「こころ」1-27 夏目漱石

順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | pechi | 6742 | S+ | 7.4 | 91.2% | 223.5 | 1667 | 160 | 36 | 2025/06/30 |
2 | きりん | 6315 | S | 6.5 | 96.3% | 247.8 | 1626 | 61 | 36 | 2025/06/23 |
3 | mipo | 4840 | B | 5.0 | 95.4% | 320.0 | 1627 | 78 | 36 | 2025/07/27 |
4 | ko | 3217 | E++ | 3.7 | 88.1% | 443.5 | 1649 | 222 | 36 | 2025/08/18 |
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問題文
(わたくしはまだそのあとにいうべきことをもっていた。)
私はまだその後にいうべき事をもっていた。
(けれどもおくさんからいたずらにぎろんをしかけるおとこのようにとられては)
けれども奥さんから徒らに議論を仕掛ける男のように取られては
(こまるとおもってえんりょした。)
困ると思って遠慮した。
(おくさんはのみほしたこうちゃぢゃわんのそこをのぞいてだまっているわたくしをそらさないように、)
奥さんは飲み干した紅茶茶碗の底を覗いて黙っている私を外らさないように、
(「もういっぱいあげましょうか」ときいた。)
「もう一杯上げましょうか」と聞いた。
(わたくしはすぐちゃわんをおくさんのてにわたした。)
私はすぐ茶碗を奥さんの手に渡した。
(「いくつ?ひとつ?ふたっつ?」)
「いくつ?一つ?二ッつ?」
(たえなものでかくざとうをつまみあげたおくさんは、わたくしのかおをみて、)
妙なもので角砂糖をつまみ上げた奥さんは、私の顔を見て、
(ちゃわんのなかへいれるさとうのかずをきいた。)
茶碗の中へ入れる砂糖の数を聞いた。
(おくさんのたいどはわたくしにこびるというほどではなかったけれども、)
奥さんの態度は私に媚びるというほどではなかったけれども、
(さっきのつよいことばをつとめてうちけそうとするあいきょうにみちていた。)
先刻の強い言葉を力めて打ち消そうとする愛嬌に充ちていた。
(わたくしはだまってちゃをのんだ。のんでしまってもだまっていた。)
私は黙って茶を飲んだ。飲んでしまっても黙っていた。
(「あなたたいへんだまりこんじまったのね」)
「あなた大変黙り込んじまったのね」
(とおくさんがいった。)
と奥さんがいった。
(「なにかいうとまたぎろんをしかけるなんて、しかりつけられそうですから」)
「何かいうとまた議論を仕掛けるなんて、叱り付けられそうですから」
(とわたくしはこたえた。)
と私は答えた。
(「まさか」とおくさんがふたたびいった。)
「まさか」と奥さんが再びいった。
(ふたりはそれをいとくちにまたはなしをはじめた。)
二人はそれを緒口にまた話を始めた。
(そうしてまたふたりにきょうつうなきょうみのあるせんせいをもんだいにした。)
そうしてまた二人に共通な興味のある先生を問題にした。
(「おくさん、さっきのつづきをもうすこしいわせてくださいませんか。)
「奥さん、先刻の続きをもう少しいわせて下さいませんか。
(おくさんにはからなりくつときこえるかもしれませんが、)
奥さんには空な理屈と聞こえるかも知れませんが、
(わたくしはそんなうわのそらでいってることじゃないんだから」)
私はそんな上の空でいってる事じゃないんだから」
(「じゃおっしゃい」)
「じゃおっしゃい」
(「いまおくさんがきゅうにいなくなったとしたら、せんせいはげんざいのとおりで)
「今奥さんが急にいなくなったとしたら、先生は現在の通りで
(いきていられるでしょうか」)
生きていられるでしょうか」
(「そりゃわからないわ、あなた。そんなこと、せんせいにきいてみるよりほかに)
「そりゃ分らないわ、あなた。そんな事、先生に聞いて見るより外に
(しかたがないじゃありませんか。わたしのところへもってくるもんだいじゃないわ」)
仕方がないじゃありませんか。私の所へ持って来る問題じゃないわ」
(「おくさん、わたくしはまじめですよ。だからにげちゃいけません。)
「奥さん、私は真面目ですよ。だから逃げちゃいけません。
(しょうじきにこたえなくっちゃ」)
正直に答えなくっちゃ」
(「しょうじきよ。しょうじきにいってわたしにはわからないのよ」)
「正直よ。正直にいって私には分らないのよ」
(「じゃおくさんはせんせいをどのくらいあいしていらっしゃるんですか。)
「じゃ奥さんは先生をどのくらい愛していらっしゃるんですか。
(これはせんせいにきくよりむしろおくさんにうかがっていいしつもんですから、)
これは先生に聞くよりむしろ奥さんに伺っていい質問ですから、
(あなたにうかがいます」)
あなたに伺います」
(「なにもそんなことをひらきなおってきかなくってもいいじゃありませんか」)
「何もそんな事を開き直って聞かなくっても好いじゃありませんか」」
(「まじめくさってきくがものはない。わかりきってるとおっしゃるんですか」)
「真面目くさって聞くがものはない。分り切ってるとおっしゃるんですか」
(「まあそうよ」)
「まあそうよ」