしそうなったらじぶんもだんぜん)

見合わせてそのまま帰るという事を聞いたが、もしそうなったら自分も断然

(きちょうする。きちがいじみたしわざとおわらいになるかもしれないが、じぶんにはどう)

帰朝する。気違いじみたしわざとお笑いになるかもしれないが、自分にはどう

(かんがえてみてもそれよりほかにみちはない。ようこにはなれてろぼうのひとのあいだにごしたら)

考えてみてもそれよりほかに道はない。葉子に離れて路傍の人の間に伍したら

(それこそきょうきになるばかりだろう。いままでうちあけなかったが、じぶんはにほんでも)

それこそ狂気になるばかりだろう。今まで打ち明けなかったが、自分は日本でも

(くっしなごうしょうのみうちにひとりごとうまれながら、からだがよわいのとははが)

屈指な豪商の身内に一人子(ひとりご)と生まれながら、からだが弱いのと母が

(ままははであるために、ちちのじひからようこうすることになったが、じぶんにはここくが)

継母であるために、父の慈悲から洋行する事になったが、自分には故国が

(したわれるばかりでなく、ようこのようにしたしみをおぼえさしてくれたひとはないので、)

慕われるばかりでなく、葉子のように親しみを覚えさしてくれた人はないので、

(ようこなしにはいっこくもがいこくのつちにあしをとめていることはできぬ。きょうだいのないじぶんには)

葉子なしには一刻も外国の土に足を止めている事はできぬ。兄弟のない自分には

(ようこがぜんせからのあねとよりおもわれぬ。じぶんをあわれんでおとうととおもってくれ。)

葉子が前世からの姉とより思われぬ。自分をあわれんで弟と思ってくれ。

(せめてはようこのこえのきこえるところかおのみえるところにいるのをゆるしてくれ。じぶんは)

せめては葉子の声の聞こえる所顔の見える所にいるのを許してくれ。自分は

(それだけのあわれみをえたいばかりに、かぞくやこうけんにんのそしりもなんとも)

それだけのあわれみを得たいばかりに、家族や後見人のそしりもなんとも

(おもわずにきこくするのだ。じむちょうにもそれをゆるしてくれるようにたのんでもらい)

思わずに帰国するのだ。事務長にもそれを許してくれるように頼んでもらい

(たい。ということが、すこしあまい、しかししんそつなねつじょうをこめたぶんたいでながながとかいて)

たい。という事が、少し甘い、しかし真率な熱情をこめた文体で長々と書いて

(あったのだった。ようこはきむらがとうままにつつまずおかとのかんけいをはなしてきかせた。)

あったのだった。葉子は木村が問うままに包まず岡との関係を話して聞かせた。

(きむらはかんがえぶかく、それをきいていたが、そんなひとならぜひあってはなしをしてみたい)

木村は考え深く、それを聞いていたが、そんな人ならぜひあって話をしてみたい

(といいだした。じぶんよりいちだんわかいとみると、かくばかりかんだいになるきむらをみて)

といい出した。自分より一段若いと見ると、かくばかり寛大になる木村を見て

(ようこはふかいにおもった。よし、それではおかをとおしてくらちとのかんけいをきむらにしらせて)

葉子は不快に思った。よし、それでは岡を通して倉地との関係を木村に知らせて

(やろう。そしてきむらがしっととふんぬとでまっくろになってかえってきたとき、それを)

やろう。そして木村が嫉妬と憤怒とでまっ黒になって帰って来た時、それを

(おもうままあやつってまたもとのさやにおさめてみせよう。そうおもってようこはきむらの)

思うままあやつってまた元の鞘に納めて見せよう。そう思って葉子は木村の

(いうままにまかせておいた。つぎのあさ、きむらはふかいかんげきのいろをたたえてふねにきた。)

いうままに任せて置いた。次の朝、木村は深い感激の色をたたえて船に来た。

(そしておかとかいけんしたときのようすをくわしくものがたった。おかはおりえんたる・ほてるの)

そして岡と会見した時の様子をくわしく物語った。岡はオリエンタル・ホテルの

(りっぱないっしつにたったひとりでいたが、そのほてるにはたがわふさいもどうしゅくなので、)

立派な一室にたった一人でいたが、そのホテルには田川夫妻も同宿なので、

(にほんじんのでいりがうるさいといってこまっていた。きむらのほうもんしたというのを)

日本人の出入りがうるさいといって困っていた。木村の訪問したというのを

(きいて、ひどくなつかしそうなようすででむかえて、あにでもうやまうようにもてなして、)

聞いて、ひどくなつかしそうな様子で出迎えて、兄でも敬うようにもてなして、

(ややおちついてからかくしだてなくしんそつにようこにたいするじぶんのしょうけい)

やや落ち付いてから隠し立てなく真率に葉子に対する自分の憧憬(しょうけい)

(のほどをうちあけたので、きむらはじぶんのいおうとするこくはくを、たにんのくちから)

のほどを打ち明けたので、木村は自分のいおうとする告白を、他人の口から

(まざまざときくようなせつなじょうにほだされて、もらいなきまでしてしまった。)

まざまざと聞くような切な情にほだされて、もらい泣きまでしてしまった。

(ふたりはたがいにあいあわれむというようななつかしみをかんじた。これをえんにきむらは)

二人は互いにあいあわれむというようななつかしみを感じた。これを縁に木村は

(どこまでもおかをおとうとともおもってしたしむつもりだ。が、にほんにかえるけっしんだけはおもい)

どこまでも岡を弟とも思って親しむつもりだ。が、日本に帰る決心だけは思い

(とどまるようにすすめておいたといった。おかはさすがにそだちだけにじむちょうと)

とどまるように勧めて置いたといった。岡はさすがに育ちだけに事務長と

(ようことのあいだのいきさつをそうぞうにまかせて、はしたなくきむらにかたることはしなかった)

葉子との間のいきさつを想像に任せて、はしたなく木村に語る事はしなかった

(らしい。きむらはそのことについてはなんともいわなかった。ようこのきたいはまったく)

らしい。木村はその事についてはなんともいわなかった。葉子の期待は全く

(はずれてしまった。やくしゃべたなために、せっかくのしばいがしばいにならずに)

はずれてしまった。役者下手なために、せっかくの芝居が芝居にならずに

(しまったことをものたらなくおもった。しかしこのことがあってからおかのことがときどきようこの)

しまった事を物足らなく思った。しかしこの事があってから岡の事が時々葉子の

(あたまにうかぶようになった。おんなにしてもみまほしいかのきゃしゃなせいしゅんのすがたがどうか)

頭に浮かぶようになった。女にしてもみまほしいかの華車な青春の姿がどうか

(するといとしいおもいでとなって、ようこのこころのすみにひそむようになった。)

するといとしい思い出となって、葉子の心のすみに潜むようになった。

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